甲斐駒ヶ岳-摩利支天 〜異空間〜 S12
- GPS
- 08:20
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 1,285m
- 下り
- 1,296m
コースタイム
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 0:54
- 合計
- 8:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
当日 北沢峠発 13:10 広河原着 13:35、発 14:00 甲府駅着 16:00、発17:26 |
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂への直登コース、混んでいるときは避けた方が良いかもしれない。渋滞して巻道より大幅に遅れているようだった。 |
その他周辺情報 | こもれび山荘 評判どおり過ごしやすい。電気は来てるし、ガス湯沸器備え、1階は仕切りカーテン付、そして何より予約制、素泊り5,500円。 |
予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
写真
感想
新宿から甲府まで4時間、中央道の渋滞は思いのほか激しかった。車中、次の便に乗って広河原から3時間歩く、諦めて甲府に前泊し翌日、雨乞岳に登る、悲しいほど代替案が浮かんできた。結局、甲府駅には11時58分着、1番乗り場には、多くの登山者が12時5分発の広河原行きバスを待ちわびていた。奇跡的な乗り換え、しかも24人目の乗車、着席もできた。翌日の多少の困難は乗り切れる、そう思った。
広河原で1時間の待ち合わせ。インフォメーションセンターには、連休の喧騒とは程遠い、のどかな時間が流れていた。そして、こもれび山荘へは午後3時25分の到着。受付を済ましたのち、1階の、カーテンで仕切ることのできる空間に通された。8月初めの予約の際、「できれば…」の要望に応えてくれた。嬉しくなって、外のテラスで早々にカップ麺、コーヒーを食す。爽やかな風が心地よかった。
翌朝、4時には食堂の照明が点灯、多くの人が朝食(弁当と味噌汁)と支度を整え始めた。素泊まりの私は、テラスでスコーンとコーヒー。不要の荷物を置き、5時前に出発した。もう夜明け前の登山道には慣れてしまった。頼りない灯りでも、ペースを保ち、支障なく進める。小鳥の囀り第一声が聞こえた。厚い雲の下、樹林帯の中、いつ夜明けが訪れたのかわからないところだった。
出発から1時間弱、ようやく呼吸が整った。樹間から覗く青空に微かな期待を抱く。稜線に出てから間もなく双児山に到達、静かな時間を味わう。先行者も後続も無く、なぜか小鳥の囀りも聞こえなかった。やがて左手に、朝陽を浴びて輝く鋸岳。目前には駒津峰への急登が迫っていた。
振り返れば仙丈ヶ岳、遠く目を凝らせば中央アルプス、御岳山が雲海に浮かぶ。すでに雲上、空が高い。駒津峰の頂を前にして、駒ヶ岳がその威風堂々たる姿を現した。それは逆光ゆえ、より一層迫力を増していた。7時17分、コースタイム9掛けの時間どおりに到着した。北岳、間ノ岳そして鳳凰三山の向こうに富士山がいる。仙水峠から上がって来た登山者の姿を見て、連休の山にいることを思い出した。
岩場を急降下してゆく。鞍部から見上げるその姿に心惹かれた。直登コースを選ばず、巻道を進む。摩利支天が近づく。ザレた道を慎重に進み、ふと見上げれば山頂が捉えられる。久しぶりに山で見る一面の青空。直下の疲労が吹き飛ぶ。
午前8時36分、美しき山の頂に到達、あまりにも出来すぎた眺望に息を呑む。雲海が山々を引き立たせていた。いつまでもそこに居たかったが、第二の目的地に向かう時間が訪れた。
摩利支天の往復は、予想以上に厳しく感じた。直下の岩場も何故か駒ヶ岳のそれよりも険しく思えた(ルートを外していたらしい)。そして山頂には信仰の山らしき情景が広がっていた。うまく言えないが、そこには周囲と異なる空気が在ったのだ。独り、少しだけ近づいた富士山を眺め、ここにいることに感謝した。
駆け下り、登山道に復帰する。多くの人々とすれ違いながら駒津峰を目指す。その直前、振り返り、その雄姿を目に焼き付けた。また来たい、珍しくそう思った。
駒津峰からは仙水峠への道を進む。程なくして木々に囲まれた。長い下山の開始、ひどく疲労を感じていた。無理をした訳ではないのに足元が覚束無い。情けなく思いながらゆっくり慎重に下りた。それでも一度足を滑らせた。
仙水峠に着く頃に、山頂からの下山途中ですれ違った二人の女性が追いついた。よく考えれば、私が摩利支天の往復に時間を費やしたためだが、そのときは、そこまで遅い歩みなのかと少しだけショックを覚えた。私にとっては歩きやすいゴーロを進むも、歩は速まらず、気が急いてばかりいた。
仙水小屋の立入り禁止ロープを横目に見る頃、彼女たちは難なく追い越して行った。沢沿いの道を無心で下る。色とりどりのテントが目に映り、長衛小屋に着いた。ペットボトルの炭酸から目を逸らせずに小屋の戸を開く。思いきり顔を上げ、一気に流し込んだ。青空が眩しかった。
kimichin2様
こんにちは。
バスの乗り継ぎがうまくいって本当によかったです。
お宿も御希望がかなって、落ち着いた時間を過ごされたのかなあと少し安心しました。
稜線に出れば、お山が見える世界!!
「駒ヶ岳現わる」、太陽のスポットライトが演出してくれています。
映画のフィルムの一コマ一コマが映し出される中を一歩一歩進まれていらっしゃるような、そんな感じがしました。
雲海の向こうの富士山のお写真、「うわあー、いいなあ」と思わず叫んでしまいました。
青空のまぶしさは、夏の余韻でしょうか。
本当におつかれさまでした。
変わりやすい気候の折、くれぐれもお身体には充分お気をつけください。
reochi19様
こんばんは。
久々に再訪したい山に巡り会えました。
美しく堂々たる山容に魅かれますが、登ってみてその良さを十分に理解できました。
駒ヶ岳以上に強い感銘を受けたのが摩利支天です。
これまで登ったどの山よりも気高く、俗世にまみれない崇高さを感じました。
予定どおりのアプローチを何とか達成できたこと、この上ない天候に恵まれたこと、
かろうじて無事に下山できたこと、様々な感謝でいっぱいです。
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