記録ID: 1352469
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈
年始カムイエクウチカウシ山 札内川八ノ沢左岸尾根At
2017年12月31日(日) 〜
2018年01月05日(金)
NamuC
その他3人
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 159:53
- 距離
- 26.4km
- 登り
- 2,364m
- 下り
- 990m
コースタイム
1日目
- 山行
- 12:27
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 12:50
5:28
87分
スタート地点
18:18
宿泊地
2日目
- 山行
- 5:22
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:22
3日目
- 山行
- 14:05
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:05
1:43
845分
宿泊地
15:48
宿泊地
4日目
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
16:13
5日目
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 9:50
10:40
ゴール地点
天候 | 31日:発達する低気圧の前面。快晴。夜にはガス。 1日:低気圧の通過。気温高く湿雪。 2日:低気圧含む気圧の谷の中。ガス、一日中雪。 3日:次第に冬型の気圧配置に。岩稜先で視界不良、強風のため時間待ちするも回復間に合わず引き返し。昼過ぎから徐々にガスとれて雪もやみ夜には快晴。 4日:冬型が緩んでいく。うす曇り、視界無限大。風は沢から少し吹き上げがある程度で基本無風。 5日:ゆるみの中。快晴。朝は恐ろしく寒かった。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
31日: 札内川ダムのゲートから出発。真っ暗なトンネルを7つほど抜けて札内川ヒュッテ着。中のノートに意気込みを書いておく。ここから先もひたすら林道を歩き。快晴で悔しい。地図上林道が夏道に変わる辺りから雪崩怖そうな沢型が出てくる。今回は既にデブリがあって沢型には雪がたまってなかったので普通に通過。そんなこんなで七ノ沢出合。スキーはここにデポ。七ノ沢方面には日高横断道路の立派な橋。これができていればなぁ。ここから先は渡渉区間。かなり微妙な感じのアイスブリッジなんかも使ったが、長靴は使わずに済んだ。八ノ沢出合までラッセルはほぼなし。そのかわり冬合宿で雨を降らせた低気圧によるものか、恐ろしいクラスト層があり既にバリズボのところがあった。明日以降の行動が思いやられる。今日の行動はここまで。札幌の皆さんに大量に差し入れをいただいたので消費することにする。皆さんありがとうございました。今日の夜食計は雑煮、差し入れのエビもついでにぶち込む。おいしい。去年は旭岳に向かう車の中で年越しを迎えたなとか思い出しつつ就寝。sLはラジオで紅白を聴いていた。 1日: 朝食計はちらし寿司+豚の煮物。おいしい。素晴らしい年明けだ。とか思ってテントの外に出ると湿雪。知ってた。今日はコンタ上げの一日。CTは6.5だがこの雪質は...最悪だった。バリズボのクラスト層の下には一切固まっていないサラッサラのグラニュー糖雪。マジでやばい。後続が楽かと言われればそんなこともなく先頭に比べ雪が落ちていくせいで恐ろしく急になっている。仕方ないのでbushを掴みながらよじ登る。沢登りの巻き道のようだ。最初のコンタ100あげるだけで2時間近くかかった。絶望しかない。地図上タラく見えるところ以外は本当に急。何度も帰りたくなった。湿雪でヤッケやザックはびしょびしょになるしもう嫌だ。sLもガチ切れしている。そういえばテンバ適地はCo1200位までタラいところに何か所かあった。まぁ初日でここまで頑張って上げる位なら水が自由に使える八ノ沢出合にテンパってた方がいいと思う。今日は1650のKLまで上げる予定だったが8.5経っても未だ1570手前。いよいよ濡れやら疲れやらが深刻なのでもう1570にテンパることにする。ここは電波若干入る。明日は冬型決まって晴れ...かと思ったがなんか石狩湾に低気圧がある。これ晴れないやつでは?とりあえず明日3時に起きて様子見ることにする。ペミカン食べて就寝。 2日: 3時起き。外を見るとガス&雪。概況も見てみるがあんまよくなさそう。装備もまだ濡れていて低体温症が懸念されるのでstay決定。二度寝する。起きたら11時だった。stay食のスパゲッティ食べて今日一日は物を乾かすことに徹底する。sLのヤッケと二年生のオーバーズボンがやばい。沢登りでもしてきたのかという位濡れている。行動しなくてよかった。結局一日中ガスが取れることも、雪がやむこともなかった。概況によると明日は徐々に冬型が決まっていくらしい。予想天気図を見ると厄介なポコLはまだ残り続けるらしい、いい加減にしろ。上手く冬型が決まってくれることを期待して就寝。 3日: 3時起床5時出発。外は月が朧に見える感じ。行けるかも?と期待する。それにしてもラッセルがひどい。ここ2日位ずっと降り続けていたので無理もないが、キッツイ。topはかなり辛そうだ。岩稜手前まで来ても未だSS。ズボズボだがSSでいくわけにもいかないのでEPに替えて進む。時たまガスの中から太陽が姿を見せるとPartyから歓声が上がる。もっと晴れろ〜。さてここから核心の岩稜だが大したことはなかった。適当に上行ったり八ノ沢側入って巻いたりするだけ。一部上から沢側に下すときにBSとかはあったがズボズボな上、視界もないので高度感なく簡単。全体的に偵察とかも要らない位だった。というか細くてたまる場所もあまりないので偵察いれて合わせて、とかそういった進め方はしないほうがいいと思った。ルートどりはtopに任せて進めた方が無難だろう。岩稜は終わったが視界は未だ開けない。風も八ノ沢から吹上が強い。さすがに進めないので時間待ち。寒くてゴクい。1.5程待ったがむしろ視界がなくなった。地吹雪で視界50始位まで落ちる、無念の引き返し。岩稜は帰りのほうが難しい。雪がとれたせいか岩が行きより当たりやすいし、行きは腰ついてよいしょと降ろせた所が足元の雪が崩れたせいでかなり大きな一歩になってたりする。topは緊張感あると思うが、ルート状況的には後続のほうが辛いと思った。Partyのオーダーは考える必要があるだろう。岩稜終わり、SSに替えて1570まで下る。皆今日にかけていたのでかなり気力が削がれた。明日は無事ポコLが消えて冬型が決まるらしい。外もだんだん晴れて夜はピラミッドが超かっこいい。明日Atするとメンバーの予定的にもかなりギリギリだが行くしかない!ってことでぺミカン食べて気合入れる。明日こそは...。 4日: 3時起床5時出発。完璧な星空と満月に思わずガッツポーズ。トレースもやや残っていて昨日より大幅にCT巻いて岩稜着。EPに替えて進むがこれがまたすごい高度感。ルート取りはたいして変わらないがtrvり一つとっても緊張感は昨日とは大違いだ。転んだら終わりである。謎に1903手前に雪稜ができてるのでちょっと見てみるが大したことはなかった。1903先は雪の付き方変わったのかそのまま上行くと前爪C.D.2~3歩とかいう恐ろしい場所が出てきたのでBSで八ノ沢側降ろしてtrvる。こっちはこっちで岩当たって怖かったが前爪よりはマシ。さすがにここはCL-sLで偵察した。あとは上行ったり八ノ沢側巻いたりして岩稜終了。九ノ沢側はあまり入る気にならなかった。朝日が照らし、橙色に染まる日高の主稜は美しい。その稜線の先にはカムエクが雄々しく聳え立つ。言葉では言い表せない。うす曇り無風、概況も冬型なのでP atを決行。しかしここからもズボズボ、一部桃まで埋まる。主稜とは、樹林外とは一体何なのだろうか。topは辛そうだ。八ノ沢側にやや吹き溜まっているが特に問題にはならない。1890-1900区間の白雪庇が出るとかいう所は確かに南側にそれっぽいのはあるが小さいし尾根広いしで問題にならない。P手前の岩稜とかいうやつは適当に。そしてついにP。日高が丸見え、快晴無風のPである。辛く苦しい5日間であったがこれ以上の感動と達成感はない。素晴らしい山だ。南西稜からいらっしゃった方に写真をとってもらう。下山までのほんの10数分ほどだったが、各々Pを満喫できた。というわけで明日の昼までのゲート着を目指して下山開始。岩稜は行きと同じところを帰る。やはり緊張感がすごい。SSに替え、下りだす。1570のテンバでデポ品を回収し、七ノ沢出合を目指してさらに下る。下りなのでラッセルは楽だが急。半分滑落しながら下る。八ノ沢出合で長靴回収。メンバーは半分位顔が死んでいるが今日中に七ノ沢までは行きたい。頑張って進む。ここからもラッセルがやばい。行きとは大違いだ。CLも交えて4人で回す。精根尽き、日没も間近なので仲ノ沢先であきらめてテンパる。あまりの疲れとエネルギー不足、脱水からか体調不良になったようで恐ろしく気持ち悪かった。本当にゴクイ山行だったがこれも明日で終わり。スパゲッティ食べてお茶飲んで寝る。寒い...。 5日: 1時半起床。晴れていて、外は月明りでとても明るい。が、その分寒い。指が痛くて痛くて仕方ない。今日もラッセル、もちろんトレースなど一切ない。七ノ沢でスキーに替え、またラッセル。沢型は離して通過した。食料も尽き、火器(非常時分を除いて)も付き、体力も尽きた我々にできるのはただ気力で歩きつづけることだけである。札内川ヒュッテでノートを開くとこの年末年始でカムエクに入山していた方々の熱いメッセージが残っていた。無事帰ってきたことを記し先へ。行きは何も感じなかったトンネルが無限に長く感じた。喉が渇く、焼ききれそうだ。腕が、脚が悲鳴を上げている。かつてこんなに辛い山行があっただろうか。そうして七つのトンネルを抜け、やっとゲート着。しかしどうやらここ数日の積雪のため一般用のゲートはピョウタンの滝で閉まっているらしい(親切な山岳会の人が教えてくれた。管理所までは除雪入っているので知らなかったら日没までダムのゲートで待ち続けるところだった)。嘘だろう。どこまで我々の行く手を阻むのか。仕方ないので4km余分に歩く。迎えのドライバーには圧倒的感謝。メンバーの用事ために高速使って帰札。途中寄ったセイコーマートで飲んだコーラはとてもおいしかった。色々恵まれないことが多かったが、こうして振り返ってみると素晴らしい山行であったように思う。20代の初め、自分にとって大きな節目となる2018年をこのPartyで、この偉大な山の頂から始められることができて本当によかった。 まぁ、本当は右岸-左岸乗越がしたかったんですけどね、初見さん。 |
写真
撮影機器:
装備
個人装備 |
アウターシェル
インナー
スパッツ
手袋(薄手・厚手・オーバー手袋)
靴下
帽子
ネックウォーマー
ナイフ
笛
コンパス
ビーコン
地図
目出帽(バラクラバ)
サングラス
ゴーグル
アイゼン
ライター
缶メタ
ナイロンシート
シュラフ
シュラフカバー
ロールマット
銀マット
細引き(φ6mm×10m)
ポリタンク
コッヘル
スプーン
防寒具
ラテルネ
天気図セット
充電器
携帯
ピッケル
スキー
シール
ストック
スコップ
プローブ
カラビナ(外付け確保用)
スノーシュー
|
---|---|
共同装備 |
テント
のこぎり
スノーソー
鍋
火器(EPI)
長靴
|
備考 | 火器はEPI金缶を大3缶持って行ったが、結構ぎりぎりだった。湿雪による濡れをあまり想定していなかったためだが、もう少し多めに持っていけばよかった。 スキーは林道ラッセルのために持って行った。帰りは非常に有用だった。 |
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