米倉(阿賀の里山)
- GPS
- --:--
- 距離
- 5.9km
- 登り
- 411m
- 下り
- 411m
コースタイム
- 山行
- 4:40
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:40
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
多分、昨年、阿賀町の引入沢山南峰に登った時に、南西方向に目に付く山が見えた。地図を見ると三角点がある。山名は記載されていない。山を下りて畑仕事をしている小父さんに山の名前を聞いてみると「よねくら」と教えてくれた。漢字ではどう書くのか気になって家の「蔵」ですかと聞いてみた。「そうだ、家の蔵だ」とおっしゃった。つまり「米蔵」である。しかし、時間がたつにつれて、「倉」ではないかとの疑念が生じてきた。近くの山には「倉」が多いのだ。兎ヶ倉山・持倉山・竹ノ倉山等々。
三角点が有るので国土地理院のHPで検索出来るはずだ。国土地理院の点名が正確だとは断言できないが、そこまで調べる気はなく放置していた。それがまた近くに行く機会が有り、行き合わせた人に聞いてみた。その人は、明確に「倉」だと言い切った。この辺の山には岩が多いので私も納得である。登山道は無いが、林道を進んで行って、登ることは出来る、と言っていた。これが米倉との関わりの始まりである。
午前中は晴れの予報につられて米倉へ出かける。計画書はだいぶ前に作っていたのでそれを利用する。冬なので確実に利用できる麒麟山の駐車場を利用するつもりだったが、そこから歩くと登山口まで往復一時間はかかりそうだった。駄目もとで登山口近くまで車を進めると、ちょうどブルドーザーで排雪したスペースがあったのでそこに車を停める。一時間のアドバンテージ、幸先の良い出足である。
林道は除雪されていて、これまたアドバンテージだと思ったが、除雪区間は直ぐに終わっていた。しかし、これは予定していた林道ではなさそうだ。少し戻ってみたが他には道は無かった。地図を見ると、この道は、小さなダム(溜池?)の脇を行く道である。これを進んでも米倉に登ることが出来る。計画を変更してこの道を進む。地図に前田川と記載のある川沿いの道で、途中で前田川を渡って米倉に登ることにする。少し進むとダムが有る。湖面は雪に埋もれている。短いトンネルをくぐると左手にデブリが道を塞いでいた。岩の斜面から落ちた雪崩である。デブリを越えてさらに進む。
さて、どこから沢を渡るか。それが問題だが、天気は良いし、雪は適度に締まっていて歩きやすい。時間もたっぷりあり、ただ漫然と進んでしまった。すると、またダムが現れた。雪で覆われているがゲートがあり、地形から判断してもダムである。これは頭に入っていなかった。米倉は通り過ぎてしまったようだ。空も開けて来てかなり登ってきたことはわかる。しかし、周りは山ばかりで見当がつかない。尾根まではわずかな登りだ。尾根に登って偵察するのが手っ取り早い。
進行方向右手の斜面を登る。こう配は急だが距離が短く助かる。まあ、それはそれまで“無駄”に歩いた来たことの証左でもある。尾根に登って見ると、見覚えのある山が見えた。名前は思い出せないが、米倉を通り越したことは間違いない。その右手奥の尖峰は兎ヶ倉山だ。林道は、そちらに向かっているが、多分行きどまりのはずだ。
見覚えのある山は、多分、前山だ。とするとこの山の山稜を北へ向かえば米倉である。今いるところは枝稜だから米倉へは主稜線に乗らなければいけない。奥阿賀の豪雪地帯だけあって豊かな雪が斜面を覆っている。日当りのいい斜面は、すでに亀裂が入っているところもあり、崩れ始めたところも見うけられた。しかし、主稜線に上がらなければ何事も始まらない。こういう場合、カモシカのトレースは、参考になることが多い。山の動物は、いいところを登っているのだ。本能的なものであろう。私も後に続く。稜線に這いあがると一気に展望が広がる。引入沢山南峰、引入沢山、棒掛山、蒜場山と並び立つ光景は圧巻だ。里山といっても侮れない迫力ある光景だ。際立つのは蒜場山の白さ。いい眺めである。
尾根は、結構広くなだらかで歩きやすかった。立木も疎らで飯豊連峰もうっすらと眺められた。餅倉山が眼前だ。標高は低いが今にも雪崩落ちそうな急峻な迫力の山肌。餅倉山は、未だに登っていない。これもいつかは登ってみたいものである。なだらかな稜線を進み、米倉へ最後の登り。広い斜面。疎らに木々が生えている。大した高低差では無いが、直登で一気には登れず、大きくジグザグに登る。新雪が30cm位。染み一つ無いふかふかの雪。気分のいい歩きである。陽が雪に当たってキラキラと輝いている。
さあ、後は下って沢を渡り林道に出れば終わりだ。ところが急下降の斜面だ。しかも常浪川の流域へ向かっている。このまま進めば明らかなルートの誤り。一度戻って右手へ歩きやすそうなところをトラバース気味に下り沢に降りる。沢を渡れるところは有るか、林道に簡単に登ることは出来るかが心配だったが、難なく林道に復帰できた。後はぶらぶら歩いて登山口に戻る。
当初計画を大幅に変更したが米倉に登ることは出来た。結果オーライだが、もう少し当初計画に固執して林道を探してみるべきだった。当初計画は、結果的に見れば、急な斜面を登ることになり厳しいものだった。今回、米倉からの下りは、いったん戻って、山頂をトラバースするようにルートを採ったが、そのトレースを逆に進んで山頂に立つのがベストだったと今になって思う。すぐそこに町が見えるということも緊張感を欠いた。天候の急変で吹雪にでもなったら里山といえども遭難もありうることである。またまた猛省の山行である。
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