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ヤマレコ

記録ID: 1395466 全員に公開 雪山ハイキングヨーロッパ

ワッハウ渓谷 世界遺産トレイル

日程 2018年03月03日(土) [日帰り]
メンバー
天候曇天
アクセス
利用交通機関
電車バス
ウィーンからメルクまで電車
メルクからクレムス行きのバスに乗り、デュルンシュタインまで
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地図/標高グラフ


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コースタイム [注]

日帰り
山行
2時間20分
休憩
0分
合計
2時間20分
Sスタート地点19:4822:08ゴール地点G
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
過去天気図(気象庁) 2018年03月の天気図 [pdf]

写真

メルク大修道院
2018年03月03日 10:12撮影 by iPhone 6s, Apple
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メルク大修道院
1
ドナウ河の岸辺から望む修道院
2018年03月03日 11:37撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ドナウ河の岸辺から望む修道院
2
デュルンシュタイン修道院のウェッジウッドブルーの尖塔
2018年03月03日 14:13撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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デュルンシュタイン修道院のウェッジウッドブルーの尖塔
4
登山口から修道院を望む
2018年03月03日 11:51撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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登山口から修道院を望む
登山路からのデュルンシュタイン修道院
2018年03月03日 11:54撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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登山路からのデュルンシュタイン修道院
2
急峻な石段を登る
2018年03月03日 11:58撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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急峻な石段を登る
2
デュルンシュタイン廃墟
2018年03月03日 12:03撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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デュルンシュタイン廃墟
2
ワッハウ渓谷の展望
2018年03月03日 12:05撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ワッハウ渓谷の展望
1
廃墟の直下より
2018年03月03日 12:09撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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廃墟の直下より
2
Starhembergwarteへの尾根の手前の峻険なコル、山頂は左手奥のピーク
2018年03月03日 12:16撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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Starhembergwarteへの尾根の手前の峻険なコル、山頂は左手奥のピーク
1
廃墟からデュルンシュタイン修道院を見下ろす
2018年03月03日 12:21撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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廃墟からデュルンシュタイン修道院を見下ろす
3
トレイルから廃墟を望む
2018年03月03日 12:45撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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トレイルから廃墟を望む
2
Starhembergwarteのピークが見えてきた
2018年03月03日 12:55撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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Starhembergwarteのピークが見えてきた
尾根からStarhembergwarte山頂を望む
2018年03月03日 12:56撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾根からStarhembergwarte山頂を望む
霧氷を纏ったエルムの回廊
2018年03月03日 13:17撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷を纏ったエルムの回廊
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山頂の展望台
2018年03月03日 13:19撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂の展望台
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山頂の霧氷の樹
2018年03月03日 13:20撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂の霧氷の樹
1
山頂展望台を裏側から
2018年03月03日 13:21撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂展望台を裏側から
3
山頂から下山路
2018年03月03日 13:21撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂から下山路
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霧氷の樹々が名残り惜しい
2018年03月03日 13:23撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧氷の樹々が名残り惜しい
村から廃墟を見上げて
2018年03月03日 14:20撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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村から廃墟を見上げて
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感想/記録

ウィーンからドナウ河に沿って遡上すると、両岸に山が迫り、なだらかな渓谷を形成するようになる。ワッハウ渓谷である。渓谷の斜面を利用した葡萄栽培が盛んであり、オーストリア・ワインの一大産地でもある。古くから交通の要衝であり、周辺の山上には古城や修道院が点在し、その文化的景観が世界遺産に登録されている。特にワッハウの真珠と呼ばれるデュルンシュタイン村は修道院の美しい尖塔が極めて印象的だ。

かつて友人達と共にメルク、デュルンシュタインを訪れたのは12年前の、今回とほぼ同じ3月の初旬であったが、暖かい日差しが燦々と降り注ぐ小春日和だった。以前、訪れたワッハウ渓谷は雪化粧を施し、如何に綺麗だろうかという期待、そして友人の追憶のためにも、彼の地を再び訪れてみたいと欲するのだった。

ウィーンは前日の朝から降りしきっていた雪もようやく止んだものの、相変わらずの寒さである。朝は8時半に中央駅を出発し、ドナウ河右岸の街メルクに降り立ったのは9時20分であった。パステルカラーの軒並みが落ち着いた佇まいを見せる旧市街を横切り、修道院への石段を登る。門をくぐり内部の見学を申し込みと見学のツアーは11時と14時の二回のみとのこと、そこに書いてあるのが見えないのかと受付の女性は突剣呑な対応だ。夜にはウィーンの街で予定もあるので、ここで2時間以上も待つわけにはいかない。以前はそこまで見学が制限されていた記憶がないのだが致し方ない。諦めてメルクの駅まで戻り、デュルンシュタインへ向かうバスの時刻を探すとおよそ40分後に出ることが判明。駅の待合室で先日の山行の紀行を執筆しつつバスを待つ。

バスはドナウ河右岸の丘陵に登ったのち、対岸にかけられた長い橋を対岸に渡ると、いよいよドナウ河の岸辺を下る。このワッハウ渓谷は陽光の向きを考慮すると当然なのだが、葡萄の栽培が行われるのは南斜面を有する左岸のみであり、数多くのワイナリーやホイリゲ・レストランが散在するが、いずれも冬季休業中である。河の両岸に山が迫り、次々と美しい光景が現れるのだが、車輪が跳ね上げる融雪剤ですっかり汚れきった車窓越しではまともな写真を撮るのは不可能だ。一時間近くバスに揺られた後、ようやくデュルンシュタイン修道院の美しい尖塔を擁する小さな村に辿り着く。

空には相変わらず石灰を溶かしこんだような漆喰色が広がっている。ウェッジウッド・ブルーの気品ある尖塔は漆喰色の空にも見事に映える。修道院は4月から10月のみの公開であり、残念ながら冬のこの時期は内部の見学は不可である。ドナウ河の岸辺に降り立つと、ようやく尖塔の全貌が眺めることが可能だ。背後では深緑色の水を湛えた河が悠久の流れを見せる。

村の東側は城壁に囲まれており、その城壁は山手にある崩壊した古城の廃墟にまで続いている。このデュルンシュタイン城趾はかつて12世紀の半ば(1140-45)に、Kuernriger家により建てられたもので、十字軍遠征の帰途にあったリチャード獅子王が、イギリス王国への忠誠により当時のオーストリアへの服従を拒んだため、およそ一年間幽閉された場所でもある。廃墟の北側にのびる尾根には尖塔のような奇岩が連続し、荒涼かつ陰鬱な雰囲気を強調するかのようだ。

ワッハウ渓谷には世界遺産トレイルとして14のトレイルが整備されているらしい。このデュルンシュタイン城跡を経てその後ろに聳えるStarhembergwarteへと続くトレイルもその一つだ。村の城跡の傍らから、修道院の尖塔を見ながら山道を登っていく。雪につけられたトレースは昨日の雪に完全に埋もれている。多少の急登ではあるものの、石段がつけられているので登りやすい。登るにつれ、ドナウ河を背景に修道院の尖塔を見下ろすようになる。南西の方向には大きく蛇行するドナウ河とワッハウ渓谷の広大な眺望を目にする。廃墟の直下で別のルートから登っきた真新しいトレースと出会う。廃墟から笑い声が聞こえる。一瞬、空耳かと疑ったが、若いカップルの先客がいた。

廃墟からは360度、遮るもののない絶景である。廃墟の背後にはStarhembergwarteへの険しい尾根が続いている。一瞬、果たしてここを軽装備で登っていいものかと躊躇するが、ジオグラフイカの地図を見ると登山路が上手くついているように思われる。城跡の北の門から出て登山路に入る。トレースをみるとアイゼンやチェーンスパイクを装着した足跡は見当たらないので、少し安心して登り始める。登山道は奇岩を避けて、尾根の左手を登ってゆく。樅、トウヒの針葉樹林は随所で展望が大きく開け、振り返ると手前の山頂に荒涼とした廃墟の後ろ姿を見送る。やがて開けた尾根道になると、これから登るStarhembergwarteのピークが目前に大きく迫る。

山頂からの近く、標高550m付近では見事なエルム(ハルニレ)の森となり、急に樹々の雪が多くなった思うと突然、壮麗な霧氷の森となった。この山の標高でこのような霧氷にお目にかかれるとは予想だにしなかったが、少なくとも本州では考え難いことである。雪の性質と、内陸気候で気温の低下が著しいからであろう。頂上には石造りの城砦のような展望台がある。上に上がると周辺が一望のもとなのだろうが、生憎、冬季閉鎖中らしい。展望がなくとも異国の地で日本の風景とは異なる霧氷の素晴らしさを堪能出来たことに十二分に充足感を味わうのだった。可憐な展望台は周囲の壮麗な霧氷の美林と相俟って、雪の女王に魔法をかけられたおとぎの国のようだ。足を下山はワッハウ渓谷の眺望を楽しみつつ、あっという間に廃墟まで帰り着く。再び廃墟からデュルンシュタインの村と修道院を目にすると現実世界に帰ってきたような気もするが、それでも充分に幻想的な光景だ。

かつて12年前にこの廃墟を訪れた仲間の一人は丁度一年前のこの季節に、類稀なる才能に恵まれながらも、長いとはいえない人生を終焉させた。渓谷の上にで、陽の光を遮る雲は枯れてへの限りない哀悼と私の心象を反映したかのように、引く垂れ込めるのだった。彼の無邪気な笑顔、一際大きな笑い声を思い出して、私は何度、目頭を押さえたことだろう。彼の冥福を祈るばかりである。

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