吉備路西部山地周回☆経山〜鬼ノ城山〜犬墓山
- GPS
- 03:53
- 距離
- 22.2km
- 登り
- 840m
- 下り
- 840m
コースタイム
- 山行
- 3:32
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 3:53
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
ゴールは〜服部駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備された登山路 |
写真
感想
吉備路西部山地という一般的な名称があるわけではないが、吉備路の山は経山、鬼ノ城山、犬墓山といった西部の山塊と備中高松の東に南北に連なる東部の山塊に分けられると思うので、便宜上、この呼称を用いさせて頂く。その中心に位置し、最も有名なのは鬼ノ城がある山であろう。鬼ノ城ほ7世紀後半の古代の山城らしく、日本城郭協会が選定する日本百名城の一つであるため、人気が高いのだろう。
それにしても、鬼ノ城・・・何とも恐ろしげ・・・というか、おどろおどろしい山の名だが、この辺りは花崗岩質であり、自然の浸食や隆起作用による奇岩や巨岩が独特の景観をなす。その壮大さや特異な形状が人間の力の及ぶ範囲からかけ離れたものだということで「鬼」の名称が付されたらしい。
早朝に駅前のホテルから山麓の砂川公園までタクシーでアプローチしようと思っていたが、早くに目が醒めてしまい、眠れない気がしたので、総社の駅からスタートすることに。R429に沿って、完全に寝静まり帰った夜の街を東に進んでいく。
東総社駅の手前の信号をを北に向かって左折するはずが、細い道だったためか見過ごしてしまい、駅から引き返す。北公園までは街路灯があるのでライトを点ける必要がない。
北公園を過ぎると、中国自然歩道に入り、完全な暗がりの中を行く。闇の中に一箇所のみ街路灯があるかと思えば、墓地であった。やがて小さな渓流に沿って・・トンネルの上を往く。いつの間にか吐息が白い。気温が低いのだろうか。砂川公園に至ると、川を渡る橋があるものかと期待していたが、その代わりにあったのは浅瀬の上に整然と並べられた石であった。
石を繋いで渡渉すると、再び舗装路に出る。車道の終点にくると、「ここからは急な登り」がありますとの看板の地点を右折すると、確かに急な登りになる。登山路の上には高い樹がほとんどなく、白んでゆく空のお陰でライトがなくても十分に明るい。薄暗がりの中で、コデマリの姿が目に入る。まもなく送電線の鉄塔のある広場に到着する。望む総社の街はまだ眠りについている。スマホを取り出し、夜景撮影のアプリを立ち上げるも画面が何故か反応しない。時間を喰ううちに空は刻々と明るくなってゆく。
やがて道が平坦になると経山への分岐だ。木の階段を登り、平坦な経山の山頂に至ると東から南にかけて眺望が開けている。東の空は青灰色の空の向こうで、炭を燃やしたかのように赤くなっている。しかし、今朝は完全な曇り空であり、御来迎どころか朝焼けの空すら期待出来ない。南の斜面に出ると送電線のために綺麗に伐採されている。
経山を下るとすぐに鬼ノ城への車道に出るが、すっかり空は明るくなったようだ。車道からは右手に分岐する山道にウォーキング・センターへの道標があったので、迷わずこちらを選択。足元はぬかるんでおり、足の置き場に困る。しかし道は様々な花と新緑の匂いに溢れているようだ。ふと見渡すとあたり一面の山藤が芳香を放っている。藤色の紫と新緑の若緑の色は地味でありながらも上品なコーディネーションだ。
静まりかえった鬼ノ城のウォーキング・センターを過ぎると整備されて遊歩道に入る。鬼ノ城の鎧岩からは吉備路から総社の市街を見渡す、さすがの展望である。西門から城の中に入るとすぐに展望の開けた山頂に至る。
北門に至ると次の目標、犬墓山が真正面だ。車道を渡り、岩屋に至る。ここからは平安時代末期に山岳寺院として栄えた岩屋寺の界隈となる。休憩所の右手にパンフレットを入れた小さな木のボックスがあり、奇岩巡りの案内地図がある。最初は鬼の差し上げ岩は巨岩が岩の上に載っており、確かに鬼が積み上げたと表するのも頷ける。案内図を頼りに、鬼の餅つき岩、鯉岩、八畳岩と次々と巡っていく。岩の向こうに広がる展望にも恵まれ、楽しい散策路だ。
屏風岩に来ると、手元にある筈の地図(吉備路の山全山縦走図)がないことにふと気がつく。鬼ノ城のパンフの間に挟んで持っていたのが、どこかで滑り落ちてしまったらしい。これから行こうとしている犬墓山の登山路は地図には全く記載されていないので、地図が役に立たないのだが、hehe氏の言葉を借りると「勿体ないかどうかということより、自然の中に人工物を落としてしまった・・・ゴミにしてしまったことがが気になる」。岩屋の休憩所では地図があったことが確認されているから、そう長い距離ではないだろう。見つからなければもう一度、戻ってくればい・・・コースを変更して、再びこれまでのルートを逆戻りすることに。
これまで寄り道をした奇岩を再び巡っていく。奇岩めぐりの周回路が合流する地点でようやく地図を見つける。ここからは散策路を逆行して犬墓山に至る尾根にでることにする。岩屋寺の開祖、善通大師の墓と伝えられる皇の墓、岩切観音を経由していく。岩切観音は壮観な巨岩に浮き彫りにされた千手観音様であった。
ここからはいよいよノンストップでのトレラン・モードとなる。尾根に出ると犬墓山までは右手に左手に眺望が拡がる気持ちの良いトレイルである。花崗岩質の路面の感触も心地良く、なだらかな尾根はまさにトレランにうってつけだ。
犬墓山は鬼ノ城山より46m標高が高く、南西に開けた眺望は素晴らしい。しかし、前半にゆっくりしすぎたせいか、徐々に時間が厳しくなってきた。仕事が控えているので、服部駅に7時32分発の列車に乗らなければならない。あまりゆっくりしておられないので、早々に山頂を辞す。
山頂からの下りのトレイルも眺望のきいた新緑の中をゆく。まもなく花崗岩の岩場の展望台に出る。朝日を迎える機会があれば、鬼ノ城山もいいが、ここも素晴らしいスポットだろう。
順調に服部駅までランニング出来れば、十分に間に合うのだが、少し膝に違和感を感じ始めた。ウォーキング・センターから車道を辿ることにするが、かなりの急坂とアスファルトの硬い感触がかえって膝に負担となるようだ。スピードを落としていくしかない。道の脇では多くのガマズミが咲いている。
坂を下ると砂川公園では満開のツツジが綺麗だが、花を楽しんだり休憩する余裕はない。何とか止まらずに走り続け、駅に辿り着いたのは列車の到着の4分前だった💦
定刻通りにやってきた吉備線・・批判を浴びながらも名称変更された桃太郎線のディーゼル車は通学の高校生で満員であった。トレラン姿で汗まみれの髭親爺は車内で明らかに浮いている。明日から高妻山の予定だが、果たして膝の具合が心配た。
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