和気アルプス☆鵜飼谷北稜↑表銀座縦走路↓
- GPS
- 02:12
- 距離
- 7.3km
- 上り
- 605m
- 下り
- 600m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所なし |
その他周辺情報 | 鵜飼谷温泉で日帰り入浴可能 鵜飼谷温泉からのバスは9:29と15:20の二便のみ(土曜日は後者のみ、日曜日はいずれも運休) |
写真
感想
岡山東部に位置するご当地アルプスの一つで、主峰、神の上山に連なる稜線の山々である。地図をみると稜線上のピークには剣ヶ峰、槍ヶ峰、ジャンダルム、穂高山と明らかに北アルプスの山を模した山名が付けられている。トレイルのアップダウンがそれなりにあることを意味するのだろう。
ところで鎌倉アルプス、三浦アルプスとご当地アルプスが続くが、なにもご当地アルプス・フリークに転じた訳ではなく、単なる偶然である。吉備人出版の地図によると松茸のシーズンとなる9/1〜11/30は入山禁止となるらしい。夏の暑い時期に登るような山でもないと思うので、本格的な夏の時期に入る前にということでこの山を選んでみた。
前日は雨であったが、天気予報によると、この日は朝から久しぶりの晴天が期待出来そうだ。このような天候の状況では中国地方では特有ともいえる光景が期待される。コースタイムの上でも余裕が見込まれるので、トレランではなく一眼レフを携えて通常のトレッキング・スタイルとした。
前夜宿泊した鵜飼谷温泉を早朝に出発。蒸し暑い日が続いていたが、早朝の空気は久しぶりに清々しく、わずかに肌寒い程度である。温泉から林道を山の方に向うとすぐに登山口がある。暗いせいで登山口の獣よけのフェンスを開ける方法がわからず少し戸惑う。登山路に入ると最初のうちこそ薄暗い樹林の中ではライトを点けるが、まもなくこの山域特有の低木帯となり、ライトは不用となり、眺望が広がる。
足元には朝露を含んだ羊歯が多く、みるみるうちにズボンが濡れていく。問題は夥しい数の蜘蛛の巣である。この蜘蛛の巣の張り巡らされた登山路をトレランするというのはありえない。
ほどなく登山路には大きな岩が次々と現れる。傾斜が緩いので難なく登っていくことが出来る。好展望が続く道である。振り返ると川の上に漂う濃霧のはるか上、西の空にわずかに欠け始めた月が浮かんでいる。
下の方では霧がかなり濃くなってきたようだ。眼下には広大な雲海が広がりはじめる。東の方角では空が赤く染まっているようだが、目の前に聳える奥の峰がほぼ東の方向にあたるので、朝焼けを、鑑賞するにはもう一声早く出立する必要があったようだ。逆光のためか山容が暗く、大きく思われる。地図ではそう遠くない筈なのだが、山頂がはるか彼方に思われる。山頂からのご来光は到底無理だと諦める。
和気富士からの縦走路との合流地点には鯉のぼりが目印となっている。
奥ノ峰を過ぎると樹林の中に入り、眺望がなくなるが、蜘蛛の巣も少なくなる。東の空が黄金色に輝いている。もう既に太陽が昇ったのだろうか。とりあえず山頂を目指して急ぐ。
山頂に着いたのと東の雲海の上から太陽が昇り始めるのはほぼ同時であった。山頂からは西の方角以外に展望が開ける。どの方向にも見渡す限り、茫漠たる雲海が広がっている。わずかに367mほどの低山なのだが、雲海のせいでかなり高い山に登っている錯覚を覚える。
山頂を辞し、縦走路に戻る。樹林帯を抜けると登山道には白い小さな花か多数、落花している。ネジキの花だ。笹百合にも今年初めて遭遇する。
縦走路からは正面に竜王山と小竜王の特徴的な均整のとれたピークを眺めながら下ってゆく。
穂高山で竜王山への稜線と別れると西に大きく曲がる。稜線からは始終、眺望が開け、標高200m程の低山とは思えぬほどのパノラマ,ロードである。間ノ峰、前ノ峰と多少のアップダウンがあるものの、雲海の好展望は眼を飽きさせない。
岩山を過ぎたあたりで霧が上昇してきてためだろう。辺りはかなり濃い霧となる。和気富士のあたりは再び空気が澄んでおり、山頂は雲海の上に突き出ているのであろうが、樹林に囲まれていて眺望はない。
案内板によると、ここにはかつては北曽根城または名黒山城と呼ばれる城があったらしい。備前、美作、西播に権勢を誇った浦上宗行の家臣、明石景行が開いたもので、その弟、宣行の代になると宇喜多家と共に反乱を起こし浦上家を滅ぼすも、朝鮮戦役で戦死、その遺子、久蔵は関ヶ原の戦いでは宇喜多家に従い敗北し、廃城となったらしい。
山からおりて和気駅に向かうと、あたりは再び濃霧の中であった。この濃霧の上では快晴の天気であったというのが信じ難い。金剛川の川辺は黄色いキク科の花が土手を彩っている。和気のパンフレットで知ったのだが、大金鶏菊らしい。今はまさに花期の盛りで、あたり一面に花が咲く様は華やかだ。繁殖力が強すぎて、特定外来生物に指定されたそうだ。
駅に着くとトイレで両腕に付着した蜘蛛の巣を剥がすことを試みるが、幾重にも重なって貼り付いた蜘蛛の巣を剥がすのは容易ではない。他の方もレコで書いておられたが、多量の蜘蛛の巣が張り付くことを覚悟されるのでなければ、この時期の和気アルプスは到底、お薦めとは云い難い。
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