雪渓登りと至極の稜線歩き！「笠ヶ岳」（日本百名山）［笠新道］

2018年06月17日(日) [日帰り]

• GPS: 10:47
• 距離: 22.8km
• 登り: 2,215m
• 下り: 2,211m

コースタイム

日帰り

• 山行: 9:26
• 休憩: 1:18
• 合計: 10:44

4:31 新穂高温泉無料駐車場
4:44 4:48 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
5:01 5:01 お助け風穴
5:14 5:14 中崎橋
5:22 5:27 笠新道登山口
7:30 7:36 杓子平
8:38 8:42 笠新道分岐
8:44 8:44 分岐指導標（仮称）
9:16 9:16 抜戸岩
9:50 9:55 笠ヶ岳山荘
10:08 10:38 笠ヶ岳
10:43 10:43 笠ヶ岳山荘
11:02 11:02 抜戸岩
11:43 11:44 笠新道分岐
11:47 11:49 分岐指導標（仮称）
11:58 12:03 抜戸岳
12:08 12:08 分岐指導標（仮称）
12:38 12:42 杓子平
14:15 14:24 笠新道登山口
14:33 14:33 中崎橋
14:45 14:45 お助け風穴
14:57 15:00 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
15:15 新穂高温泉無料駐車場

天候

快晴♬

アクセス

利用交通機関：

自家用車

◆市営新穂高第3駐車場を利用
・登山者用の無料駐車場
・他に有料駐車場は数か所あるが、無料は笠ヶ岳までは一番近い駐車場かな。
・駐車場から登山支援センターまで歩道を500mほど歩く。

※詳細は、下記HPを参照
http://kankou.city.takayama.lg.jp/s/_res/projects/kankou/_page_/002/000/369/map201602ver4.1.1.pdf

コース状況／危険箇所等

★登山道整備度：2〜3（良5・4・3・2・1悪）階段や木道、鎖等の整備度
★体力難易度　：5（難5・4・3・2・1易）歩行距離、累積標高差、急登等
★技術難易度　：3〜4（難5・4・3・2・1易）鎖場等の頻度や時間等
　　　　　　　　※残雪時の場合
★登山道の眺望：3〜5（良5・4・3・2・1悪）
★山頂の眺望　：5（良5・4・3・2・1悪）


【すれ違った登山者の数：約10人】


◆登山道の状況（笠新道登山口⇔杓子平⇔抜戸岳）
・登山口から標高2000m付近まではブナ等の樹林帯の中を歩く。
・登山道は転石が多く、やや歩き難い。
・補助的な小さな鉄梯子はあるが、鎖場等はないので夏道は特段の危険性はない。
・標高2200m付近から登山道に残雪が見られ始め、標高2300mから杓子平への乗越部まで7割は雪面歩きになった。
・標高2450mの杓子平への乗越部は斜度45度ほどの雪面が3mほどあった。下まで滑落するような危険性は無いが、下りは注意したい。
・杓子平まで登ると一気に視界が開け、笠ヶ岳までの稜線がパノラマのように広がる。
・杓子平の大半は、残雪に覆われており、斜度が徐々にきつくなってくる。斜面の最大斜度は35度程度でスキー場の上級コース程度。まだ雪面にマーキングされていないので、歩きやすい雪面をルーファイしながら登った。
・杓子平の下方斜面は緩いので、高度感は少なく、危険性はあまり高くないと思うが、注意しながら進もう。
・杓子平の最上部の抜戸乗越部は雪庇が張り出しており、最後は直高4m、斜度45〜50度の雪面登りがある。本日は先行者のステップがあったので、特に支障はなかったが、下りはピッケル併用で後ろ向きに降りた方が無難な感じ。

◆登山道の状況（抜戸岳⇔笠ヶ岳）
・高低差は少ないものの、小さなアップダウンを繰り返しながら、眺望抜群の歩きやすい稜線が続く。
・大半は夏道を歩けるが、全体の1割程度は残雪に覆われているため、稜線南東側の雪面を歩く区間もあった。
・笠ヶ岳山荘直下と直上部は、斜度20度ほどの雪面歩きとなるが、夏道及び残雪区間で危険性の高い箇所は無い。

◆雪山装備等について
・雪面は気温等の条件で難易度が変わるため、最低限、本格アイゼン及びピッケル等の準備はした方が良い。
・本日は、チェーンスパイク、10本爪本格アイゼン、ピッケルを持参したが、ピッケルは未使用だった。
・チェーンスパイクは、笠新道の標高2300m付近から杓子平まで、及び、補助的に笠ヶ岳山荘の直下と直上部で使用。
・本格アイゼンは、杓子平から抜戸乗越部で使用。
・残雪区間と夏道が交互にあるので、脱着が忙しかった。

写真

6/17 4:31

市営新穂高第3駐車場（登山者用無料駐車場）に駐車して出発！

6/17 4:37

標高1090mの新穂高登山指導センターから目的地の笠ヶ岳稜線が見えた。

6/17 4:35

朝日が差し込み笠ヶ岳の山頂がオレンジ色に染まる。

6/17 4:45

林道のゲート。
登山ポストはここにあった。

6/17 5:01

クリヤの頭付近は険しい岩場だね〜

6/17 5:06

新穂高登山指導センターから笠新道登山口までは約4km弱の林道歩き。

6/17 5:13

傾いている橋を通過。

6/17 5:19

ようやく杓子平の乗越部（左上）が見えてきた。
登山道の笠新道は、正面の稜線を登っていく。

6/17 5:22

ようやく標高1360mの笠新道登山口に到着。
では、出発しよう。

6/17 5:30

序盤はブナ林の中を進む。

6/17 5:36

ギンリョウソウ。

6/17 5:50

標高1660m地点。
九十九折の登山道が続く。

6/17 6:01

？？

6/17 6:06

登山道は全般的に転石が多く歩き難い。

6/17 6:11

標高1880m付近まで登ると眺望が開ける。
南側には焼岳（左）、乗鞍岳（右奥）

6/17 6:24

高木性の樹木が少なくなり、比較的見晴らしの良い登山道になってきた。

6/17 6:30

奇麗なツツジだね〜

6/17 6:34

お〜、今年初のニッコウキスゲも咲いていた。

6/17 12:54

ヤマザクラ。

6/17 6:45

杓子平への乗越部が見えてきたが、なかなか辿り着かないね〜

6/17 7:04

標高2300mを超えると残雪が多くなる。

6/17 7:23

標高2370m地点でチェーンスパイクを装着。
ここから少し急登の雪面になってきた。

6/17 7:25

イチゲさんもちらほら。

6/17 7:32

杓子平への乗越部は、斜面勾配40度ほどの雪面を3mほど登る。

6/17 7:34

標高2470mの杓子平に到着すると絶景が広がる。
笠ヶ岳までの迫力の稜線に圧倒される。

6/17 7:34

杓子平から笠ヶ岳山頂と山荘を確認。

6/17 7:35

では、抜戸岳を目指して登っていこう。

6/17 7:41

斜面勾配が緩そうに見えたので、引き続きチェーンスパイクで歩く。

6/17 7:50

例年より雪が少ないとはいえ、まだまだ残雪が多いね〜

6/17 8:09

斜面勾配は30度ほどになってきた。
チェーンスパイクだとグリップが弱いので、10本爪の本格アイゼンに装備を変更。

6/17 8:17

斜面勾配はこんな感じ。

6/17 8:11

杓子平を振り返る。

6/17 8:29

直登もできるが、体力的にきついので、ジグザクにゆったり登る。

6/17 8:35

抜戸の乗越部が見えてきた。
最後は雪庇を乗り越える必要があるようだ。

6/17 8:38

抜戸の乗越部の雪庇は、直高4m、勾配は45〜50度ほど。
先行者のステップがあるので、上りは普通に登れた。
下りはピッケル等を使用しても良さそうな感じ。

6/17 8:44

抜戸の乗越部を登りきると絶景が広がる。
笠ヶ岳までの美しい稜線。

6/17 8:53

シャクナゲも見頃の季節となってきたね〜

6/17 8:53

抜戸乗越から標高差50mほど下り抜戸岳を振り返る。

6/17 8:59

主稜線の大半は夏道歩きができるが、一部区間は雪面を歩く。

6/17 9:12

高低差は少ないものの小さなアップダウンを繰り返しながら山頂を目指す。

6/17 9:14

抜戸岩を通過。

6/17 9:21

最後は山頂まで標高差は180mほどを登り返す。

6/17 9:45

まずは、笠ヶ岳山荘まで雪面を登る。

6/17 9:55

6月14日に小屋入し、本日は重機で小屋周辺の除雪中のようだ。

6/17 9:57

最後に山荘から山頂まで残雪を登る。

6/17 10:09

笠ヶ岳の山頂（祠）に到着。

6/17 10:09

三角点と山頂標柱は祠から30秒ほど離れたところにある。

6/17 10:30

山頂の三角点にポチっと。

6/17 10:32

そして、貸切の山頂で記念撮影！

6/17 10:15

山頂からの眺望。
抜戸岳から歩いてきた稜線を振り返る。

6/17 20:17

山頂の東側の眺望。
左手前は抜戸岳、そして槍ヶ岳から穂高岳までの岩稜が連なる。

6/17 10:14

穂高岳。
左から北穂岳、柄沢岳、奥穂岳、西穂岳までの稜線。

6/17 10:14

今年は登りたい奥穂とジャンダルムのアップ。

6/17 10:36

槍ヶ岳。
左から槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳までの稜線。

6/17 10:14

槍の穂先のアップ

6/17 10:13

山頂から南側の眺望。
乗鞍岳（左）と御嶽山（右奥）。

6/17 10:14

焼岳。

6/17 10:14

南側の眼下には新穂高温泉が見える。

6/17 10:13

山頂の遥か南東方向には、150km離れた富士山が見えた。
手前は南アの甲斐駒ヶ岳。

6/17 10:16

山頂の西側の眺望。
まだ雪が多い霊峰白山も見える。

6/17 20:21

山頂の北側の眺望。
左から太郎山、黒部五郎岳、薬師岳、奥大日岳、剱岳、立山、赤牛岳、水晶岳、鷲羽岳、双六岳までの北アルプスを一望できる。

6/17 10:35

山頂の北側の眺望。
薬師岳（中央）、黒部五郎岳（左手前）。

6/17 10:36

山頂の北側の眺望。
手前に見える雲ノ平の背後には、剱岳（左奥）と立山（右奥）も見えるね〜

6/17 10:36

山頂の北側の眺望。
三俣蓮華岳（左手前）から双六岳（右手前）までの稜線の後ろに、水晶岳（左奥）と鷲羽岳（右奥）の稜線が連なる。

6/17 10:18

帰りは、南側の尾根ルートで下山して周回も検討したが、まだルートに雪面がありそうなので、ピストンで下山することに。

6/17 10:40

では、下山しよう！
まずは小屋に戻る。

6/17 10:44

6月25日から営業予定らしい。
小屋準備で忙しいスタッフの皆さんを横目に下山へ。

6/17 10:45

再び抜戸岳までの絶景の稜線を歩いて戻る。

6/17 11:23

帰りは、抜戸岳のピークに立ち寄ってみよう。

6/17 12:00

抜戸岳の山頂に到着。

6/17 20:40

抜戸岳の山頂から東側の眺望。
穂高連峰がかなり近くに見えた。

6/17 12:01

奥穂とジャンダルムの迫力が半端ないね〜

6/17 12:02

抜戸岳の山頂から北側の眺望。
秩父岩まで稜線を見渡す。

6/17 12:18

では、抜戸岳から杓子平の雪面を下っていこう！

6/17 12:35

雪は緩んできたが、10本爪アイゼンを装着して下る。
下ってきた斜面を振り返る。

6/17 12:38

また来るね〜と杓子平から笠ヶ岳を見納め。

6/17 14:19

杓子平から標高差1100mを下り、ようやく登山口に到着。

6/17 14:19

本日は水を結構飲んだので、登山口の水場で補水する。

6/17 15:15

再び林道を4Kmほど歩き駐車場に到着。
お疲れさまでした！

撮影機器：

PowerShot G3 X CANON

感想

Joker

6月14日に小屋入りした笠ヶ岳山荘のブログに「山荘周辺は例年よりかなり雪が少ない」とのコメントがありました。
https://blogs.yahoo.co.jp/kasagatake28982000
山荘の営業が始まる6月25日以降は、登山者が多くなると思い、雪残る至極の稜線を貸切で歩きたくて、急遽、前日夜に決め、行ってみることにしました。

ということで、久しぶりに徹夜で登山口に向かったので、なんだか体調がイマイチで体が非常に重く、杓子平の雪渓登りは、かなりバテバテ。
（やはり徹夜はイカンですね〜）
でも、抜戸岳まで登りきると、疲れが吹き飛ぶような北アルプスを一望できる360度の絶景が広がっていました。
その後、天上の稜線をゆったり歩きながら、笠ヶ岳の山頂へ。

当初は、最近のレコが無かったので、貸切の稜線歩きを堪能できるかと思っていましたが、梅雨の中休みを狙った他の登山者もおられました。
青空と残雪に彩られた頂は、予想以上に美しく、満足度の高い有意義な山行になりました。