燕岳 〜今年最後の北アルプス〜
- GPS
- 25:54
- 距離
- 12.8km
- 登り
- 1,541m
- 下り
- 1,542m
コースタイム
駐車場8:23-8:35中房温泉登山口8:43-9:10第一ベンチ9:12-9:35第二ベンチ9:40-10:12第三ベンチ10:13-10:40富士見ベンチ10:46-11:11合戦小屋11:25-11:40合戦沢の頭11:41-12:22燕山荘
20日
燕山荘7:26-7:49燕岳山頂7:57-8:12燕山荘8:42-9:03合戦小屋9:08-9:18富士見ベンチ9:18-9:29第三ベンチ9:29-9:42第二ベンチ9:42-9:53第一ベンチ9:53-10:10中房温泉登山口10:10-10:16駐車場
天候 | 19日 雨(時々強風) 20日 小雨から曇りのち少し雪 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
悪天候のため7時前に到着した時点で2台しか停まっていませんでした。 8時20分の時点で10台ほど |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は特にありません 北アルプス三大急登と言われますが、登山道はよく整備されており、休憩ポイントも多くあるので歩きやすいです |
写真
感想
今年の締めくくりとして燕山荘の営業終了日あたりに燕岳へ行こうと夏から決めており、仕事等の都合もあり最終的に日にちがこの19日20日しかないということで決行しました。
少し前からの天気予報によると、土日はほぼ雨の予報。
でもこの日しかないので奇跡的に晴れることを祈りつつ金曜日21時の仕事終了後、身支度を整え23時、いざ中房温泉の登山口へ自宅を出発。
この出発に合わせたかのように雨が降り出しました。
進むにつれて降ってくる雨にテンションは下がりっぱなしです。
あまりの眠さに休憩を入れながらなんとか梓川SAへ。
いつもならこのまま登山口の駐車場まで行き仮眠するところですが、眠さに耐えきらなかったのと、こんな季節のこの天気、駐車場も空いているはずだし焦る必要はなし。
山道も少し明るくなってからの方が運転しやすいこともあり、梓川SAで3時間ほど仮眠しました。
少しすっきりして起きた後は少し食べ、洗顔などを済ませ、いざ出発。
だんだん明るくなってくる道を中房温泉へ進みますが、天気は一向に良くなる気配もありません。
7時前。駐車場に到着しました。
しかし、ここで何回もここへ来て初めての光景に出会います。
第一駐車場に車が2台だけ。
いまだかつてこんなに車のない駐車場を見ることはありませんでした。
やはり、土曜日にしてこれだけ人が登らないような天候条件なのかなと改めて感じました。
本当にこんな中登っていいのかとかなり不安になり、車を停めてしばらく様子を見ることに。
こんな時の装備も非常に悩みどころで、山の上は雪になっていたら、完全冬山装備が必要だし、そうでなければ冬山装備では大げさすぎるかも、とかいろいろ考えながらほかの人たちの様子もうかがいます。
最終的に、テント装備に比べたら大したことはないし、念には念をということでアイゼン、ピッケルも持っていくことに。結局は完全な無駄に終わるのですが…。
雨の様子は変わりませんが、少しずつではありますが、車が到着し、身支度をする人たちの姿が。
結局1時間半ほど車内で、準備をしながら様子をうかがいながら過ごし、ようやく8時20分。
燕山荘に向けて出発することに。
最悪天気が悪くなれば引き返せばよい。とりあえず燕山荘までたどり着けば後はなんとでもなるし、最悪そのまま帰ってくることも考えつつスタートしました。
この時点でも結局車は10台ほど。
ここでは考えられないくらいの閑散とした様子です。
登山口で登山届を提出し、ゆっくりゆっくり歩き始めます。
雨具を着ての登りは、すぐに体が熱くなり、汗でウェアが濡れてくるのが分かります。
そしてまた、袖口からは雨が入り、中のウェアの袖も濡れています。
一人淡々と歩きながら、「今年この登山道を登るのは4回目だなぁ。」「下りだけでももう一回歩いたなぁ。」とかいろいろ考えながら、ゆっくりゆっくり歩を進めます。
ベンチごとに軽く休憩を入れつつ、着実に進みます。
「今日の天気は、今年の山行を象徴するような天気だなぁ。」「今年は雨の中での山行が多かったなぁ」とかある意味感慨にふけりながら。
相変わらずの雨は続いていますが、第三ベンチを過ぎたあたりからどうも雨が強くなっている様子。
おまけに風が強いようで、風の音が聞こえ、木の上から大きな雨粒が落ちてくる感じがします。
富士見ベンチにつき休憩するころには、標高も上がってきているせいか、止まると手は冷たく、濡れた体が冷えて寒さを感じるようになってきました。
体は疲れていますが、ゆっくり休めば体が冷えてしまい余計危険。
とにかく屋根のある合戦小屋まで行けば少しゆっくり休むことができるので、先を急ぎます。
疲れも溜まってくるので登りはあまり足も出ませんが、先週の六甲の繰り返しの登りに比べたらある意味ましに感じることができ、頑張れます。
そして、合戦小屋に到着。
建物の中で休憩させてもらい、ホッと一安心。
手は雨でぬれ、ふやけてかじかんでちょっと大変ですが、体は寒さを感じることはありません。
持ってきたおにぎりを食べ、エネルギー補給し、最後の登りに備えます。
ここからは、風も雨もちょっと強そうなので、ゆっくり休憩できる場所もなく燕山荘まで一気に行かないといけない様子。
暖かいインスタントラーメンやコーヒーが魅力的でしたが、重いガスも背負ってきており、燕山荘についてから暖かいものを食べたいということもあり、ここは我慢。
オーバー手袋も装着し、再出発。
合戦沢の頭まで高度を一気に高度を上げ、視界が開けます。
といっても、白い世界が広がっており、かすかに表銀座に続く稜線、大天井岳あたりも時々見えますが、雲の中。
しかし、天気が悪い割には燕山荘も遠くには見えます。
あそこまで行けば暖かい小屋が待っているということで燕山荘に向けて進みます。
そして歩くこと40分、無事に燕山荘に到着です。
稜線に出た途端、今まで以上に風が強く、雨も降っているので、山頂アタックの気持ちは失せてしまいます。
初めての山なら無理もしますが、何度も踏んでいる山頂なので、今回は燕山荘に泊まりに来たという気持ちになっているので、この日の山頂はあきらめ、中でまったりと過ごすことに。
受付を済ませ、濡れたものを乾燥室に入れ、部屋に案内されます。
こんな天気でお客さんもあまり多くないという予想から、布団3枚スペースのしきりにおそらく一人で大丈夫だろうとのこと。
個室気分でくつろげます。
完全に濡れてしまったウェアなども着替え、乾いた服のありがたさを感じます。
さっぱりしたら、持ってきた水とガスを準備し、途中のコンビニでゲットしてきたインスタントの味噌煮込みうどんを作り、暖かいものを食べ、また、暖かいコーヒーも飲み、体の中からも暖まり、至福の時。
そうこうしているうちに少し人が増えてきたので、場所を移動し、昼間っからの生ビールで独り乾杯することに。
見えない景色ではありますが、窓に近い椅子に座り、外を眺めながら、ビールを飲み、お菓子を食べ、そしてまた、焼酎を飲み、まったりと本を読む。
とても無駄な時間の使い方をしているなと思いながら、こうやって山小屋で過ごす、無駄な感じの時間がとても好きで、何度も小屋に泊まっている感じです。
さすがに前日の寝不足と疲れとアルコールで眠くなってきて、いったんここは切り上げ、部屋に戻り、でも寝てしまうと夜寝れなくなりそうなので、部屋で本を読んだりして過ごします。
下界では考えられない有り余る時間を過ごしようやく夕食。
ここのご飯はいつもおいしく楽しみにしているのですが、今回も期待通りのおいしさ。
山小屋では完食は当然ですが、ぺろりと完食してしまいました。
そしてまた、無駄な時間の続き。
明日の天気予報を眺めたり、また本を読んだり、小屋の方とお話をしたり。
気づけば消灯時間になっていました。
明日起きたらあたりは白く、かつ雪はやんでいるという理想的な状況を祈りつつ、眠りにつきました。
翌朝、5時過ぎに目を覚ますと、微妙に雨音が。
まさかっ。
この時期に夜でも雨なんて。
しばらくして外へも出てみましたが、外は昨日とは変わっておらず土の色が。
そしてガスが出ており視界も昨日以下。
一気にテンションが下がります。
もう山頂はあきらめて、ゆっくりしてから下山しようと心に決め、身支度を済ませ朝食。
朝食もやはりおいしくいただくことができました。
そして、再度外をうかがっていると歓声が聞こえます。
慌てて外へ出てみると、裏銀座方向の雲がきれ、かすかに青空ものぞいています。
強風で雲が飛ばされているといった様子で高瀬川方面の谷もガスがきれ、かなり見えています。
そしてずっと隠れていた燕岳山頂も半分、雲が飛び見える一瞬が何度かあります。
こうなったら、やはり今年最後の北アルプス。
締めくくりとして山頂アタックをしよう、と決心。
すぐに荷物をまとめ、入口に置かせてもらい、最低限のもので山頂へ向かいます。
が、しかし、いざ山頂へ向かい始めると、さっきまでやんでいたはずの雨がまた降り出し、横殴りの雨が顔に当たります。
やはり、失敗だったか、などと思いましたが、ここへきたら引くに引けないので急いで先に進みます。
徐々に雨の中に白いものも交じっている気配が。
とにかくあまり視界が悪くなってしまう前に、山頂に立ち、証拠写真を撮り、戻ってきたいと思い、何度と歩いた道を急ぎ、ようやく山頂に到着。
山頂は貸切です。
なので、証拠写真を撮るにもセルフタイマーですが、強風のためあまり無理な感じはできません。
何とか山頂でカメラに収まり、何も見えない景色に見切りをつけ、さっさと山頂を後にします。
ポイントのイルカだけは押さえておかないと、と、帰りに撮影しますが、カメラが濡れて曇りだし、いまいちな感じに。
そして無事に燕山荘に戻ってきました。
これだけの間でも、微妙に濡れてしまってまた冷えてしまいそうです。
暖まるためにコーヒーを飲み、最終の身支度を整えていると外が白くなっているとの声が。
外へ出てみるとさっきまで何もなかったところがうっすらと白くなっています。
こんな景色を期待して、この時期にここまで来ただけに最後の最後にうれしいプレゼントといった感じでした。
もう少し粘れば、もっといい感じになるかもという思いもありましたが、午後から松本での予定があったので、後ろ髪をひかれる思いで下山開始。
また、来年もここに泊まりに来ようと心に決め、燕山荘を後にします。
うっすらと雪の積もった白い道を慎重に歩き、ちょっとテンションが上がります。
人もほとんど歩いていないので自分のペースで歩くことができ、ぐんぐん下山していきます。
合戦小屋まで来ると、雪もなくなり、雨具も着ているので熱くなってきて、着ていた服を一枚脱ぎラストスパートに備えます。
ここ最近ここからの下山はノンストップで降りているという実績(?)から今日もノンストップかなということでどんどん歩きます。
富士見ベンチ、第三ベンチ、第二ベンチ、第一ベンチと通過。
第一ベンチあたりでは、目の前の上空に青空が見え、ちょっと恨めしい感じでしたが、後ろを振り返るとやはり山は暗い雲の中なのでちょっとホッとしつつ、最後の下りを一気に下り登山口に到着。
今までで最速かも。
燕山荘を出てから、1時間25分。
先の予定がありちょっと急いでいたこともあったものの、我ながらかなりハイペースで降りてしまったと感心してしまいました。
濡れた体を温め、汗を流すために有明荘の日帰り入浴へ。
さっぱりと汗を流し、次の予定に向かいます。
実は、この山行もこれに合わせてというところもあったのですが、松本市内で開催される岳都・松本「山岳フォーラム2011」に参加してきました。
事前に整理券を入手しており、楽しみにしていました。
女性の登山服の歴史100年、最近の登山のファッションショー、そして田部井淳子さんの講演、涸沢ヒュッテの山口社長、エッセイストの鈴木ともこさん他が参加したパネルディスカッション、抽選会などがあり、盛り沢山な内容で楽しむことができました。
会場の外では、様々な本が販売されており、本によって鈴木ともこさんのサインもいただけるということで、すでに持っていた本だったのですが、購入しサインをいただくことができました。
とても丁寧に名前入り、イラスト入りでサインをしていただけ、サインをしてくれている間もいろんな山のお話もさせていただけ、とても良い印象の方だなとより一層ファンになってしまいました。
そんなこんなで、二日間とても充実した時間を過ごすことができました。
雪を期待して訪れた燕岳でしたが、あいにくの雨で大変ではありましたが、そんな時でも山小屋で山の時間を過ごすことができたことがとても幸せな時間でした。
そして、また来ようという気持ちにさせてくれた天気にある意味感謝し、また来年も訪れたいなと改めて思いました。
Q-chan さんはじめまして。
折角の週末にも関わらず生憎のお天気でしたね。
2日前に登ったんですがうっゆらと雪がありましたが
合戦小屋などは完全に融けてしまったようですね。
でもこの時期小屋に泊まられて羨ましいです。
私も今年最後の北アになりました。(恐らく)
来年、天気の良い日に何処かでお会いできればいいですね。
●marippeさん
はじめまして
正直残念な天気でした
でも、仕事などの都合もありこの土日しかなく、強行してしまいました
基本、小屋、特に燕山荘に泊まるのが好きなので、それはそれでOKって言う感じで悪天でも頑張れました
marippeさんが見たような景色を期待していったのですが、また、次回のお楽しみということで
また、どこかで天気の良い時にお会いできることを楽しみにしています
イルカさんへの餌やり
出来なくて残念でしたね〜
でも、小屋閉め最終日辺りを
ねらっていくとは燕山荘好きのQ-chanさんらしい登山でしたね
ベンチの上にうっすら積もった雪がいい感じです。
お互いに?今年の山行は雨だらけだった様だね…でもその分経験値アップて事でそれにしてもやはり山は苦労した分だけ素晴らしい景色を見せてくれるね(*^o^*)今日の燕はかなり白くなったよ�本当は僕も最後の日…26日に泊まりに行きたかったな〜…もちろんお金ないからテントだけどね(ToT)燕山荘は27年前産まれて初めて泊まった山小屋だけに思い出深いです…いつかQ-chanの様な贅沢な時間の使い方をしに泊まりに行きたいな〜(o^∀^o)明日は大会だっけ?又雨みたいだけど頑張ってo(`▽´)o
●raichouさん
こんばんわ。
本当なら22日23日の予定でと当初考えていました。
この予定で行けたら本当に最高な景色が見れたと今になったら思うのですが、23日にどうしても外せない用事ができてしまって
こんなものなんですよね
でも、ほんとうっすらでしたが下山直前にベンチの上に積もった雪を見ることができたので今回は良しとしときます
また来年ってことでしょうね
●teteteさん
はい
今年は雨だらけの山行でしたね
まぁ基本、週末の雨が多かったってことですが
本当なら22日23日の予定でと当初考えていました。
この予定で行けたら本当に最高な景色が見れたと今になったら思うのですが、23日にどうしても外せない用事ができてしまって
こんなものなんですよね
また、来年ってことですね
また、贅沢な時間の使い方をしに泊まりにいけるように仕事がんばろうっと
ちなみに、大会は、先週でした
いつもエッセイを読むように一気に読んでしまいます。
また行かれていたとは!
何回目かなと思ったら、今年だけで4回目なのですね。
今回気温はどうでしたか?
この時期は登りのときはどんな服装なのでしょうか?
そろそろ、いやすでに燕ポイントカード満タンになってそうですね♪
●penko1110さん
また、行ってましたよ
よく分かりましたね〜
今回は、今年の春にたまっていた満タンのポイントカードで泊まってきたんです
4回目と言っても一回は、燕山荘経由で大天荘まで行ってますがね
それと服装。
この日はこの時期らしからぬ気候で雨だったし、あまり参考には…。
なのでほとんど夏の服装に雨具を着た感じになってました。
ズボンはちょっと厚手のものにしてましたけど
ただ山小屋では寒いかなと思ってソフトシェルとかフリースとかモコモコのフリース地の靴下とかダウンとかいろんな防寒着を持ってました
また、まったりな感じの山行、一緒に行きたいですね
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