蘇陽峡☆九州のグランドキャニオン?
- GPS
- 03:17
- 距離
- 11.1km
- 登り
- 598m
- 下り
- 607m
コースタイム
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
この日、高千穂から登山口のある五ヶ所までは行ったものの、祖母山はすっかり雲の中であり、風も強かったため、登山を諦める。五ヶ瀬町にある幣立神宮を目指して県道?号線に沿って車を走らせる。途中、烏岳(からすだけ)の近くを通ったので、360度の展望が望めるというこの山に登るものの、山頂は辛うじて晴れてはいるものの阿蘇山、祖母山を含め周囲のほとんどの山が雲の中である。五ヶ瀬町に入ったところでうのこの滝の案内標が目に入り、寄り道をする(その顛末は日記に)。うのこの滝からは国道218号線に入り、幣立神宮を目指すと、今度は蘇陽峡への案内標が目に入る。なにやら九州のグランドキャニオンと大仰なことが書いてある。
早速、調べてみると前日に訪れた高千穂峡を流れる五ヶ瀬川のさらに上流にある峡谷で、峡谷に沿って遊歩道がついているらしい。地図でご覧になればおわかりのように200mほどの深い渓谷が延々と続いているようだ。高千穂に戻って高千穂の観光を続けようと思っていたのだが、雨も降らないようであるし、前日の高千穂峡に引き続いて、峡谷の遊歩道歩きというのも悪くない。まずは幣立神宮に参ってから、再びR218を戻り、蘇陽峡に向かう道に入ってゆく。国道からは蘇陽峡はそれなりに離れていたにも関わらずgoogle mapでは明らかな道が表示されないので、どんなに細い道を辿らねばならないのかと懸念していたが、意外と広く、整備された道が続いていく。道路は地元の方々が大勢で草刈りをしておられる。
この道の終点、長崎鼻展望台の駐車場にたどり着くと、かなり立派で、大きな駐車場である。我々の他には車は一台もない・・・それどころか果たしてここを訪れる人がいるのだろうかと思うほどに寂れた感じがする。県道の道路標に掲げられた九州のグランドキャニオンという謳い文句につられて迷い込んでくる我々のよううな物好きが訪れる以外には、そもそもこの場所の存在があまり知られていないのではないだろうか。
駐車場の先には遊歩道がついており、すぐに立派な展望台につく。彼方の谷底深くに五ヶ瀬川が流れており、峡谷と呼ぶに相応しい眺望ではある。まずは展望台の先にある遊歩道の案内板をスマホの写真に収める。ここから先に進むとなると、頼りになりそうな地図はこれくらいだ。ここから谷底まで下るのはかなりの距離がありそうだが、谷底の風景を期待して下ることにする。この長崎鼻というのはその先で左から五ヶ瀬川、右からは三ヶ所川が合流する地点を見下ろす高台を意味するようだ。まずは谷底の水力発電所に至る細い舗装道をジグザグと下っていく。
家内がこの道をもう一度、登らなければならないの?とかなり不安な面持ちで私に訪ねる。普段の山行に比べれば大したことはあるまいと思うが、展望台からはかなりの距離を下ることになる。道はやがて五ヶ瀬川方面と三ヶ所川へ下るルートと二又に分岐するが、まず川の下に下るには三ヶ所川方面に下る。道はまもなく遊歩道と分岐し、谷底の水力発電所に至る。折角、ここまで来たので水力発電所の手前から川辺に降りようとするが、なんと川べりに下るための石の上に大きな青黒い蛇がとぐろを巻いている。青大将だろう。上から石を投げると蛇の胴体に命中。蛇はそそくさと石垣の間に退散してくれたので、川べりに降りる。三ヶ所川の岸辺に降りることが出来たのはこの一箇所のみであった。
先程の分岐まで戻ると三ヶ所川に沿った遊歩道に入り、舟の口水源を目指す。一軒の廃屋の前を通るが、このようなところに人が住んでいたことに驚く。廃屋の前では木苺の実が多くなっており、幾つかを頂戴する。なんと驚いたことに遊歩道は細いながらも舗装路が延々と続いている。舗装路は苔むしており、少なくとも頻繁に人が通過した気配はない。残念なことにこの遊歩道は谷からは離れており、渓谷美を堪能するために作られたものには思えない。既存の山道の上に舗装を施したかのように見える。かなりの努力だっただろうと思われるが。
やがて谷が大きく開け、三ヶ所川がよく見えるようになると養魚場にたどり着く。養魚場は三方を崖に囲まれており、この三方からは漆黒の岩肌から大小多数の滝が流れだしている。岩肌から湧き出したばかりの清水が舟の口水源の水なるのかと理解する。ガイドマップをみると、舟の口水源におすすめポイントと書かれている。何がおすすめなのか実際の光景を目にしてようやく理解する。清水がふんだんに得られるので養魚場にも都合がよいのであろう。しかし、壮麗な滝の景観と養魚場の生簀がなんともミスマッチに思えるのは私だけだろうか。路傍にはホースの差し込まれた小さな壺の口から清水が流れ出ており、ペットボトルの水を入れ換えては喉の乾きを癒やす。
ここからは車道をジグザグとかなり上まで登る。ようやく蘇陽地区の車道に出ると、スマホに撮しておいた遊歩道のマップを頼りに反対側の五ヶ瀬川に下る道を探す。標識もなにもないので、マップがあったとしてもわかりにくいと思われる。細い林道を入ると杉林の中には椎茸が多く栽培されている。
やがて道は細くなり、マップに書かれている通りかなり急な階段の連続となる。階段が終わると、再びコンクリートの舗装された石段が続くが、この辺りになるとかなり道は荒れており、長いこと人が通過した気配がないようだ。すっかりと苔むして緑に覆われているもののコンクリートの舗装がなければルート・ファインディングも容易でなかったかもしれない。先の階段もやがては腐食して、通行出来なくなる日も遠くないのではないかと危惧する。おそらく甚大な手間暇かけて修復するに値するほど観光客が訪れるような場所ではないだろう。
五ヶ瀬川に沿った道に出ると、こちらは見晴らしはよいものの、やはり川からは道が遠く、渓谷美を堪能するには程遠い。ところどころに民家が散在しており、こちらの道路は生活路として機能しているのだろう。山間の長閑な景色を眺めながら長崎鼻を目指す。
空は晴れて、青空の下を雲がかなりの勢いで通過してゆく。祖母山も今頃は晴れているのだろうかと、山の上が気になるところだ。最後は再び急坂をジグザグと登り、再び長崎鼻にたどり着く。朝に登った烏岳が正面に見えるが、祖母山を始めとするその他の山々は相変わらず厚い雲の中だった。
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