燕岳・大天井岳・常念岳・槍ヶ岳・南岳
- GPS
- 76:00
- 距離
- 55.7km
- 登り
- 5,764m
- 下り
- 6,086m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 9:55
- 山行
- 7:20
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 9:45
- 山行
- 9:05
- 休憩
- 4:50
- 合計
- 13:55
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:15
天候 | 1日目は晴れ、夜に雨。 2日目は晴れのちくもり、夜に雨。 3日目はくもり時々晴れ、夜に雨時々豪雨。 4日目は雨時々豪雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
槍ヶ岳山荘で合流した父と弟は沢渡まで車。 そこから新穂高温泉まではバス。 新穂高温泉に下山後は、バスで沢渡まで移動。停めてある車を拾い、遅れて下山する父と弟を待つことに。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【DAY1】 中房温泉〜燕岳は特に危険箇所なし。アルプス三大急登もしっかり歩いてきてる人なら問題なし。 ▶燕岳から燕山荘へ向かう道中、ハイマツ帯を散歩する雷鳥に遭遇。 燕岳〜大天井岳は気持ちのいい稜線歩き。 大天井岳〜常念岳は一部藪漕ぎがあるものの、アップダウンはさほどなので歩きやすい。 ▶大天荘から常念岳へ向かう道中、これまた雷鳥に遭遇。今度は親子セット。 【DAY2】 常念岳〜大天井岳は支障なし。深夜の降雨によりハイマツ漕ぎで濡れる。 大天井岳〜大天井ヒュッテは割と急な下り。 大天井ヒュッテ〜西岳までの喜作新道は樹林帯を越えつつアップダウンのある稜線歩き。長めのハシゴもあるので下降時は注意。難度はそうでもないが、体力がないとちょっとしんどいかも。 西岳〜槍ヶ岳山荘の東鎌尾根は結構な登り。岩場が好きな人は楽しい。十分注意は必要だが、そこまで危険箇所らしいとこはない。 槍ヶ岳山荘〜槍ヶ岳はハシゴを4つ通過する岩場歩き。高度感はあるが、妙義の鎖場の方が恐かった。 ▶3日目にはここの岩場で雷鳥親子に遭遇。今年は遭遇する確率が高い。 【DAY3】 槍ヶ岳山荘〜天狗池までの下りは夜間の道迷いに注意。明るければ問題なし。天狗池からの登り返しはさほど。途中の沢で水を補給できるのがありがたい。 槍ヶ岳山荘〜千丈乗越の下りは多少ザレてるものの、時折晴れ間から見せる裏銀座の眺望が素晴らしい。 千丈乗越〜千丈分岐までは狭く急な下りなので要注意。槍ヶ岳山荘までの登り返しは途中ガスがかかり、目標が見えず、ひたすらつづら折りを登っている感覚。富士山の頂上鳥居手前の雰囲気に似てる。 槍ヶ岳山荘〜南岳も振り返れば槍、両側も壮大な山域の大展望。一部岩場もあるので十分注意。 【DAY4】 南岳小屋〜槍平小屋は破線ルートでもいいレベル。今までで一番危険だと実感した。ザレたりぬかるんだりで天気が悪ければ路面状況は劣悪。滑落の可能性も十分ある。途中緊急用の救急箱が設置されいるのみで、小屋もなければエスケープもない。初心者に限らず、登りも下りもよく判断して進退を決めた方がいい。 槍平小屋〜新穂高温泉は増水した沢の渡渉や雨により滑りやすくなっていることに注意。あとは長く緩い下りが延々と続くので正直しんどかった。 |
その他周辺情報 | 下山後は新穂高温泉のホテル穂高にて日帰り入浴。他にも入浴できるとこはある。飯もどっかしらで食える。 新穂高ロープウェイには足湯もあるのでオススメ。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
半袖Tシャツ
半袖インナー
半袖シャツ
長袖インナー
タイツ
ヤッケ
インサレーション(ダウン)
雨具上
雨具下
ショーツ
パンツ
靴下
キャップ
靴
バックパック
サコッシュ
テント
グランドシート
BIVY
マット
ストック
固形ストーブ
クッカー
カトラリー
傘
食料
行動食
飲料
地図
コンパス
ヘッドランプ
ファーストエイドキット
常備薬
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
カメラ
メガネ
虫除け
|
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備考 | 多少重量を犠牲にしても防寒対策は重要。 |
感想
【DAY1】
▶中房温泉〜燕岳〜常念岳〜常念山荘
毎日あるぺん号に乗車するため、前日夜に毎日新聞社入り。林昌二設計の社屋。常念岳・燕岳方面に向かうバスが4台と賑わいを見せる。
皆さん重装備で、中にはヘルメットも準備してる方も。自身の計画同様に表銀座を歩き、槍ヶ岳を目指すのかなと想像。
一方、ULハイカーらしき人は皆無。唯一、山と道のTHREEを背負った同世代くらいの方を見かける。彼とは山の中でちょいちょい遭遇し、槍ヶ岳山荘では会話を交わした。
自身は今回がデビュー戦となるminiを背負い歩くことに。なるべく軽量化しようとフロアレスにBIVYと削れるとこは削った。
途中SAでの休憩を挟み、翌日の6時前には中房温泉に到着。登山届を提出し、荷物を詰め直す。
ここで探したのは「温泉の出る蛇口」。
PEAKSだったかワンゲルだったか、ライターの高橋庄太郎さんが紹介していた蛇口を見つけたく、うろうろ。意外と知られていないのか、奥の方にポツンとあった。蛇口をひねり、温泉が出ることを確認していざ出発。
燕山荘までは終始登りに徹するが、合戦小屋で食べられる高級スイカ(800円)のおかげで順調なペース。燕岳には荷物をデポし、ピストンで。
荷物を拾いに行く途中、すれ違ったおじちゃんに「あそこの茂みに雷鳥がいたよ」と教えてもらい、ハイマツ帯に同化する雷鳥を発見。おじちゃんの優しさと思いがけない出会いに気分は高揚。
燕山荘をスルーし、大天荘へ。再び荷物をデポし、大天井岳をピストン。
ランチは冷やし中華(1000円)を注文。最高。
その後、今日の目的地である常念岳に向かって歩みを進めると、今度は雷鳥親子に遭遇。チビちゃんは初めてだったので足取りが軽くなる。
また、雲の切れ間から槍ヶ岳も拝むことができ、明日が待ち遠しくなる。
常念山荘手前で樹林帯に入るものの、それ以外はなだらかな下りのトラバース。一部登り返しもあるがそれほどキツくはない。
常念山荘に着き、テン場を確保。設営後は空荷で常念岳をピストン。山荘に戻り、りんごジュース。ビンで1000円は安い!グラスだと400円。
夜は自炊し、早々に就寝したものの、深夜は雨。浸水するほどではなかったので一安心。
【DAY2】
▶常念山荘〜大天井ヒュッテ〜槍ヶ岳〜槍ヶ岳山荘
3時に起床し、テントを撤収。槍ヶ岳に向かうため、大天井まで戻る。深夜の降雨により濡れた木々が体に当たり割とびしょびしょ。
振り返ると常念岳で御来光を拝もうとするヘッデンの明かりがちらほら。人の気配を感じると暗闇でも勇気をもらえる。
大天井の分岐を左に、ヒュッテを目指す。ハシゴや鎖のある下りは慎重に。予定していた牛首展望台は空模様を見てスルー。先へと進む。途中後ろからやってきたトレランの方にTJARが開催中だと教えてもらった。
憧れるのはいいことだが、そこまでの技量と体力がないのにアルプスをトレランするのは微妙だなと翌3日目の事故を経験し、より一層思う。
途中の西岳も三度デポした上でピストンし、いよいよ東鎌尾根へ。 槍ヶ岳はガスにより見えず、途中小雨も降る始末。
晴れることを願いながら槍ヶ岳山荘に到着。テン場を押さえ、ランチは牛丼(1000円)。最高。
テントを設営し、天気が回復してきたのを見計らい空荷で槍ヶ岳をピストン。
プチ渋滞により自分のペースで進めないのはしんどいが、今日はこれでおしまいなので気長に。
渋滞の原因は単純で、経験と体力不足。子どもは頑張れと声をかけたくなるが、見苦しい様子のおさんおばはんは無理しないでもらいたい。
無事ピークを踏み、写真を撮ってもらったおばちゃんとは、翌朝の天狗池ピストンの帰りに遭遇。山の出会いってこういうのがあるからいいよね。
テン場に戻り、自炊して就寝。夜も少々雨が降ったが、石でテント周りを囲ったおかげが前日よりもぐっすり。
【DAY3】
▶槍ヶ岳山荘〜天狗池〜千丈乗越〜槍ヶ岳〜南岳山荘
今日は前日に新穂高温泉から入った父と弟に合流予定。電波が入らずGPSも機能せず、無事槍平小屋まで着けたのだろうかと心配しながらも、持て余した時間を費やしに天狗池へ散歩。
暗闇の槍沢は道迷いに注意しつつ、浮き石を踏まないように。
天狗池手前で日が昇り、赤く染まる空模様に感動するものの、肝心の逆さ槍は拝めず、ガスが晴れる気配もないので諦めて山荘に戻ることに。この時間ともなれば、登り下り共に人が増え賑わう槍沢。
ここで事故が発生。
トレランで下山中のおっさんが転倒し、2mほど上から落ちて登りの自分に正面衝突。幸いお互い大した怪我はなかったものの、衝突された自分が高齢者だったら、衝突するものがなくそのまま落ちていたら、ゾッとするレベル。
なので、自称トレイルランナーを語る初心者はアルプスで走らないでもらいたい。登りを走れず、登山者である自身に追い抜かれる程度の足腰であれば初心者なので、低山でしっかり経験と体力を身に付けるか、誰もいないタイミングを見計らって勝手にやってくれ。ゴミを捨てる輩が山にいらないのと同様に、人に迷惑と危険をもたらすランナーもいらない。
そんな事件をやり過ごし、山荘にカムバック。ここでようやく父と連絡が取れ胸をなでおろす。今度は千丈乗越まで迎えに。
千丈乗越までは裏銀座方面の展望が素晴らしくカメラを構える回数が自然と増える。少々ザレている箇所もあるので注意。
乗越を過ぎ、分岐へ向かう途中で父と弟に合流。狭く急な下りとなったので慎重に。土も露出しているので滑る。
父の荷物を背負い、3人で山荘を目指す。遅れること30分ほどで父も山荘に到着し、荷物をデポ。空荷で槍ヶ岳へ。
前日以上の渋滞で往復2時間コース。途中出没した雷鳥親子が和ませてくれた。
ピークを踏み、テン場へと戻る。
テントを撤収し、南岳へと足を進める。人も少なく静かな稜線歩き。時折出現する槍に興奮しつつ、岩場を登っては下り、南岳小屋に到着。
テントを設営し、小屋で軽食を購入。食事を済まし外に出ると雨が降ってきた。次第に強くなり深夜は豪雨となる。翌日のルート変更も視野に入れ、就寝。
【DAY4】
▶南岳小屋〜槍平小屋〜新穂高温泉
朝目覚めると雨は落ち着くものの、ガスで視界はクリアにならず。予報を見ても今後更に降る可能性は高い。大キレットとジャンダルムは次回のお楽しみということで、意を決して早々に撤退。テン場には30張を超えるパーティがいたが、周りの様子を伺っているのかなかなか動こうとはせず、一足先に下山。
最終的にはこの判断を下してよかったなと思えるくらい激しい雨に下山後遭遇した。
目指すは槍平小屋。
ここはかなりしんどかった。
景観は素晴らしいが、二度と歩きたくない印象。悪天候時はなおさら。
疲れもあるだろうが、10回はコケた。
無事小屋へ到着し、一息。気持ちが先行しているので足早に新穂高温泉へ向かう。
当然沢は水かさが増し、渡渉も慎重に行かねばならなかった。
渡渉以外に目立った危険箇所はないが、雨により岩肌が滑るので注意。林道終点から温泉までの5kmにわたる林道歩きがかなりしんどい。歩いても歩いてもまだかまだかの連続。疲れと天気で飽きてくる。
そんなこんなで、ようやくゴールの温泉に辿り着き、フィニッシュ。
ロープウェイ乗り場で軽食と足湯を楽しみつつ沢渡までのバスを待つ。
沢渡で車を拾い、温泉へリターン。遅れてくる父と弟待ち。しばらく車中で待つ間も雨は降ったり止んだり、時々豪雨。早々に下山して正解だったなと振り返る。
その後下山した父と弟に合流し、穂高ホテルで風呂。飯も食って北アルプスを後にする。
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