栗子山塊 烏川下降〜滑谷沢左俣遡行
- GPS
- 29:27
- 距離
- 21.2km
- 登り
- 1,090m
- 下り
- 1,253m
天候 | 2018/10/6(土) 晴時々曇 2018/10/7(日) 曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に大きな倒木等なく、巻道にトラロープあり。 |
写真
感想
10月3連休は白嶺南稜を計画していたが、台風襲来で東俣林道も不通の事態となり残念ながら中止。東海〜西日本と北東北〜北海道は大型台風の影響をもろに受けるなか、南東北は比較的平和なようで、晴天も望め、気温も上がる予報、ただし稜線は強風だろうから、ならば沢だ!ということで4年ぶりに滑谷沢(なめやさわ)をのんびり歩くことにした。
【2018/10/6(土):1日目】
節約のため、下道で福島へ。深夜にもかかわらず須賀川でR4に出たあとが信号に引っ掛かりまくりで面倒このうえなく、やはり3桁国道を福島までつなぐほうがストレスは少なそうだ。コンビニで食糧調達し、午前5時半頃にR13東栗子トンネル東側の誰も居ない駐車エリアに到着。車内でおにぎりを食べ、ふと外に出ると乗用車が止まっていて男性がひとり。登山の服装をしておられたので、沢ですか?と話かける。地元山岳会の仲間3名で滑谷沢右俣〜栗子山を1泊2日でまわられるとのこと。同行されますかと誘われたが、自分は足が遅いし即席PTで何かあったときに大変なご迷惑をおかけするので、以前行ったことのある滑谷沢左俣を1泊2日をマイペースでまわります、とこたえる。「ひとりで、凄いですね〜」といわれるが、単独で沢の遡行は常識的にはNGであることがひしひしと感じられ、本当に万一が起こったとき、入山時に出会った彼らが事情を聴かれることは必至なので、絶対に無事戻りますと勝手に宣誓する。では二ツ小屋隧道まで車で上がるのでそこまでご一緒にと言っていただき、ありがたく同乗させていただいた。(連絡先をいただき、またご一緒しましょうと下山後にメール交換させていただいている。)
二ツ小屋隧道入口から出発。入山方向に右側が水没しているところがあり、左側を歩いたほうが安全だ。冬は見事な氷瀑となり最近人気スポットとなっている天上穴を通過しトンネル出口へ。そのまま林道を進み、コンクリートの烏川橋を渡ると林道は右カーブ、カーブの途中に烏川へ降りる踏み跡がある。烏川へ入渓。水量少なく平らで平和な沢を下降する。途中で何か所か滝の脇を降りるが大体は明瞭な踏み跡があり、トラロープが設置されているところもあるので、懸垂下降するような場面はない。途中で日が射し緑のトンネルとなった烏川は本当にきれいで、福島の沢は本当にいいところだなぁ〜、来てよかった、としみじみ。クモ沢出合手前のゴルジュは右を行くか左を行くか悩むところ。右岸で1箇所悪いところにもトラロープがあった。
烏川と滑谷沢出合で大休止。幕場あり。左の滑谷沢に入る。ここまでずっと水流の少ない烏川を歩いてきたので、滑谷沢は水が多く感じ、沢の中をじゃぶじゃぶ歩く感じにはならない。2〜3mから5mくらいの滝が断続的に現れ、大体右を行った気がする。4年前の記憶では滑谷沢に入ってからナメコを採ったので、先行する地元山岳会PTが採りつくしてしまわず一人分だけ残してくれていればなぁと思っていたところに、ちょうどナメコ汁として楽しめそうなぶんだけナメコが。ありがたく採集。
ところで、癒し系の沢歩きを重ねるうちに、「気まぐれに竿を出して糸を垂れるような遊びができれば、もっと沢歩きが楽しくなりそうだな〜」と思うようになり、9/23(日)に井川の某沢で地元猟師さんに渓流釣りを教えてもらう機会に恵まれた。釣りは本当に縁がなく基本も道具もなにもかも初体験だったが、エサ釣り(ぶどう虫)の道具をお借りして最低限のやりかたを教えていただき、1日やってイワナ3匹釣り上げることができた(師匠はテンカラ、常時自分の後方で竿を振って16匹)。ハンティング志向は持ち合わせておらず釣りの楽しさはまったく想像できていなかったが、いざアタリを感じあわせがうまくいって透きとおるように美しく力強く跳ねるイワナを釣り上げると、イワナとのコミュニケーションが成立した感じがして、とても楽しい。息絶えたイワナの腹を裂き内臓を取り出す残酷さも経験したのちに美味しく胃袋におさめる行為は、ありきたりな表現だが「自然の恵みをいただく」尊さ有難さが直観的に湧くのだと初めて知った。
魚影はないか、鉤を投げるならどのへんかな?と考えながら歩く。今まではただ、きれいだな〜癒されるわー、だけだったのが、一気に世界がひろがって本当に楽しい。好天の連休なのに釣師はひとりも目にすることはなく、渓流釣りの世界はモラルがあるんだなーと思う。イワナはたいてい複数で浮かんでいて、こちらの気配を察知すると物凄いスピードで移動、岩陰に身を隠してしまう。来シーズンは釣りの練習でまたここに来たいと思う。
滑谷沢二俣手前にテントを張る予定で、手前の枝沢で水をとっていると、突然後方から人間が現れ、口から心臓が飛び出しそうになる。2名PTで、諏訪からこられたそうだ。あちらには距離の長い沢があまりなく、わざわざ東北まで足を延ばしてこられたとのこと。右岸のテン場は奥にもひろがっていて、自分はタープじゃなくテントなので、広いところを使ってくださいねと伝え、先に行ってもらった。そして滑谷沢二俣手前右岸のテン場に到着。自分ひとりだった場合は焚火の練習でもしてみようかなと思っていたが、他PTもいるのでテントを張り静かに過ごす。その後4名PTも訪れたが、タープを張れる場所がなく、少し戻ったところに張りますと去っていった。アルコールを持ってくるのを忘れてしまったーーー!!痛恨のミス。幸い寝不足と疲労で、ナメコの味噌汁を美味しくいただいたのちにいつのまにか寝入っていた。
【2018/10/7(日):2日目】
10月とは思えぬあたたかさで熟睡でき、すっきり目覚め。手早く朝食を済ませてお隣にご挨拶して出発。すぐに二俣で、左俣へ入る。少し進むと10m。滝の前に立ち左に視線を移すと踏み跡がわかる。先月遡行されたLuskeさんの記録によれば左の巻道にあるトラロープは状態が悪く使わないほうが、とあり、どんなもんかなーと思いつつ取付いたが、どういうわけかトラロープを目にすることなく滝の上に出た。その後2m程度の滝というよりは段差をいくつか越え、三本松沢出合の手前のゴルジュを抜け、出合の裏見の滝へ到着。ここは左に目につくトラロープがぶら下がっているが、下からでも見えている支点は雪の重みで下方へ延びている直径せいぜい10cm程度の木に1箇所結んであるだけで、木が根っこごと抜けた状況を想像するととても恐ろしく、トラロープから左寄りのラインで登った(ここもLuskeさんの記録に詳しく解説してあります)。
ここから先は完全に癒し系のあかるい沢となる。水深数cmのところでもイワナが泳ぎ回っていて、姿をみかけるだけでわくわくする。楽しい!やがて大平橋が見え、遡行終了。大休止ののち、橋脚わきの踏み跡を辿って林道へ上がる。林道を少し行ったところにジムニーが駐車してあり、こんなところまで入れる4輪はさすがジムニーだけ!林道歩きの最中に雨に見舞われたが、二ツ小屋隧道を抜けた先で雨は上がった。入山時に同乗させていただいた地元山岳会の車に置手紙を残し、東栗子トンネルへ戻って山行終了。
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