雨の黄金沢遡行〜黄金山だけが僕らを見ていた〜
- GPS
- 04:19
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 194m
- 下り
- 193m
コースタイム
- 山行
- 4:19
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:19
天候 | 氷雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
*最大の核心部は自動車で河床路(コンクリート製の沈下橋のようなもの)を渡る場面でした。降雨の影響で下山時はかなり増水しており、悪路に強いSUVでもドキドキヒヤヒヤの川渡りとなりました。増水が懸念される場合は手前に駐車するのが賢明です *左岸の林道は倒木のため自動車は通行できません。近くのスペースに駐車しましたがそこから入渓までは約1時間歩きます *河床は非常に滑りやすく水圧も相まってかなり厳しい条件でした。やはりこの沢は温かい季節にのんびり遡行するのに適しているのでしょう(つか、ほとんどの沢がそうです笑) |
写真
感想
「小春日和に沢納会」を合言葉に準備を進めてきた。11月の中旬に決まって訪れるという、麗らかな陽気に期待して計画を立てたのだが現実はそんなに甘くない。季節外れの大雨は遡行を予定していた白老地方の沢に異常な増水をもたらした。直前になって比較的降雨の影響の少ない(と推測された)場所へとリロケした先がこの黄金沢だ。
で、いよいよ当日。曇り予報に一縷の期待を寄せて車を走らせるが、向かう先に待ちかまえるのはひときわ濃ーい色をした暗雲だ。雨雲に理想を求め猛進する我らの姿はまるでドン・キホーテである。案の定、現地で待っていたのは冷たい雨。ミゾレまじりの、それは例えるならあの演歌の名曲でいうところの「氷雨」というやつだ。
雨が止むのを待つこと一時間。小ぶりになった間隙をぬって出発したが、非情な雨は手を抜くことなく入渓する時にはずぶ濡れ状態だ。それでもときおり顔を覗かせる思わせぶりな青空に勇気づけられ(いや、騙され?)て遡行を続ける。
沢は思った以上に増水していて水圧も強い。沢床は滑りやすく足を取られる度にヒヤリとする。北風が強く感じられたそのタイミングでこれ以上の遡行はヤバいと判断。予定の時間を短縮して遡行中止を決定した。
岩のブラインドに身を寄せささやかな納会パーティを始めることにする。ストーブに火を着けzeropoさんが調理してくれたアツアツの雑煮(本人はお吸い物と言っていたが)が五臓六腑に沁み渡る。
この先に待つ美しいナメや釜持ちの滝を見れなかったのは残念だけど、まあそれは次回にということで。
しかし、ここで遡行を中止したのは賢明な判断だった。雨はその後も降り続け沢の水位も急上昇。toruyukeさんのエクストレイルでも川も渡れない状況になったかも知れず、帰宅不能になったかも知れないからだ。まさにくわばらくわばら…。
こんな時期に、しかもこんな天気で沢登りなんて…誰も見向きもしないことなのだろうが、沢から見あげる(まるで北海道の○大鋭鋒にノミネートしたい位の)トンガッた黄金山だけは、僕らの挑戦をあたたかく見守っていてくれた…様であった。
「11月の中旬には決まって小春日和がある」と宣ったせいで、3人で暗雲に突入してしまった。雨を避けて出発したが、冷たい雨に打たれ、札幌周辺や道南方面に向かえば良かったと何度も思ったことか!
黄金沢は本当に滑りやすかった。河床の藻に足を載せると水流に持ってかれてこけそうになる。岩盤の上も滑ってしまえば、かなり下までウォータースライダー状態。危ない危ない!上流から冷たい強風が吹いたところで遡行中止。この判断が正しかったのはyuhokaiさんの感想の通り。zeropoさんの白玉団子、麩、シイタケとミツバの入ったお吸い物、冷え切った体に染みた。黄金鍋ではなかったが旨かった、この上なし。
食べ終わってからも雨は降り続け、車で越えてきた河床路の水位が上がり、再び渡って帰れるかどうかが心配だった。黙々と歩く3人に黄金山は鋭いトンガリを見せてくれた。写真撮影で時間を食ったが、急々と車に戻った。案の定、河床路の水位は上がっていた。勢いを付けて乗り越えたとき、ボンネットの上まで水しぶきが上がった。危ない危ない!あと1時間も遅れたらどうなっていたか!水中走行で浸かったのか、翌日までいろいろなセンサーが誤作動していた。
冷え切った体を温めるのは温泉、浜益温泉に直行。駐車場に着いて温泉準備をしているときに吹いた風が一番堪えた。温泉主に「黄金山かい?」と聞かれたので黄金沢と言うと呆れていたが、ずいぶんと親切にしてくれた。理由は後で分かったが、料金は同じなのに11月から3月まで露天風呂閉鎖だった。1時間ぐらいとは言ったが、男性陣は早々と上がった。一方、zeropoさんは丁度1時間して上がってきた。露天風呂もないのに1時間もあの温泉でどう過ごしたかが、??。沢でドボンできず、温泉でドボン?
それはともあれ、沢と山に宿題を残してきたので、来年9月も黄金沢です!晴れたときに。
本当に本当の沢納会
前日の天気予報ではそこまで雨に当たらないと思っていた
向かう途中、車は大粒の雨の歓迎を受ける
それでも堂々とその姿を見せてくれた黄金山
コンビニ寄って向かう途中にはもう消えていた
待機しながら1時間遅れで出発
林道ではアラレに当たるも入渓からはあまり雨に当たらなかった
形を変えて時々姿を現わす黄金山
誰もいない静かな沢で黄金山だけが僕らを見ていた
気まぐれな青い空は僕たちを笑顔にしてくれた
時折、冷たい風が僕らを取り巻いた
食後のコーヒーの後、大粒の雨がもう帰りなよと僕らを追い立てた
帰り道、黄金山が1番カッコよく見えた場所でまだ花開いていたヒメギクが横たわっていた
晴れの沢締めとは行かなかったけれど
いつもとは違う黄金山を見る事が出来てとても嬉しかった
また来年会いに行こう
「お別れ」
去年から始めた沢登り
今年は研修会に参加から始まりベテランの先輩達に沢山の事を教わった
沢の魅力は尽きない
人が作り上げた登山道を歩くのとはひと味もふた味も違う
自然が創り上げた道なき道を歩く
底の見えない流れに足で探り歩く
岩にしがみついて登りつめる
必要以上にロープを力強く掴み這い上がる
四方八方から覆い被さる藪を漕ぎまくる
目的地に辿り着いた時の心と体の軽さは言葉に出来ないくらいの達成感がある
暫しのお別れだと思うと寂しい気持ちはあるけれど勉強してまた来年楽しみたいと思います。
色々フォローして頂いたtoru yukeさん、yoho kaiさんありがとうございました!
また来年も沢山宜しくお願いします笑笑
コメント
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ゼロポさん、ご同行だった皆様お寒うございます
北海道のこの時期に北緯44度で沢登をやりますか・・(絶句・・)
参りました m(_ _)m
ゼロポさん、はまって来ましたね^^
これが最後・・だと思いたい(笑)
うぅ〜寒い〜〜
水はあまり冷たくなかったのですが濡れた体に風が吹いた時は本当、寒かったですよー。
この寒さに、もう本当に終わりの時が来たと心の底から思いました!
大丈夫です、最後です、本当です笑
確かに寒いですが雨と水量さえ適正ならもう少し遡行できたと思います!
今年は雪が遅いんですよ〜。山にも降っていないようなので
ちょっと手持無沙汰になってしまうかも、です
mumcharlieさん、はじめまして
動いているうちは意外と冷たくないものですよ。ただ、止まって風が吹いてくるとヤッパリ北海道です。もう今シーズン、沢は終わりでしょう!これからは雪山です。
「ゼロポさんの鍋を沢で食べたい」になって来ました…。←これgenesisの気持ちですから
すいません日本語力が不足で。。
おっ?!こちらもポエミックゼロポさんに教えてもらわなくては(^^)
やはりそう見えますか!?
確かにそうですね〜。
でも主役はあくまでも沢なんですよ〜。
本当です
genesisさん、来シーズン行きましょう!
是非「沢に登って鍋」を食べましょう笑
冬の間、ヤマメシの研究しておきますよ。
ジェネシスさん、こんにちは。
本当に、何度もzeropoさんの鍋にお世話になってます。特に黄金の鍋は、藪漕ぎも何のその、パワーを与えてくれました。どうして?、ここでこのようなものが出てくるんだぁと感激することでしょう。来年は是非味わってみてください。zeropoさん、つくって上げてくださいね。
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