八面山コソ練、そして忍者返しのチッピングについて
- GPS
- 04:07
- 距離
- 0.8km
- 登り
- 104m
- 下り
- 112m
コースタイム
- 山行
- 4:07
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:07
過去天気図(気象庁) | 2019年01月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
韓国料理と焼肉のお店「世宗(セジョン)」 https://goo.gl/JUeBn8 |
その他周辺情報 | 御岳・忍者返しの岩で大規模なチッピング https://goo.gl/J3kdXZ |
写真
感想
2019年、最初のクライミングは八面山に行ってみた。
というのも来週末にある今年一発目の西田クライミングスクール(N.C.S.)が八面山だからで、みんなと登る前にコソ練しとこうという姑息な僕なのだ。前夜にセジョンで焼肉をたらふく食べて、いざ出陣。
2ヶ月ぶりの八面は、やっぱイイ★
のんびりお昼に到着し、気温は10℃を下回っていたけど、日差しもありコンディションは最高。まずは「カプチーノ/5.9」でアップ。トップロープを掛けてイオタンも登る。続いて前回、宿題で残してきた「フレンド/5.10b」に取り付く。
前回はワンテン完登だったので当然RPを目指すも、足順をミスって痛恨のフォール…。そらないわ〜、と落ち込む。とりあえず登ってTRを掛けてイオタンも遊ぶ。その後に再度トライして回収しました(動画はフォールとRPの様子を収録)。本当はもう一つの宿題、「シティライン/5.10c」があったけど、これは来週に取っておこう。
リードはここらで切り上げて、もう一つの目当てだったボルダーを偵察に行く。人気の1級課題、「チェルシーチェイン」がある「分岐のボルダーエリア」を見に行ってみた。先客がいたのでご挨拶して、そのトライを見学させてもらう。…うわ〜、こりゃキツそうだ。でも、僕もいつか外岩ボルダー1級とかトライしてみたい。そして日本のボルダーのクラシック課題である御岳の「エイハブ船長」とか「忍者返し」等の1級課題を登ってみたい。そう以前にもどこかで書いた。
そして今夜、初めて知ったのだけれど、その「忍者返し」がチッピング被害に遭っていた。なんてこった…。
ここで言う「チッピング」とは「削る」という意味だ。
ボルダーの課題では、手足に乗り込むホールドにほぼ決まった手順がある場合がある。そのホールドが削られた。クライミングをしない人には、それがどうした?という話だけど、クライマーにとってはあり得ない話なのだ。
自然の大岩(ボルダー)を身体ひとつで登る、それがボルダリングなわけだけど、その難易度(グレード)の目安について日本では「段・級」で表す。その段級グレードの一つの基準となる岩が「忍者返し/1級」だ。はしょって言えば、この「忍者返し」より易しければ2級、難しければ1段、というようにグレードが形作られてきた。
先にも書いたように、クライマーにはいつかは登りたい、と思う岩がある。その岩に刻まれた美しいラインを登る実力をいつか身に付け、挑戦したい。今の僕は3級の岩も登れないけど、あの日本のボルダーのメルクマークとも言える「忍者返し」は憧れの岩だった。
この段級グレードが草案された歴史(それは日本のフリークライミングの歴史でもある)とかを語りだすと長くなるので止めるけど、そういった日本のクライミング文化を生み出した岩が、昨年12月のクリスマス前後に人為的に削られたという。
ほんとに、なんてこった…。
N.C.S.の西田校長はよく、「クライミングは生涯スポーツ。岩と対話する喜びや楽しみを感じ取ろうよ」と僕らに語ってくれる。「岩との対話」ってなんだろう?…それは、人智の及ばざる自然と真っ向から向き合うことで己自身と深く語らうこと、ではないかと僕は思っている。
これまで低山から雪の北アも含め登山をし、最近では岩壁を攀じってきたその度毎に僕は「自然ってすげぇなぁ。そんでやっぱ俺ってちっちぇなぁ」と感じてきた。時には「いあや〜、俺もなかなかヤルじゃん?」とも。僕にとっての登山やクライミングは、そんな自分を見つめ直したり確認したり、勇気をもらったり打ちのめされたりするところに魅力を感じている。
これまでも書いてきたことだけど、僕にとって山頂に立つことや岩を完登することは目標であっても目的ではない。
だから、登頂できなかったとしても、完登できなかったとしても、それは悔しさはあれども納得するってもんだ。次のお楽しみ、って思ってもいい。更に自分を高めようと思うモチベーションにもなる。あるいは、命を落とさずに済んだという安堵や、ある意味言い訳にもしてる。
かなり話が飛んだけど、要は岩をチッピングした人は、自然や自分と向き合えてないんだよね、と思う。自分の弱さや醜さ、あるいは強さや気高さ、そこに向き合わず他者や外的環境にばかり目が向いているのではないか。向き合わないでいると、安易に何事も他者や社会のせいにし、または自分さえ良ければいいという考え方になるのではないか。僕自身、そんな心境にあった時期があるのでそう感じる。
チッピングされた岩は登りやすくなったり、登りづらくなったりする。
それを行った人間の真意(自分が登れなかったから登り易くした、自分が登れなかったから登りづらくした、その他の嫌がらせとか?)は分からないが、僕にとっては、またはクライミングを愛好している人たちにとっては悲しく、憤りを感じる出来事だ。
あるがままの自然と向き合い、あるがままの己と向き合い、その間で対話を交わすことで得られる喜びがある。そんなことを感じ、また友と分かち合える人生を僕は送りたいと思っている。だからもうこれ以上チッピングなんて事件は聞きたくないなぁ。
コメント
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下見と言う名のコソ練(笑)お疲れさまでした!
本当 陽当たりが良い所なんですねぇ
チッピングって初めて聞きました!
世の中 色んな人が居るんですねぇ
どんな意図でしてるのでしょうかね?
いろんな人が関わって 楽しく安全に登れる岩場になって
その後は登る人達によって守られていくものなんですね。
あまり意識してなかったことを ちと反省しつつ
いつまでも楽しめる岩場にしていかないといけないですね
ほんと、晴れるといいねぇ☀
フリークライミングはクリーンクライミングでもあるんだ。リードの場合は安全確保のためにボルトは打つけど、それも最小限に留めたい。ボルトが遠いからと言って勝手に増やすのもNG。ボルダーもリードも、開拓者の意図や想いがあるんだ。
岩を削ったりして改変することは、開拓者の想いや苦労を台無しにし、その後にその岩を共有財産として登ってきたクライマーの楽しみを奪う行為でもある。それ以前に、勝手に私有地(山の多くは私有地または公有地だ)の木を切ったり岩を削ったらイカンし。
僕らは山に遊ばせてもらってる。
それを忘れたらイカンよね。
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