記録ID: 1772841
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
栗駒・早池峰
日程 | 2006年10月09日(月) [日帰り] |
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メンバー | |
アクセス |
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地図/標高グラフ


標高グラフを読み込み中です...
過去天気図(気象庁) |
2006年10月の天気図 |
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感想/記録
by ちゃってぃ
2006年10月9日に栗駒山に行ってきました。
久しぶりの三連休を利用して、八甲田に行こうと思っていましたが、見事に雨にたたられました。
連休最終日はなんとか雨は上がったものの、青森は未明まで雨が降り続き、風も強くコンディションが悪いとの現地情報を入手。
で、悪天候時は山に入らないのがポリシーの私はといえば栗駒山に日和ました(笑)
「県南は午前・午後ともに0%の降水確率、気持ちよく晴れるでしょう」
と言われたら、なにをためらう必要があるでしょうか!
ところが…
な、なんだ、この雲は?
一関まではとても良い天気だったのに…。
そして…
な、なんだ、この車の数は?
シーズン中は混むとは聞いていたけど、まだ朝も早いぞ?
たぶん、登山客と温泉客の車が入り交じって、こんな大変なことになっているんだな〜。
結局、登山口付近に車を停めることかなわず徒歩10分ほど、秋田県側に下った場所にある駐車場へ…。
徒歩距離が延びてしまったわい…。
車を停めて、改めて須川岳登山口まで戻って登山を開始します。
今回たどる登山道は「須川コース」です。
須川温泉の横にある道から登山開始。
温泉のお湯が川のように流れている脇を通ります。
温泉の周りにも、ご覧の通り大勢の人がいます。
狭い道なのですれ違うのに何度も立ち止まらなくてはならないほど。
ちょっと人多すぎだよ、これ。
高台に登って振り返ってみると…
うわー、下手なレジャー施設なんかよりよっぽど繁盛してるな〜。
帰りは遅くなると渋滞に巻き込まれるな、これは…。
コンクリートで固められた序盤の登山道を過ぎ、直に土を踏める場所まで来ると、さすがに人の数も少なくなり、やっとこさ登山の雰囲気が出てきます。
天気が悪いのが残念だが、下界はあんなに晴れているのだから、もしかしたら途中で青空が広がってくれるかもしれないな。
希望を持って登ろう!
15分程で「名残が原」へと抜けます。
花の季節にはお花畑となり、紅葉の季節は金色の絨毯のような景色が広がる…はずだったですが…。
今日はどよ〜っと曇っているので、いまいち色がよろしくないなぁ。
それでも、湿原を見渡せる高台には、カメラの砲列が並んでいます。
一瞬、雲の切れ間から日ざしが差し込む瞬間を狙っているようです。
カメラ陣地の高台から湿原に降ります。
木道が設けられているので、これを伝って名残が原を縦断します。
う〜ん、これから登る山が、雲に隠れてまったく見えないぞ〜。
木道が濡れていて滑るので、恐る恐る足元を見ながら歩いていくと突然、周りから「おおお〜」というどよめきが。
何事かと思い振り返るとパッカリと雲が割れ、日ざしと青空が!
これは天候の回復が期待できるかな?
名残が原からしばらく歩くと「須川コース」と「自然散策路コース」との分岐があります。
今日は須川コースを辿る予定ですので直進します。
地図で見た限りでは自然散策路コースの方が傾斜は緩やかそうに見えますが。
分岐点付近から、進行方向左手にゼッタ沢が併走します。
木に隠れているため、あまり意識しないで済みますが結構深く切れ落ちています。
万が一にも転がり落ちたら大けがをしますので注意ですね。
特に今日は足元がぬかるんでいるし、すれ違う登山者も多いですから。
次第に登山道と沢の高低差が無くなってきます。
そうすると渡河地点が見えてきます。
昨日まで大雨が降っていたので増水していなければよいなと思っていましたが、どうやら大丈夫なようです。
今日は大丈夫でしたが、ガイドブックにも「増水に注意」とあります。
危ないときは無理せず引き返しましょうね。
この日は、増水はしていませんでしたが靴の裏に着いたドロのせいで足を滑らせる人が多かったようで岩の上には滑った跡がいっぱい残っていました。
足元を濡らしてしまった人、たくさんいたんだろうな〜。
渡渉地点から少し歩くと「地獄谷」にたどり着きます。
先ほどまでの樹林地帯から景色が一変。
草木もまばらな荒涼とした風景になります。
火山性ガスの影響で植物が育ちにくいんですね。
なんとなく硫黄のような臭いもします。
谷の底のほうは危険だということで立ち入り禁止になっています。
今日は風が強いので、火山ガスもすぐに吹き飛ばされてしまうでしょうが風が弱い日は、ガスの濃度が部分的に濃くなることもあるそうで地形の窪みなんかの側には近寄らない方が懸命だとか。
地獄谷を抜けると「昭和湖」に到着します。
ここまでは比較的傾斜も緩く、ハイキング気分で登ってくることが出来ます。
実際、まったく普段着のような格好で登ってきている人も大勢見かけました。
中に、傘を持って登ってきている人がいましたが、さすがにそれは…。
本気で雨降ったら危ないですよ。
昭和湖は「エメラルドグリーンの水をたたえた」美しい風景である…とのふれこみだったのですが残念ながら天気が悪いと、エメラルドグリーンどころか白く濁った薄気味悪い沼です(笑)
晴れている日に再訪したいものです。
湖の周りは広くスペースがありますので、ここで大休憩をとる登山者が多いようです。
私もゴロゴロ転がっている岩の一つをベンチ代わりに一休み一休み…。
昭和湖から尾根筋の天狗平までは比較的急な坂が続きます。
ここまでダラダラ登ってきた身には少々厳しく感じられますが今までが準備運動だったと思えば、かえって身体に掛かる負担は少ないのかも…。
ぐんぐん高度が上がっていきます。
振り返ると、先ほど通ってきた地獄谷や昭和湖を見下ろすことが出来ます。
地獄谷の横を通る登山道にいっぱい登山者が居るのが遠目にも見てとれます。
登山道で渋滞なんていやだなぁ。
景色に気を取られていると足元が危険です。
なにせ、今日の登山道はまるで沢のようになっています。
写真の場所は石があるだけまだマシな所で、時々、どうやっても水の中に足を突っ込まないと通れないところも…。
それでも靴の中までは水が染みてきません。
ゴアテックス万歳。
足場が悪いため登山者の歩みは自然と遅くなりゾロゾロと列なって歩かざるを得ません。スローペースな私は大助かりでしたが「ちっとも進まんな〜」とイライラしている御仁も。
それでも少しずつ高度は増していきます。
高度が増すのと比例して霧が濃くなっていきます。
霧というか雲の中というか…。
そして尾根が近くなってくると「オオオオーン…」と、なんとも形容しがたい気味の悪い音が上から聞こえてくるようになりました。
どうやら頂上付近は、相当風が強いようです。
ひーこら言いながら尾根に取り付きました。
別の登山道との分岐地点ともなっている天狗平です。
尾根筋に取り付き、遮蔽物になっていた灌木帯から出るやいなや猛烈な風に煽られ、身体を持って行かれそうになりました。
物凄い強風が吹き荒れていました。
こんな息をするのも難しいほどの強風は久しぶりです。
身体の左側から吹き付けてくるのですが水分を含んだ風のため、眼鏡の左側だけがあっというまに曇ってしまいます。
最初は軍手で拭っていたのですが、無駄だと言うことを悟り、あとはされるがままに…。
息も絶え絶えに風と格闘していた私ですが、なにか気配を感じて、ふと顔をあげると何かが迫ってきます。
最初は何か分からなかったのですが、どうやら人間のようです。
それはどうやら屈強な、如何にも「山男」と言った風体の5人の男のようだと分かりました。
なぜ変な気配を感じたかと言えば、この5人の山男、この強風の中で一糸乱れぬ隊列を組み、あろう事か小走りに駆けて来るではありませんか。
それだけでもどこか異様な雰囲気なのに
「えっほ、えっほ、えっほ、こんな風なんだ〜、
こんな風がなんだ〜、俺たちは山の男〜、
どこまでも行くぜ〜、地の果てまでも〜♪」
…というような(うろ覚え)歌を、ずっと歌い続けながら行進していくのです。
なんとなく恐怖を覚えましたが(笑)
一応すれ違いざまに「こんにちわ〜」と声を掛けてみました。
すると、やはり一糸乱れぬ「「「「「こんにちわ〜♪」」」」」が返ってきました。
そして、歌声だけを残して霧の中へ消えていきました。
うーん、なんだったんでしょう???
烈風のおかげで、天狗平からの800mがやけに長く感じられましたが、どうにかこうにか頂上にたどり着くことが出来ました。
頂上はご覧の通りの大混雑。
岩手県側からだけでなく宮城県側からも大勢登ってきており山頂でぶつかってこの人数になっているようです。
さらには、せっかく頂上まで来たんだからと霧が晴れる瞬間を待って長らく頂上に留まっている人もいるようで、時間と共にどんどん人が多くなっていくようでした。
とりあえず、一通り記念写真などを撮り神社にお参りをし、などという感じで時間を潰してみましたが一向に晴れる気配はありません。
さっきまでは歩いていたので、寒さもあまり感じませんでしたが、頂上で黙って風に吹かれていると、みるみるうちに体温が奪われていきます。
10分くらいは我慢したのですが、ついに耐えきれなくなり山頂からの眺望を拝めないままに下山の途につきました。
復路は別のルートにしようかとも思っていたのですが、霧も濃いし初めての山なので無難にピストンすることにしました。
往路では霧のため何も見えなかった尾根道ですが、ようやく少しだけ霧が晴れ、宮城県側の斜面が姿を現しました。
晴れていたら紅葉の絨毯が広がっていたのでしょうなぁ…。
天狗平を経て、沢下り(※登山道です)していきます。
すでに両足とも泥まみれ。
掃除と洗濯を考えると憂鬱です。
ふと、見上げると、先ほどまで厚い雲に覆われて、まったく姿が見えなかった山頂が顔を覗かせているではありませんか。
きっと今なら山頂から下界を見渡すこともできたでしょう。
寒い中、頂上で粘っていた人達からも歓声があがったことでしょう。
くそ〜、なんてタイミングの悪い…。
下りは登りにも増して混み合い、前にも後ろにも登山者が列なっています。
この状態では道迷いはあり得ませんが、だれかが転んだりしたら巻き添えになりかねないかな…。
自分だけが気を付けていればいいという問題でもなく、こればかりは運ですね〜。
と、なにかさっきから前方で「ぎゅっ、ぐっ」と不思議な音が聞こえます。
どうやら前を歩いているおっさんが発している音のようですが、いったい何の装備がこんな音を出すというのでしょうか?
音は断続的に続いていましたが、一瞬の間が空き、そして次の瞬間
「ぶっ!」
ヲイ!
周囲の山々に響き渡る見事なまでの破裂音。
聞き間違えようもなく、それは「放屁」の音でした…。
山に来て、見知らぬおっさんから屁を浴びせかけられるとは…。
おっさんは振り向きざまに「すっきりした」と言わんばかりの笑顔を覗かせ足早にその場を去っていきました。
…(-_-)…
昭和湖を過ぎると、混雑はさらに激しくなりました。
下山する人だけではなく、まだまだ登ってくる人も多く、すれ違うために立ち止まったりしなければならず遅々として前に進みません。
曇っているため色は良くありませんが、今が見頃の紅葉地帯に差しかかってきたため
道に三脚を立てているカメラマンも大勢おり、それが混雑に拍車をかけているようです。
気持ちは分かるけど、この混雑の中で道の真ん中に立ち止まって写真撮るのはどうかと思うよ。
やっとの事で登山口まで帰り着きました。
もう足元はドロドロです…。
身体も冷えたし、温泉にでも入って帰ろうかと思い温泉の入口へと向かいました。
が、なんとここでも長蛇の列!
温泉に入るのに並ばなくてはいけないという状態を初めて見ました。
さらに「水量不足により、シャワー等使用制限中」という張り紙が。
ダメだ、こりゃ。
まぁ帰りの道中は長いし、どこか途中で別の温泉に入ればいいかなと思い、とぼとぼと遠く離れた駐車場へと戻ります。
靴の泥を落とし、ズボンをはきかえ、さて、帰るかなと思い顔を上げると…
なに、このアホみたいな車の量…。
駐車場から道に出るのに10分。
岩手・秋田県境を越えるまでに30分。
そして途中の山道で、ついに車がまったく動かなくなりました。
この状態が解消されるまで30分。
一関まで下るのに2時間を要しました…。
もう、前の車のおっさんなんか諦めて、車降りてタバコ吸ってます(笑)
最初から最後まで、渋滞渋滞また渋滞…な須川岳登山でした。
久しぶりの三連休を利用して、八甲田に行こうと思っていましたが、見事に雨にたたられました。
連休最終日はなんとか雨は上がったものの、青森は未明まで雨が降り続き、風も強くコンディションが悪いとの現地情報を入手。
で、悪天候時は山に入らないのがポリシーの私はといえば栗駒山に日和ました(笑)
「県南は午前・午後ともに0%の降水確率、気持ちよく晴れるでしょう」
と言われたら、なにをためらう必要があるでしょうか!
ところが…
な、なんだ、この雲は?
一関まではとても良い天気だったのに…。
そして…
な、なんだ、この車の数は?
シーズン中は混むとは聞いていたけど、まだ朝も早いぞ?
たぶん、登山客と温泉客の車が入り交じって、こんな大変なことになっているんだな〜。
結局、登山口付近に車を停めることかなわず徒歩10分ほど、秋田県側に下った場所にある駐車場へ…。
徒歩距離が延びてしまったわい…。
車を停めて、改めて須川岳登山口まで戻って登山を開始します。
今回たどる登山道は「須川コース」です。
須川温泉の横にある道から登山開始。
温泉のお湯が川のように流れている脇を通ります。
温泉の周りにも、ご覧の通り大勢の人がいます。
狭い道なのですれ違うのに何度も立ち止まらなくてはならないほど。
ちょっと人多すぎだよ、これ。
高台に登って振り返ってみると…
うわー、下手なレジャー施設なんかよりよっぽど繁盛してるな〜。
帰りは遅くなると渋滞に巻き込まれるな、これは…。
コンクリートで固められた序盤の登山道を過ぎ、直に土を踏める場所まで来ると、さすがに人の数も少なくなり、やっとこさ登山の雰囲気が出てきます。
天気が悪いのが残念だが、下界はあんなに晴れているのだから、もしかしたら途中で青空が広がってくれるかもしれないな。
希望を持って登ろう!
15分程で「名残が原」へと抜けます。
花の季節にはお花畑となり、紅葉の季節は金色の絨毯のような景色が広がる…はずだったですが…。
今日はどよ〜っと曇っているので、いまいち色がよろしくないなぁ。
それでも、湿原を見渡せる高台には、カメラの砲列が並んでいます。
一瞬、雲の切れ間から日ざしが差し込む瞬間を狙っているようです。
カメラ陣地の高台から湿原に降ります。
木道が設けられているので、これを伝って名残が原を縦断します。
う〜ん、これから登る山が、雲に隠れてまったく見えないぞ〜。
木道が濡れていて滑るので、恐る恐る足元を見ながら歩いていくと突然、周りから「おおお〜」というどよめきが。
何事かと思い振り返るとパッカリと雲が割れ、日ざしと青空が!
これは天候の回復が期待できるかな?
名残が原からしばらく歩くと「須川コース」と「自然散策路コース」との分岐があります。
今日は須川コースを辿る予定ですので直進します。
地図で見た限りでは自然散策路コースの方が傾斜は緩やかそうに見えますが。
分岐点付近から、進行方向左手にゼッタ沢が併走します。
木に隠れているため、あまり意識しないで済みますが結構深く切れ落ちています。
万が一にも転がり落ちたら大けがをしますので注意ですね。
特に今日は足元がぬかるんでいるし、すれ違う登山者も多いですから。
次第に登山道と沢の高低差が無くなってきます。
そうすると渡河地点が見えてきます。
昨日まで大雨が降っていたので増水していなければよいなと思っていましたが、どうやら大丈夫なようです。
今日は大丈夫でしたが、ガイドブックにも「増水に注意」とあります。
危ないときは無理せず引き返しましょうね。
この日は、増水はしていませんでしたが靴の裏に着いたドロのせいで足を滑らせる人が多かったようで岩の上には滑った跡がいっぱい残っていました。
足元を濡らしてしまった人、たくさんいたんだろうな〜。
渡渉地点から少し歩くと「地獄谷」にたどり着きます。
先ほどまでの樹林地帯から景色が一変。
草木もまばらな荒涼とした風景になります。
火山性ガスの影響で植物が育ちにくいんですね。
なんとなく硫黄のような臭いもします。
谷の底のほうは危険だということで立ち入り禁止になっています。
今日は風が強いので、火山ガスもすぐに吹き飛ばされてしまうでしょうが風が弱い日は、ガスの濃度が部分的に濃くなることもあるそうで地形の窪みなんかの側には近寄らない方が懸命だとか。
地獄谷を抜けると「昭和湖」に到着します。
ここまでは比較的傾斜も緩く、ハイキング気分で登ってくることが出来ます。
実際、まったく普段着のような格好で登ってきている人も大勢見かけました。
中に、傘を持って登ってきている人がいましたが、さすがにそれは…。
本気で雨降ったら危ないですよ。
昭和湖は「エメラルドグリーンの水をたたえた」美しい風景である…とのふれこみだったのですが残念ながら天気が悪いと、エメラルドグリーンどころか白く濁った薄気味悪い沼です(笑)
晴れている日に再訪したいものです。
湖の周りは広くスペースがありますので、ここで大休憩をとる登山者が多いようです。
私もゴロゴロ転がっている岩の一つをベンチ代わりに一休み一休み…。
昭和湖から尾根筋の天狗平までは比較的急な坂が続きます。
ここまでダラダラ登ってきた身には少々厳しく感じられますが今までが準備運動だったと思えば、かえって身体に掛かる負担は少ないのかも…。
ぐんぐん高度が上がっていきます。
振り返ると、先ほど通ってきた地獄谷や昭和湖を見下ろすことが出来ます。
地獄谷の横を通る登山道にいっぱい登山者が居るのが遠目にも見てとれます。
登山道で渋滞なんていやだなぁ。
景色に気を取られていると足元が危険です。
なにせ、今日の登山道はまるで沢のようになっています。
写真の場所は石があるだけまだマシな所で、時々、どうやっても水の中に足を突っ込まないと通れないところも…。
それでも靴の中までは水が染みてきません。
ゴアテックス万歳。
足場が悪いため登山者の歩みは自然と遅くなりゾロゾロと列なって歩かざるを得ません。スローペースな私は大助かりでしたが「ちっとも進まんな〜」とイライラしている御仁も。
それでも少しずつ高度は増していきます。
高度が増すのと比例して霧が濃くなっていきます。
霧というか雲の中というか…。
そして尾根が近くなってくると「オオオオーン…」と、なんとも形容しがたい気味の悪い音が上から聞こえてくるようになりました。
どうやら頂上付近は、相当風が強いようです。
ひーこら言いながら尾根に取り付きました。
別の登山道との分岐地点ともなっている天狗平です。
尾根筋に取り付き、遮蔽物になっていた灌木帯から出るやいなや猛烈な風に煽られ、身体を持って行かれそうになりました。
物凄い強風が吹き荒れていました。
こんな息をするのも難しいほどの強風は久しぶりです。
身体の左側から吹き付けてくるのですが水分を含んだ風のため、眼鏡の左側だけがあっというまに曇ってしまいます。
最初は軍手で拭っていたのですが、無駄だと言うことを悟り、あとはされるがままに…。
息も絶え絶えに風と格闘していた私ですが、なにか気配を感じて、ふと顔をあげると何かが迫ってきます。
最初は何か分からなかったのですが、どうやら人間のようです。
それはどうやら屈強な、如何にも「山男」と言った風体の5人の男のようだと分かりました。
なぜ変な気配を感じたかと言えば、この5人の山男、この強風の中で一糸乱れぬ隊列を組み、あろう事か小走りに駆けて来るではありませんか。
それだけでもどこか異様な雰囲気なのに
「えっほ、えっほ、えっほ、こんな風なんだ〜、
こんな風がなんだ〜、俺たちは山の男〜、
どこまでも行くぜ〜、地の果てまでも〜♪」
…というような(うろ覚え)歌を、ずっと歌い続けながら行進していくのです。
なんとなく恐怖を覚えましたが(笑)
一応すれ違いざまに「こんにちわ〜」と声を掛けてみました。
すると、やはり一糸乱れぬ「「「「「こんにちわ〜♪」」」」」が返ってきました。
そして、歌声だけを残して霧の中へ消えていきました。
うーん、なんだったんでしょう???
烈風のおかげで、天狗平からの800mがやけに長く感じられましたが、どうにかこうにか頂上にたどり着くことが出来ました。
頂上はご覧の通りの大混雑。
岩手県側からだけでなく宮城県側からも大勢登ってきており山頂でぶつかってこの人数になっているようです。
さらには、せっかく頂上まで来たんだからと霧が晴れる瞬間を待って長らく頂上に留まっている人もいるようで、時間と共にどんどん人が多くなっていくようでした。
とりあえず、一通り記念写真などを撮り神社にお参りをし、などという感じで時間を潰してみましたが一向に晴れる気配はありません。
さっきまでは歩いていたので、寒さもあまり感じませんでしたが、頂上で黙って風に吹かれていると、みるみるうちに体温が奪われていきます。
10分くらいは我慢したのですが、ついに耐えきれなくなり山頂からの眺望を拝めないままに下山の途につきました。
復路は別のルートにしようかとも思っていたのですが、霧も濃いし初めての山なので無難にピストンすることにしました。
往路では霧のため何も見えなかった尾根道ですが、ようやく少しだけ霧が晴れ、宮城県側の斜面が姿を現しました。
晴れていたら紅葉の絨毯が広がっていたのでしょうなぁ…。
天狗平を経て、沢下り(※登山道です)していきます。
すでに両足とも泥まみれ。
掃除と洗濯を考えると憂鬱です。
ふと、見上げると、先ほどまで厚い雲に覆われて、まったく姿が見えなかった山頂が顔を覗かせているではありませんか。
きっと今なら山頂から下界を見渡すこともできたでしょう。
寒い中、頂上で粘っていた人達からも歓声があがったことでしょう。
くそ〜、なんてタイミングの悪い…。
下りは登りにも増して混み合い、前にも後ろにも登山者が列なっています。
この状態では道迷いはあり得ませんが、だれかが転んだりしたら巻き添えになりかねないかな…。
自分だけが気を付けていればいいという問題でもなく、こればかりは運ですね〜。
と、なにかさっきから前方で「ぎゅっ、ぐっ」と不思議な音が聞こえます。
どうやら前を歩いているおっさんが発している音のようですが、いったい何の装備がこんな音を出すというのでしょうか?
音は断続的に続いていましたが、一瞬の間が空き、そして次の瞬間
「ぶっ!」
ヲイ!
周囲の山々に響き渡る見事なまでの破裂音。
聞き間違えようもなく、それは「放屁」の音でした…。
山に来て、見知らぬおっさんから屁を浴びせかけられるとは…。
おっさんは振り向きざまに「すっきりした」と言わんばかりの笑顔を覗かせ足早にその場を去っていきました。
…(-_-)…
昭和湖を過ぎると、混雑はさらに激しくなりました。
下山する人だけではなく、まだまだ登ってくる人も多く、すれ違うために立ち止まったりしなければならず遅々として前に進みません。
曇っているため色は良くありませんが、今が見頃の紅葉地帯に差しかかってきたため
道に三脚を立てているカメラマンも大勢おり、それが混雑に拍車をかけているようです。
気持ちは分かるけど、この混雑の中で道の真ん中に立ち止まって写真撮るのはどうかと思うよ。
やっとの事で登山口まで帰り着きました。
もう足元はドロドロです…。
身体も冷えたし、温泉にでも入って帰ろうかと思い温泉の入口へと向かいました。
が、なんとここでも長蛇の列!
温泉に入るのに並ばなくてはいけないという状態を初めて見ました。
さらに「水量不足により、シャワー等使用制限中」という張り紙が。
ダメだ、こりゃ。
まぁ帰りの道中は長いし、どこか途中で別の温泉に入ればいいかなと思い、とぼとぼと遠く離れた駐車場へと戻ります。
靴の泥を落とし、ズボンをはきかえ、さて、帰るかなと思い顔を上げると…
なに、このアホみたいな車の量…。
駐車場から道に出るのに10分。
岩手・秋田県境を越えるまでに30分。
そして途中の山道で、ついに車がまったく動かなくなりました。
この状態が解消されるまで30分。
一関まで下るのに2時間を要しました…。
もう、前の車のおっさんなんか諦めて、車降りてタバコ吸ってます(笑)
最初から最後まで、渋滞渋滞また渋滞…な須川岳登山でした。
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