破風山避難小屋(主脈縦走は敗退)
- GPS
- 16:13
- 距離
- 19.6km
- 登り
- 1,667m
- 下り
- 1,667m
コースタイム
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 6:21
天候 | 初日 快晴 2日目 快晴後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
破風山避難小屋へのバリエーションルートは取り付き部分で前爪を使って崖をよじ登る箇所あり。 破風山避難小屋から木賊山方面へのルートは2250mあたりの直登がやや危険。その後、登った後は尾根が広がるので、方角を把握していないと迷う。 |
その他周辺情報 | 塩山温泉 宏池荘 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
マフラー
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
ポール
テント(フライ)
テント(ポール)
テント(ペグ)
テント(本体)
テントマット
シェラフ
|
---|
感想
翌週の池口岳から光岳縦走のトレーニングと積雪状況の確認のため、アクセスの良い奥秩父に山行を計画した。
破風山避難小屋への直登ルートは以前から興味があって調べていたが、天候も良く、比較的道迷いの危険も低いルートと判断して破風山から雁坂小屋へ縦走するルートを目標にスタートした。
林道を歩いている時から積雪量の多さは気になっていた。いざルートに入ると、石楠花のトンネルの中、膝までのラッセルで、時に両手を使う急登が続き、どんどん体力を奪われる。おかげでルートを見つけるのに困ることはないが、逆に自由胴は全くない。どこも直登を強いられるばかりで正直、げんなりしてきた。植生が変わって笹原に入ると、テープを追って行くことになるが、以前読んだブログにあった通り、向かって左手に誘うテープを何度か目にした。2141mピークの方に向かう感じだったが、、、。予備知識をいただいていたおかげで、右手方向を意識しながら迷うことなく小屋に到達できた。
体力の消耗を自覚していたので、半ば以上、小屋に停滞するつもりだったが、休んで食事を摂っている内に気力が戻り、破風山方面へ進んでみたが、10歩も行かず急速に気持ちが萎えた。見渡す限りトレースがなく、ここまで夏の倍以上の時間がかかっていることを考えると、標高を300m以上も上げての単独ラッセルでは、とても明るい内に雁坂には着けそうにないし、ビバークするにしても稜線上なので風が吹いたら厳しい。ネガティブな思考が続き、停滞を決めた。
さすがにこの時間からビールでは暇を持て余しすぎるので、小屋の片付けと掃除を開始。小屋にはかなり雪が吹き込んでおり、ホウキで土間に落とすと一緒に細かいホコリも落ちてくれて、床がかなりキレイになった。薪を補充しようとのこぎり片手に出てみたが、そこかしこで踏み抜く上に適当な木は見当たらず、2,3本追加したぐらいで早々に小屋へと戻った。
下山は人が入っていそうな徳ちゃん新道と決めて、分岐まで2〜3時間と見積もって計画を立てる。いずれにしても日の出と同時に動き出す事になるので晩酌を早めに切り上げて8時頃眠りについた。
夜半に物音で目を覚ました。最初は何か獣の声かと思ったが、しばらくしたら何と人の声! 徐々に言葉もハッキリしてくる。怖さは感じなかったが、とにかく驚いて起き出してみると、小屋の外で人の気配が。時計を見ると夜中の1時頃。扉を開くと3人組のパーティーがいた。話を聞くと、雁坂方面から縦走してきたとのこと。踏み抜きに苦闘し、ビバーク装備もないため強行してきたらしい。誰か動けなくなっていたら、ほぼ間違いなく疲労凍死していただろう。装備を見ると3シーズンの靴でずぶ濡れ。凍傷が心配だ。リーダーらしき人がストーブに火を入れたが、それほど薪の蓄えはなかったので、乾くまでは無理そうだなと思いながら見ていた。
少し話をしてからテントに戻りウトウトしていたが、こちらも水を作ったりしなければならないので3時に起床。朝食を作り、お湯、水を作ってと作業をこなしていると、疲労困憊といった体で眠りについた様子だった。物音を立てて申し訳ないが着装し、日の出時間と同時に木賊山方面に歩き出した。
賽の河原まではルーファイに困るところはないが、何しろ踏み抜きし通し。昨日の経験から、がむしゃらに進もうとするより、半歩ずつ軽い負荷で歩みを進めた方が良いと思い、焦らずに前進する。無酸素運動のゾーンに入ってしまうと回復できなくなってしまう。途中、石楠花のトンネルが出現し、ところどころ四つん這いで進む箇所も出てきた。尾根が広がる2200m近辺では股までの踏み抜きで行く手を阻まれることもあり、コンパスとGPSでルートを定めながら進む。その後は踏み抜くことに疲れ果てて、四つん這いで進んだり、ピッケルで強引に身体を引き上げてみたり。ようやく戸渡尾根への分岐点に着いたのは10時位。夏のコースタイムの3倍以上近くかかった計算になる。ようやくひと息つけたが、頭の片隅にはずっと3人組のことがあり、自分がつけたトレースがあるとはいえ、彼らの装備で大丈夫なのだろうかと心配していた。1,2箇所前爪を使ったところもあったし、、。
ようやく他の人のトレースに行き当たり、快調に高度を下げることができた。雪、泥のミックスには閉口したが、西沢山荘が見えたときには大きなため息が出た。
自分としては経験値を上げられた山行になったと思う。いつも持って行く余分な装備を省き、食事もアルファ米を中心にしてコンパクトにまとめられたおかげで歩き抜けた。早めに停滞を決めたのも、判断としては間違っていなかった。少しでも不安、違和感があったら立ち止まり、冷静に考える。迷ったら止めるというのが鉄則だと実感した。
3人組の方々は無事に下山できたのだろうか。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する