福山〜軽部山☆ご来光と藪漕ぎのあとは美観地区へ
- GPS
- 02:21
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 362m
- 下り
- 452m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
|
コース状況/ 危険箇所等 |
軽部山の林道からの登山口はどうやらもう少し先に進んだところにあるようだが、わからなかったので藪を漕いで尾根に取り付く(詳しくは感想に) |
写真
感想
最近は朝がいつの間にか早くなった。倉敷は展望のよい低山に恵まれているのだが、その中でも最も標高が高い福山に久しぶりに登ることにする。前夜宿泊した倉敷のホテルで愚図愚図しているうちに出発が4時頃になってしまった。福山の登山口までタクシーを使用しなければ日の出の時間には間に合わないだろう。とはいえ、この時間にタクシーを捕まえることが出来ればの話ではあるが。しかし、心配には及ばなかった。倉敷の駅前から伸びる中央通りには何台ものタクシーが客待ちをしている。
和霊山の南麓にある西坂台団地の貯水池に辿り着くと東の空が既に明るい。登山口はここから車道を少し入ったところであるが、なんとなくそこまでタクシーに入ってもらうのは気がひけた。竹林の登山路に入るとさすがにヘッデンにスイッチを入れる必要がある。滑りやすい笹の葉の上をジグザグと登るとすぐに和霊神社に辿り着く。
和霊神社に西側では林道の脇に白いポールの間にチェーンの代わりに太い針金が張られていた。夜間であれば気が付かずに通行すると転倒して膝蓋骨を割る羽目に陥る可能性があるだろう。以前の膝蓋骨骨折のことが思い出されるが、夜間はこういう場所こそ要注意である。
福山に至る尾根を進むと登山路上に大きな猪がいる。猪は私の方を向くと次の瞬間には登山路脇の藪に飛び込み、ガサゴソと音を立てながら去っていった。
山頂に到着すると、福山の山頂は南東に向いており、岡山市街の彼方で東の空が赤く染まっている。日の出までは少し時間があるようなので、山頂の北西に足を向けると、総社から昨年の西日本豪雨で水没した吉備の町の展望が広がっている。
再び山頂の南西のベンチに戻り、日の出を待っていると、あと数分で日が昇ろうという心になってラジオを鳴らしながら一人の中年の女性が登ってくる。毎朝、この時間に登ってこられるらしい。日の出の時間を聞かれるので5時とお答えする。「正月にはここで日の出を見たんやけどね〜、とても綺麗やったわ」と仰る。私は近江の天山でご来光を迎えたのだったが、確かに今年の正月は全国的に好天に恵まれたようだ。日の出には興味はないのか、すぐにも山頂を去っていかれた。
東の山の上から太陽が顔を出した瞬間、今度は男性の方がラジオを鳴らしながらやはり南から登ってこられる。ラジオでトランプ政権がイランのアメリカ人に退去を命じ、イランとアメリカの関係が緊迫の度合いを高めたことを知る。
南尾根を浅原峠にむけて下ると次々と登ってくる方々とすれ違う。やはり早朝登山に人気の山だ。今度はラジオを鳴らしている方はおられなかったかので、この山に早朝に登るのにラジオを鳴らすのは必須の慣習ではないことを理解する。
浅原峠に下る、軽部山に向かうには峠から北側の舗装された林道を入っていくのは確かなのだが、ここからが問題である。軽部山への登山口の入り口がわからない。軽部山から南東に伸びるなだらかな尾根を通るだろうと読んで、山頂から東に伸びる尾根に取り付く。
しかし、密生する藪の通過は困難ではない。多数の蜘蛛の巣が次々と顔や身体にまとわりつく。ランニング・シャツとタイツはまたたく間に蜘蛛の巣だらけとなった。おまけに悪意のある有蕀植物が待ち伏せするかのように潜んでいる。山頂までこのままだと大変なことになると心配し始めたところで、ようやく尾根の左手から登ってくる明瞭な登山路が現れた。おそらく林道をもう少し進んだところに登り口があったようだ。
登山路には頻繁にテープもあり、途端に歩きやすい道となる。まもなく三角点の石標と古い小さな木片の山名標があるばかりの樹林に囲まれた小さな山頂広場に辿り着く。軽部山から西側にはなだらかではあるが、意外と長い尾根が続いている。東側の樹々が密生し、藪の多い林からはうってかわって広々とした林が続くようになる。踏み跡は薄いが快適に歩くことが出来る。
うねうねと曲がりながら西に進いてゆく尾根を辿るうちに、やがて右手の支尾根に入る道との分岐に出る。北側の軽部神社に下る道だろう。当初、下山は軽部神社から清音に下り、伯備線で倉敷のホテルに戻ることを考えていたが、5時56分の列車の次は6時45分までないので、このまま清音に向かうと駅でかなりの時間、列車を待つことになるだろう。それならばいっそのことと南の黒田に下り、倉敷まで走ったほうが早いだろう・・・と考え、尾根を先に行く。
尾根は南へと向きを変える。1/25,000地図の破線が記されている道に出ると歩きやすい道になるのかと期待したが、実際は逆であった。低木が密生し、その間にあるかなきかの微かな踏み跡を辿ることになる。踏み跡をはずせば進退の困難な藪が待ち構えている。
溜池、1/25,000地図では溜池の東側に道がついているが、実際には溜池の堰堤の中央からコンクリートの階段を下ると、沢沿いに明瞭な道がついているのだった。ここは歩きやすい道を辿り、集落の奥に飛び出す。振り返ると軽部山が休耕田の奥になだらかな山頂を見せていた。
倉敷の駅まで軽く走ると、時間があったのでホテルのすぐ近く、人の少ない美観地区を訪ねる。柳の新緑が鮮やかな倉敷川沿いの古い街並みには早くも夏の気配が漂い始めているようだ。
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