若狭駒ヶ岳☆雨雲を逃れて霧の中へ
- GPS
- 02:52
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 596m
- 下り
- 593m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
林道は落石により荒れており、落石を除去しながら進む必要あり |
コース状況/ 危険箇所等 |
駒ケ岳~駒ヶ池の間以外は一般登山道なし |
写真
感想
京都では朝から雨である。昼近くなって雨雲の動きを確認すると、瀬戸内海沿岸から京都南部にかけては厚い雨雲がかかっているが、近畿地方の北部は雨雲を免れており、午後も雨は降らなさそうだ。北に行けば行くほど雲が薄いことが期待される。この時間から短い山行を組める山で江若国境のあたりでは、若狭駒ヶ岳を思いつく。
R367を北上すると、大原を過ぎると雨は徐々に小降りとなり北の空が明るい。花背峠を越えると雨も上がる。どうやら天気予報は正しいようだ。
R303から真新しい河内ダムの標識に誘導され、河内谷へと入ってゆく。今年出来たばかりの河内ダムはまだ水量が少ないようだ。河内川に沿った林道に入る道はダムに水没しているが、地図に記載されていない新たな道がダム湖を渡る橋の左手につけられている。ガードレールがまだ作られていない道を進んでゆくと、河内谷へ入る林道に合流した。すぐに若狭駒ヶ岳への登山口の看板と整備された階段があるが、登山口を通過して林道を先へと進む。
林道が非舗装路になると、道の上には多数の落石が転がっている。車から降りては落石を除去するという作業を繰り返すが、落石が多い。これなら歩いた方が早いだろう。ついに落石の除去作業を諦めて、車を林道脇の待避所に駐車して歩きはじめる。
林道から分岐する支線を辿り、東尾根に登ろうかと思っていたのだが、目の前に現れた自然林の尾根は藪も少なく、歩きやすそうに見えたので、そのまま尾根に取り付く。標高400mのあたりから山毛欅がみられるというのはさすがは若狭の林だ。しかし、しばらくすると尾根上は杉の植林地に変わる。この植林地のあたりから濃厚な霧があたりを包み始めた。
植林地の中も下草が少なくて歩きやすいことが多いのだが、標高500mのあたりでは尾根芯上にユズリハの藪が密集している。南側の斜面をトラバースする鹿道をみつけ、鹿道を辿って藪を避ける。鹿道の上は一匹の小さな蟹が彷徨っている。沢からはかなり離れているはずだが、こんなところで蟹に出遭うのがなんとも意外であった。
杉の植林の尾根を辿るともう一本の林道に出る。尾根上には地図にはない林道が作られており、尾根筋をまたいでジグザグと登ってゆく。苔で覆われ、緑色のカーペットと化した林道はあたりの霧と相俟って美しい光景だ。
林道はやがて東尾根から登ってくる道と合流する。真新しい道標がつけられているので、おそらく最近、整備されたところなのだろう。林道を辿り、小さな鞍部を越えると再び山毛欅の自然林となる。途端に樹高の高い大樹が多くみられる山毛欅の美林となった。
再び尾根に上がったところで、右手に直角に曲がるとすぐに高島トレイルに合流する。トレイルを北に歩くと山頂は近い。頭の上の空は明るいのだが、晴れるわけではない。本来ならば好展望の山頂からの景色も相変わらずガスの中である。
山頂からは山毛欅の回廊を辿り、駒ヶ池を目指す。霧はますます濃くなり、先程までは明るかった霧も20m先も見えないような状態となる。尾根が複雑な地形となり、二重山稜になると、その間を歩くうちに駒ヶ池に辿り着いた。
濃厚な霧のせいで池の対岸がみえず、小さな池は果たしてどのくらいの広さがあるのかわからない。池の水面と霧は視界の向こう側で入り混じっているようだ。池の畔の樹々にはすべからく白い実がたわわに実っているように見える。モリアオガエルの卵である。白い池の中では無数のモリアオガエルのオタマジャクシが蠢いていることだろう。
池の畔を辿ると深い霧の中から山毛欅の大樹のシルエットが浮かび上がってくる。池からは時折、わずかにカエルの鳴き声が聞こえるかと思うと、すべては再び沈黙の中に沈んでゆく。池は我々の視線を拒むかのようにますます霧を濃厚に漂わせるようだ。降り始めた小雨が音もなく池に波紋を描いてゆく。静かに神秘的な池を離れ、再び山毛欅の尾根を辿る。
下山は1つ目のピークから広い尾根を河内谷の林道のカーブをめがけて下る。地図からは読めないが、尾根はかなり複雑な地形である。踏み跡やテープの類は全く見当たらないが、自然林の中は下草も藪もなく歩きやすい。濃霧で地形を読み取ることが出来ないので、GPSに頼らざるを得ない。下る尾根を乗り換えるべく、尾根の平坦地をトラバースしていると小さな池に出遭う。ここでも池の上の樹は高いところまでモリアオガエルの白い卵を抱いているのだった。
最後は杉の植林地の急下降となる。すぐに斜面の右下方に林道が見える。林道に無事、着地し、川沿いの林道を歩いてゆくとすぐ右手の斜面の岩場でオスの鹿が草を喰んでいる。写真を撮ろうと静かに近づいたがカメラを向けた途端に私に気が付き、一目散に森の中へと逃げ去っていった。カツラの巨木に帰り着くと再び小雨が降り始めた。
R367を京都に向かって走っていると葛川のあたりで滝のような大雨となるが、すぐにも雨はやみ、花背峠を越えると雨が降った気配がない。雨雲レーダーを確認すると幅広い帯状の雨雲はいつの間にか東西に細長い線状降雨帯となり、丁度、葛川のあたりで局地的な豪雨を降らせているようだった。京都の市街も昼過ぎからは雨が上がっていたようだ。
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