栂海新道の長栂(ながつが)山〜小滝から
- GPS
- 14:30
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 1,722m
- 下り
- 1,722m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道手入れ遅くて、冬の倒木多い。 中俣登山口周辺は堰堤工事中。 上部稜線は残雪多い。 林道歩きが長い。 中俣小屋は、作業小屋みたいな感じ。 |
写真
感想
グレートサミッツ国内編 30 栂海新道の長栂(ながつが)山〜小滝から
白馬岳は後立山連峰の真ん中にある。南半分は白馬〜針ノ木であるが、北半分は白馬〜日本海。栂海(つがみ)新道と言われる。この栂海とは、猿倉の急峻な大雪渓や、岩稜帯からは信じられないのだが、豊かな緩傾斜に二重山稜、7月までの豊富な残雪雪田とお花畑、稜線に沢が流れて豊富な水。だからガスに撒かれれば行動はアウトで、しかもアプローチが不便な北アのチベットのようなところだ。最奥は、白馬〜雪倉〜朝日と続いた後の、長栂山と黒岩山である。そこへ下るのではなくて、上りに行く。きっといいことがあるだろうと、期待する。
小滝へは、けっきょく上信越道の糸魚川経由が早いというわけで、東京から目指すには、剣岳へ行く覚悟がいる。しかも日帰りで。
糸魚川平野の突き当たりが小滝で、そこには剣岳の2千mオーバーだけをコピペしてきたような、明星山が大きな視野で迫る。夜に通過すると気がつかないが、今回は夕方降りてきて、この山のデカサにまた驚いた。南壁の異様さも毎度だけど。
一帯はフォッサマグナで、30年前に比べて道路も変わった。明星展望台はヒスイ展望台と言われるし、川沿いの道は閉鎖されて、高浪の池経由で入る。発電所からは、長い林道を歩く。
小滝川をかなり歩いて、中俣新道を上る。標識があるから分かる。人通りも少ないし、まだ手入れされていなくて、冬の倒木もそのまま。赤ペンキがあるのに、不明なところが上り始めてすぐにあった。戻って上りなおして、まさか敗退したら情けない。
それでも気を取り直せば、1100m当たりの平坦地ではたまに展望がある。右の犬ヶ岳とか、手前のサワガニ山なんて、行ったことないけどいつか行くだろうか。左の五輪山は道がないでしょ。稜線の樹林は、大量の降雪に耐えた広葉樹ばかりで、まだまだ新緑の季節だ。東京では30度でも、こちらは20度以下で、ヒンヤリしている。
長い上りが続くけど、主稜線までは行こうねと、自分を励ます。今日は朝4時に出て、マックスで12時に折り返せば、まあ常識的な時間に戻れるかと、計算する。
さらに1時間上ると、1500m辺りで、森林限界がくる。北アルプスの中でも最も降雪が多い地帯だ。夏を迎えた季節でも、虫が少ないし、風はさわやか。
黒岩山の手前で、広い残雪と残雪からの小沢が水場になっている。雪の上に腰をおろして、ゼリーを氷で冷やして、アイスゼリー。ずっと前はこんな時に、粉ジュースだとか、小豆缶詰でかき氷にして食べたが、オヤジになると必ずしもそうではない。しかし、雪解け解凍のナチュラルウォーターは、何よりもうまい。しかも一人だ。
稜線に上がって、間もなく黒岩山の頂上にでる。日本海方面は、もう痩せ尾根がつながって魅力半減。でも初雪山とか、青海黒姫岳とか、普段は馴染みがねえよ。剣方面は判別不能だけど、どうも僧ヶ岳のような気がする。
さてこの後どうするか。往復して下るにも、長栂山方面、稜線上部に広がる雪田を見るだけではどうにも悔しくて、一応長栂頂上目指して稜線を上がっていく。ルート全体の半分くらいは残雪のままだ。夏道がよく分からない。節約しながらぶら下げてきたソニーのナビを全開にして、2万5千図のルートを頼りに、なるべく忠実に雪田の上を歩いていく。ちょっと先の急斜面では、6本アイゼンも出す。ザラメが快晴でザクザクになって、懸命に歩いているつもりでも、夏時間よりも相当に遅い。どこまでいくのか。けっこう喉が渇く。
長栂方面に1時間半ほど歩いて、頂上までの半分ほど上った。12時は過ぎた。ガイドには4時間と出ていて、見えるのにどれだけ遠いんだ。稜線に尾瀬ヶ原があるようだ。夏に登山するのは少なくて、高山植物をたくさん見たが、イワカガミだけは分かるが、あとはおいおい調べる。それにしても、今日は誰もいないし、よくぞこんな山奥へ、8時間も上った。
時間切れと言うよりも、体力切れで、長栂山1900m敗退。機会があったらまた来よう。
雪道の下りは上りよりもずっと早く、雪は得意だよ。その先急斜面の下りも、思ったほど苦にならずに、明るいうちに降りられた。
管理林道をずるして入っている釣りの車がテント張っていたが、今日は登山者誰にも会わなかった。栂海の山は穏やかだ。
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