屋久島交響曲【宮之浦岳 淀川ルート】
- GPS
- 13:44
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 798m
- 下り
- 785m
コースタイム
- 山行
- 8:57
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 9:30
天候 | 11月30日 曇りのち雨 12月1日 雨、時々曇り 12月2日 曇り、時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
船 飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されている。しかし、梯子の階段や、木道は視覚障害者には不利なようだ。木の根も多く、小さな障害が多い。 黒味岳分岐から宮之浦岳までは、岩場も目立ち始め、難所にはロープが設置されている。 |
その他周辺情報 | 淀川小屋 〒891-4406 鹿児島県熊毛郡屋久島町 https://goo.gl/maps/YVJ9EAaoKeKUvcnS6 定食・パスタ かたぎりさん 〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房540−62 0997-46-4282 https://goo.gl/maps/b6sGDmyUBZBE6Rdo7 屋久島のレンタルと登山用品 『山岳太郎ショップ』 〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房410−8 0997-49-7112 https://goo.gl/maps/ohmwMDEaLMAj4YbP7 ショッピングセンターばんちゃん 〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房410−155 0997-49-7820 https://goo.gl/maps/n8HfoC1xi7G46gSJ7 |
写真
感想
「体力がなくなってしまう前に、宮之浦岳に登りたい」と、視覚障害のある友人から頼まれたのが、今年の夏。都合がなかなか合わせづらい中、練習登山やミーティングを重ねて準備をしてきた。宮之浦岳への登山ルートは、荒川方面からの縦走、永田歩道、花山歩道、淀川からのルートと4候補。小屋があるが、どんな状態か分からないのでテント泊を前提とすると、淀川小屋にテントを張ってピストンするのが一番良さそうだ。
屋久島を訪れたのは初めてで、入山前の買い出しはどこでしたものか。高速船で宮之浦に降りたのだが、実際に便利だったのは安房。集落から見える山々は、遠目に見ても深い色をしていて、曇り空が余計にそれを際立たせていた。
安房集落で用事も済ませて、穏やかな時間をしばらく味わうのも束の間で、紀元杉行きのバスで1時間ほど揺られる。バスからはジュラシックパークのような景色が広がる。恐竜が出てきても不思議ではない。ヤクシカやヤクザルの姿はまま見かける。そういえば、屋久島は人間2万、シカ2万、サル2万とかいう話をネットで見たことがあるが本当だろうか?生息環境でいえば、人間様よりもシカやサルの方が有利な島とは思う。
バスを降りて、淀川小屋を目指す初日。出発時間が遅いが行動予定は短いので、屋久島の自然をじっくりと味わいたい。ところが、屋久島というのを僕は見誤っていたようだ。枝か倒木かというくらいに大きな根などが地面から迫り出し、行手を阻む。視覚障害のある場合、こうした道は非常に難儀する。整備された木道や階段も、途中穴が空いていたり幅が狭かったり、一つ一つ確認しながらでないと前に進めないのだ。
屋久島の洗礼を受けて、ペースは上がらず不安を残す初日となった。
夜には雨が本格的に降ってきた。寝るのに困るほどではなかったが、暗闇で聞くテントが叩かれる音は何度聞いても慣れない。朝、目が覚めると幾分空も落ち着いていた。ゴソゴソと支度にとりかかり、朝食も足早に済ませて淀川小屋を出発。
やはり屋久島ペースでしか歩けない。雨もあって木や岩に不安を感じる。それを一つ一つ確かめるようにして歩かなければならない。パートナーの緊張感、不安感が、僕にも伝染する。可能な限り詳細に、休みなく登山道を言葉で描写し伝え続けた。
パートナーが転倒した時の罪悪感、簡単な道にもたついてしまった時の苛立ち、困難を共に乗り越えていく高揚感などが入り混じった、複雑な精神状態。それと水浸しの森。さながら自然、肉体、精神の奏でる交響曲が自分を包む。
「どこかに登った」、「何かができた」というのと違う、深遠な世界に足を踏み入れてしまったかもしれない。
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