悪沢目指すもラッセルに悪戦苦闘し千枚岳で断念
ganbaruken
体力度について
- GPS
- 30:36
- 距離
- 57.5km
- 登り
- 4,134m
- 下り
- 4,134m
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- 山行
- 4:39
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 4:46
- 山行
- 10:42
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 10:45
- 山行
- 8:08
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 10:03
| 天候 | 12/27と30は曇天。28、29は快晴。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 自家用車
|
| その他周辺情報 | 帰りは時間が早く、白樺荘は通過。静岡駅近くのおふろカフェに入る。 |
写真
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
ゲイター
ネックウォーマー
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
飲料
水筒（保温性）
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ヘルメット
|
|---|
感想
12/27
12/27は計画年休日となっていたので、朝一番着の電車で静岡へ、そこからレンタカーで沼平ゲートへ向かう。前日に夕方浦和でレンタカーを借り静岡で前泊も考えたが、26は終日仕事となったのでレンタカー、東横インはキャンセルしたが（レンタカーは規定に従えばキャンセル料が発生するらしいがいままできたことはない、今回もかからないければ良いが）、いずれにしろ椹島泊まりには変わらない。（夏季であればいざしらず、積雪期では沼田平から千枚小屋までは厳しい）
静岡から沼平までは2．5時間、途中道幅の狭い箇所のあり、沼平ゲートまでかなり乗りごたえがある。
27日はまだ登山客はほとんどいないようで、駐車場は工事関係車両が数台と私の後すぐに到着した二人パーティーだけだ。このお二人はMBで椹島へ入り、その後赤石岳そして時間があれば悪沢まで回ると事で、機動力があり羨ましい限りである。若い時分は私もそんな事をしたが、還暦を迎えたこの歳となっては、悪沢岳往復だけで十分だし、前日までの降雪、ラッセルを考えるとそれだけでも大変で、先行トレース・登頂が確実であろう赤石岳にターゲットを変えようかと心が揺れた。
沼平で自転車二人を見送った後は、途中工事関係車両1台とすれ違ったのみで、約5時間大井川源流の平坦な林道（とは言っても、数十mのアップダウンが繰り返しある）をただひたすら歩く。今秋の台風被害で途中道路崩壊箇所があり、林道はダム湖岸部に迂回路となっている。知らずに、林道迂回の看板（トンネル手前）を素通りすると、道路崩壊箇所が2箇所ある。1箇所目は道路沿いに難なく歩行できるが、2箇所目の高巻きは結構厄介でやめたほうが良い。
ところで今回からスマホを新機種に変えたが、設定が悪いのか毎回使っている山旅ロガーの調子が悪い。休憩時に現在位置を確かめるためにONにすると位置情報を取り込むが、それ以外の肝心の歩行ログが全く取れず、新機種にも関わらGPSの性能不足と嘆いたが、デフォルトで節電モードが設定されていたためで、三日目の朝方（千枚小屋の中）にようやく気がついた。エプソンのGPSウオッチを使用しているので、今回記録の最初2日間のGPSログはそちらを使用したが、どうもスマホGPSそしてログの方が性能が高い。
さて、40年前（20歳の春）に同じルートを歩いたがその時の記憶は断片的で林道の思い出はまったくない。大井川鉄道で井川駅（朝一着）まで来てそこからタクシーで沼平ゲート入り、その日のうちに千枚小屋を目指すもラッセルで日没途中テン泊（千枚小屋直前）、2〜3日目は赤石岳頂上泊（悪天のため2泊、大雪で夜間ラッセルもままならずテントが潰され、頂上小屋に避難）、翌日大聖寺平からデブリの沢筋を横目に下り、冷たい雪解け水の小渋川を腰まで浸かりながら下山した思い出だ。それを思うと、今回2日の計画部分を一日で登るのだから大した体力だったと感心する。
林道は単調ではあるが、中部電力の水力発電所の設備（ダム、導水送水の水路トンネル、発電所）が至るところにあり、建設業に従事している私にとっては結構楽しめる。そして、この急峻な地形に構築した先人の土木技術者の功績に頭が下がる。いまここにリニア新幹線築造のために次々とまた建設資材、人、機械が持ち込まれている。便利になるは良いが、自然がまた破壊される事を憂う人も多く、今後工事が本格化するとさまざまな事で批判を受けることであろうが頑張って欲しい。（大井川の減水が問題となっているが、濁水処理、林道の舗装、凍結防止の塩カルの過剰使用、釣り人、登山者への接し方も気になるところである）
日没前に椹島に到着したが、もはや山小屋施設ではなく、広大な建設所に姿を変えている。敷地内には鎮守のと社があり、脇には大倉喜八郎の肖像、寄進「大成建設」とあり、南アルプストンネルを受注した経緯の一旦を知ることができる。その建設所も年末年始でどこも人がおらず、水場もなければトイレも使えず不便（冬季小屋も使用不可）ではあったが、テントを張るには全く問題ない。結局水は探したがなかったので、イワナの池の流水を使った。（念の為に煮沸はしたが）
12/28
前日食事をしながら、ラッセルの事を想定して翌日の行程を何パターンか思案した。
�＼莵團肇譟璽垢�確実な赤石岳。（赤石小屋利用、テントは椹島にデポ）
�∪郷緤燭縫謄鵐版颪靴董�悪沢往復。
��千枚小屋を利用して、悪沢往復。（テントは椹島にデポ）
�，�一番最も確実ではあったが、ラッセルの苦労を想定しながらも最初の予定通り�０討鯀�び、できれば当日のうちに悪沢往復を念頭に5：00前にヘッドライトの明かりを椹島をあとにした。
千枚岳への登山口は従来より二軒小屋よりに数100m移動しており、一旦左岸側へ渡ってから新設された吊橋を渡って中電の高圧線巡視道を利用し途中高圧鉄塔2箇所を通過する尾根上のアップダウンのある登山道に変更となっている。まだ未明の暗い中ヘッドライトの明かりで、赤旗・ペンキを追いながらの歩きは多少心もとなく何度か立ち止まり行き先を確認する箇所もあったが、途中岩頭見晴らしに到達するあたりで辺りも白みだし正面に悪沢岳（？）の高嶺が望めた。林道を横断してからは緩急の登りを繰り返しながら徐々に標高を上げ林道を再び横切り清水平の水場に到達する。この時期はまだ水が流れておりここでテント泊（林道に出ると平地がある）する場合は助かる。清水平を過ぎ標高2000mを超える辺りから積雪も増えだしワカンを装着。これまではワカンの効果に対して個人的には懐疑的であったが、今回はその気持を一変する位の効果を標高を上げるに従い実感した。2200m〜千枚小屋のある2600mまでは、ワカンがある無しでその雪面への食い込みの微妙な違いを感じ、足取りは全く断然違った。それでも2400mから先の標高差200mには2時間以上を要し、千枚小屋直前ではザックをデポして空身（ものの5分程度ではあるが）でラッセルして小屋までトレースをつけ到達後に、再び戻りザックを取りにデポ地点まで往復して千枚小屋へたどり着いた。
小屋までの道すがら小屋が冬期開放しているか甚だ不安でありその場合の対策を思案していたが、幸いな事に取越苦労に終わり済助かった。
この日は一人快適な一夜を千枚小屋で楽しく味わえた。
12/29
前日に早朝暗闇の中ヘッドランプを点灯してのスタートを予期して、出だしの部分を念の為にラッセルしトレースをつけておいたが、前日すでに悪沢岳までの往復は時間的体力的にも諦めており、出発が6：30と日の出間際となったのでヘッドランプを使わずとも周囲はすでに白やんでいた。スタート直後はアイゼンを装着したが、昨日のトレース終点において前進は不可能で、ここでワカンを装着して昨日以上のラッセルに苦しめながらも尾根に到達する。（夏道は谷筋を回り込んでいるが、積雪量の少ない尾根を選択）尾根に到達した時に見る眼前の赤石岳のモルゲンロートは筆舌に尽くしがたいものであったが、その先にいまだ続くラッセルに暫く苦しめられる。やがて岩稜に到達すると夏道の道標が現れ、千枚岳頂上間近は積雪量も減少しだいぶ歩きやすくなる。約2時間強（夏場は1時間弱）の時間を費やし千枚岳頂上に到達。悪沢への思いは次回に持ち越し眼前の360度雪稜を満喫する。
ラッセルに苦しんだ登りも下りはあっけなく千枚小屋に到着。ここでデポした山道具を回収し椹島への帰路につく。苦しんだ登りの登山路も下りは至って快調に進み日没前に椹島へ帰着。途中この山行で唯一の3人パーティーに林道横断直下ですれ違う。茶臼まで向かうとのこと幸運を祈るばかりだが、今日は清水平泊なのかOR千枚小屋まで夜間歩行するのか何故か気になる。
12/30
この山行で驚いたのは、椹島から千枚岳までほぼ4G回線が利用できた事だが、これもリニアの建設が始まった影響なのだろう。おかげで天気予報をリアルで閲覧でき、この日は8時前から雨模様の予報だった。冬の雨空の中の歩行は避けたく、林道歩行時間5時間を考えて1：30起床、3：00前には椹島を出発した。ヘッドライトをつけ、唯ひたすら5時間弱林道を下り、予定通り7：00過ぎに沼平ゲートに無事到着する。ほぼ到着と同時に雨脚が強まりだしので、実にタイミングよく下山できた。
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