音羽山〜千頭岳〜大平山☆雪の音羽川で滝巡り
- GPS
- 05:35
- 距離
- 13.2km
- 登り
- 830m
- 下り
- 766m
コースタイム
天候 | 雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
寒波の到来で京都の市内でも雪が降る予報である。
久しぶりに次男を伴って山に行く機会である。次男とは厳冬期の細川尾根をラッセルして武奈ヶ岳に登ったのが最後だったのだが、さすがにその時の山行はきつかったらしく、久しぶりの山行だから前回のようにキツい山行ではなく軽めの山行にしてねと釘を刺される。
朝から市内は雪が降り続いており、家の周囲でも美しい雪景色が広がっている。一日中、雪の可能性があり、山からの眺望は期待できそうものない。滋賀と京都の県境の音羽山を久しぶりに訪れることを考える。目当ては山頂からの眺望よりも牛尾観音への参道沿いにある滝をのんびりと巡ることである。しばらく前にHB1214さんが紅葉の季節にこの滝レコをあげているのだが、滅多にない雪景色の中に滝を巡るのも悪くないだろう。
音羽山は数年前にも長男と次男と共に訪れたのだが、登り始めが遅かったせいもあり、大谷へと下る間に次第に夕闇が迫ってしまったのだった。まだヘッドライトがなくても歩ける程の明るさであったが当時、まだ幼稚園児だった次男は暗くなりつつある林の中で心細くなったのだろう。わんわんと泣く次男を背負って降りることになったのだった。その後、山に行こうと誘っても長い間、頑として首を縦に振らなかったのはこの時の山行の悪印象が強すぎたせいなのだろうが、今はそのようなことがあったことも覚えていないようだ。
山科駅で降りて音羽山の登山口に向かうには市街地は入り組んでいて複雑だ。そもそも名神高速の下を潜る道からしてかなりわかりにくいところにある。高速の下をくぐり抜けると低く垂れ込めた雲の中から朧げながらに音羽山のシルエットが見える。標高は600mにも満たない低山ではあるが、こうしてみると意外にも高い山に見えるから不思議だ。
牛尾観音へと続く道、懺坂へと入る。まずは谷に入ると蛙岩がお出迎えしてくれる。確かに蛙のように見える。ところで、写真を後から見せて蛙石というと、次男に「蛙岩でしょ」と訂正される。最近、記憶回路の故障が多い。
最初は懺坂竄の滝だ。大層な名前ではあるが、音羽川の右岸の支谷の小さな滝である。支谷に入るとその奥に一条の小滝が現われる。案内板には「竄(ざん)=かくれた・かくすの意味あり ♫ザンザカザァーン♫と覚えやすい」と書いてある。果たして覚える必要があるのだろうかと思ってしまうが、確かにその音の響きは脳裏にこびりついてしまうようだ。
次には本流の鮎留の滝、道路から滝に降りてみると小さな二段の滝が現れる。着雪した谷の白さと滝の周囲の苔むした岩が美しいコントラストをなしている。次男は気がつくと滝の手前の大岩に器用によじ登っている。
再び右岸の支谷に細い滝が連なっている。長尾ノ連滝と名付けられた滝らしい。谷間には周期的にコーンと竹の音が鳴り響いている。道路下の音のするあたりへ降りてみると、鹿おどしが設けられているのであった。もちろん、鹿を威すためのものではないだろう。この谷沿いの風景を彩るために設けられているのだろう。風流なことだ。
大きな経岩を通り過ぎると、谷の下の方から滝音が聞こえてくる。聴呪の滝だ。再び道路から谷に降ってみる。HB1214さんのレコにもあるようにこの滝とその上の音羽の滝が滝らしい。
やがて再び滝音が聞こえてくる。音羽の滝と案内がある。ここは谷に下るのは容易ではないと思うが、降りてみる。降り立つと上から石が落ちてきて私の上に当たったかと思うと、次の瞬間にはもう一つの石が頭をかすめて飛んで行った。間一髪であったが。次男が降りようとして上から落石させてしまったようだ上からの落石の可能性を懸念する必要があるのだった。
滝の前からは登るのも次男にはかなり難しいと思われるので、次男を抑止して再び道路に登る。
川沿いにはいくつかの小滝が連続する。まもなく左手の大きな支谷に仙人の滝まで20分との案内がある。広い谷はうっすらと雪化粧が施され、この日ならでは格別の美しさだ。
雪に埋もれそうになりながらも沢沿いには薄い踏み跡が続いている。何度か徒渉を繰り返し、谷を進むとやがて正面に仙人の滝が見えてくる。滝の左手を巻いて滝を越えると再びなだらかな谷が広がっている。源頭を目指して緩やかに谷を進む。いつしか空には青空が覗き、樹々の雪が陽光に白く輝き始める。
杉の植林地に入ると谷には数多くの倒木が現れる。おそらく一昨年の台風による被害ではないだろうか。谷の左岸につけられた踏み跡を辿ると倒木をかいくぐってなんとか通過することが出来る。
谷の源頭部が近づくと左手の斜面を登って山頂のすぐ西側に出る。山頂からは賑やかな人の声が聞こえる。山頂では大勢の女性のパーティーと数名の自転車の集団が休憩しておられる。数名の男性のパーティーが出発されるところであった。少し前までは晴れていたようだが、再び小雪が舞い始める。しかし、雪の下からは陽光が当たって明るく輝いている山科の市街が辛うじて透見することが出来る。
次男もお腹が空いたというので、行動食のお握りでランチ休憩する。やがて北の空から青空が広がり、山科の北に如意ヶ岳、大文字山のシルエットが姿を現した。
音羽山からは千頭岳へと続く尾根に入る。自転車に轍は膳所方面から登ってきたようだ。尾根上にはすぐに足跡もまばらになった。
なだらかな尾根上には広い道が整備され、両側から枝を伸ばす自然林のアーケードの中を緩やかに千頭岳へと辿る。尾根の右手は策が設けられており、工事中につき立ち入り禁止とある。何を工事しているのだろうか。
千頭岳からは石山に下るか醍醐山に向かうか決めてはいなかったが次男がそろそろ下山したいというので、大平山を経由して下ることにする。
大平山からは南東の尾根を下れば無難なのであるが、車道歩きが長くなる。北西の尾根を辿ることする。尾根には倒木が散見するが、薄い踏み跡が続いている。慎重な次男は「この道はやめておいたら」と云うのだが「大丈夫だろう」と私は楽観的だ。しかし、しばらくして道を確かめるべくスマホを取り出すとバッテリーの残量が急激に減少しているのだった。
明瞭な踏み跡が続いているように思われたがca250mのあたりでそれまで続いていた踏み跡は非常に不明瞭になる。足元には森林境界標の杭があるが、踏み跡は藪の中に消えがちである。1/25,000で記されている破線のルートを見つけ出して、しばらくは道を辿るが、忽然と道は藪に遮られる。左手の林を抜けると民家の裏手に飛び出し、なんとか市道に着地することが出来た。
国分団地のバス停のすぐ近くだったようだが、バス停を探し損ねて道路を歩くと石山駅行きのバスが後ろからやってくる。手を挙げたがバス停以外のところでは乗客は乗せないのだろう。幻住庵にたどり着くと次のバスは40分後である。わずかに歩いて石山高校前までたどり着くと、まもなく石山駅行きの京阪バスが到着する。石山からはJRに乗り、京都に向かう。音羽山の斜面に朝にみた雪はすっかり消えているのだった。
参考
HB1214さんの紅葉の滝レコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2121000.html
コメント
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久しぶりの親子での山登りだったようですね。yamanekoさんは単独、親子、ご夫婦、山友、いろいろな楽しみ方をしておられて、羨ましいです。
昨日今日また今後数日のあたたかさで雪のある山はジュクジュク、ズボズボになってしまいそうですね。
早速にもコメント下さったにも関わらず、返信が遅くなり失礼しました。本日は出張の前に丹沢を歩いていたのですが、山に入る直前にレコにHB1214さんの紅葉のレコのリンクを貼らせていただきました。no2さんがこのレコを見たことを思い出して下さったらしいので、リンクを貼った甲斐があったというものです。
次男は受験が終わったのでようやく一緒に山に行けるようになったのですが、果たして今後はいつまで一緒に行く機会があるかです。HB1214さんもお仕事がお忙しいかもしれませんが、滝、花やきのこにトレランにとvarityに富む登山をされているのではないでしょうか。
ところで今日の丹沢は山の上でも14℃と相当な暖かさでした。来週は京都でもどれほどの雪が残っているか気になるところですね。
音羽山へは上がったことが無いのですが、音羽川では滝巡りができるんですね。
って言いながら、ご紹介の「HB1214さんの紅葉の滝レコ」を見たのを忘れてしまっております。
「地理院地形図の破線ルート」これって、結構廃道とかになっているところが多いですよね。新しいルートができるとドンドン廃道化が進むものかと。
京都北山エリアは歳を重ねてからと、未だ踏んでいないルートが殆どなんですが、いい所がいっぱいあるんですね。
ののさん コメント有難うございます。
HB1214さんの滝レコには丁寧な遡行図も付けられています
この仙人の滝を訪ねる支谷のルートはHB1214さんのレコのお陰で知ったのですが、多少な荒れてはいるもんのの山深くて、意外と良いです。改めて音羽山も奥深いなと感じました。
>京都北山エリアは歳を重ねてからと・・・
私も北山はまだまだ歩いていないところが多いのですが、歳をとっても歩きたいと思うところが多くて恵まれているのではないでしょうか。
こんばんは。
御子息との山歩き、いいですね!数年前にはわんわんと泣かれてたというご次男さんも、逞しくなられてますね。
我が家の、いつも何処をほっつき歩いてるか分からない長男とはエラい違いです>_< しばらく顔を見ないなぁと思ってたら、今、沖縄の宜野座村に居てるらしいです・・泣
音羽山が雪化粧するのは、近年ではなかなか稀だと思いますので、いいタイミングで登られましたね。雪景色の滝や谷も粋な感じです!
しかし、この雪もすぐに消えてしまいましたね。今週はかなり気温も高め。このまま春を迎えるのでしょうか。まさに、藤原定家の歌の如く。
関のこなたに・・の関は、逢坂の関でしょうか?
うりさん コメントありがとうございます。
ご子息から連絡があって良かったです。
>音羽山が雪化粧するのは、近年ではなかなか稀・・・
比叡山も雪化粧をすることが稀になりましたね。この日は雪の延暦寺にも少し心惹かれたのですが、比叡山にしていたらののさんと一緒に歩いておられるうりさんに出逢えたかと思うと少し惜しい気がしました。
先日のうりさんの音羽山の山行のような劇的な展開を期待していたのですが、私たちが山頂についた時にはそうはならず・・・
>関のこなたに・・の関は、逢坂の関でしょうか?
さすが、うりさんはこのあたりの地理を知悉しておられますね・・・私も最初は関ヶ原の関かと思いましたが、よくよく考えたら定家の時代に関といえば、逢坂の関ですよね。
>まさに、藤原定家の歌の如く。
すっかり春になりましたね。
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