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Yamareco

記録ID: 2358341 全員に公開 ハイキング 御在所・鎌ヶ岳

赤坂谷〜釈迦ヶ岳〜三池岳〜八風谷☆新緑の谷とシロヤシオの花咲く尾根

情報量の目安: S
-拍手
日程 2020年05月24日(日) [日帰り]
メンバー
アクセス
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コースタイム [注]

日帰り
山行
5時間44分
休憩
40分
合計
6時間24分
Sスタート地点09:4309:55王子製紙ゲート10:04八風峠登山口10:0610:27T字路10:2812:51大蔭12:52釈迦ヶ岳13:0813:14岩ヶ峰尾根分岐13:1513:39大平尾根分岐13:4113:46段木尾根分岐14:00南峠14:0414:09仙香池14:1214:16仙香山14:1714:24The rest rock14:2514:31八風峠14:3414:43三池岳 三角点14:44三池岳山頂14:4815:00八風峠15:52八風峠登山口15:5315:58王子製紙ゲート15:5916:07ゴール地点G
コースタイムの見方:
歩行時間
到着時刻通過点の地名出発時刻
過去天気図(気象庁) 2020年05月の天気図 [pdf]

写真

林道のT字路を過ぎて、細い踏み跡を辿ると突然、道標が現れる
2020年05月24日 10:34撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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林道のT字路を過ぎて、細い踏み跡を辿ると突然、道標が現れる
1
まずはカシラコ谷左俣を下降
2020年05月24日 10:36撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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まずはカシラコ谷左俣を下降
3
右俣をに入り直して植林地に入ると
2020年05月24日 10:58撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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右俣をに入り直して植林地に入ると
突然、廃林道が出現
2020年05月24日 11:00撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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突然、廃林道が出現
林道終点には赤坂谷への道標
2020年05月24日 11:03撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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林道終点には赤坂谷への道標
1
いよいよ赤坂谷に
2020年05月24日 11:06撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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いよいよ赤坂谷に
4
満開のヤマツツジ
2020年05月24日 11:08撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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満開のヤマツツジ
4
一面にイワカガミが彩る河岸を辿る
2020年05月24日 11:09撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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一面にイワカガミが彩る河岸を辿る
3
倒壊した廃小屋が現れる
2020年05月24日 11:14撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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倒壊した廃小屋が現れる
河岸のヤマツツジ
2020年05月24日 11:20撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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河岸のヤマツツジ
1
ギンリョウソウ
2020年05月24日 11:25撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ギンリョウソウ
1
道を見失い谷へ
2020年05月24日 11:39撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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道を見失い谷へ
2
谷に一瞬光がさす
2020年05月24日 11:45撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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谷に一瞬光がさす
3
緑の滝壺
この滝は右岸を越える
2020年05月24日 11:53撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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緑の滝壺
この滝は右岸を越える
5
ヤマツツジと新緑
2020年05月24日 11:54撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ヤマツツジと新緑
2
谷には石楠花もちらほらと
2020年05月24日 11:59撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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谷には石楠花もちらほらと
2
花が残っている
2020年05月24日 12:07撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8
広々とした上流の谷へ
2020年05月24日 12:07撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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広々とした上流の谷へ
1
沢沿いは一面のイワカガミ
2020年05月24日 12:14撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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沢沿いは一面のイワカガミ
4
県境尾根への道標は左手の支谷を指すが、ここは敢えて右手の本流を辿る
2020年05月24日 12:15撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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県境尾根への道標は左手の支谷を指すが、ここは敢えて右手の本流を辿る
1
霧が出てきた
2020年05月24日 12:40撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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霧が出てきた
1
幻想的な源頭に
2020年05月24日 12:42撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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幻想的な源頭に
2
釈迦ヶ岳山頂は霧の中
2020年05月24日 12:54撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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釈迦ヶ岳山頂は霧の中
3
山頂近くでは多くのシロヤシオ
2020年05月24日 12:55撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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山頂近くでは多くのシロヤシオ
4
縦走路を歩き始めるとすっかり雲が取れる
岩ヶ峰の彼方に伊勢湾
2020年05月24日 13:20撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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縦走路を歩き始めるとすっかり雲が取れる
岩ヶ峰の彼方に伊勢湾
3
シロヤシオのトンネルをくぐって
2020年05月24日 13:33撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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シロヤシオのトンネルをくぐって
2
振り返ると釈迦ヶ岳が遠くに
2020年05月24日 13:40撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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振り返ると釈迦ヶ岳が遠くに
1
これから辿る県境尾根
右手に三池岳
その彼方には右手より竜ヶ岳、藤原岳、御池岳
2020年05月24日 13:49撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2
満開のシロヤシオと三池岳
2020年05月24日 13:54撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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満開のシロヤシオと三池岳
2
南峠からの好展望の縦走路
2020年05月24日 13:57撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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南峠からの好展望の縦走路
1
池畔のシロヤシオの樹には数多くの
2020年05月24日 14:11撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2
モリアオガエルの卵
2020年05月24日 14:12撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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モリアオガエルの卵
五葉と白花の透過光
2020年05月24日 14:13撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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五葉と白花の透過光
3
池とシロヤシオの新緑
2020年05月24日 14:14撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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池とシロヤシオの新緑
2
馬酔木の若葉と釈迦ヶ岳
2020年05月24日 14:15撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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馬酔木の若葉と釈迦ヶ岳
1
水木野(左)と琵琶湖(右)
2020年05月24日 14:21撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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水木野(左)と琵琶湖(右)
仙香山と彼方に釈迦ヶ岳
2020年05月24日 14:25撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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仙香山と彼方に釈迦ヶ岳
2
尾根の先には竜ヶ岳(中央)の彼方に藤原岳と御池岳(左)
2020年05月24日 14:27撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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尾根の先には竜ヶ岳(中央)の彼方に藤原岳と御池岳(左)
いざ八風峠を越えて三池岳へ
2020年05月24日 14:27撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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いざ八風峠を越えて三池岳へ
三池岳山頂からは釈迦ヶ岳が遠くに感じられる
2020年05月24日 14:49撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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三池岳山頂からは釈迦ヶ岳が遠くに感じられる
1
シロヤシオの花は続く
2020年05月24日 14:53撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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シロヤシオの花は続く
1
青空を見上げて
2020年05月24日 15:00撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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青空を見上げて
6
谷の小瀧に降りてみる
2020年05月24日 15:33撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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谷の小瀧に降りてみる
4
八風谷でも一面のイワカガミ
2020年05月24日 15:36撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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八風谷でも一面のイワカガミ
1
滑滝の上を歩いてみる
2020年05月24日 15:43撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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滑滝の上を歩いてみる
3
ここから赤坂谷は流石に遠すぎるでしょ
2020年05月24日 15:44撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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ここから赤坂谷は流石に遠すぎるでしょ
八風谷を渡渉して林道へ
2020年05月24日 15:51撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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八風谷を渡渉して林道へ
1
西陽を浴びるヤマツツジと
2020年05月24日 16:06撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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西陽を浴びるヤマツツジと
2
タニウツギに見送られて
2020年05月24日 16:06撮影 by E-M5MarkII , OLYMPUS IMAGING CORP.
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タニウツギに見送られて
4

感想/記録

鈴鹿の八風谷、中峠から南には釈迦ヶ岳を越えてハト峰に至るまで滋賀県側にはルートが記されておらず、地図上の空白地帯のようになっている。国土地理院の地図を眺めると、急峻な尾根や谷はないが、広範囲に及ぶ緩斜面には複雑に入り組んだ地形が広がっている。この複雑な地形の等高線キャベツの断面のようだと表現されたno2さんには脱帽する他ない。かねてよりこのキャベツの隙間に足を踏み入れてみたいものだと思っていた。

赤坂谷の上流に沿って遡行し釈迦ヶ岳に至るルートを下山は必然的に県境尾根を八風峠へと縦走し、八風谷を下るという周回コースになる。釈迦ヶ岳から三池岳への県境尾根ではシロヤシオが見頃だろうか。昨日の表比良縦走路の山行でシロヤシオは存分に目にしたところではあったが、赤坂谷を訪れるのは新緑の季節が良さそうだ。

八風トンネルの手前、R421の八風谷橋の西詰の道路余地に車を停める。林道の手前には既に車が二台駐車している。我々が出発すると車が石榑峠へと登る旧道へと続々と入ってゆく。シロヤシオの花を目当てに竜ヶ岳を目指す人が多いのだろうか。

林道の歩き始めるとすぐにもパラパラと雨が降り出すが、幸いにして通り雨であったようだ。今回の山行の序章は長い舗装路の林道歩きから始まる。まずは廃業したキャンプ場のテント・サイトの中を進む。林道脇にはタニウツギやヤマツツジの花が多く咲いている。

いつ雨が降ってもおかしくないような天気ではあるが、直射日光に晒されるよりは曇天の方が有難い。八風谷にかかる橋を渡ると、林道は王子製紙による大規模な植林地の中を緩やかに登ってゆく。林道からは周囲の植林に入る多くの支線が迷路のように伸びている。

中峠からの尾根にたどり着くと中峠方面と水木野方面への尾根上へと続く林道への分岐となる。少し水木野方面に歩いたところで、谷沿いに下る踏み跡が現れる。踏み跡を辿って谷に下ると「R421まで70分」との道標が現れる。わずかに進んだところで今度は「釈迦ヶ岳上流2分登山道」と記された道標がある。どうやら中峠への登山道の道標らしい。中峠への登山道に入るには林道から入るものとばかり思っていたが、この道と道標は林道が出来る前に整備されたものなのだろう。

複雑な地形の植林の中を歩いて赤坂谷に入ることも考えたが、沢の対岸の河岸段丘に微かな踏み跡が続いているのが見える。このカシラコ谷の左俣を下って右俣に入り、尾根を跨いで赤坂谷に入ることを考える。沢沿いの踏み跡を辿り、流れの細い右俣に入ると、こちらの沢沿いにも薄い踏み跡が続いている。細い流れを上流に辿ると突然、右岸に林道が現れる。中峠方面の尾根筋の林道から派生した支線のようだ。

歩きやすい林道を辿ると赤坂谷との間の尾根まで容易に到着する。林道終点にはなんと「赤坂谷→」の道標があるではないか。道標の先には明瞭な踏み跡がある訳ではなかったが、植林の斜面を下ると遂に赤坂谷の広々とした谷に出る。流れの多い沢のの周囲には新緑の広葉樹林が広がり、景色は一変する。林の中では新緑と随所に満開のヤマツツジの朱色が鮮烈なコントラストを見せてくれる。国土地理院の地図には広範囲に針葉樹林の記号が記されているので、このような自然林の森は全く予想外であった。

右岸の広い河岸段丘の上には神崎川の上流に見られるような明瞭な道がついている。沢沿いを渡渉を繰り返しながら進むことを覚悟していたのだが、一般登山道と呼んでも差し支えないような明瞭な道は嬉しい誤算である。道沿いには頻繁にテープもつけられている。まもなく林の中には倒壊した大きな小屋が現れた。後で調べるとどうやら昔の営林小屋の跡のようだ。
小屋を過ぎて上流に進むと、沢沿いの小径には無数のイワカガミが咲いている。道沿いには次々と炭焼き窯の跡が現れる。集落からはかなりの距離があると思われるが、こんな山奥でも炭を作りに来ていたことに驚かざるを得ない。あたりにはところどころにギンリョウソウが顔を出している。

美しい渓相に見惚れながら歩いているうちに沢から離れた踏み跡を見逃したのだろう。沢が二俣に分かれるところで、踏み跡がなくなる。しかし、本流と思われる左手の広い谷は十分に歩ける広さがあるので、渡渉を繰り返しながら躊躇なく沢沿いを進む。

谷は急にV字に狭まり、連続して小滝が現れる。滝壺や淵では水は美しい緑色を見せる。やがて再び右岸に広々とした河岸段丘が現れると、テープと共に道が現れた。明瞭な登山道を見失ったのは不覚という他はないが、小瀧が連続する美しい渓相を堪能することが出来たのは怪我の巧妙とも云えよう。


上流に進むにつれ、深く広々とした谷の風景は壮麗な趣を呈してくる。前日に歩いた比良のクルシ谷の源頭部も美しい谷相であったが、この赤坂谷の源頭は緩やかに平流が流れる谷の広さが魅力に思われる。上流に遡行するにつれ、谷には石楠花の花もちらほらと現れる。斜面に見える濃いピンク色の花はユキグニミツバツツジのようだ。

さらに上流に進むと「県境・釈迦ヶ岳←」と書かれた道標が現れるが、道標が示す踏み跡は本流の左手の支谷に入って行くようだ。本流にも踏み跡は続いているようなので、こちらを進む。やがて踏み跡は緩やかに左岸の尾根をたどり、沢から離れていく。尾根を辿ると釈迦ヶ岳の最高点のあたりに出るようだ。源頭部に至るまで谷を歩いてみたかったので、沢を辿り続ける。

小さな滝を越えて源頭にたどり着くと、あたりは一面に霧が立ち込めるようになり、幻想的な景色となった。水が切れたところで緩やかな小尾根を選んで登ると、上の方から人の声が聞こえる。たどり着いた先は丁度、釈迦ヶ岳の山頂であった。山頂はやはり霧の中だ。

山頂の周りでは期待通り、数多くのシロヤシオの花が咲いている。山頂の西側の小さな空地でシロヤシオの囲まれながらランチ休憩をとる。食事が終わって再び山頂を訪れると霧が晴れて下界がすっきりと見渡せるようになっていた。県境尾根を北に辿り始めると急に空が明るくなり、シロヤシオの花に木洩れ陽があたり始める。縦走路からは岩ヶ峰の彼方に四日市の街と伊勢湾が見える。

シロヤシオのトンネルの中を歩いて、釈迦ヶ岳の山頂から長い下りを南峠にかけて緩やかに下降する。場所よっては見事な花をつけている株があれば全くといっても良いほどに花が見られない株もある。偶々なのであろうが、釈迦ヶ岳の山頂では多くの人に出遭ったにも関わらず、県境尾根に入るとほとんど人と出遭わない。

下るにつれて上を向く花が多くなり、同時に落下した花が目立つ。やはり比良より鈴鹿の方が花期が進んでいるのだろう。ところで比良では石楠花がほとんど終わっていたのに対して、この県境尾根では随所でまだ石楠花の花が残っており、花により花期の進み具合が違うというのも興味深い。

仙香山の手前からは草原状の好展望の尾根となる。この県境尾根はアップダウンが緩やかなことや好展望に恵まれるせいだろうか、振り返るともう既にこんなに来たのだろうかと思うほどに釈迦ヶ岳が遠くに感じられる。

縦走路をそれて仙香池に立ち寄る。静かな池の周囲の樹々はほとんどがシロヤシオに思える。五葉の新緑が放つ若緑の透過光が池の水面に反射する。池の上に枝を張り出した樹には果実のような多くの白い塊がぶら下がっている。モリアオガエルの卵だ。突然、卵の白い塊が池の中に落下して大きな水音を立てる。いまは静寂が支配しているもうすぐカエルの鳴き声で賑やかになることだろう。

仙香山から八風峠までは好展望が距離を感じさせないせいだろうか、近く感じられる。八風峠に至ると様々な色合いを見せる馬酔木の赤褐色の若葉が、ザレた花崗岩の岩肌と周囲に広がるシロヤシオの新緑の二色の景色に複雑な彩りを添えている。

三池岳のザレた斜面からの好展望はこれまでの景色とあまり変わらないようにも思えるが、三池岳山頂に立つと初めて釈迦ヶ岳の彼方に御在所岳、雨乞岳が姿を現す。その手前のイブネの右では綿向山も顔を覗かせている。この三池岳からの鈴鹿主脈の眺望はここならではの壮大な観があり、釈迦ヶ岳から続く風光明媚な稜線の最後を締めくくるに相応しいものであった。

八風峠に戻ると足早に八風谷を下る。山と高原地図では破線で記されてはいるが、この八風谷の下山路はかなり歩きやすい明瞭な登山道が続く。午後の明るい光が降り注ぐ谷間は水晶谷、白滝谷といった鈴鹿中部の他の谷の雰囲気とよく似ており、典型的な鈴鹿の谷といった印象である。

谷の下部で植林地に入ると「仙香谷・赤坂谷 右折」という道標が目に入る。確かに薄い踏み跡が南に続いているようだが、ここからは赤坂谷はかなり遠いだろう。しかし、林道ができる以前にここから赤坂谷に向かう道があったということか。

八風谷を渡渉して再び林道に出ると、八風谷橋西詰の駐車地に戻る。林道脇のタニウツギやヤマツツジに差し込む午後の西陽がいつしか黄金色を帯びていた。
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no2
登録日: 2012/6/14
投稿数: 1785
2020/5/29 3:19
 赤坂谷の新緑がとても綺麗ですね
 山猫さん、yamaizuさん、こんばんは。

コメントのフライングすみません(笑) 
このエリアは以前より気になっていたところですが、地形図を見ると等高線が複雑で難度が高く感じられ踏めておりません。一見しただけでは、どちらが谷か尾根かがわからず読図力が低い私のレベルではGPSは必須だろうと考えておりました。
表現力の低い私の思考回路では「まるでキャベツの断面みたい」と感じたままのお話をしましたが、ご共感いただけてよかったです。

赤坂谷へは、T字路より水木の方面へ延びている林道からアプローチするとカシラコ谷経由で歩けいい感じですね。と言うよりそのルートが林道ができるまでのルートだったようですね。
林道ができると歩く経路も変わったりして、案内板と矛盾するというかおかしく感じることもあるかと。
T字路より中峠への登山口の方へ進むと林道から谷筋へ降下する中峠への案内板があり「??」と感じたことを思い出しました。山猫さんの感想後半に出てくる八風谷から「仙香谷・赤坂谷 右折」の案内板も林道ができる前から付いているものかとも想像します。私もその案内板を見た時に「また林道に出てしまうじゃない?」と思いました。

8年ほど前に八風谷から八風峠経由で釈迦ヶ岳へ上がり、帰りは中峠から林道へ下りてきましたなら、赤坂谷方面へ南下している林道は工事中でして、すぐ先で行き止まりとなっておりました。最新の地形図では赤坂谷方面へもう少し延びているようです。

フライングで比良を歩かれた時のレコに書いてしまいましたが、まだ踏めていない「不老堂」「水木野」を踏んで南下すると、この林道へ降りて来られそうなので赤坂谷から釈迦ヶ岳へ今回歩かれたルートで上がり、帰りも山猫さんが歩かれた八風峠経由でのルートを使うと上手いこと周回できそうです。
言っておりました八風キャンプ場にチャリデポし、神崎橋の池田キャンプ場から不老堂へ上がるルートを早速カシミール3Dでルートを作ってみましたが、歩行距離は約16劼任靴拭H風峠まで行かず、中峠から林道へ下ると少し距離も少なくなりますが、林道歩きが長くなりそう。
まあ、下山は林道利用の方が安心ですけどね。
前述の八風キャンプ場から釈迦ヶ岳への山歩き、8年前で疲れた記憶がありますから、欲張らず「不老堂」「水木野」は別にする方がいいかも。

そうそう、「山ヒル」の文字が出てきませんでしたが、カシラコ谷、赤坂谷では見かけませんでしたか? 神崎川系は山ヒルも多いように思いましたが…
登録日: 2017/10/26
投稿数: 655
2020/5/29 7:37
 Re: 赤坂谷の新緑がとても綺麗ですね
ののさん お早うございます。早速にもコメントくださり有難うございます。前日のクルシ谷の源頭もとても綺麗でしたが、この赤坂谷は広くなだらかで、また違う谷の綺麗さがあります。
この「キャベツの断面」エリア、やはり気になりますよね。この複雑な地形を歩くにはGPSの助け無くしては到底、無理だと思います。

勿論、私も不老堂、水木野も気になっており、ここをコースに含めたかったのですが、早朝からの出発が必須になります。家内が朝に色々と家事をしてからの出発では無理があるのでした。そもそも昨日の山行で家内がかなり疲れたと云っていたので。その割にはロング・コースになってしまいましたが、赤坂谷の谷相の美しさ、県境尾根のシロヤシオの花々や眺望のおかげでコースの長さを感じさせなかったのだと思います。不老堂、水木野は改めて足を運んでみたいと思います。

赤坂谷の上流域は地図を見る限り植林が広がっているように思われますが、実際には美しい自然林広がっているというのは意外でした。この赤坂谷と南のツメカリ谷の間はどうなっているのか、この「キャベツの断面」エリアはまだまだ足を運ぶ価値がありそうです。

確かにののさんのご指摘の通り、神崎川流域は(も)ヒルの多いところですよね。この時期を選んだのは、ヒルが多くなる前に・・・という意図もあったのですが、すでにヒルの危険性が高い季節に入っていると思います。しかし、意外にも今回の山行ではヒルには遭遇しませんでした。家内は足元の地面にいるヒルを見つけるのが得意(?)なのですが。

そういえば、前の比良の山行で頂いたコメントの件ですが、残念ながら八風谷林道の入口にはしっかりとチェーンがかけられており、一般車は入れないようになっていました。
登録日: 2015/10/25
投稿数: 397
2020/5/30 18:04
 脳みそのシワ
ヤマネコさん、こんにちは。
なるほど、赤坂谷とはここだったのですね。
8年前にののさんが歩かれたと仰る八風谷から八風峠、帰路は中峠から仙香谷を下るルートを、5/5に歩いているのですが、八風谷林道途中のT字路の存在すら記憶にありません😓いかに漫然と歩いているかという恥ずかしい話です。
そのT字路の先から取り付くわけですね。仰るように緩やかな斜面ながら複雑に入り組んだ谷に思えます。しかし最後は釈迦ヶ岳の山頂付近に直に登り詰めるんですね!滋賀県側からだとピストン山行になりがちな釈迦ヶ岳が、このルートだと周回できるわけですね。いずれ歩いてみたいです。
ののさんとのキャベツの断面のくだりは面白く拝見させていただいておりました😁
しかしながら以前より私には、複雑な等高線は脳みそのシワ(ヒダヒダ)に見えてなりません。
頭の良いお二人のキレキレのコメントのやり取りを拝見していますと、釈迦ヶ岳の東側の斜面のようにヒダヒダが高密度になってるんだろうなぁと感じます。
そして私の場合、どうやら赤坂谷のような密度の薄い緩斜面のような脳みそのようです😆🤣
登録日: 2017/10/26
投稿数: 655
2020/5/31 8:53
 Re: 脳みそのシワ
ウリさん コメント有難うございます。
釈迦ヶ岳〜八風峠を周回するという目的のためでなくとも赤坂谷の上流域の広々とした谷と自然林の美しさはそれだで十分に訪れる価値のあるものと思われます。
八風谷林道は迷路のように無数の支線があるので、ここに水木野方面への分岐があるということを事前に意識しなければ林道の他の支線との区別は難しいのではないでしょうか。
脳みそのシワとはウリさんもさすが、面白い表現をされますね。でも、脳みそのシワは大人も子供も、人種によっても全く差はないというのも当然といえば当然かもしれませんが、驚くべきことのようにも思われます。

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