庄部谷山を経て若越国境から江若国境へ☆美しい山毛欅の回廊が失くなる前に
- GPS
- 20:44
- 距離
- 43.3km
- 登り
- 3,221m
- 下り
- 3,122m
コースタイム
- 山行
- 7:57
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 9:19
- 山行
- 10:42
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 11:21
天候 | 1日目;曇り 2日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
下山はマキノ高原に |
コース状況/ 危険箇所等 |
若越国境尾根は刈払いが行われており、明瞭な登山道あり 庄部谷山への稜線は所々不明瞭ではあるが薄い踏み跡あり 庄部谷山北尾根〜甲森谷〜黒谷は踏み跡なし 二日目の登山路はほぼ全般的に整備された登山路あり しかし大谷山の石庭コースから林道に下降する尾根は踏み跡なし |
写真
感想
この週末の土日はいずれも家内の都合が悪く、二日間続けて単独行の山行となるので、久しぶりにテン泊山行を計画する。避難小屋泊は今の時期は望ましいものではなかろう。とりあえず向かう先は芦谷山〜庄部谷山の稜線とする。芦谷山も庄部谷山もどちらも人口に膾炙しているとは到底言い難い山であるが、まず芦谷山はかつての若狭と越前の国境をなす野坂岳から三国岳に至る長い稜線のほぼ中間に位置する標高点866mのピークである。一方、庄部谷山は芦谷山の西南西の方向、横谷川の支流が流れる甲森谷を挟んで対峙する標高855.9mの三角点ピークの山名である。
最近のnaojiroさんのレコでこの芦谷山から庄部谷山にかけての稜線一帯に大規模の風力発電の計画が推進されることを知る。しかも、その風力発電の計画を推進するのがgreen power investment社(G.P.I.社)という。余呉トレイルの栃ノ木峠から下谷山にかけて荒々しく山肌を削り取って強引な林道を作り、ここに大規模な風力発電の計画を進めている会社である。よくよく考えてみると庄部谷山のすぐ西側の新庄には大規模な変電所があり、また関西方面への送電線の分岐点でもあるのでここに風力発電所を作るのは効率が良いのであろう。
前回、芦谷山〜庄部谷山の稜線を訪れたのは一昨年の晩秋、flatwellさんにご一緒させて頂いた山行であったが、様々な意味で思い出深い山行であったが、ここの稜線の山毛欅の巨樹の回廊は並大抵のものではない。風力発電のための風車が建設されるとなると尾根上には林道が作られることとなり、見事な山毛欅の林が失われてしまう日はそう遠くないだろう。少しでもこの山毛欅の樹林の印象を目に焼き付けるべく、風力発電の建設予定のこの稜線を再訪を考える。
この庄部谷山の稜線を歩くだけであれば日帰りで十分なのだが、敢えてテン泊の山行先にここを選ぶのは、南の黒谷にテン泊に格好と思われる場所を見つけていたからでもある。翌日の計画は完全に白紙だ。三十三間山〜轆轤山または三重獄〜武奈ヶ嶽を経て小浜街道に下り、バスで近江今津に向かうか、あるいは大御影山から大谷山を経てマキノ高原に下山するか、ルートは如何様にでも考えることが出来る。朝起きた時間と気分で決めることにする。
【1日目】
京都駅から始発のサンダーバードに乗ると敦賀駅で小浜線に乗り継ぐことが出来るのだが、この日は間引き運転でサンダーバードの始発は運行されていない。かわりに始発の新幹線に乗り、米原経由で敦賀までたどり着くと、東舞鶴行きの始発の小浜線に乗車することが出来る。
粟野の駅で下車して、いこいの森の駐車場に到着して驚いた。土曜日の朝なのでキャンプ場には人の気配はほとんど感じられないにも関わらず、登山口の広い駐車場には20台以上の車が停められている。
登山道を登り始めるとすぐにも下山して来られる方がおられる。挨拶のついでに「お早いですね」とお声をかけると、すれ違いざまに「いつも6時前からや」とお返事を頂く。どうやら日課のように登っておられる方のようだ。その後も数組の先行者、それから次々と下山されて来られる方達に出遭う。
広い登山道はウツギやコアジサイの花が満開だ。足元にはタツナミソウの花も多く見られる。随所に敦賀湾の展望が開けるが、敦賀湾には低い鉛色の雲の下で灰白色の海が広がっている。
九十九折で登っていく一般登山道とは別に直線的に尾根を辿る細い踏み跡が続いている。野坂岳から北に伸びる主尾根に乗ると若い二人組の男性に登山道の周辺の植物の説明をしておられるご婦人がおられる。
ニノ岳に至ると、その標識の背後に聳え立つ杉の大樹を「ここが私のパワースポット」とご婦人が教えて下さる。近くには「あそこには白雲木の樹があるのよ」と教えて下さるが、同じ場所を通過しても白雲木を見分けることは出来ない自信がある。
三ノ岳に差し掛かると、山毛欅の美林が広がるようになる。しばらくご婦人と色々お話をしながら、ご婦人のお供をさせて頂く。整った顔立ちは若い頃は相当な美人であったことを伺わせる。
「失礼ですがお歳はおいくつでいらっしゃいますか?」
「80過ぎたところ」。
毎年、100回ほど野坂岳に登られるらしい。
「今年は50回ほどの登ったから6月のうちに10回ほどの登るの」と仰る。矍鑠(かくしゃく)として、かなりの好ペースで登って行かれるので、写真を撮っていると、あっという間に距離を開けられる。
野坂岳の手前の避難小屋は中を覗いてみると、蝙蝠が慌ただしく部屋の中を飛び回っていた。野坂岳の山頂にたどり着くと、周りは雲の中で展望は全くない。山頂には一人のトレラン・スタイルの男性がおられた。すぐに後ろから先ほどのご婦人が到着されると、「おばあちゃん・・・」と挨拶される。どうやら顔馴染みが多いようだ。野坂岳の山頂には後からも続々と人が到着される。
野坂岳を過ぎると途端に人影はなく、一転して静寂の縦走路となる。潅木の間を抜けて尾根を下降すると、野坂岳への登りでは終盤に思われたタニウツギがこのあたりでは花盛りだ。尾根が平坦になると再び山毛欅の大樹の見られる樹林に入る。
山コースの案内標と左手に降っていく道があったので、芦谷山の尾根は直進すれば良いのだろうと思って正面の小ピークを登る。しかし、どうもピークから先に続く尾根が見当たらない。改めて地図を見返すと、山集落への下降地点は一般登山道をもう少し南下したところであった。
山集落への下降地点を過ぎると、ここから芦谷山との鞍部にかけての約1kmほどの間は藪こぎルートであった記憶がある。前回の縦走時にはユズリハの藪の中を分け入る踏み跡を次男が器用に見つけては先陣を切って藪の中に突入して行ってくれたことを思い出す。ところが分岐を過ぎてすぐに驚いたのは、切り払いが行われたのだろう、一般登山道と呼んで全く差し障りないほどに歩きやすく整備された道がどこまでも続いている。尾根上にあった筈の多数の倒木もすっかり処理されているようだ。
鞍部を通り過ぎて、尾根が南西に大きく方向を転じると、再び山毛欅の大樹が目立つようになる。芦谷山の北のピークca840mにかけての登りに差し掛かると、斜面の上の方からチリンチリンと熊鈴の音が聞こえた。目を凝らしてみると斜面を登ってゆく先行者の姿が目に入るが、先行者との間には山毛欅の巨樹の倒木が横たわっている。前回の山行では乗り越えるのに難儀したところであるが、倒木は通過しやすいようにすっかり処理されている。
倒木を越えて、小ピークにたどり着いたところで先行者の男性とお遭いする。その姿はヤマレコで見覚えがある。「naojiroさん!?」とご挨拶すると、にこやかに微笑みを浮かべられる。Naojiroさんとお話をしながら尾根を南下する。尾根上ではサワフタギの花も満開だ。芦谷山から尾根を南下すると急に霧がたちこめるようになり、幻山毛欅の回廊に想的な雰囲気が漂う。
庄部谷山への稜線への分岐となるジャンクション・ピーク p806のあたりは広々とした尾根に山毛欅の高木が立ち並び、大聖堂の列柱のような雰囲気となる。このあたりの荘厳な雰囲気の樹林はこの国境尾根におけるハイライトの一つだろう。樹林の中を気まぐれに通り過ぎていく霧と風のせいで山毛欅がなにかを語りかけてくるかのような印象を与える。
庄部谷山への稜線に入るとやがて山毛欅のリョウブを中心とする低木の藪となる。樹々の根元が地面から水平に生えだしているのは豪雪のせいだろう。低木の間を進むとと再び山毛欅の林が拡がるca830mの台地状のピークに至る。ここも山毛欅の樹林の雰囲気の良いところだ。
ピークの北東端の小さな広場には凭れるのに程よい山毛欅の倒木があった。まずはノンアルコール・ビールで乾杯させて頂く。なんとnaojiroさんはノンアルコール・ビールを私のために持参して下さっておられた。というのも、naojiroさんに昨日のうちにこの日の山行予定をお伝えさせて頂いたところ、スケジュールを合わせて私の山行にお付き合い下さったのだった。ノンアルコール・ビールがこれほどまでに美味しく感じられることはなかった。
美しい山毛欅の樹林の中でnaojiroさんと長いこと話し込む。山毛欅の林は雲が薄くなり明るい光が差し込んだかと思うと、気まぐれに霧が通り過ぎていったりと様々に表情が移ろう。しかし、広場の周囲を取り巻く山毛欅の樹々にはすべからく伐採のためのマーキングと思われる黄色いテープが巻かれている。テープを付けられた山毛欅の樹々をどうして哀れに思わずにはいられようか。
台地状のピークを南西の端まで歩いたところで、またの山行でお会い出来ることを期待してnaojiroさんとお別れする。ひとまず庄部谷山を目指して、山毛欅の回廊が続く尾根を辿る。
庄部谷山の一つ手前のピークca860mでリュックをデポする。というのもこれから庄部谷山の北側の甲森谷に下降し、谷の南の出合からこのピークに突き上げる尾根を登って戻る予定だからだ。問題は甲森谷の下降ルートである。いくつもの尾根が甲森谷に下降しているが、甲森谷を辿るには庄部谷山の北尾根のp772から谷の下の出合を目がけて尾根を下降することを考える。
庄部谷山はイワカガミで覆われた林床の中を山頂に向かって緩やかに登る。山頂に到着すると再び濃い霧が立ち込めるようになり、そのうち10mほど先の樹々の輪郭すら朧げ見えるほどの濃密な霧となった。山毛欅林が続くなだらかな北尾根を辿ると、霧の中を幻影のように鹿が横切ってゆく。
標高が下がるにつれ急に霧が晴れる。雲の下に出たのだろう。国土地理院の地図では針葉樹の記号は一切ないが、尾根が急峻になると植林が現れる。尾根芯には頻繁に倒木と藪が現れるが、何とか辿ることが出来る。しかし、尾根は唐突に崖となって終わってしまう。
地図に見られる尾根の北側の広地を目指して左側の谷に向かって下降する。地図では別の小尾根が続いている筈だが実際にはあるのはV字の谷であった。そのまま谷を下降すると間も無く下に沢が見えてきた。いよいよ甲森谷だ。
甲森谷に降り立ち、小滝を越えるとすぐにも広々とした谷が現れた。沢沿いには微かな踏み跡が続いているようだ。まもなく河岸には次々と苔むした炭焼き窯の跡が現れる。沢沿いにはトチノキやサワグルミの大樹が目立つが、沢沿いを上流に進むにつれ、他の樹々を圧倒して聳え立つカツラの大樹が次々と現れる。
カツラの大樹の細かく分かれて株立ちするその支幹は聖堂のパイプオルガンを思わせる。そして、その前で整然と円環を形成する炭焼き窯はまるで祭壇のようだ。先ほどの庄部谷山から芦谷山にかけての稜線の山毛欅の樹林とは林相は大きく異なるが、この谷の壮麗な林は独特の神聖な雰囲気に満ち溢れているように思われた。
谷を奥に進むにつれ、カツラの巨樹はますます多くなり、沢沿いに立ち並ぶ光景は壮観という他ない。やがて広い谷の上流で二俣の出合に至ると、正面にca860mのピークに至る尾根の急斜面が目に入る。左俣は広々とした谷が続いており、谷を逍遥するのも魅力的に思われるが、そろそろ時間が気になるところであり、谷を離れる決意をする。この谷に泊まることにしてリュックを担いで来たら良かったと思うが、それはまたの機会の楽しみにとっておくことにしよう。
やはり尾根の取付きはかなり急峻であり、鹿の踏み跡と思われる斜面のステップを利用してジグザグに登ってゆく。下降はロープがないと困難が予想される。取付きの急斜面を過ぎると、傾斜はましになるが、急登は続く。所々に薄い踏み跡が現れるものの、ほとんど踏み跡はない。
杉の倒木で尾根芯が塞がれている箇所があり、木の根を掴んで石楠花の間を這い上がる。やがてあたり一面は山毛欅の樹林が広がる登りやすい尾根となる。しかし、この尾根の急登はかなり体力を消耗し、かなりバテ気味となる。ピークにたどり着いた時点で水もかなり消費しており、水の補給という問題が生じることになった。
黒谷まで尾根をまっすぐ下ろうと思っていたが、右下になだらかな源頭が見えるので水を求めて下降してみる。谷に下降すると確かに落ち葉が堆積したなだらかな源頭が広がっているのだが、谷を下降すると堆積した落ち葉から水が浸み出しているばかりであり、到底、水が汲めるようなところではない。
右岸の尾根に登り、隣の谷の源頭に移動するが、ここもほぼ同様である。非常に複雑な地形の中、源頭を次々と渡りあるく。気持ちに余裕があれば、自然林の広がる美しい源頭の景色を楽しめるのだろうが、水が汲めないことによる焦燥が景色を堪能する余裕を奪う。結局、水を汲めないままに谷の西側の沢筋までたどり着いてしまう。仕方なく、左岸の斜面の小さな流れの水を汲むことにする。
後は谷を下降して黒谷右俣の上流に降りる。地図では広範囲に広葉樹の印しか見当たらないが、谷沿いには植林が広がっている。地図上のピースサインに至ると平らな河岸段丘が広がるようになり、ようやく安心する。平らな河岸を歩くと、まもなく以前の山行で目をつけていたテントの好適地に辿り着く。岸辺には柔らかな苔が生えており、重たいリュックを下ろすと500mlの缶ビールを沢で冷やし、もう一本のビールを早速にも開ける。
テントを張ると薄暗くなりつつある沢のほとりで料理をする。料理といっても前半は万願寺とうがらしとチョリソー、後半は玉ねぎ、ブロッコリーと牛肉をフライパンの上で焼くだけの至ってシンプルなものだ。疲れていたせいか、これだけの料理ですっかり満腹になるのだった。
テントの後ろで何やらガサゴソと小さな音がする。何かと思って振り向くとタヌキが横切っていった。食事も終わるかという頃、今度はテントのすぐ近くに現れたのは長い耳の野兎であった。警戒心が強いので滅多に山中で姿を見せることは滅多にないと聞いていたが、山中で出遭うのは初めてだ。ライトで照らしても野兎は逃げるそぶりすら見せない。やがて兎は沢を渡り、対岸の闇の中に消えていった。
深夜にすぐ近くの林の中から聞こえてきた「イーッ、イーッ、イーッ」と叫ぶような鳴き声で目が覚める。時間を確認すると真夜中を少し回ったところだった。テントから起き出して声のした方を照らしてみるが動くものの気配はない。鳴き声の正体は何だったのだろうと訝しく思いながら再び眠りについた。
【2日目】
起きた時間によって翌日の行程を決めるつもりで、目覚ましをかけずに寝たのだが、目を冷ますとすっかり明るい。時間はまだ4時半だった。鳥の囀りで早朝の森は賑やかだ。湯を沸かし、まずはコーヒーを淹れる。朝飯を済ませると1時間ほどで出発の用意が整った。
二度ほど小さな渡渉をすると後は右岸の送電線巡視路を辿る。桧ノ谷とも呼ばれるらしい黒谷左俣との合流地点に来ると、まず左俣を渡渉した後、右岸を下る。この黒谷の入り口は両岸に大きな崩落地に囲まれているので、谷への出入りはルートを知らないと難しいであろう。堰堤を左岸から越えたところで堰堤の下をすぐに対岸に渡渉するのがポイントだ。左岸の藪の中を薄い踏み跡を辿ると林道の終点に出る。
林道を歩くと正面には大御影山の稜線が雲の中から姿を現し、その上では蒼穹が広がっている。丁度このあたりで天気の境界線があるかのように背後の山々には低く雲がかかっている。折戸谷林道を松屋に向けて歩くと、ふと腐臭が漂う。その先の車道に何か転がっていると思えば、鹿の腐乱死体であった。ここで死んでいるというのは車と衝突したのであろう。
松屋に至ると電波が通じる。松屋に到着してもまだ昨日、考えたルートのうちどれにしようかと決めかねていた。松屋からは先に行くと松屋大権現山から大御影山に登るというルートを諦めることになるのだが、このルートを諦めて大日岳に足が向かったのは、大日岳から三重獄への分岐の区間が未踏であったことに加えて、山毛欅の回廊を少しでも長く辿りたいという潜在意識ゆえのことだったのだろうと思う。
大日岳の北側の登山口に向かって林道を歩き始めると、林道の両側にはコアジサイの花が満開だ。コアジサイの花の香りは楚々として清涼な感じがするのだが、花が多いせいだろう、花から離れていてもその香りが十分に漂って来る。
大日岳へ送電線巡視路の長い登りを辿る。林の中には陽射しが差し込むが、程よく風が吹いているので汗をかかずにすむ。青空が広がっているのだが、背後の庄部谷山には厚く雲がかかっている。尾根に山毛欅の樹林が広がるようになったのは山頂が近づいてからであった。
大日岳の山頂手前の山毛欅の樹林にも昨日の庄部谷山への稜線で見たような黄色い伐採のためのテープが山毛欅の樹々にかけられている。ここにも風力発電のための風車を作るつもりなのだろうか。風が強い稜線であることに加えて、すぐ近くに送電線が走っていることを考えるとその可能性もあり得るのかもしれない。
大日岳から三重獄にかけてはここでも山毛欅の高木による壮麗な森が広がっている。昨日の曇天とは一転、新緑の山毛欅の透過光と木洩れ陽が林の中に満ち溢れており、同じような山毛欅の林相でも、全くといってもいいほど違う光景に思われる。
大日分岐を過ぎて、高島トレイルに入ると、このあたりの山毛欅の樹林も素晴らしいところと思っていたが、先ほどの大日岳の南尾根に比べてると山毛欅が若いような気がした。
大御影山との鞍部になると樹林が切れて、目の前に大御影山が大きく迫る。大御影山への登りに差し掛かると樹林というほどの山毛欅の密集がないが、随所に山毛欅の大樹があるのが嬉しい。道は深い歴史を刻み込んだような掘割の道が続く。やがて傾斜が緩やかになると山頂が近い。反射板の南側に立ち寄って三重獄と比良山系の山々をすっきりと見晴らすことが出来る。野坂岳や庄部谷山の方面はまだ雲が取れていないようだ。
山頂に至ると6人のご婦人を引き連れて一人の男性が弁当を食べておられる。どうも先週、出会った方によく似ているように思われるが、まさか・・・
「どこから来られたんですか?」
「野坂岳から庄部谷山を経て、黒谷に昨日は泊まりました」
(黒谷という言葉だけですぐどこか理解されたようだ)
「なるほど、あそこは甲森谷もいいですな」
(・・・甲森谷をご存知というのは、この山域を相当に知悉しておられる方のようだ)
「実は昨日の午後は甲森谷に下降しまして・・・」
「このあたりの山によく来られるんですか?」
「自宅が京都なので、緊急事態宣言が解除されるまでは県境を越える移動は自粛しておりまして、ヤマレコにレコをアップすると後ろ指を指されることになるので・・・」
「私もヤマレコにレコをアップしますよ」
とおもむろに名刺を下さる。そのメルアドを見た瞬間、理解した。なんと先週、小雨の降る光砥山でお会いしたshikakuraさんであった。同時に自分がサングラスをかけていたことをすっかり忘れていたことに気がつく。サングラスを取ると、先方も私を認識され、大いに驚かれる。
先週、下山後、改めてshikakuraさんの過去の山行記録を拝見すると私が好きな山が多く、もっとお話をさせて頂ければ良かったと後悔したところだったのだ。どうやら思いが天に通じたのか。何故、昨日は芦谷山から庄部谷山を訪れようと思ったかという理由を改めてお話する。
「その風力発電の計画は無茶苦茶しよるなぁ〜」とshikakuraさんも思われたご様子。その後も山談義が弾むが、そろそろご出発の時間のようだ。お別れすると一路、大谷山を目指す。
稜線からは大谷山をすぐ下に臨む。大御影山の山頂の東側に好展望地があったはずだが、そこに立ち寄ることをすっかり失念していた。前回、この稜線を訪れた時には白山に越美国境の山々が綺麗に見えていたのだが、さすがにこの日はそういう訳にはいかない。大谷山の上空をかなりの勢いで雲が通過してゆく。
なだらかな尾根を快速で歩くうちに近江坂分岐を見落としていたらしい。気がつくと林道まで来てしまっていた。近江坂分岐まで引き返す。尾根の傾斜がなだらかなのが救いだ。こういうミスによる登り返しは急登だとさらにしんどく感じられるものだ。
抜土から、大谷山への稜線にかけて高度差は200mほどではあるが、この登り返しがきついことは理解していた。しかし、程よく林の中を吹き抜けてゆく風のおかげもあって、登りの辛さは感じずに済む。登るにつれて、傾斜がなだらかになると広い尾根には山毛欅の美林が広がるようになる。
稜線上のピークca820mを過ぎると、それまでの山毛欅の回廊は途端に消え失せ、潅木が広がるようになる。そして、まもなく広大な草稜に飛び出した。一人の男性が琵琶湖を眺めている。大谷山から南には滅多に人は来ないところだと思うが、わざわざこのピークに足を運ぶとは石庭にでも下山されるのだろうか。男性は景色にすっかり見惚れておられるようであったが、確かにこの草原からの景色はなんとも素晴らしい。黙って通り過ぎるのも失礼だし、ご挨拶申し上げようとして近づいたところで、その人物に見覚えがあることに気がついた。uriuri4211さんではないか!「ウリさ〜ん」
ウリさんはマキノ高原から出発し、赤坂山から周回して来られたところであった。大谷山にかけてウリさんにお付き合い頂き、緩やかに波打つ樹木のない草原の中を歩く。赤坂山から寒風の間では相当な人とすれ違われたとのことではあるが、大谷山から南では人の気配は感じられない。ただ「千と千尋」の世界の様な夢幻的な光景が広がっている。
昨日までの霞んだ空気とは一転、湖北の横山岳から伊吹山を経て鈴鹿の山に至るまで、琵琶湖の周囲に青い山並みが明瞭だ。空に限りなく広がる蒼穹を映して琵琶湖も青い湖水を湛えている。
大谷山の山頂に立つと風の強さはウリさんから聞いてはいたが、予想以上の風の強であった。写真を撮るにもカメラを水平に固定することすることすらままならない。赤坂山も爆風であったそうだが、やはり風衝草原が広がるだけのことがあることを改めて再認識する。ウリさんのレコに対してno2さんがコメントされているように、冬の大谷山の斜面はシュカブラが綺麗ではあるが、途端に凍てついていた、そしてランチのために尻の下に引いたクッションが一周にして飛ばされて行ったことを思い出す。
下山ルートは人の多い寒風からルートを避けて、大谷山からの展望ルートを経て、マキノ高原に戻るバリエーション・ルートをご提案させて頂く。風を避けて南の小さなコルに戻り、展望コースに入ると途端に風の影に入ることが出来たようだ。先ほどの白石平からの登山路と合流すると道は深い掘割の古道となる。粟柄谷へと抜ける古道だったに違いないが、今やこのルートを歩く人は少ないだろう。
下るにつれて古道の周囲には数多くのコアジサイの花が咲いている。登山路には甘い香りが漂う。道に数多くの白い花も落下している。上を見上げると無数の白い花が下垂している。エゴノキの花であることをウリさんが指摘される。あたりに漂うこの甘い香りはこのエゴノキの香りも混じっているように思われる。
古道を離れて間伐材の産卵する植林の尾根を下る。林道に着地すると標高368.8mの三角点ピークを目指す。この三角点の点名は「牧野」というらしい。この牧野からマキノ高原にかけて意外なほど良好に整備された道を下ると、「今月はどこかで笹百合が見たい」と話しておられたウリさんの声に応えるかのように路傍に薄ピンク色の綺麗な笹百合の花が忽然と現れるのだった。それはまるで山からの贈り物のようにも思えるのだった。
ウリさんと山中でお会いしたのは、前回のレコにおける私のコメントに対して、「そろそろ大御影山から三重獄に行ってきます」とあったので「もしかして今日、行かれますか」と朝にお伺いしたところ、この日はそのコースはタイム・スケジュール的に難しいので、「出来れば、大谷山でお会いしましょう」ということで、赤坂山から周回して来られたのであった。いつになく相当に疲労した山行になってしまったが、最後はウリさんとお話をしながら楽しく下山することが出来たのだった。
ところで、今回の山行には残念な後日談がある。火曜日の夜になってシャワーを浴びている際に臍の下に黒いいぼの様なものがあると思ってよくよく見ると、何と吸血して黒々と膨れ上がったマダニであった。少なくとも2日以上、体についていたものであろう。3日以上かもしれない。水曜日に皮膚科を受診すると医師が綺麗にとってくれたのだが、看護師さんが「動いてる!」と言う。収納されたビニール袋の中を見ると、小さなマダニが活発に動き回っているのだった。
参照;風力発電(新庄ウインドファーム)計画
https://greenpower.co.jp/2020/05/26/information-mihama-hairyosho/
※今回の山行にお付き合いくださったnaojiroさん、uriuriさんへの感謝を込めて
naojiroさんのレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2380661.html
uriuriさんのレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2383334.html
山中で偶然にもお遭いしたshikakuraさんのレコ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/userinfo-42766-data.html
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
山猫さん、こんにちは。お三方さんより先にコメントをするのはどうかなとは思いましたが、レコが上がるのをお待ちしておりましたもので…
ヤマレコユーザーさんに三人も合われたんですね。それも皆さんそれぞれいいお話でヤマレコ繋がりっていいなと再確認した次第です。
uriuriさんのレコにて、朝の7:30に大日岳近く? どんなアプローチをされたのだろうと興味津々でした。ブナ林の中、気持ちいい稜線歩きをされたよう。所々急峻な箇所もあるとか。
野坂山への登山道の山頂近くっていい感じのブナ林ですよね。以前地形図を見ておりましたなら、野坂山から三国山まで稜線歩きを出来るんだんとチョットした空想も。
山中のテン泊って勇気入りませんの? ガサゴソ聞こえると私だと怖くて絶対寝れないかと。狸と野兎だったんですね。その辺りは熊の濃密生息地域のような…
野兎は警戒心が強くて中々逢えないんですね。過去2回かな?出逢ったことは。登山道中央の茂みの中からホンの足先ぐらいで飛び出してきたので飛び上がるぐらいビックリしたことがあります。茂みの中に隠れていたのに間近に迫ったので逃げ出てきたのかと。
以前、山猫さんのレコを拝見していて公共交通機関利用にて国境から石庭へ上手く縦走できるとプランニングしてあるんですが、今回通られた「白石平」は通らないプランでした。カレンフェルトの山頂で展望が良さそうですね。新道の「展望ルート」からのメタセコイヤ並木や琵琶湖を望むのも良い感じ。迷っちゃいます。
ダニは気が付かれてよかったですね。「臍の下」と言う場所も微妙ですが、知り合いは玉袋だったのでカッコ悪かったらしいです。
ののさん 早速にもコメント有難うございます。
>ヤマレコ繋がりっていいなと・・・
私もnaojiroさんのレコがなければ、今回の山行はなかったと思いますし、uriuriさんと共に笹百合を見ることもなかったと思います。
>山中のテン泊って勇気入りませんの?
よくよく考えると私のテン泊山行では周りに人がいない場所で泊まることが多く、それはそれで他に人がいるところとは違う魅力があります。その話はまた改めて・・・
>カレンフェルトの山頂で展望・・・
>新道の「展望ルート」からのメタセコイヤ並木や琵琶湖を望むのも良い感じ
確かに展望はいいですし、大谷山から白石平への尾根の夢幻的な感じ、そして人が滅多に訪れない静寂感は(風の音はうるさいと思いますが)素晴らしいものがあります。しかし、この展望ルート、レコには書きませんでしたが、意外とすぐに植林が始まってしまい、登山道の林相は寒風からの一般登山道に軍配があがります。
>「臍の下」と言う場所も微妙・・・
下着を脱がなくてよい場所だったので、よかったです。それに皮膚科医も私とほぼ同世代の中年の男性だったので。これが若くて綺麗な女医さんだったら、困ったことになったかも
>野坂岳から三国岳まで・・・
蛇足ではありますが、一昨年に縦走した時のレコを下に貼らせて頂きます。
flatwellさんのコメントにもありますが、どうやら最近ではトレランで走ることが出来るほどにすっかり整備されたようです。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1587861.html
私達が縦走した時は当初、タクシーを予約していたのですが、小浜線の本数が少ないので、京都から始発のひかりかサンダーバードに乗って、粟野から入る方がよさそうです。
モンスター山猫さんにお逢いできて光栄です。自分勝手にフライングをやり過ぎて、重装備の方を急がせてしまい申し訳なく思っています。
霧の中の稜線歩きを楽しませてもらいました。私も嵌まりそうです(笑)
ビールはノンアルよりもアルコール入りがよかったでしょう、次回の陣中見舞いはそういたします(笑)
甲森谷のカツラはパイプオルガンとは言い得て妙ですね。私も見てみたいところです。
大日の鉄塔横の木にテープが巻き付けてあるのは、建て替えの代替え地だと思います。最近この山域ではよく見かけます。送電線の耐用年数が近いのかも知れません。
大御影へはノロオを上がるのかと思えば大日尾根を選択するとは、あそこのブナ林も圧巻ですからね、でもノロ尾の上部の風衝林と草原は私のお気に入りです。
最後にマダニ吸血の落ちですか?怖いのはSFTSでしたか?
皮膚科に行かれたりして大変でした。私も経験があります。下山日にはシャワーした筈なのに分からず、何故か翌々日に見つけました。ふくらはぎの黒い豆粒を何だろうと指で払いのけてしまいました。一週間は熱がでないか恐々でしたが。
楽しいお話を色々ありがとうございました。ではまた。naojiro
naojiroさん 今回は山行にお付き合い下さり、有難うございました。
>重装備の方を急がせてしまい・・・
いえ、重装備で急ぐことは出来ませんので、恐縮されることは全く無用です。
>ビールはノンアルよりもアルコール入り・・・
いえ、あのリュックの中には2本、入っていたのでした。それから、行動中に飲むとその後に支障が出るので、飲まないことにしております。
>甲森谷のカツラはパイプオルガン・・・
とても荘厳に思えるような、これまでに見たことないスケールのカツラが次々と現れました。
>ノロ尾の上部の風衝林と草原は・・・
ここも本当に素晴らしいところですね。ここでのテン泊も実に魅力的に思われます。
>大日の鉄塔横
そうですか。さすがの薀蓄。お陰様で少し安心いたしました。
>最後にマダニ吸血の落ちですか?怖いのはSFTSでしたか?
さすがよくご存じですね。余程、福井の発生状況をnaojiroさんにお伺いしようかと思いましたが、調べたところ、その危険性はなきにしもあらずのようです。
お気に入りのルート、またまた行っちゃいましたか。甲森谷へは沢からだと装備が必要で、庄部谷山からだととっても急で、簡単には行けないんですよね。庄部谷山の南の沢のことは前回の山行記録で気になっていました。いつか行けるかな。私、以前はロングを歩いていましたが、両膝とも故障してしまい、ショートでしかも下山時にポールで支えながら歩くようになったら、すっかり筋肉が落ちてしまいました。今は例の初心者とゆるゆる登山ばかりです。
芦谷山〜三国山はトレラン愛好家が整備しているそうです。あと、乗鞍岳〜岩籠山も。おそらく山集落→芦谷山→三国山→乗鞍岳→岩籠山→山集落の周回コースを作っているのでは。乗鞍岳北のP787の藪をどうするのか楽しみです。しかし、芦谷山付近が通れなくなるかもしれないって知っているのか気になるところです。
さて今日から梅雨入り。ダニもそうですが、谷・沢には嫌な奴が出現します。気を付けて。それにしても、深夜にショッカーに襲われなくてよかった
flatwellさん コメント有難うございます。
>またまた
尾根に林道が出来て、美しい山毛欅の回廊が失われるまでは、足繁く訪れたいところです。
>甲森谷へは・・・簡単には行けないんですよね。
確かに尾根からの下りはどのルートでも最後は半端ない急下降になりますね
>庄部谷山の南の沢のことは前回の山行記録で・・・
さほど困難なく行けますよ。
黒谷右俣のピースサイン に是非
>今は例の初心者とゆるゆる登山・・・
それはそれでよかったではないですか
最近、tochiotomeさんのご感想が見受けられず残念・・・とnaojiroさんとお話していたところでした。
>芦谷山〜三国山はトレラン愛好家が整備・・・
なるほど。野坂岳でご婦人に話しかけられたトレラン・スタイルのソロの男性が「三国岳から来たんや」と仰られたので非常に吃驚したのですが、合点致しました。
>深夜にショッカーに襲われなくてよかった
ショッカーは既に70年代に絶滅したものと思われます
日曜日の朝にメールを戴かなければ、その日は山へ出かけておらず、寒風や大谷山南側の絶景に出逢えなかったばかりか、美人の笹百合にお目に掛かれませんでした。
何よりヤマネコさんに山中でお会いし、下山途上での有意義な山談義、楽しく教わることばかりでした。ありがとうございました。
失礼ながら山行中にお聴きした話やレコ中の写真だけでは恐らくその魅力の全てが伝わっていないであろう庄部谷山の壮麗な山毛欅林、人間の都合により奪われてしまう前に、是非私も訪れて見てみたいものだと感じました。
それと同じくらいに興味が唆られるのは、聖堂のパイプオルガンにも例えられていらっしゃるぐらい立派で、恐らく神聖な雰囲気さえ感じられる甲森谷の大カツラ。
アプローチするのが難しそうな谷ですが、いつか行ってみたいものです。
ところで、野坂岳でお逢いされたという昔の美女さん。この方が仰る白雲木という樹はどういった樹なのでしょう。
わざわざ女性が教えて下さるほどなので、珍しい樹なのか、はたまた物凄い大樹であるとか。
白雲木を検索しますと、話題に出ていましたエゴノキの仲間のようです。
白石平でお逢いした時点でかなり疲れていらっしゃったように感じておりましたが、私が大谷山で、などと申し上げたことが焦りを生み必要以上にペースアップされたのではないかと申し訳なく思います。
疲労は既に回復されてるとは思いますが、ダニの感染症の件は心配ですね。大丈夫でしょうか。
どうやらお互いほぼ同じタイミングでコメントを書き込んだ様ですね。
こちらこそ、お付き合いくださり、どうも有難うございました。
>庄部谷山の壮麗な山毛欅林・・・
naojiroさんも書かれていますが、壮麗さもさることながら、この山の良さは雑味なのかもしれません。むしろ地味でありながら極めて自然な山や森林の姿・・・決して見栄えのする様な派手さはなく、物足りなく思う方も多いと思います。感じ方は人それぞれと思いますのが、もしも興味を抱かれたら足を運んで見てください。
>白雲木
さほど樹高のある木ではなく、花が咲いていなければ、白雲木と同定することは困難かと思いますし、花が咲いているのを見たことがないと仰っておられました。どうして白雲木と分かったのかもわかりません。
>ペースアップ・・・
naojiroさんにも同様のご心配をおかけした様ですが、荷物が軽ければスピードを上げることも出来ましょうが、重たいリュックを背負っていると、私は急ぎたくてもペースアップは出ないものですので、恐縮は全く無用です。これは恐らく、多くの人が同様ではないかと思うのですが。
>ダニの感染症・・・
naojiroさんもコメントを下さっておられますが、マダニが媒介する感染症 SFTS (= severe febrile thrombocytopenia syndrome) 重症熱性血小板減少症候群は発症するまでマダニに吸血されてから潜伏期が数日から約一週間ほどの期間があるので、現時点ではわかりません。しかし、現時点ではこの感染症は西日本の限られた地域で多く見られるものの、福井県、滋賀県はこれまで発症した症例は非常に少ないので、可能性は低いものと思っています。
もしも発症したら何らかの方法でご連絡します。
ところで、この新たな感染症の原因となるのは2011年に中国で初めて見つかったウイルスなのです。しかも中国で多く症例が見られるのは限られた地域に集中し、あの武漢のある湖北省がその一つなのです。なぜ中国のある地域ばかりで、これまで全く知られていなかったウイルスが次々と現れるのかと考えると、かなり恐ろしいですね。
あの山域は最近はあまり歩いてませんが、素敵な山域ですね。
しっかりレポ読ませていただきました。
ソロでテント泊は出来るはずもありませんが、
楽しく読ませていただきました。m(_ _)m
三国岳~野坂岳は昨年縦走しました。
甲森谷もまた行きたいところです。
庄部谷山も2回ほど行って、一回は野坂まで縦走しました。
素敵なブナ林が伐採される前に、私も行きたいと思ってます。
jionさん お久しぶりです コメントどうも有難うございます。
>素敵な山域・・・
御意です。花も眺望もないところですが、実に魅力的と感じます。
私も山毛欅の林の伐採が始まるまで、何度か足を運びたいと思っています。
yamaneko0922さん、こんばんは。
まるで物語を見ているように見入ってしまいました
そして、文字が苦手な自分はいつも失礼ながら感想をスルーしてしまうのですが、しっかり最後まで拝読しました笑
とても読み応えありました笑
言葉にできないくらい素晴らしい山行です!
まるで自分もそこにいるかのような擬似体験させてもらった気分です。笑
自然の豊かさ、美しさ、出逢い、オマケの結末まで。
この辺りはほとんど歩いたことがなく、雰囲気が掴めませんが。。
美しい森がなくなる前に、ぜひ行ってみたい、歩いてみたいと思いました。
ありがとうございました
yukky888さん コメント有難うございます。
自分でも再び読み返すのが厭になるほど、長い文章に最後までお付き合い下さり有難うございます。
この芦谷山から庄部谷山にかけての一帯は山深いところであり、福井県側から車で回り込む必要があるのでyukky888さんのところからだとアプローチが大変だと思います。眺望がある訳でもなく、樹林が広がっているばかりなので実に地味なところです。ただその山の奥深さ、林相の美しさ、山の奥深さと静寂が深い余韻を残すことになると思います。私がいくら駄文を重ねたところで、実際の雰囲気は全く伝えることが出来ないのですが。
兵庫にも樹林の美しいところがいろいろ多そうですね。山毛欅の美林という点ではしばらく昨秋に歩いた播備国境の駒の尾山からダルガ峰のあたりは印象深いものががありましたが、同じ山毛欅でも林相はかなり異なるように思います。
yukky888さんも機会があれば是非、一度、訪れてみて下さい。野坂岳、大御影山、大谷山、大日岳もいずれも素晴らしい山々です。ところで、もしもいらっしゃることがあれば、野坂岳、大谷山以外は熊鈴必携です。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する