勝山市街から白山を登山道で辿る -大師山・三頭山・法恩寺山・経ヶ岳・大舟山・赤兎山・三ノ峰・別山・御舎利山・白山-
- GPS
- 14:27
- 距離
- 49.6km
- 登り
- 4,808m
- 下り
- 3,776m
コースタイム
- 山行
- 13:17
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 14:27
過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
大師山〜経ヶ岳:ルートは明瞭。藪が茂るが払う程度で通過可能。 経ヶ岳〜赤兎山分岐:笹藪を中心に次第に繁茂。ルートはわかるが時折泳ぐ。 赤兎山〜杉峠:場所によってA⁻級の藪が10~20m程度。見通しがきかない箇所なのでロストに注意。 杉峠〜六本檜:場所によって藪が茂るが払う程度。 油坂の頭〜南竜山荘:下部中心に雪渓(++)。傾斜もあるためルートロスト/滑落の危険(++)。見通し効かない時はさらに危険。 トンビ岩ルート:南竜山荘を出てからすぐに雪渓。トンビ岩手前の傾斜変換点までほぼ続いている状態。傾斜もあるためルートロスト/滑落/沢への転落の危険(++)。見通し効かない時はさらに危険。 |
写真
感想
白山開山1300年を前に2016年に長山〜白山に向けて登山した。しかし、スタート直後の長山で暗闇の藪に巻かれルートを失い大幅にタイムロス。なんとか復帰し経ヶ岳まで進んだが、赤兎山に向かう大舟山稜線でコレを超える激藪に身を弄ばれ完全に終了。しかもその上、赤兎山以降右膝を痛めロクに歩けなくなり、杉峠から市ノ瀬へとエスケープし登山を終了した。
今回は登山道が明瞭な大師山をスタートとし、大舟山稜線も草刈り後であることを確認。赤兎山から杉峠間は部分的に激藪が存在する様だったが、断片的に草刈り整備も入っているとの事。残る心配は別山以降の白山に向かう残雪だが、南竜山荘周辺を中心にルート工作を行っている登山報告を確認した。 であれば、このタイミングで本計画を遂行するのがベストだろう。時期的にも夏至であり昼間は長い。気温もさほど高くならないはず。
今年は3月から6時間〜8時間トレランを月1〜2回実施。基礎体力は最低限獲得できた。5月中旬に大師山〜赤兎山を往復しコースう序盤の下見も行えた。しかし、ここで誤算が。大師山での下りで左足首を酷く挫いてしまい、歩くのも支障がある状態に。仕方ないので6月上旬までは自転車でのトレーニングのみとし、登山/ランの練習は実施しなかった。6月に入り痛みが引いてきたので、足の様子見もかねて赤兎山〜裏赤兎山過ぎまで草刈りに行ってみたところ、問題なく歩くことができたので不安は払拭することができた。
ロングトレイルを歩くにあたり、これまでの経験から4時間経過すると明らかにパワーダウンする傾向があった。北アルプスや南アルプスを登るならいざ知らず、今回のルートで食事などのエイドは期待することはできない。水場も中の平避難小屋近辺・三ノ峰周辺の雪渓・南竜山荘くらいしか確実に確保できる箇所はない。よって今回はハイドレーション1.5リットルを装備し、エナジージェルを1時間に1本摂取することとした。他に赤飯おにぎり・塩おにぎりを勝負所である法恩寺山・三ノ峰の急登に備えて摂取する手筈とした。
当日は普段朝食としては食べない白米をお茶碗2杯摂取。準備万端だ。MTBにまたがり大師山登山口に向かう。天候は霧雨。前日は一日中雨だったため、山の中は雨水でベタベタやろうな。4時過ぎに登山道に到着し、ヘッドライトを装着し登山を開始した。
事前に下見をしていたため、ルートもタイムテーブルも不安なく登山を進めることができた。懸案は経ヶ岳からの大舟山稜線と杉峠までの藪区間。実際に経ヶ岳に到着すると、ルート入口はスッキリしている。そばに奥越青少年自然の家から登ってこられた登山者が、「ここ歩けるんですかね?」「心配で鎌を持ってきたんですよ」と話されていたが、問題なく赤兎山まで歩けることを伝えると、安心したように笑顔となった。
赤兎山に来ると登山者は一気に増えた。やっぱ人気の山は違うな。しかし、赤池湿原までは足を運ぶが、そこからさらに奥に進む方は少ないようだ。さぁこっからは激藪との闘い。先日草刈りを行った箇所を過ぎ、どんどんと歩を進める。そこかしこに立ちはだかる笹薮。前方は全く見通せないため、泳ぎながら見当をつけて進むことしかできない。なかなかリズムよく進むことができず、焦りも多少感じたが無事杉峠に到着。想定タイムのなかで最速の時間で駆け抜けることができたのは僥倖だった。
杉峠以降はリズムよく進み六本檜へ。こっから三ノ峰までの急登もガスにより見通しが効かないことが幸いし、想定よりも余力を持って登頂するに至った。こっから別山〜御舎利山と辿るわけだが、何故かここで痛恨のミス。御舎利山をそのまま千降尾根に降りて行ってしまったのだった。一応、御舎利山山頂に至るまでにふと右手下方に登山道があることを確認していた。御舎利山には山頂標識がなかったので通過したことを認識していなかった。前方からきた登山者に南竜近辺の残雪について聞くと、「市ノ瀬から直接来ました」と言われたので、そのまま下り続けた。ふと上記2点が気になったのでコンパスを見ると、西方に進んでいた。しかもルートは急激に下っている。これはいけない。即座にリロケートし南竜に向かう登山道に復帰した。
このころ、コースタイムに関して地味に焦りが出ていた。三ノ峰までは想定していたコースタイムより速く進むことができていたが、別山〜油坂の頭は想定タイムより遅れていた。日は長いので心配する必要はないのだが、別山以降は急斜面の雪渓トラバースが数か所あり緊張を強要された。しかし、本当の難所は油坂下部にあった。九十九折れ登山道の下部からは南竜山荘まで一面雪渓に覆われていた。しかも状況はガス。周囲の地形が見渡せない中、地形図とコンパスで地形を読んで進むしかない。特に沢底から尾根を横切る箇所は、右方向へ沢を詰めるような雰囲気があり非常に危険な箇所であった。
南竜山荘手前に到達し、キャンプ場近辺に来ても一面の雪景色によりルートを見誤った。危うく再び油坂方面に導かれそうになったが、建物の位置でリロケートし何とか南竜山荘へ。つーか本当に見通し効かん。南竜山荘からはトンビ岩コースへ。ところがこのコース、まったくルート工作が行われていなかった。これは大誤算。見える範囲では、上部までびっしり雪が残っており、最悪室堂まで夏道は出ていないかも。その状態で登り進めるのは危険すぎるな。ルートを見失って遭難するかもしれんし、こっからだいぶ登る必要があるで途中で滑落するかもしれん。沢もそこかしこにあるで落ちて低体温症に陥る危険性も高い。。。どうしようか。行けるところまでいってみようか。左手の尾根筋を辿って傾斜変換点で尾根を横断。次の尾根も尾根筋を辿って傾斜転換点で尾根に乗ればトンビ岩近辺かな?とプランを立てて進んでみることとした。
キックステップで進むうち、一つ目の尾根を横切る傾斜変換点付近でようやく視界が開け、周囲が見通せるようになった。ありがたい。これで安心して進むことができる。とはいえ傾斜のきつい雪渓登行は続くため気は抜けない。第2の傾斜変換点に到達し、ようやく本日の目的地である御前峰が眼前に開けた。さっきまでは登山中止の間際まで追い込まれていたことを考えると、正に地獄から天国。天候も回復基調であり、青空も広がってきている。
疲労が蓄積し心拍を上げることはできないが、足は問題なく動くし倦怠感も感じない。ベストコンディションと言えよう。補給計画が上手くいったのか、登山前の長期休養で疲労が蓄積しなかったか。何れにせよ、考えうる最高の状態で登山に挑むことができ、困難と思われた登山を成功させることができた。雪渓を巡る判断は結果オーライであることは間違いなく、ただの幸運に恵まれただけであることは理解している。2度目があったとき遭難する危険性はかなり高いと考える。この点は今後も注意深く検討していく必要がある。
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