御嶽山☆備中随一の望海山を訪ねて
- GPS
- 01:31
- 距離
- 5.2km
- 登り
- 447m
- 下り
- 462m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年07月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
ふらりと笠岡の街を訪ね、瀬戸内の望海山に出かけることにする。笠岡といえばむしろ沖合に浮かぶ笠岡諸島により知られるのではないだろうか。笠岡諸島は私の大好物である蝦蛄がよく獲れることで知られるところでもある。最近では蝦蛄も容易には獲れなくなって、簡単には口にすることが出来なくなりつつある。笠岡駅の近くにはその名も「シャコ丼の店」という蝦蛄専門店があり、まずはこの店を訪ねることにする。
跨線橋を渡り、国道沿いにしばらく歩くと「シャコ丼の店」という看板が目にはいるが、看板がなければ変哲のない普通の住宅に見える。店に入り、シャコ丼定食を注文する。値段は\1700と高いが、シャコ丼、シャコ天、シャコ酢がついており、まさにシャコ尽くしだ。シャコ丼とはシャコの唐揚げを卵でとじたもののようだ。一人で食べるにはかなりのvolumeであった。
食後は笠岡駅に戻り、御嶽山を目指すことにする。御嶽山というと、数年前の噴火で多くの犠牲者を出したかの有名な御嶽や奥多摩の同名の山が遥かに有名だが、他にも奥武蔵の山域には数多くの御嶽山がある。多くは山岳信仰の霊山である。この笠岡にある御嶽山もかつては量剛寺という寺院が山頂にあり、同様に山岳信仰の山だったのだろう。
駅に戻り、コインロッカーに荷物を預けると丁度、御嶽山の方に向かうバスの出発時間に近くなった。竹田のバス停で降りると、御嶽山はすぐ目の前にそびえる。国土地理院の破線を辿って山頂に至ることを目論んだんのだが、その考えが誤っていたことを痛感させられる。
赤紫色の紫陽花が数多く咲いている集落を過ぎて、民家の裏手の竹林を抜けるとすぐにも道は草藪の中に消失している。草薮を漕いで先に進むと今度は竹藪が待ち構えている。足元には踏み跡らしきものもない。それでもバリバリと倒竹を踏みながら竹藪を進むうちに雑木林に変わる。有難いことに雑木林の中は下生の藪もなく、樹々の間隔も広い。イノシシのものと思われる無数の踏み跡が斜面を横切っている。
歩きやすい雑木林の斜面を登るうちに尾根が見えてくる。尾根に乗ると明瞭な道が現れる。どうやら、石砂からの登山道に出たようだ。すぐにも道沿いには石仏が現れ、「第五番 紫雲山 葛井寺」と真新しいプレートがついている。西国三十三観音霊場を現しているのだろう。
御嶽山の山頂は樹林に囲まれて展望のない場所だ。山頂を過ぎて道なりに進むと鳥居のある竜王神社があある。その前は展望台が設けられ、南東に展望が開け、塩飽(しあく)諸島の島々を望む。
ここまでは車道が伸びてきているが、車道を辿らずに尾根筋を歩いて、幻虹(げんこう)台に達すると、ついに眼前には笠岡諸島の眺望が大きく広がる。岡山は沖合に程よく島が集まり、展望の良い望海山が少なくないが、この展望台からの島影の美しさは抜群に思われる。この日は雲が多いせいで、乳液を流し込んだかのような白い海と島影とのコントラストが際立つ。
望海山の眺望は山の高さはあまり重要な要素ではなく、沖合の島嶼との地理的な位置関係によるのだが、この御嶽山はまさにこれらの島々を望む格好のロケーションに位置しているように思われる。
この幻虹台は1936年、昭和11年にこの御嶽山に登った林学博士田村剛氏がこの眺望に感動し、沖合に連なる笠岡諸島の島々を虹に見立てて命名したということらしい。それまで無名の展望地であるとしたら何らかの呼称を命名したくなるのも無理からぬ話だろう。
白石島の彼方には微かに四国の高い山並みが見える。石鎚山系のようだ。南東の方角に視線を転ずると塩飽諸島の左柳島、高見島の彼方には剣山山系と思われる高い山のシルエットが見えている。西側の神島の先には鞆の浦の沖合に浮かぶ仙酔島も見える。
幻虹台を後に林道を辿り、最初のヘアピンカーブから林道の北側の登山道に入る。広い登山道は歩きやすいが、アスファルトが整備されているのだった。足裏の感触が不自然に硬く感じられる。
鳥ノ江峠に出ると駐車場とトイレが整備されており、植栽された紫陽花が色とりどりに満開の花を咲かせている。ここでも赤紫色の紫陽花が目立つ。駐車場からは西側に四尋山への登山路を示す小さな道標と踏み跡がある。
草叢の中を進むとまもなく下生のない雑木林の中の急登となる。登りつめると四等三角点のある山頂に至るが、樹林に遮られて眺望はない。低木の中をくねくねと蛇行する尾根道を下降すると、広い干潟が広がる笠岡港に出る。どうやらこのあたりがカブトガニが棲息していることで知られる干潟らしい。
駅まで歩くことを覚悟していたが、名切口のバス停に到着すると、まもなく笠岡駅行きのバスが来るところだった。
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