荒廃の寄沢ルート〜鍋割山-塔ノ岳
- GPS
- 07:30
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,586m
- 下り
- 1,570m
コースタイム
- 山行
- 5:56
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 7:27
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
■復路:大倉バス停〜渋沢駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
★寄沢コースは通行止めです(=状況は去年秋以来変わらずでした。歩行通過はOKの由)。林道崩落が理由とされますが、その先の渡渉地点や沢床が荒れてルートが不鮮明に。歩きにくく、バリエーションルート状態です。ここ5日間は降っていない筈なのに長梅雨後遺症で沢の流量が多く、難儀しました。読図ができて道なき道を歩くのが趣味の人以外は、近づくべきではありません。 具体的なコースの状況は感想に記しています。 |
その他周辺情報 | ・鶴巻温泉の弘法の里湯は6月末と異なり入浴待ちせず済みました。制限緩和というより、お客が少なかったせいだと思います。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25
000地形図
ガイド地図
コンパス
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
ストック
水筒
時計
非常食
着替え
ツェルト
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
GPS
|
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感想
なに!、ここまで来て通行止め? 最後のトイレを過ぎた先で林道にロープが渡してあった。
それで合点が入った。コロナ禍中とはいえ、山の日の三連休初日にしてはバスの乗客が10人足らずと少なく、同じ方向へ歩きだす人影はゼロ。車止めの赤いトラス橋付近の駐車もわずかだったが、それはこのせいだったのだ。
普通はネットで情報を調べてから来るのだが、通い慣れた道ゆえ?油断した。トラス橋を渡った対岸に第1渡渉点に至る遊歩道コースがあるはずだが、通ったことがないし、そちらの地図は用意していない。
林道崩落が理由とあるので、ともあれ現場を踏査して判断しようと先へ進んだ。間もなく左の沢側が大きくえぐられ、穴になっている所に着いたが、ちゃんと桟道が渡してある。すぐ先は大量の土砂崩れに覆われているものの、幅1mほどの通路は確保されている。
安全は保障しないものの何とか歩ける〜といった程度には補修されているので、先へ進むことにした。林道を横切る小沢の流量が多いのが気になったが、寄沢の渡渉が無理なら手前の後沢乗越へのバリルートを辿ればいい。
利用者がいないせいか、いささか草の伸びた林道終点登山口に到着。少し登って、いつも通り登山道ではなく遊歩道へのルートで堰堤を越えて最初の渡渉に挑む。見た目は大したことないし、靴を脱げば簡単だが、飛び石で渡るのはやや躊躇する流量がある。人影を見たので同好の士が渡渉点を探しているのかと思ったら、ただ河原へ遊びにきただけのようだった。
渡った先で登山道の渡渉点に至ると、戻り方向の遊歩道はしっかりしているが、登山道は不明瞭。沢沿いに少し進むと踏み跡があった。道を探りながら桟道で堰堤を登ると第2渡渉点。ここも流量が多くて難儀した。しかも、渡った先は、道標は前のままなのに道がか細い踏み跡になっている。水で岸がえぐられたためだろう。
第3渡渉点に至る林の手前で横切る涸れ沢の沢床が荒れ、知らないと林の中に道があるとは分かりそうもない状態だ。極めつけは、その第3渡渉点の流路が全く変わっていたこと。河原を流れていた沢が完全に埋まり、林の中の涸れ沢だったところが本流になっている。
第4渡渉点も水が多く、渡れる所を探してクリア。その先のルートを示す道標はススキに埋もれかけていた。水の多さもあるが、沢の様相の変化でここまで渡渉に時間を使った。不安定な石もある河原をヒラリヒラリと跳び歩けるような身軽さは、あいにく持ち合わせていない。
沢から少し離れた道は原型をとどめていたが、横切る小沢の崩壊は進んでいる。最後の第5渡渉点で汗拭きの大休止。ここも上流から大量の岩くずが押し寄せていた。その先の鎖場や桟道が心配だったが、大丈夫だった。
暑さと慎重な渡渉で時間を食ったので、わずかなそよ風を頼りに急勾配を急ぐ。山腹と尾根をジグザグに辿るコースだが、雨水で浮いたのか、新しい石や枝葉が散乱している区間がある。珍しく水の流れる寄コシバ沢を超え、雨山峠0.6kmの指導標から沢筋の中を行く区間に入った。
水が多く、しばらくは左岸寄りの踏み跡を辿る。詰めていくと鉄階段があり、一つ西側の沢へ。この沢は1mほどの小滝の先に岩盤状のナメが見られるが、その手前ですでに流路の石や枝などが流され、ナメが現れた。靴を濡らす水量ではなくなったので、時に流れを踏みながら気持ちよく歩いた。
ナメもあるが崩壊の跡もある沢はいくつにも分かれ、気を付けないと別の支沢に誘い込まれそうになる。ワイヤーでつるした「空中標識」の無事を見てルートも確認し、最後に再び鉄階段を登って雨山峠に到着した。
ようやく「通行止めルート」は脱したが、とにかく暑い。沢で補給した冷たい水を飲んで稜線へのひと頑張りをこなした。1000mを超すとさすがに涼しい風も吹いてくるが、鎖場を含めて結構険しい区間も多い。歩かれていないせいか、木々の枝や草も多少かぶさっているが、沢筋と違って崩壊は目につかなかった。
東丹沢登山詳細図には「無名沢ノ頭」とある茅ノ木棚沢ノ頭を過ぎ、短い鎖を下って長大な鎖場を登り切れば鉄砲沢ノ頭。これで難所は終了だ。鍋割峠で息を整え、重くなってきた脚に鞭を入れるようにして、ようやく鍋割山に到着した。薄曇りで日は差しているが、雲とは違うモヤがかかって周囲の峰々は霞んでいる。
見回してみて驚いたのは”登山者の少なさ”だった。全部で20人くらいか。鍋焼きうどんをすすっているのは、その半分もいないだろう。6月末のおぞましい曇天の蛭登山の時の方が、よほどにぎわっていた。そもそもここまで登山者には一人も行き会っていない。ただ、もともとマイナーな寄沢ルートの通行止めがこれほど響くはずはなく、やはりコロナの影響だろうか。
暑いので煮炊きなしの昼食を食べ、30分で出発。なだらかな鍋割山稜は南からのそよ風で高原漫歩のよう。消耗した6月と違って快適に歩ける。鍋割山到着が遅れたので塔ノ岳はよそうかと思ったが、金冷シに思ったより早く着いたので初志貫徹で登頂を目指した。
こちらも、大倉尾根〜塔ノ岳というメインルートにしては人が少ないように感じる。さすがに登りは暑くて、鍋割山で我慢したビールを尊仏山荘に飛び込んで注文してしまった。
10分ほどのビール休憩を経て下山開始。多少膝が痛んだ時もあったが、6月に比べて脚力も残っている様子で階段を快調に下る。花立山荘のベンチで座った後は、先を行く初級者をどんどん追い抜いて堀山の家まで頑張った。ここでもベンチを借りてたっぷり給水。2.5L持参し、沢水を0.5Lほど追加した水はまだ1L以上ある。
標高900m以上のこのあたりまでは涼しかったが、一本松のもみじ回廊あたりから暑くなってきた。ただ、下りだから汗の出方は受忍限度内。トレラン以外の先行者をどんどん追い越して、雑事場ノ平のベンチで最後の休憩を取った。風はあっても生暖かく、最後の下りで不覚を取らないように脚を休ませる。
測量道具を持って登る人たちとすれ違い、ほどなく克童窯前から車道に。クリステル跡地前からの日向の道は実に暑かったが、大倉に着くとちょうどバスが待っている。汗を拭くのももどかしく乗り込んだ。
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