赤牛岳・水晶岳・野口五郎岳・烏帽子岳:黒部源流の夏休み
- GPS
- 80:11
- 距離
- 46.3km
- 登り
- 4,182m
- 下り
- 4,004m
コースタイム
- 山行
- 5:24
- 休憩
- 0:37
- 合計
- 6:01
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 8:54
- 山行
- 9:25
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 10:12
天候 | 7日:小雨 8日:雨・霧・強風 9日:雨・霧・強風のち曇り 10日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
駐車場から高瀬ダムの上までタクシーで送って貰えます。(2,400円) 下山は黒部ダム→扇沢(電気バス)1,570円。 扇沢から七倉登山口まではタクシー。(7,500円位) |
コース状況/ 危険箇所等 |
全般にコースの整備は良く、危険な場所は有りません。 読売新道も一般の登山道並に整備されています。 【高瀬ダム〜烏帽子岳】 七倉駐車場から高瀬ダムまで歩くことも出来ますが、ダム堰堤の登りは大変そうです。2,400円と安くはありませんが1時間半位短縮できますのでタクシーがお勧めです。 ブナ立尾根はアルプス三大急登らしいですが、整備が良く歩き易い道で意外に難なく登れると思います。 烏帽子岳には烏帽子小屋から南沢岳方面に進みます。前烏帽子を過ぎると縦走路から別れ山頂です。山頂は岩場で鎖がありますが特に悪場は有りません。最高点は一人立つのがやっとです。 【烏帽子小屋〜水晶小屋】 裏銀座縦走路です。烏帽子小屋から少し下るとテント場(今期は使用不可)を抜けて三ッ岳に向けて歩き易い砂礫の道を登っていきます、三ッ岳は山頂直下を右に巻きます。三ッ岳を過ぎると小さなピークをいくつか上下しながら野口五郎岳に登っていきます。この日は霧が濃くて視界10m程度でしたがルートは明白でした。 野口五郎小屋は山頂直下の風が弱い場所に有ります。(この日山頂は立っているのがやっとの暴風)小屋から山頂は一登りですが右に山頂を巻くルートも有ります。 次の真砂岳も右側を巻き山頂は通りません。 真砂岳から東沢乗越まではいくつかピークの上り下りが有りガレ場もありますので注意が必要です。 東沢乗越から水晶小屋までは標高差200m程ですがここもいくつか小さなピークの上り下りがあります。崩壊地やザレ場も有りますので悪天候時は慎重に。 【水晶小屋〜奥黒部ヒュッテ】 読売新道です。以前は荒れていましたが今は整備され普通に歩けます。但し下りに使っても長いのでそれなりの覚悟と体力が必要です。 水晶岳までは沢山の人が行き来しますので分かり易い道です、山頂直下にちょっとした岩場がありますが問題ありません。 水晶岳を過ぎると踏み跡が一気に薄くなり尾根も広いことから注意が必要です。この日は視界10m程の霧でしたが、注意してよく見れば目印の黄色丸印がありますので慎重に進めば問題ありません。温泉沢ノ頭を過ぎた先が一番分かりにくい印象でした。(晴れていれば問題ない?) 赤牛岳の山頂から下山ルートは大きく向きを変えます。霧が濃いときは地図やGPSを良く確認して間違って進まない様注意が必要です。 標高2,500m程で森林限界以下となり樹林帯に入り道がしっかりしますのでルートの心配は無くなります。 但し、大きな木の根が張り出して滑りやすい場所や崩壊地も有りますので、歩きにくい道です。東沢の水音が聞こえる様になると奥黒部ヒュッテです。 【奥黒部ヒュッテ〜黒部ダム】 平ノ渡船の本数が少ないので時刻を確認して出発する必要が有ります。 最初だけは歩き易い道ですが、湖岸を水平に移動する道では無く50mから100m位の登り下りが数え切れないほど有ります。足場の悪い桟橋やハシゴも多く油断できません。ダムまで楽勝などと思っていると痛い目に遭います。(私はこの道が一番大変でした) |
その他周辺情報 | コロナの影響で山小屋は完全閉鎖、少人数の予約制、素泊まりのみ、テント泊禁止、等多数の制約が有ります。コロナ対策で持参するものも有りますので、必ず各小屋のホームページで確認してから出かけてください。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
携帯トイレ
インナーシェラフ
マスク
体温計
アルコール除菌液
密閉できるゴミ袋
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感想
毎年この時期「黒部源流の夏休み」と称して普段行けない北アルプスの最深部に行くことを楽しみにしております。
今年は数十年振りに読売新道を歩いてみようと計画していたのですがコロナの影響は収まること無く、今年はダメかなぁと半ば諦めていました。
それでも、ウイズコロナの新様式に則って何とか行けないものかとあれこれ画策し、テント泊を中止、最盛期をずらす等で何とか行くことが出来ました。
最難関だった水晶小屋の予約が取れたときは思わずガッツポーズでした。
さて今年の計画はブナ立て尾根を登って烏帽子小屋に1泊、翌日はのんびり大展望の稜線漫歩で水晶小屋まで、3日目核心部の読売新道(でも下りなので楽勝)を通って奥黒部ヒュッテ泊、4日目黒部湖を眺めながらのんびり下山、の3泊4日の余裕有るコースでした。
【1日目】
初日、高瀬ダムに到着すると雨。大雨では無いもののスタートから雨具上下で出発となりました。雨のため暑くないのが救いでしたが展望が全くない中黙々とブナ立て尾根を登りました。烏帽子小屋に到着後一休みして山頂に行こうとすると風雨が強まり結局この日烏帽子岳には登る事は出来ませんでした。
【2日目】
朝から風雨、昨日より悪い天気です。それでも烏帽子岳は外すことは出来ないため、朝一で烏帽子岳を往復してから出発となりました。
大展望の稜線漫歩の夢は破れ視界10mほどの強風と雨の稜線をひたすら歩き続ける1日となってしまいました。
それでも足下の高山植物や雷鳥との遭遇など、悪天候でもそれなりに楽しい縦走路でした。ただ野口五郎岳山頂の風はもの凄く、まるで冬山の様な足下からすくわれる猛烈な風が吹きまくっていました。
試練の一日でした。
それでも水晶小屋に付いて暫くすると風・雨も収まってきたので、展望は有りませんでしたが夕飯は外のテーブルで作って食べることが出来ました。(夕暮れを見ながら外で夕飯を食べるのを楽しみにしていました)
【3日目】
今回の山行のメインイベント、若い頃登って以来数十年ぶりになる読売新道です。
残念ながら一日で登るには今の体力では不安があるため、下山で使うことになりましたが私の中では栂海新道や早月尾根と並ぶ北アルプス屈指のルートとしての位置づけです。
この日も朝から風雨、雨具上下で出発します。数年ぶりに訪れた水晶岳はガッスガスの真っ白な世界に強風が荒れ狂っていました。ここからの360度の展望は最高なんですが・・・・。
慰める様にまた雷鳥が出てきてくれました。
標高は低いけど今回の最終目的地とも言える赤牛岳に無事到着、この頃には雨は止み風も収まりガスも消えてきました。
遠くには黒部湖も見える様になり、赤牛岳を下る頃には一昨日から歩いてきた烏帽子岳から野口五郎岳までの縦走路も全て見渡せました。
予想より遙かに整備され歩き易い道に助けられ数十年ぶりの読売新道を満喫しました。
【4日目】
山奥に有りながら風呂にまで入れる超快適な奥黒部ヒュッテで一夜を明かすと朝から青空、この山行で初めての良い天気です。雨具を着ないで歩ける事の何と快適なことか!
平ノ渡し船の時刻に合わせゆっくり出発して黒部湖を眺めながらのんびり下山、のつもりでしたが、晴天になると今度は暑さとの戦い、加えて黒部湖沿いの道はハシゴや桟橋が続くアップダウンだらけの中々の難路、気分的にも今日は下山との甘い気持ちも有ったため予想外に苦労する一日となりました。
逆に、最後まで楽させてくれないところが大きな達成感に繋がった事も事実です。
最後に黒部ダムの堰堤の上から遠くに見える赤牛岳方面を眺めながら、悪天候に苦労したものの楽しかった今年の「黒部源流の夏休み」を締めくくりました。
いつも詳細な記録を挙げていただきありがとうございます、以前より参考にさせていただいてました。
今回私も8/8お昼前に水晶岳近辺で悪戦苦闘しており思わずコメントさせていただきます。水晶小屋でカップヌードルを頂き元気回復、1時間かけて山頂ピストン、強風下真っ白な山頂でしたが、次回はyamayaさんのルートを参考に再挑戦してみようと思ってます。
登山を始めてまだ4年目の初心者で、yamayaさん他経験豊富な方々の記録を参考に試行錯誤しながら計画を練る毎日です。これからもよろしくお願いします。
ken1586さんこんにちは。初めまして。
無駄に長い記録にお付き合い頂き有り難うございます。
書き始めると止まらない性分でいつも自己満足の長い記録をアップしております。
ken1586さんの記録拝見しました。初日あんなに良い天気だったのに二日目から崩れてしまい残念でした。特に8日は雨はともかく凄い風で大変でしたね。
あの悪天候の中、黒部五郎から鷲羽・水晶を通って雲ノ平まで行ってしまうとは
私には到底まね出来ないですね。
お互い今回は余り天気に恵まれませんでしたが、悪天候の中歩き通せたのはやっぱり達成感が有りますよね (ちょっと負け惜しみ)
コメント有り難うございました。
yamayaさん、こんにちは。
今日も暑いですね、 雷雨を期待していますが降りそうもないですね。
夏休み恒例の北アルプス最深部への縦走、お疲れさまでした。梅雨明けしてから埼玉は良い天気だったのでてっきり青空の中を歩かれていると思っておりましたが、3日目までは雨に降られたりしたようですが、写真を拝見する限り楽しんで山歩きされているのが判りますよ。
天気の悪い日は登山道脇の花を見たり、雷鳥も安心して姿を見せてくれますからね
そして山小屋は思ったより宿泊者が少ないんですね?場所によってはテント泊も出来なかったりと今シーズンは山小屋へシフトされているのかと思っていました。今回の山小屋宿泊ほぼyamayaさんの貸切状態で羨ましいですね
いつもながらコース取りなど参考になります!
なかなか長期休暇が難しいですが、時間が取れれば歩いて見たいコースですね。
最終日は 、「終わりリ良ければ全てよし」ですね!
46キロ超の縦走、改めてお疲れさまでした
opiroさんこんにちは。もうすぐ雷雨で涼しくなると思っているのですがなかなか降ってこないですね
恒例の「大縦走?」今年も行ってきました。7月の槍ヶ岳に続いてまたも雨、どうも最近は天気に見放されているようです。
今回は雨は降ってもそんなに強く降ることは無かったので割と楽に歩けました。
但し、大展望の稜線漫歩を期待していただけにちょっと(相当)残念でした
まあその分花や雷鳥には目が行きましたが・・・。
山小屋は全て完全予約で元々定員の半分以下に絞っている上に、悪天候と再度始まったコロナの外出自粛が影響してキャンセルが相当入っているようでした。
7月に予約を取るときは凄く大変だったんですけどね
opiroさんのおっしゃる通り最終日の晴天ですくわれました
いつもコメント有り難うございます。
yamaya1127さん はじめまして
奥黒部ヒュッテの夕食時、隣り合わせてお話をさせていただいたものです。
雨の読売新道歩きは大変でしたね。
前日にお話を聞かせていただいていたので覚悟して読売新道を歩きました。幸い風もなく雨も降らずでしたが、キツかったです。
縦走お疲れ様でした
tanamariさんおはようございます。
先日は奥黒部ヒュッテで楽しい夕食のひととき有り難うございました。
それにしても凄いですね!読売新道を登るのも大変なのに、水晶を通り越して雲ノ平まで行ってしまうとは
恐るべし体力・気力!翌日の折立までも余裕でしたね。
tanamariさんの過去の記録を見させて頂いたら、凄い記録ばかりで強いのも頷けました。
またどこかでお目に掛かったら宜しくお願いします。
コメント有り難うございました。
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