木ノ又小屋泊 チーズフォンデュの夜
- GPS
- 25:00
- 距離
- 5.8km
- 登り
- 939m
- 下り
- 929m
コースタイム
08:30 書策新道口
08:55 書策新道/源次郎尾根分岐
10:30 花立山荘 11:15
11:35 塔ノ岳尊仏山荘 12:05
12:30 木ノ又小屋 08:00
08:30 細野の尾根/書策新道分岐
09:25 書策新道出口
09:30 戸沢バンガロー
天候 | 12月1日 曇〜みぞれ〜晴れ〜曇 12月2日 晴れ〜曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【書策新道】 源次郎尾根分岐まで危険箇所なし。 【源次郎尾根分岐】 取り付き箇所にマークなし。 尾根をキープするように意識しないと分岐がわからない。 【源次郎尾根】 上の草原より上、崩落地ザレ場あり。 【花立山荘〜塔ノ岳】 危険箇所なし。 【塔ノ岳〜木ノ又山荘】 危険箇所なし。 【細野の尾根(木ノ又新道)】 ルートロストに要注意。 ヤセ尾根、崩落斜面もあり要注意。 【書策新道】 水無川本谷など沢渡り数カ所、滑落注意。 初心者はまず無理。熟達者もソロは控えたほうが良い状況。 戸沢からの取り付き、木ノ又新道からの合流地点前などに 黄色い「立入禁止テープ」多数あり。 |
写真
感想
酢豚で有名な木ノ又小屋が食事を出さなくなった、と聞いたが初夏の頃。
最近では「近々小屋を閉めることになるらしい。」との噂も聞いたので、とりあえず泊まっておこうということで2人分宿泊予約した。
当然食事は担ぎあげる事になるが、それならそれで、勝手にやらせてもらおうということで、チーズフォンデュをすることにした。
フォンデュ用ニンジン、芽キャベツ、ソティー用ピーマンは前日に妻に切ったり下茹してもらっておいた。
白ワインはFFF氏に用意してもらい、私はスコッチのシングルモルト(グレンモーリンジ)を持ち上げることにした。
今回の山行は、戸沢から入って木ノ又小屋往復する、飲み食いがテーマ。
しかし、どんどん実力を伸ばしているFFF氏を案内するのに、天神尾根や政次郎尾根では物足りなかろうということで、
とりあえず源次郎尾根で登り、花立山荘でお昼をいただくこととした。
書策新道取り付きには、黄色い「立入禁止」テープが張られているが、Own Risk ということでくぐっていく。
書策新道が尾根筋を外れるポイントで、尾根筋キープして書策新道とわかれる。この分岐点、何の印もない。
源次郎尾根は2段式に心臓破りの急登が続く。下の草原、上の草原も結構な斜度のまま。濃霧のため眺望きかない。
天気予報では晴だったのに、1300m辺りから雪が降り始めた。と思ってよく見ると、それは雪ではなく小粒のあられだったのだ。
花立山荘まであと10分程度なので、雨具着ないでそのまま続行。
バリエーションルート抜けて大倉尾根の花立山荘直上に出る。
山荘ではテーブルに割った白菜が並べて干されていた。FFF氏が豚汁定食、私がラーメンを注文。
ラーメンにしたのには理由があり、丹沢の高標高の山小屋で、ここが唯一カップ麺以外の生麺のラーメンを出すからなのであった。
豚汁定食についていた白菜の漬物は塩分が濃くて美味しかったという。これは小屋で白菜から漬物を作っているということなのだろう。
花立山荘で大休止。出ることにはすっかり晴れていて、花立〜馬の背で、大丸小丸、檜洞丸〜蛭ヶ岳〜不動ノ峰がバッチリ見えた。
塔ノ岳はやはり大勢の人で混雑。尊仏山荘に入ってコーヒーブレイク。FFF氏はお目当てのみーちゃんがいなくて寂しそう。
2〜3歳の女の子連れの親子が休憩中。プラスチックのバナナ入れを持っていて微笑ましい。自力で登ったのかな?
しばらくすると、少しずつ富士山が下の方から姿を表してきた。しかし結局ピークまでは見せぬまま、また雲の中。
急いでもしょうがないのでゆっくり休み、表尾根へ。
木ノ又小屋に12:30頃には着いてしまった。中森さん曰く、今日はAさん達入れて3人だから、2階のどこ使ってもいいですよ、とのこと。
土間のだるまストーブから、畳の休憩室にあがり、飲み食い材料と調理用具を出し、残りのザックは2階へ。
とりあえずビールで乾杯。サラミやスナックなどの乾物をつまみに、スコッチにすすむ。
3時頃?もう一人の宿泊予約者、常連のS氏到着。
フォンデュ用にマシュルーム切ってソティー。バゲットも2/3程度小さく切っておく。
フォンデュのネタ準備整ったところで、ピーマンとスパムのソティー&ビール。続いてコンビーフソティーも。
チーズソース作り、ゴルゴンゾーラ投入。約4時間のチーズフォンデュパーティー幕開け。
諸々S氏にもおすそわけ。
ランプとだるまストーブ、アンプラグドな世界を満喫。
深夜夜景撮影。大山ピラミッドのシルエットが映える。
翌朝、海と紅富士の撮影し、朝食。
木ノ又小屋名物美味しいコーヒーを頂き出発。
出発前中森さんに伺った話で印象深いのが、今はなき渋谷書策さんのこと。
最後はヘリで下界に下りたのは有名な話だが、実はその前に一度、書策爺さんが自分でヘリを呼んだことがあったのだという。
その時爺さんは「うちの近くまで行ってくれ。」と言ったといい、それを聞いた救助隊員が「爺ちゃんねえ、これはタクシーじゃないんだから。」とたしなめながらも、着陸してからサイレン鳴らさずに消防自走車で自宅まで送ってくれたとのこと。
その後爺さんは破顔一笑「もう二度と来てくんねだろうな。」と中森さんに言ったという。
また、書策小屋に「足が痛いから泊めてくれ。」と言う登山者が入ってきた時、爺さんは「ここは病院じゃねえ。」と追い返したのだという。
中途半端に聞くと酷い話のようだが、中森さんが語ると、大人のメルヘンの香りがするのだ。
伝説の人物には伝説たる所以があるということなのだろう。
その書策爺さんが生前中森さんに教えてくれたというのが、木ノ又小屋直下〜書策新道につながる尾根の正式な名称。
現在では「木ノ又新道」と呼ばれているその尾根の名は、「細野の尾根」というのだという。
ちなみに、「木ノ又新道」という名は中森さんのあずかり知らぬところらしい。
その細野の尾根を下って帰路につく。
霜柱が立って踏み跡不鮮明なところが多い。特に下り始めて10分ぐらいのところで、尾根が左右2つの支尾根にわかれているところがある。
左が正解。右に下るとどんどん見当違いのところに連れて行かれてしまう。
書策新道に合流し、戸沢までの間、沢渡りのたびに崩落などがあってなかなか気を抜けない。
しかし、決定的な危険にあうことなく無事戸沢へ。
車で林道を降りてゆき、新茅荘でコーヒーブレイク。
おかあさんが鳥の餌のひまわりの種を手に持たせてくれる。前にかざすとことりが止まって食べるという。
コーヒー飲みながらご主人も交え丹沢の四方山話。
小屋を出て林道を下って行くと、尊仏山荘の和田さんが走っている。
いつものところまでどうぞ、とピックアップ。
車中みーちゃんの話で盛り上がる。
湯花楽で汗流し、帰京して近所で昼食。実に充実した2日間だった。
FFF氏は登山をちゃんと始めて未だ2ヶ月ちょっと。もうこんなレベルになっているというのが驚き。
A氏から「木ノ又小屋が近々閉鎖するらしい」と聞き、以前通った時は閉まっていおり、気になっていたので即同行することに。中はこぢんまりながらも手入れの行き届いたとても良い雰囲気の山小屋。宿泊客は我々含め3人であったが中森さんと一緒に楽しい時間が過ごせた。
「お客さんに対して申し訳ない」と何かにつけ話していた、損得など置いて自然体で振る舞う控えめな中森さんはとても大きな人にみえた、ついついこうすればいいのに…などと思うが下界にいるとどうしても邪念が入ってくる、普段「こうしたらいいんじゃないか?もっと効率よくいけるのではないか?」などと考え背伸し、成果を出した自分に自信を持った気になり人にアドバイスしたりする…いらぬお世話である、中森さんを見ていてそう思った。
山は様々なことを教えてくれる、自然の美しさや怖さ、小屋主さん達の人間臭ささ、様々な人間模様が見えてくる、そこで振り返る。
木ノ又小屋でかつての自分をみた!(つもり)、若いカップルが入ってきた、二人は初めてこの小屋にきたようで(自分も)、中の雰囲気に感動し、男性が中森さんと元気に話をしながら多々質問しそれを彼女に伝える、彼女は「へーそうなんだ」とその度うなずく、疲れていると思うが一生懸命話していた、頑張れ若者!。
ずーっと大昔女性と初めての店に行った時に「頼りがいのある男」をアピールするためやたらとマスターに友達のように話しかけ、よく解りもしないくせに解ったふりをしながら女性をリードしたつもりになっていた…でも今度一人でこの店来たら出せないテンションなので絶対一人では行かない…。 と言いつつも実際そのカップルがそうかどうかも解らないので迷惑な話だが勝手に妄想である、一生懸命お客さんの相手をしている中森さんにはそんな邪念はないだろう、山は色々教えてくれる、気づかせてくれる。
A氏はまじめに記録を書いてくれる、いつも脱線気味のことしか書けないがA氏を見習おうと思う。あともうちょっとしたら。
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