山行記録: 愛鷹山-袴腰岳-位牌岳 ～麗しの稜線Ⅱ～

天候	晴れのち曇り
過去天気図（気象庁）	2020年10月の天気図
アクセス	利用交通機関：自家用車登山口：水神社前、15台ほどの駐車スペース。新東名長泉沼津インターから15分。カーナビは桃沢野外活動センターでセット、そこから林道を進むと到着する。林道は一部幅員が狭く離合困難な個所もある。アクセスを調べる my出発地登録
コース状況／危険箇所等	登山道は終始変化に富み、稜線は気持ち良い。富士山をずっと見ていたかったら右回りがお勧め。位牌岳から桃沢への下山ルートは台風等で被害が出ているが、テープと標識が豊富で、広い沢でも迷わない。
その他周辺情報	前泊：ホテルインサイド。東名沼津インターそば。リゾートとビジネスの中間に位置するホテル。今ならGOTOトラベルでシングル3640円。

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秋冬は15時までに下山する。その誓いのためにどうしても早朝から登りたかった。Go Toのお蔭で快適な夜を過ごせた。

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秋冬は15時までに下山する。その誓いのためにどうしても早朝から登りたかった。Go Toのお蔭で快適な夜を過ごせた。

6時、水神社前に到着、夜は明けた。駐車車両は含めて3台、これからどれだけ増えるのだろう。

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6時、水神社前に到着、夜は明けた。駐車車両は含めて3台、これからどれだけ増えるのだろう。

今日は、全国高体連登山専門部の訓練が行われていた。参加者100名、男子は20㎏、女子は10㎏の負荷だそうだ。

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今日は、全国高体連登山専門部の訓練が行われていた。参加者100名、男子は20㎏、女子は10㎏の負荷だそうだ。

ハイキングコース入口。下山に使ったが、台風などで荒れていた。

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ハイキングコース入口。下山に使ったが、台風などで荒れていた。

高体連の女子生徒たち、それにしても早い。

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高体連の女子生徒たち、それにしても早い。

こちらは一服峠への道。エスケープルートの下山口。

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こちらは一服峠への道。エスケープルートの下山口。

約40分の林道歩きを経て愛鷹山登山口。注意書きのような崩壊地は危険個所ではなかった。

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約40分の林道歩きを経て愛鷹山登山口。注意書きのような崩壊地は危険個所ではなかった。

チェックポイントは数か所有り、チーム（4,5名）がきちんと通過するのを確認していた。「がんば」「ファイト」の声にこちらも元気づけられる。

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チェックポイントは数か所有り、チーム（4,5名）がきちんと通過するのを確認していた。「がんば」「ファイト」の声にこちらも元気づけられる。

8時、稜線に到達。予定よりも50分早い。すっかり気持ちが若返っている。

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8時、稜線に到達。予定よりも50分早い。すっかり気持ちが若返っている。

振り向かず、なかなかの急斜面を登る。

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振り向かず、なかなかの急斜面を登る。

今日の目的地、愛鷹山に到着した。振り返ろう。

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今日の目的地、愛鷹山に到着した。振り返ろう。

やはりどこから見ても美しいものは美しい。

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やはりどこから見ても美しいものは美しい。

見とれて動けない。

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見とれて動けない。

遠く高体連の生徒たちが見える。何だか懐かしい。

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遠く高体連の生徒たちが見える。何だか懐かしい。

冠雪成った南アルプスを望む。

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冠雪成った南アルプスを望む。

駿河湾も美しい。

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駿河湾も美しい。

門を潜ると、

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門を潜ると、

そこは馬場平。高体連の生徒たちが今日のゴールを喜んでいた。

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そこは馬場平。高体連の生徒たちが今日のゴールを喜んでいた。

ここからは独り静かに進む。ふと見上げたくなった。

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気持の良い稜線が続く。

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気持の良い稜線が続く。

袴腰岳の山頂は眺望無いが、

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袴腰岳の山頂は眺望無いが、

少し行けば再び望むことができる。

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一服峠。時間と疲労度によってはここから下山することも考えていたが、未だ10時前、当然下りられない。

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一服峠。時間と疲労度によってはここから下山することも考えていたが、未だ10時前、当然下りられない。

稜線上に俄かに現れた平地から位牌岳を望む。

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稜線上に俄かに現れた平地から位牌岳を望む。

10時24分、位牌岳に到達。3年前と異なり、今日は天気も気分も晴れやかだ。

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10時24分、位牌岳に到達。3年前と異なり、今日は天気も気分も晴れやかだ。

桃沢下降点まで戻り、下山開始。

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桃沢下降点まで戻り、下山開始。

間もなくこの山域にも、色彩豊かな光景が広がる。

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広い沢状の斜面だが、一定間隔に付されたテープによって、進路を誤らずに済む。

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広い沢状の斜面だが、一定間隔に付されたテープによって、進路を誤らずに済む。

もう45分以上ゴーロを進んでいる。以前のように岩の上をひょいひょい歩けないので、地味に疲れる。

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もう45分以上ゴーロを進んでいる。以前のように岩の上をひょいひょい歩けないので、地味に疲れる。

まだ12時を回ったばかりだが、暗く感じる。早出、休憩少なくして正解だった。

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まだ12時を回ったばかりだが、暗く感じる。早出、休憩少なくして正解だった。

ここがつるべ落としの滝への分岐。遠そうなので今日は遠慮しておく。

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ここがつるべ落としの滝への分岐。遠そうなので今日は遠慮しておく。

突然の曲線美に目を奪われる。

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台風のお蔭で荒れていたが、テープに導かれ安心して歩くことができた。整備の方々に感謝。変化に富む下山路だったが、2時間は少し長かったかな。

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水神社前には、25台の車が所狭しと並んでいた。出発からちょうど7時間、ちょうどよい山行だった。

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水神社前には、25台の車が所狭しと並んでいた。出発からちょうど7時間、ちょうどよい山行だった。

今日の天候に、高体連の生徒たちに、登山道を整備、維持してくださる方々に感謝。地域共通クーポン、どこで使おうかなあ。

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今日の天候に、高体連の生徒たちに、登山道を整備、維持してくださる方々に感謝。地域共通クーポン、どこで使おうかなあ。

感想

kimichin2

　少し疲れ気味だったのかもしれない。前日、ダブルベッドの上でぐっすりと眠ることができた。シャワーブースを備えた16平方メートルのシングルルーム、予想以上に快適だった。およそ8時間の滞在を終え、登山口へ。
　15分あまりで水神社前の駐車スペースに到着、既に2台の車がとまっていた。ちょうど日の出の時間、準備体操を十分に行ってから出発した。歩き始めの位置に一人の男性が立っていた。聞くところによると、今日は高体連登山専門部の訓練が行われ、参加者およそ100名が重荷を背負い登るとのことだった。
林道をマイペースで歩んでいると、早くも先頭のチームが迫ってきた。20キログラムの負荷だがとにかく速い、そして礼儀正しく清々しい。女子チームは負荷10キログラム、「ガンバ」の掛け声にこちらも元気づけられる。遠い日の思い出が甦る。
　桃沢橋、一服峠への登山口を経て、柳沢橋に到着した。高体連のチームは、ここで順次休憩してから登山道に入ってゆく。見上げると一番手が既に彼方を歩いていた。ゆっくりと歩く、つもりだったが、つられてペースが上がる。けれども昨晩の熟睡からか息は上がらなかった。
　ところどころにチェックポイントが設けられて、各チームの通過を確認していた。静かな山行を予想していたが、これはこれで楽しい。これならクマも現れにくいだろう。或る女子チームと譲り譲られながら稜線を目指した。
　出発から1時間半で稜線の分岐に到達した。予定よりも50分早い。北上する彼らと一旦別れ、独り愛鷹山へ向かった。振り向くまい、我慢して登る。8時15分、山頂で大きな富士山と対面した。南アルプス、駿河湾へと視線を移してから再び見つめる。何だかとても嬉しい。
　十分堪能してから鞍部に下りる。中堅組が到着し、滑りやすい急坂にかかる準備をしていた。チームの間を同じペースで登る。このあたり、年齢の差と負荷のハンデが平衡を促していた。いや、少し若返ったからかな。
　登りきると馬場平。広々とした平地の中に、先鋒組がいた。どうやらここが今日の目的地らしい。ゴールをした彼らは皆、安堵の顔をしていた。健闘を称えつつ、先へ進む。ここからは独り、いつものように静かな山歩きである。
　懐かしい賑やかさに思いを残し、麗しい尾根道を行く。再び対面。まだまだ雲に覆われる心配は無い。右回りの周回ルートを選択して良かった。心配してきた、クマに会うことも無さそうだった。ほどなくして袴腰岳に到着する。
　小刻みなアップダウンを繰り返し、今日の分岐点である一服峠には9時40分に到達した。ここで下れる訳がない。コースタイム8時間超の道を選んだ。
　位牌岳への途中、休憩に適した平地が現れる。残念ながら富士山は見えないが、南西方向に開けていた。少し躊躇ったが、とりあえず山頂を踏みに行く。木々に囲まれた静けさは3年前と変わりなかったが、今日は好天、賑やかだった前半のお蔭で気分がいい。木洩れ日の中、パンをかじった。
　桃沢下降点に戻り、下山を開始する。樹林帯の中を黙々と下りてゆく。広い沢状の斜面、迷いそうになると優しいテープが目に留まる。台風で荒れた道に心強かった。長いゴーロ帯を経て、つるべ落としの滝まで下りると桃沢橋は近い。
　変化に富んだ下山路に少し応えたのか、20分あまりの林道歩きはひどく長く感じた。下山後のお楽しみを設定していなかったことも疲れを増長させる一因だった。地域共通クーポンを握りしめ、温泉にしようか、海の幸にしようか、真剣に考えた。（結局、足柄サービスエリアでラーメンと引き換えたのだけれど、、、）
　狭い林道を抜け、彼らが宿泊していた野外活動センターの脇を通ってから、真っ直ぐ南に延びる道路を走った。眼前には、わた雲がのんびりと浮かび、日差しは柔らかくしなやかだった。窓を開けると、あの力強い掛け声が聞こえたような気がした。