愛宕山から炭沢山
- GPS
- 05:31
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 745m
- 下り
- 727m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
まだ残雪が半分以上はあったが、つぼ足で歩いた。藪こぎにストックは煩わしく、帰りはストックなしで歩いたが尾根を誤って直下し、トラバースで方向を変更した際には、ぬかってかなり疲れた。愛宕山以降はまったく夏道がなく、森の中は見通しも悪かったがなるべくGPSは見ずに、地図とコンパスで歩いた。 |
写真
感想
山形市街と高瀬地区の間に連なる山塊の中で最高峰は標高700mの炭沢山だ。国道13号線を自宅から北上すると平清水の交差点の向こうに愛宕山から連なる尾根の頂きとして毎日のように望んでいた。愛宕山からまったく夏道のない尾根を炭沢山まで登った。地図読みの自信がすこしついた山行となった。
これ以上ないくらいの天候に恵まれ、どの山に登ろうかと迷った。しかし、出発時間はどう頑張ってみても12時過ぎるだろう。里山は展望が望めない悪天候の日と思っていたが、笹谷峠の駐車場はこの時間は満車だろう。それと、ヤマレコのコメントから山は麓から登るものとの教えも受けていたので、予定通りに市街から愛宕山を経由して里山巡りをすることにした。愛宕山近辺の地形図を3枚とコンパスを持って、GPSは持ってもいけないとの、やまりヤマレコの教えは従えずに。
汚れるのがいやだったので冬用の靴は履かなかった。これがあると残雪の道のキックステップやりやすいがのは分かっていたが。8本爪の簡易アイゼンだけはザックに入れて、ダブルストックで歩き出す。愛宕山神社の石段を登るとすぐに右手に立派なお墓があってその前に林道があった。林道は愛宕山までの稜線に続いていた。林道は雪の残ったゆるい谷になっていて、雪と落ち葉がいい具合に足場になった。
愛宕山山頂に立つまでは地形図はザックの中だったので、稜線に立った時に山頂三角点が目の前にあるのでびっくりした。今、ゆっくりと地図を見てみると山頂からは西側に2つの尾根がV字にあって、最初はその間の谷を登っていたのが分かった。いつの間にか谷の登りがいくぶん南に傾き、南側の尾根に取りついてしまっていた。だから、尾根の傾斜がない所に谷から乗り上げた時には右方向が山頂と思ってしまった。
その南側の尾根は愛宕神社の鳥居の右の笹藪からすぐに取りつきとなる尾根で、河原から険しい岩稜が見える山肌を南面に持つ。尾根に立って山頂と反対方向に少し歩くと、河原まで切れ落ちた崖が岩稜となって見えた。しかも、瘤のように突き出た岩まで僅かに踏み跡もあった。その岩の瘤に腰掛けて河原や千歳山を眺める勇気ある岳人もいるだろうし、その下から岩稜を登るクライマーもいるのだろう。そう想像するだけで足がすくんだ。
愛宕山山頂から少し西に稜線を下ると、先月に雪渓を登ってきた地点に出た。ここからは里山の案内人からすすめられたように鉄塔が見える鞍部を歩く。夏道のない鞍部は迷い易いので地形図とコンパスで確認しながら慎重に歩く。まずは林道「釈迦道線」まで歩けば、後は尾根伝いに炭沢山まで行けそうだ。左右の尾根に登り詰めてから林道目がけてくだってもよかったが、方角をたよりに林道を探した。鉄塔が左右に見えてきてからも、左側の尾根をトラバースするように歩いて、時々、その左の山腹に林道が切れてないか見上げてみた。
やはり、自信がなくなったのでGPSで現在地を確認したら、林道の下を平行して歩いていることがわかった。しばらくはそのまま平行に歩いたが、だんだん足場が悪くなったので林道に乗り上げることにした。林道にはかなり雪が残っていたのでつぼ足では歩きにくかった。右にカーブの地点に看板があって、そこから夏道のない尾根に取りつくことにした。
彼岸に近くなったから帰りの林道には5時過ぎに着いても遅くはないだろう。少し余裕を持って3時には炭沢山山頂には立ちたかった。尾根に取りついて1時半を回っていたので、あと1時間半しかなかった。稜線にでても両脇には林が続く低山なので日差しも強くなく、急ぎ足で登ることが出来た。地形図にある521mのピークを過ぎると傾斜は緩くなったので、木々の高さも増して、なお暗くなった。稜線歩きよりは進行方向が決めにくくなったが、熊らしい足跡があり、歩き易い所を探すとその足跡によく出会った。深沢不動に向かう破線の道は雪で全く探せなかったが、626mのピークのある稜線に乗り上げる手前で、もう色の褪せた赤布があった。稜線に立つと左手に尾根が切れていて、帰りにこの尾根に迷いこまないようにしなくてはと思った。
ここからは残雪と藪こぎに悩まされ、両ストックの先が枝に絡んだり、折れた細い切り株に左脛を思い切り打ったりと、急いでもなかなか進まなかった。左脛は家に帰ってから見るとかなり出血していて、2週以上たった今でも黒く皮膚は死んだようだ。それに、626mのピークに着いた時、思わぬハプニングがおきて、足止めを食らってしまう。
気にいった買ったばかりの眼鏡はまだ見つからない。このピークで藪こぎしていたときに枝に眼鏡の蔓が引っ掛かって見えなくなった。その眼鏡の蔓は藪と同じ色でレンズも少しブラウンのくすみがあった。軽い近視と乱視なので裸眼でもなんとか見えるが足を踏み出す時には気を付けた。諦めかけた時に見つかった。これで時間がロスしたので山頂はあきらめようかと思ったが、春の陽気には勝てなかった。
偽ピークにはいかにも山頂じみた大きな岩があったりしてそれはそれで頂き風の楽しみはあったがGPSは無情にも先の山頂を示していた。そこらには赤布(実は黄色)があって、このピークを目指してどの尾根から登ったのか興味があった。やっと炭沢山山頂に着いたが熊野岳の銀嶺は樹幹からしか拝めなかった。
予定の3時にはわずかに遅れたが、思っていた山頂に立てたので気を良くして帰路に着く。往路を折り返すだけだから一気に下ってしまおうと、ステッキはザックにしまって駆けるようにように尾根を下りた。登りの時に支尾根が合流する地点は帰路には気をつけないといけないな、と思ったのを思い出し、GPSを取り出すと、案の定、北北西に下りる支尾根を少しばかり下っていた。稜線に戻ろうと雪のトラバースとなったが、尾根を外すと雪はまだ深く、午後をかなりすぎて雪もゆるんできたので、なかなか進めなかった。
ストックも使わずに何とか稜線に戻った。そこからもゆるんだ雪に苦労しながら高度を下げる。このまま稜線を下って林道に出て愛宕山に戻るよりは林道を南進して山形インターに下りてみることにした。GPSで南したに林道があることを確認して一気に急な斜面を下った。やはり、下りはストックがない方が歩き易かった。
林道を大きくカーブしながら下って行くと突然、熊野岳が見えて来た。今まで稜線を歩いて来ても樹林に邪魔されてその全貌が見えなかったのに、雪がなければ車でも来れそうな林道から見える展望に違和感を感じたが、展望を楽しむだけが稜線歩きではないのだから、こうして夏道のない尾根を歩けたことに満足したい。
林道もさらに下ると炭焼き体験場や新装された不動明があったりと人里に近くなったことが感じられた。高速道を潜ると馬見ヶ崎の湖畔公園にでた。スケーボーしている若者や子供と遊戯場で遊んでいる若い父親を横目で見ながら、時間だけは余裕のある孤独な世代ももうすぐだと思いながら駐車場を目指した。
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