遠州修験道春峯踏査（三熊野神社・普門寺周辺）＆千手峰

2020年12月20日(日) [日帰り]

• GPS: 06:40
• 距離: 20.4km
• 登り: 303m
• 下り: 304m

コースタイム

日帰り

• 山行: 4:20
• 休憩: 2:20
• 合計: 6:40

10:01 スタート地点
10:09 10:14 熊野神社
10:56 11:02 若宮神社
11:24 11:46 おいもや
11:58 12:18 古楠神社
12:34 12:40 十二社神社
13:03 13:29 三熊野神社
14:06 14:06 千手峰登山口
14:28 14:30 千手峰山頂
14:46 14:46 千手峰登山口
15:05 15:27 普門寺
15:57 16:08 横須賀城跡
16:12 16:17 王子神社
16:25 16:40 パンの郷
16:41 ゴール地点

天候

晴れ

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

秋葉バスサービス
http://www.akihabus.co.jp
袋井駅南口→大東西野（秋葉バスサービス 秋葉中遠線 大東支所行）730円
七軒町→袋井駅南口（秋葉バスサービス 秋葉中遠線 袋井駅南口行）470円
※電子マネーは使えませんが両替しなくてもお釣りが出るシステムでした

コース状況／危険箇所等

今回は千手峰以外は寺社仏閣巡りウォーキングです。
千手峰は山頂の北東から直登する記録と鉄塔保守ルートで南に登り東尾根経由で行く記録の2種類がありますが、明らかに後者の方が安全です。直登の軌跡は、舗装道に従って進んだ結果道がなくなって無理矢理直登した人（今回の自分達も含む）のものだと思われます。
ただし、鉄塔保守ルートもかなりの傾斜があり、なおかつ落ち葉でとても滑りやすく掴む木も少ないので、下りはかなり緊張を強いられました。

その他周辺情報

今回途中で購入した食料
・おいもや（干し芋・芋羊羹・芋どら焼き）
・宮前大竹屋（塩大福・六方焼）
・パンの郷（メロンパン・チキンサンド）

写真

12/20 8:51

今回はこのあたりの踏査です。「三熊野神社」ではなく「横砂惣社」という表記になってるのがどうもひっかかる…。というわけで、三熊野神社の五伴神を祀っている神社にも一度訪問してみたくなったのでした。

12/20 9:57

袋井駅から秋葉バスで約30分。大東西野バス停から出発です。ちなみに乗客は最初から最後まで我々だけでした。

12/20 10:08

住宅街を歩くこと10分。熊野神社に到着。祭神はスサノオノミコトですが、言い伝えでは五伴神「今駒明神」であるとされているそうです（ネット調べ）。

12/20 10:10

このあたりの神社の常夜灯には「三夜燈」と彫られているものが多かったです。右側は明治44年(1911)、左側は弘化2年(1845)でした。

12/20 10:10

手水鉢は天保15年(1843)。ここではこれが一番古いですね。

12/20 10:28

お賽銭を入れお祈りをして（疫病退散！）次へ向かいます。

12/20 10:41

三角点が近くにあったのでちょっと寄り道。四等三角点「大渕」。

12/20 10:53

大須賀の海岸は風車だらけ。この日も強い風が吹いてました。

12/20 10:56

次の神社は若宮神社。祭神は五伴神「大雀命（おほさざきのみこと）」（ネット調べ）。大雀命は仁徳天皇のことみたいですね（ネット調べ）。

12/20 10:59

熊野神社もそうでしたが、鬼飾り（瓦）が波の形なのが印象的です。このあたりは洪水や高潮が多かったそうですし…。常夜灯は右が天保4年(1833)、左が嘉永元年(1848)でした。

12/20 11:02

敷地内の稲荷神社。ここの境内、あちこちにマレットゴルフのコースが作られているのには衝撃を覚えました。

12/20 11:25

干し芋で有名らしい「おいもや」さんへ寄り道。行列ができていてビックリ！感染防止のため入店人数制限してるとはいえ、すごい人気です。ちなみに干し芋の発祥は遠州地方だそうな。最近静岡ネタ漫画「ローカル女子の遠吠え 7巻」で知りました。

12/20 11:58

トイレへ寄るため計画を変更して先に古楠神社へ。祭神はネット情報では五伴神「古楠天王（ふるくすてんのう）」なんですが、境内の由来記ではスサノオノミコトになってました。もしかしたら神仏分離で変えられたのかも。

12/20 12:11

茅葺の建物は社務所ではなく併設のマレットゴルフ場の事務所。

12/20 12:15

灯籠の窓が三日月だったり三つ穴だったり、面によって異なっていたのが印象的でした。

12/20 12:34

ちょっと引き返して十二社神社へ。五伴神「千勝明神」を勧請したという申し伝えがあるそうです（ネット調べ）。今の主祭神は少彦名命（すくなびこなのみこと）。

12/20 12:36

ここの鬼飾り（瓦）も波の形ですね。

12/20 12:56

横須賀城下町エリアに入ってきました。ここの大判焼き屋さんは残念ながら定休日でした。なぜかさるぼぼが吊るされてますね。

12/20 13:01

ここの酒屋さんも立派な家構え。

12/20 13:03

「遠州の熊野三山」の本宮、三熊野神社（みくまのじんじゃ）に到着。御祭神は和歌山の熊野神社と同じく、イザナミノミコト・ハヤタマオノミコト・コトサカオノミコト。

12/20 13:07

地元では「三社様」とか「総社」と呼ばれてるそうです。横須賀総社→横砂惣社…。やはり横砂惣社は三熊野神社ということでいいのかな？横砂って地名も近くにあるし。

12/20 13:08

「無事皇子が産まれたら東に三つの社を建てて日夜敬います」と文武天皇の后が願いを立てて、無事に皇子（後の聖武天皇）が産まれたので、三熊野神社・高松神社（御前崎）・小笠神社（小笠山）の三社を熊野三山から勧請したのだそうです。

12/20 13:13

奥の本殿は静岡県指定有形文化財。

12/20 13:31

遠州修験道の春峯とは関係ないんだけど、ヤマレコやYAMAPにレポートをアップするなら山に登っておいた方がいいかな？っていう個人的な拘りにより、最寄りの低山「千手峰」へ向かいます。

12/20 13:46

後で寄る普門寺はとりあえずスルーして…。

12/20 13:56

あの正面の山が千手峰っぽい。

12/20 14:06

ここが登山口らしい。舗装されてるし、あっという間に山頂行けるのでは！と思ってました。ところが…

12/20 14:11

舗装路は土砂に埋もれこの有様。

12/20 14:18

しかも舗装路は途中で途絶え、道なき斜面を直登するしかなさそう。うう、防寒用の薄い手袋しか持ってないし、シューズもランニング用だよ…。

12/20 14:23

仕方なく木を掴みながら藪漕ぎして登りました。

12/20 14:27

尾根まで登れば山頂まではあっという間。標高182mの山頂は眺望なし。

12/20 14:37

傾斜がキツそうだったので登りの際に避けた東側の鉄塔保守道の方がまだマシだと思えたので、帰りはそっちへ。藪漕ぎこそありませんでしたが、足元が落ち葉で滑りまくるので、こっちもなかなか大変でした。

12/20 14:47

想像してたより10倍大変だった千手峰、無事下山しました。

12/20 15:05

来た道を戻り、いよいよ修験者の道場でもあったらしい普門寺へ。ここの山号「千手山」なんですね。千手峰、全然関係ないと思ってたけど、ちょっと関係あった（笑）。

12/20 15:09

「本日入山無料」…普段は有料なの？

12/20 15:11

観音堂。お寺なのにこんなに立派な鳥居があるのは珍しい。神仏習合がそのまま残されてるんですね。

12/20 15:13

西大谷三十三番観音堂お山めぐりの遊歩道で上へ向かいます。

12/20 15:14

安産腹帯観音。コンクリート像にペンキ塗装のインパクト…。

12/20 15:15

33の観音堂は江戸末期に建てられ、昭和の終わりに遊歩道が整備されたそうです。他の三十三観音めぐりよりも短時間で回れてお手軽ですね。

12/20 15:23

階段が玉石です。後で行く横須賀城も玉石の石垣が有名ですが、天竜川の石を運んできたんだそうですね。

12/20 15:27

第九番の観音堂を通りすぎると、尾根道に出ました。

12/20 15:28

遠州灘！海の近くを歩いてきたのに、海を見たのはここが最初で最後でした。

12/20 15:32

道の脇に四等三角点「樹木ケ谷」が埋もれてました。

12/20 15:37

太平洋戦争の戦没者を祀った忠霊殿。横須賀城の天守閣を模したデザインでしょうか？

12/20 15:40

もう15:40。ずいぶん予定より遅くなってしまったので、先を急ぎます。

12/20 15:59

横須賀城跡です。玉石積みの石垣が圧巻！

12/20 16:02

天守台跡。昭和56年に国史跡に指定される前はここも宅地化する計画があったとか。

12/20 16:12

横須賀城跡の西にある王子神社。五伴神「若一王子（にゃくいちおうじ）」が祀られているそうです（ネット調べ）。ここには三角点もあったんですが、うっかり探すのを忘れてました。不覚…。

12/20 16:25

メロンパンが美味しいというパン屋さんで遅めの昼食（もう16:25ですが）。中にはメロンクリームも入ってて美味しかったです。創業が天保10年（180年周年）って、凄すぎ！

12/20 16:41

ようやくゴール地点のバス停「七軒町」に到着。ちなみに帰りの乗客も最初から最後まで我々だけでした。おしまい。

撮影機器：

iPhone 11 Pro 256GB au Apple

装備

個人装備

フリース 長袖シャツ ドライレイヤー（ミレー） ロングパンツ タイツ 靴下 グローブ レインウェア 帽子 ザック 行動食 飲料 地図（地形図） ヘッドランプ 予備電池 ファーストエイドキット 常備薬 携帯 時計 タオル ランニングシューズ

感想

きたになおき

山本義孝著「遠州の霊山と山岳信仰〜その源流と系譜」に掲載されている峯中路（春峯・秋峯）を極力忠実に辿ってみる遠州修験道踏査。金曜日に続いて、日曜日も春峯の現地踏査へ行ってきました。ただし、今回は行者が歩いたと思われる道を辿るのではなく、三熊野神社と関連する神社5社と普門寺を訪問するのがメインなので、歩くのはほとんど住宅地。ぶっちゃけ単なる寺社仏閣巡りウォーキングです。
峰入り修行って、普通は文字通り山中で行われる修行なんですが、遠州修験道の春峯は掛川日坂の事任八幡宮→金谷の巖室神社→島田市阪本の敬満神社→御前崎の駒形神社・白羽神社・高松神社→大須賀の三熊野神社・普門寺と、なぜか平地を長距離移動するんですよ。たぶん修験の本家である熊野三山から勧請した「遠州の熊野三山（三熊野神社・高松神社・小笠神社）」を峯中路に組み入れたかったからじゃないかなと自分は推測してるんですが、どうなんですかね？
あらためて高松神社→三熊野神社→小笠山（小笠神社）の峯中路踏査をする際は、普門寺と五伴神を祀る神社は寄らないつもりなので（ルートから外れているので）、事前にゆっくり参拝できて良かったです。