真夏の屋久島縦断(淀川〜黒味岳、宮之浦岳、永田岳〜楠川) (1983)
- GPS
- 91:30
- 距離
- 36.1km
- 登り
- 2,110m
- 下り
- 3,141m
コースタイム
8/22; 6:30淀川小屋−8:10花の江河(えご)−9:10-10:00黒味岳−13:30-14:00宮之浦岳−16:00永田岳−17:00鹿の沢小屋(泊)
8/23; 7:30鹿の沢小屋−9:00永田岳−10:20焼野分岐−11:50第一展望台−14:20(旧)高塚小屋(泊)
8/24; 6:20(旧)高塚小屋(縄文杉)−7:10大王杉−8:20ウイルソン株−9:00軌道入口−12:00辻峠−12:40白谷山荘(泊)
8/25;6:30白谷山荘−9:20楠川林道終点−10:00楠川(バス停)
天候 | 8/21 晴れのち曇り、霧 8/22 晴れのち霧、夕方は晴れ 8/23 晴れのち霧、夕方は晴れ 8/24 曇りのち晴れ 8/25 晴れ |
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アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
船
【帰り】楠川ー(バス)−宮之浦港ー(フェリー)−鹿児島ー(JR夜行急行)−福岡 |
コース状況/ 危険箇所等 |
この当時から、道はよく整備されていた。特に問題となる箇所はなかった。 |
写真
感想
【山行No 46】
※この年は学生時代最後の年、翌年は就職でどこの事業所に配属になるやら解らないので、
九州にいるうちに行ってみようと思い、屋久島に行くことにした。
暑い季節ではあるが、長い休みが取れる夏休み期間中に行くことにする。
8月20日(土)
・宿泊費を浮かすことと、行程を短縮するため、福岡から鹿児島へは、夜行急行で行く。
8月21日(日)
・朝、西鹿児島駅に到着。たまたま駅で、同じ屋久島に行くというI氏と出合い、途中まで一緒に行くことにした。
駅から市電(路面電車)で港へと向かうが、途中でどうも向かっている方向が違うような気がして、
人に聞くと、乗った電車が方向違いであることが発覚。
途中で降りて再び駅へと戻り、そこから結局、歩いて港へと行く。
駅から近いはずの港まで、結局、1時間以上を費やした。
7:30-8:05 鹿児島港
・ようやく、屋久島行きのフェリーに乗れた。
フェリーの中では、夜行電車での寝不足を解消しようと、横になり、うたた寝をする。
12:30-40 屋久島 宮之浦港
・I氏の当初の計画では、ここから白谷白雲峡へタクシーで行く予定とのことだったが、
なぜか、タクシーが行ってくれない、とのことで、
結局、自分と同じく、ヤクスギランドから登ることになった。
・ヤクスギランドまでは、観光バスのようなバスに乗ってゆく。
途中の景色は大したことはなかったが、安房から山の中に入ってゆくと、
深い原生林が広がり、ようやく森の島、屋久島らしい風景に出会えた。
安房からヤクスギランドまで、約1時間を要した。
14:30 ヤクスギランド入口
・バスはヤクスギランドの中まで行くが、我々はここの入り口で下車する。
時刻も遅めなので、さっそく、淀川小屋へと、林道歩きを開始。
・I氏と一緒に進むが、I氏はなかなか快調なペースで進んでゆき、13kg程度の 荷物を背負った自分は遅れがちだ。
16:50 林道終点
・このころから夕霧が湧いてきて、夕立が来そうに思い、少し焦る。山道をどんどんと進む。
17:30 淀川小屋着
・ようやく夕暮れが迫るころに、目的の山小屋に到着できた。
・小屋はそれほど混んではいなかったが、中は薄暗くて気味が悪いので、
テントで泊るというI氏に誘われ、自分もI氏のテントに泊まることにした。
I氏は東京から来ており、同学年のM2で、自分と同じく来年は就職とのこと。
テント内では山の話やら、大学の話やらで話が弾んで楽しい夜を過ごせた。
8月22日(月)
・寝る頃はテント内も暑くて、シュラフにも入らなかったが、さすがに明け方は冷え込んで、シュラフに潜り込んだ。
6:30 淀川小屋発
・さて、I氏と一緒に出発する。が、I氏は足取り軽やかで着いてゆくのが精いっぱい。
・山道を登ってゆくと、だんだんと屋久杉が増えてきた。
尾根筋に登ると展望が開け、右には1694峰、左には本高盤岳と、巨岩が山頂にある山々が見えてきた。屋久島らしい風景だ。
7:40-8:00 小花の江河(こはなのえご)
・名前のとおり小さな湿原だが、感じの良い場所。ついついのんびりとした。
8:10-20 花の江河(はなのえご)
・話では、この湿原は荒れているということだったが、ゴミもなくここもきれいな湿原だ。
正面には目指す黒味岳がどっしりとそびえているのが見える。
9:10-10:00 黒味岳(くろみだけ;標高=1836m)
・I氏は空身で山頂へと軽々と登ってゆく。一方自分は、山頂で朝食を取りたいので、
重荷を全部背負って汗をかきながら登った。
・山頂には花崗岩の巨岩があり、岩の上に登ると、いかにも山を制覇したような充実感があった。
夏にしては上空は気持ちの良い青空が広がっており、周辺の展望は、
宮之浦岳、永田岳などこれから目指す山々がすぐ近くに良く見えており、
あまりに気持ちの良い山頂なので、ずいぶんと長居した。
・I氏とは足のペースがだいぶ違うし、彼は山中3泊、自分は山中4泊の予定なので、
I氏には先に行ってもらうことにし、ここからは単独で進む。
・投石平手前の沢で水を補給。投石平付近から、周辺はだいぶ雲が増えてきた。
それにしても夏のハイシーズンと思っていたが、縦走する人は予想外に少ない。
稜線で出会ったのは10人に満たなかった。
13:30-14:00 宮之浦岳山頂(標高=1935m)
・ようやく、「九州最高峰」に到着!
しかし時間も午後となり、周辺は雲に覆われて視界はない。ちょっと残念。
ここで先行していたはずのI氏に再び出会う。
・ここから自分は、永田岳方面へと向かう。
宮之浦岳から永田岳への稜線は、笹が深いし、足元の道はえぐれていて、なかなか歩きにくかった。
15:00 永田岳東のコル
・ここで再びI氏に出会った。I氏はここでテントを張るという。
泊ってゆくことを誘われたが、予定通り、鹿の沢小屋へと向かうこととする。
16:00 永田岳(標高=1890m)
・夕方近くなり、ようやく今日の最後のピークに到着。
しかし、宮之浦岳と同じくガスが濃くて周辺の展望なし。
時刻も遅いので、すぐ山小屋へと下る。ここから山小屋までも登山道は笹に覆われて、結構苦労した。
17:00 鹿の沢小屋着
・一日、目いっぱい歩いて、ようやく今日の山小屋に到着。
小屋に入ると、人は少なく、T大生で、屋久島で気象観測をやっているという人たち3名がいるだけだった。
人が少ない代わりに、ネズミが住み着いているようで、夜になると、ネズミの運動会が始まり、
ゴソゴソといつまでも音がしていた。
8月23日(火)
・5:30に起きる。本当は永田岳でご来光を見る予定で早起きするつもりだったが、
朝寝坊してしまい、すでに外は明るい。
7:30 鹿の沢小屋 発(気温=11℃)
・気温は夏にしては低めだが、ここから永田岳への登り返しは結構な急登で、
朝から汗をダラダラ流しながら登ってゆく。
今朝は、昨日の午後と違い、スッキリと晴れており、目の前の永田岳もはっきり見えるし、
峰続きの「障子尾根」岩峰群や「ロウソク岩」も良く見える。
9:00-20 永田岳山頂
・今回2回目の山頂。天気は良いがすでに日差しは熱い。
東のコルにテントを張っていたはずのI氏のテントは、すでに見えない。
10:20-30 焼野分岐(三叉路)(気温=22℃)
・ここから、縄文杉のある方向へと下る。
11:00 平岩の岩屋
11:50-12:10 第一展望台
・昼近くなって、だいぶ雲が上がってきた。周辺の展望もなくなってきた。
・ここからは樹林帯となり、展望はなくなった。
さすがに、暑さもあって疲れが出てきて、この後は惰性でダラダラと下る。
14:20 (旧)高塚小屋着
・まだかまだか、と思っていたら、不意に小屋が目の前に現れた。
小屋の周辺はゴミが多くて、蝿も飛んでいて、あまり清潔ではない。
小屋の中には登山者5名と少なかった。周辺にテント泊3名。
・ここは縄文杉のすぐ上にあり、水場に下るついでに縄文杉を見ることができた。
水場まで片道10分。
8月24日(水)
6:20 高塚小屋発
・今日の天気予報は曇り時々晴れ、となっており空を見上げると、朝から
雲が足早に流れている。ちょっと嫌な感じの空模様だ。
・下ってすぐ、縄文杉。ここは昨日に一度見物しているので、さっさと通り過ぎる。
7:10-20 大王杉
・大きいことは大きいが、縄文杉よりは若干小さい感じ。
8:20-40 ウイルソン株
・大きな切株だ。だが、期待が大きすぎたのか、思っていたほどは感動しなかった。
9:00-10 大杉歩道入口(気温=21℃)
・ここから森林軌道跡を緩やかに歩く道となった。
事前情報では道は荒れているとも聞いていたが、思ったほど荒れておらず、まずまず良好な道だ。
しかし、堅い枕木を踏みながら歩いていると、しだいに足裏が痛くなってきた。
・この小杉谷の周辺は、自然林がほとんどだが、小杉谷荘が近くになると、二次林の樹相となった。
この付近、昭和中期に屋久杉はほとんど伐採されてしまったようだ。もう元の姿には戻らない、残念なことだ。
10-30-50 小杉歩道分岐
・ここから、森林軌道沿いの道を外れ、辻峠への登りとなる。
分岐は予想よりわかりにくく、ぼんやりしていると見逃しそうな感じ。
12:00-20 辻峠
・辻峠への登りも、そこからの下りも、自然林の中の気持ちの良い道が続く。
12:40 白谷山荘着
・時刻はだいぶ早く、そのまま麓まで行けなくはないが、いずれにしてもフェリーは、
明日午前中の便となるので、今日はここで泊まることにする。
この白谷山荘は、屋久島の山小屋の中で唯一、管理人が駐在しているまともな山小屋。
(1983年当時のことです。最近は無人で荒れていると聞きます)
有料の小屋だけあって、中は電気もつくし、さっぱりした感じの良い小屋だった。
午後は時間もあるので、持ってきた文庫本を読んだり、昼寝をしたりで、のんびりと過ごした。
この日の宿泊は、10名ほどの団体を含め、15人ほど。
8月25日(木)
6:30 白谷山荘発
・今日は下山してフェリーに乗るだけの日。遅めに出発する。
7:40-8:00 白谷峡入口
・しばらく行くと、観光名所にもなっている「白谷白雲峡」に着いた。
朝の原生林はなかなか気持ちいい。谷は深いかと思っていたが、そうでもなかった。
・高度を下げるにつれ、夏の暑さが戻ってきた。
9:20-30 楠川林道入り口
・ここからは山道が終わり、林道歩きとなる。
ここまで着ていた汗臭い長袖シャツを脱ぎ、Tシャツも着替えて気分一新。
林道を下ってゆくと、前方に青い海が見えだした。島にいることを思い出させてくれた。
10:00-10 楠川
・集落に到着。バスは1〜2時間に1本の運行だが、運よく、ちょうどのバスに乗ることができた。
10:40-13:30 宮之浦港
・これで登山も終了。雨が多いと評判の屋久島だったが、5日間の山行の中で、
1回も雨に降られなかったのはラッキーだった。
5日もかかったが、屋久島の主要なピークにも登頂できたし、縄文杉など有名なものも見れたしで、満足感の大きい山行だった。
・フェリーの出航まで時間があるので、港近くの海を見に行ったりして時間をつぶしていたが、
待合室で、今回の山行の前半に同行してもらったI氏と、思いがけなくも再開した。
聞いてみると、下山途中で足首を捻挫したため、1日早く麓に下山し、
前日は海で少し泳いできたとのことだった。
・フェリーは港を離れてゆく。なんだか感傷的な気分となり、船からはずっと蒼い海の姿を眺めた。
鹿児島に近くなってくると、九州の山(高縄山地、開聞岳、桜島)が見えてきて、旅の終わりを飾っていた。
18:00 鹿児島港着
・I氏は、さらに、開聞岳に登るということで、同行を誘われたが、明日からの予定もあるので、
残念ながら行くことはかなわず、ここでお別れとなった。
・西鹿児島駅周辺で夕食、また近くの銭湯に入って、5日間の汗を流してすっきりした。
・20時過ぎの夜行急行で、福岡へと戻る。
福岡(博多駅)には、翌朝5時半に到着した。長い旅が終わった。
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