魚谷〜イザナミ峠〜狼峠〜柳谷峠〜梯子谷☆新緑の谷と峠を巡る
- GPS
- 06:13
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 620m
- 下り
- 625m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
この日も人とあまり出遭わないマイナー・ルートを前提に山行先を考える。石仏峠から狼峠をへて魚谷峠、柳谷峠と歩くことを計画する。この狼峠から先は二年前の連休に桟敷ヶ岳から魚谷山を経て貴船まで縦走した時に通ったところだが、魚谷山までの間ではマウンテン・バイクの集団以外は人に全く出遭わなかった。狼峠と石仏峠の未踏区間に加えて、灰屋川の支谷である魚谷が気になっていたので、この谷道と上記の尾根道を組み合わせて周回ルートとする。
倉の谷林道の分岐を過ぎると灰屋川沿いの県道には適当な駐車地が見当たらなかったが、魚谷の出合のあたりにちょうど良い広地があった。車を降りて準備を整えるが、ふと見るとズボンの上に大きなダニがいる。注意深く探すと他にも数匹のダニが取り付いていた。
まずは駐車地から出合に下降する。よくあることがだが、川に下るまでの斜面には数多くのゴミが散乱している。道路からゴミを捨てる人が多いのだろう。驚いたことに便器まで捨てられていた。
魚谷との出合は灰屋川の渡渉が問題だ。なんとか無事、対岸に渡渉すると、魚谷の右岸に沿って広い道が現れる。谷に入ると途端に新緑の世界が広がる。沢沿いでは随所でクリンソウの赤紫色の花が目を惹く。しばらく進むと道はすぐにも不明瞭となるが、右岸に沿って途切れがちではあるものの、薄い踏み跡が続いている。ここは山と高原地図では実線のルートで記されており、かつては古道が通じていたのだろうが、歩く人も少ないのだろう、整備もされていない感じがだ。
やがて谷が大きく右手にカーブするようになると、左岸の広々とした河岸段丘に渉る。わずかばかりの杉の植林を抜けると、なんとも快適な広地となる。折しも雲の間から陽射しが差し込み、谷間を明るく照らすと、新緑が透過光を降らせるのだった。しかし、残念なことに快適な谷道は長くは続かない。谷の両側は杉の幼木の植林帯となり、枝打ちされていない密集した杉の樹々の間を歩くことになる。
魚谷峠からの林道に出るとホッとする。石仏峠へは林道を歩くつもりであったが、右手に新緑のが広がる小さな谷が目に入る。地図を確認するとp852の近くまでなだらかな谷が続いているので、この谷を源頭まで辿り、p852から尾根伝いに石仏峠に向かうことにする。
流れは細いものの、谷は新緑の自然林が続き、快適に谷を遡行することが出来る。谷には次々と炭焼き窯の跡が現れる。この山奥まで昔の人々が入って山仕事をされていたことに今更ながらに驚くのだった。源頭から尾根に上がると、尾根には植林の中に歩きやすい踏み跡が現れる。
まもなくp852は一つの明瞭なピークというよりも小さなピークが集簇したところだ。標高点のあるあたりは植林の間に馬酔木が繁茂する殺風景なところであった。北側の小ピークca850mで進路を北西に転じるのだが、ここからが難儀することになる。
尾根上には防鹿ネットが張られており、尾根芯を自由に歩くことが出来ないのだが、ネット沿いは馬酔木の藪が繁茂しており、到底、歩けるものではない。仕方がないので、鹿道を頼りに北側斜面をトラバースすることになる。
イザナミ峠の手前で林道と合流すると、石仏峠までは林道を歩いてすぐにたどり着くことが出来る。石仏峠からは尾根上には良好に整備された送電線巡視路が続いている。まもなく送電線の下の伐採された好展望の尾根道となり、送電線鉄塔が現れる。周囲の山々は前日と同様、この日も黄砂で霞んでおり、山座の同定が難しい。
少し西に進んだところで巡視路を離れ、魚谷の右岸尾根に入りp737の標高点のある狼峠を目指す。ここもあまり人が歩かれていないところのようだ。辛うじて薄い踏み跡はあるものの尾根上は所々で馬酔木の藪が煩わしい。ca820mから東の尾根に踏み込んでしまうが、この小ピークをすぎると再び植林帯となり、狼峠までは難なく植林の中を歩くことが出来る。
峠からはしばらくの間、林道を歩くことになる。右手の伐採斜面には低木が繁茂しているが、以前に比べて樹々が成長したようだ。空は晴れているが、南の方ではかなり暗い雲が立ち込めている。雨が心配されるところだ。
林道が終わり、わずかに植林の中を歩いてp831に至る。ここを過ぎると魚谷峠の近くまではアップダウンの少ない自然林の尾根が続く。北山らしい静かな雰囲気の尾根だ。尾根では所々にヤマツツジが朱色の鮮やかな花を咲かせている。歩くうちにポツポツと小雨が降ってきたがすぐに止んでくれる。幸いにして通り雨で済んだようだ。
魚谷山の山頂に至ると三角点の上に未開封のワンカップ大関の瓶が載せられている。誰かの捧げ物なのだろうか。10日ほど前にここに来た時には見当たらなかったので、つい最近のものなのだろう。この山頂でもヤマツツジが開花していた。
魚谷山から柳谷峠を経て東隣のca820mに登りかえすとここからは梯子谷に下降する。前回の山行でこの谷を登ったところであり、谷の状況を把握しているので問題なく下降することが出来る。この谷も源頭部は診療が美しいところではあるが、左俣の出合が近づくと後は植林が続くようになる。谷の入口に近づくと数多くの二輪草が咲いていた。
県道に出ると灰屋川の流れに沿って駐車地まで戻るのみだ。空には急に青空が広がり、灰屋川の流れる深い谷間に陽が射してきた。
車に乗って貴船のあたりに差し掛かると道路がすっかり濡れている。どうやら、芹生峠よりも南側ではしっかりと雨が降ったようだ。
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