八丁橋より天祖山中腹道(日原雲取道)を経て楢平へ
usatosi
体力度について
- GPS
- 06:40
- 距離
- 17.2km
- 登り
- 1,988m
- 下り
- 1,984m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:34
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 6:41
7:58 中日原バス停
7:59 稲村岩を経て鷹ノ巣山方面登山口
8:07 観光用公衆トイレ
8:10 鍾乳洞バス停
8:39 八丁橋
8:39 天祖山を経て雲取山登山口
11:11 大ブナ別れ
| 天候 | 雲のち雨 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
・天祖山表参道より楢平、日原林道下山地点までは廃道です。地形図にも守屋地図にも記載なく、赤テープもほぼありません(一部あるが寧ろミスリードかも)。 ・道は落葉が堆積していて踏み跡は薄いです。太い足の踏み跡はありましたが、人間のものかは不明。ザレ場も多数あります。 ・楢平内は踏み跡薄く、道は更に不明瞭です。 |
写真
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道は強烈な九十九折れに。折り返し地点の赤テープに「歩道折り返し」とあり、道がその先に。そしてその先には平らな広葉樹林。あれでは？
感想
先日天租山表参道を往復した折に見かけた「水源巡視道」の古い道標は、落ち葉に埋もれた人気の無い細道を差していた。松浦隆康著「バリエーションハイキング」に道案内が載っているのを思い出して辿ってみた。
東日原バス停からだらだらと歩いていると、鍾乳洞手前の公衆便所から出てくる男性と出会った。孫惣谷へ釣りに行くと言う。この辺りのマイナールートに余程精通されているらしく、今回の目的地についても詳しい助言を頂いた。梯子坂のクビレから孫惣谷への道や孫惣谷から東の日原雲取道の現況。守屋地図の中尾根(孫惣谷〜水松山)は大きく間違っている事。インターネットでの情報源。お名前は伺わなかったが、まず間違いなく自分もこの方の情報にはネットの何処かでお世話になっているだろう。
孫惣谷分岐でお別れして天租山登山口へ。日は翳っているが、蒸し暑く調子が出ない。早速大汗をかきながら中腹道への分岐へ。先程の先輩のお話だと孫惣谷方面へも道があるとの事だったが、見つけられず(1960年刊「奥多摩の山と谷」にそれらしい記述はあった)。
天祖山中腹道は日原雲取道の一部であり、現日原林道が通るまでは両地点を繋ぐ主要な道だったらしい。その為「旧日原林道」と表している資料もある。先輩の助言通り道は徐々に明瞭になったが、すぐまた土砂に埋もれる。深い落ち葉に新しい足跡が続くが、人間にしては丸すぎる。先程から聞こえていたハルゼミの合唱がいよいよ濃くなった。
先達のGPSログと何度も照し合せて慎重に進んだ。道はきつくないが、切り立ったぐずぐずの崖を進むので、全く気を抜けない。汗の半分は冷や汗だろう。
最初の支尾根を跨ぐ桟道をへっぴり腰でなんとか抜けるとナメダキ窪。対岸の道を目で探すが、人間が辿れそうな平坦なものはごく細いのが一本あるだけだ。沢へ降りて攀じ上ると、はっきりした道だった。確かにどれだけ立派な道でも、同じ高さで横から見ている限りは細い筋にしか見えない。対岸の確認は近付くのが一番確実かもしれない。
次の支尾根が要注意箇所と松浦本に書かれていたところだ。道は確かに横切る尾根を上に辿っているが、それにしても登る。こんなに登るのかとGPSを確認するが、本には標高「1090m」と明記してあったので、それが大いに参考になった。無事目印の巣箱を発見した。そのまま尾根を登ってみるが道はなく、巣箱の下に道を見つけた。ここからは若干下降するらしい。
次の目印は松尾尾根を乗り越す所の「36/35」の林班分界標だが、見落した。先達のGPSログともずれていたので一旦引き返そうかと思ったが、土留めの道が立派にある事、林班36の標識はあった事(これは上下位置の同定には無意味だろう)、何故かこの辺りは赤テープがあった事からそのまま進むと、果たして次の目印の名栗沢左俣の廃雨量計を見つけた。「あった!」と声が出た。
沢で水休憩。持ってきた水を全て入れ換えた。ハルゼミの蝉時雨が気持良い。
次の目印の大椈別れの旧道標とその先の二股は無事発見。先輩には楢平は赤石尾根の上からアプローチすると良いと聞いており、他の方の記録にもそうあったので、二股は山側を選んだ。道はひたすら檜の植林帯の中を大振りに九十九折れを繰替えした。何度拭いても汗が顎を滴り落ちる。
鍛冶小屋窪は派手に崩落していて、道はいきなり分断して先は見えない。底までは数メートルあり、石だらけでとても降りれない。対岸の当たりをつけておいて下に巻き、手をかけては崩れる崖を攀じ上ると、やはり道が見えた。
次の涸れ沢もそのまま対岸を探すが、今度は見つからない。沢のすぐ右を直登する道があり、先達のGPSログも凡そそれを辿っている。椈平のある標高1250mまではまだある。ここは素直に登ろう。
足元の悪い涸れ沢の道はまた九十九折れになった。尾根が見えた頃、尾根と反対側の折り返しに「歩道折り返し」と書かれた赤テープがあり、その割に折り返さない西の方にも道は続いている。そしてその先には平らで明るい広葉樹林が見える。標高も1250m近い。えい、と賭けて進めば、巨樹が林立していた。ここだ。
「平」という割には傾斜があるが、水楢の巨樹がこれだけまとまっている光景はそうそう無いだろう。神経を使ったのか腹が減った。下山路の赤石尾根を見つけておきたかったが、昼飯を優先した。
昼飯は塩餡パンとソーセージロール、そして名栗沢の名水。塩餡パンの甘塩っぱさが嬉しい。食後も少し散策したが、下山路も未踏のマイナールートである事が気にかかって道を探す事にした。
目指す赤石尾根は広い尾根で尾根筋を掴み辛い。GPSで当たりをつけて進むと果たして西へ進む古い道を見つけた。が、尾根を越す辺りで消失している。そのまま植林を下ってみるが道は無い。降りれなくはないが、そんな強引な降り方では急傾斜に行き詰まる可能性を排除できない。別に赤石尾根でなくとも、先程の大椈尾根でもええかと諦め楢平の方へ引き返えしたところ、見落していた折り返しの道を見つけた。こちらはかなりはっきりした道で、無事日原林道へ降り立つ事ができた。小雨が降り始めていた。
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