テン泊デビューat涸沢
- GPS
- 32:00
- 距離
- 32.8km
- 登り
- 1,181m
- 下り
- 1,172m
コースタイム
1日目
5:25上高地BT6:15
6:30河童橋6:35
7:20明神7:45
9:00徳沢9:15
10:10横尾10:40
11:50本谷橋12:10
13:50涸沢ヒュッテ
2日目
涸沢ヒュッテ7:20
7:25涸沢小屋7:30
8:05見晴岩8:05
8:30涸沢ヒュッテ9:00(テント撤収)
10:25本谷橋10:30
11:20横尾11:25
12:15新村橋12:20
13:15明神橋13:15
14:20河童橋14:25
14:35上高地BT15:00
21:45新宿バスターミナル
合計距離: 32.75km
累積標高(上り): 1808m
天候 | 2日間、ともに晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的に危険箇所ナシ 明神橋−新村橋間の右岸ルートは猿に注意! 素直に正規ルートを進んだ方が良い。 |
写真
感想
9月某日、2個目のザックを買った。
テント泊の荷物も担げる60リットルのザックだ。
シーズン中の山小屋は混雑していて窮屈なので、テントで自分のスペースを確保してしまえばもっと楽しい山旅になるだろうと思い、少々出費はかさむが思い切ってシュラフなどの一式を揃えた。あとは、晴れの週末を待つのみだ。
最初、テント泊の先輩N君にテント泊のイロハを教わるつもりで誘ったが、諸事情によりまたの機会で行く事に。
結局、1人で行く事になったため、最初は難易度の低い山でテン泊デビューをしようと思い、またちょうど今の時期は紅葉シーズンに差し掛かってきたこともあり、自分の中で涸沢が気になってきていた。
ルートを見ると、涸沢の近くは700mほどの高低差はあるものの、ルート上のほとんどが平たんな道だ。最初見たときは、北アルプスでもこんな楽なルートがあるのかと驚き、こんな女子供しか行かないような所に誰が行くものかと、記憶の片隅に追いやられていたが、テント泊の用具を買い揃えデビューを控えた今、北アルプスの涸沢はテン泊デビューの最右翼に浮上してくるまでになっていた。
しかし、紅葉シーズンに差し掛かった今の時期は、上高地までの夜行バスは既に満席だ。一応、近場の山に行く事も視野に入れながら、バスのキャンセル待ちが出ていないかを1日に3〜4回チェックして空席が出るのを待った。
そして、半分諦めかけていた27日金曜日の夕方16時、仕事の合間にふとスマホで空きをチェックすると、なんと1席のキャンセルが出ているではないか!
すぐさま会社のトイレにクレカを持ち込んでカード番号を入力し、上高地までのバスをゲットすることができた。
サービス残業もそこそこに、急いで家に帰りシャワーを浴び、パッキングを済ませ、新宿に向かい、予約しておいたバスに乗って北アルプスに向かった。
バスは予定通り5時半に上高地バスターミナルに到着。
慌てて家を出たので、登山届も用意しておらず、その場で記入。おにぎりと豚汁を食べて出発した。
河童橋でお猿さんに会い、明神、徳沢、横尾と順調に進む。途中、前穂高岳や屏風岩を眺めながら、いつもよりも休憩を多めにとったりして涸沢へ向かった。
土日とも晴れ予報だったので、隊列を作りながら進むイメージを持っていたが、想像以上に人が少なく、難なく涸沢まで辿り着くことができた。
初めてテント泊の重量を背負ったが、意外と歩いているうちに慣れてくるもので、気分的には今までの山小屋泊の重さと変わらないくらいの気持ちで歩くことができたと思う。
涸沢ヒュッテからカールを望むと、向こう側に涸沢小屋が見えた。紅葉はといえば、ちょうどその涸沢小屋辺りまで下りてきている様子。ヒュッテのスタッフによると、まだ6割ほどの色づきだそうな。
ヒュッテの眼下には広々としたテント場が広がっており、3方向を山に囲まれるような地形となっている。
テント場まで来ると、風もほとんど吹いていない事もあって、山に包まれているような気分。とても穏やかなシチュエーションで気持ちが良い。稜線や山頂からの絶景も勿論良いが、こういう癒しの風景もまたいい。
欲を言えば、せっかく紅葉を見に来たのだからもう少し葉が色づいていてほしいところなんだけど。
さて、今日の寝床を確保すべくフラットな場所を探す。
石畳の大通りに面した場所は人通りが多いから却下。大雪渓の方に行ってみると、奥の方に石が丁寧に平らに敷かれたような場所を見つけたので、そこにテントを張ることに。
テントを買ってすぐに近所の河川敷で試し張りをしてみたので、要領はわかっていたが、それでも完全に張るまでは25分ほどかかってしまった。
テントを張り終え受け付けをしに行くと、500円で銀マットがレンタルできるようだったので、1枚借りることにした。持参したエアーマット1枚だと床がゴツゴツしているのが気になって寝れなさそうだったので即決で決めた。
2重に敷いてもまだ石のデコボコが感じられるため、銀マットを借りたのは本当に大正解。
マットを敷いたり、食事の準備をしたりしていると脚が攣りそうな感じになった。
意外と、初めてのテント泊の重量が体にこたえていたみたいで、しかも、いつものスポーツドリンクではなく水のみで水分を補給していたためか、ミネラル分が不足していたのも原因になっているような気がする。ヒュッテでビールなんか飲まずにもっと栄養価の高いものを摂るべきだったか。
夕食は、テントの入り口で紅葉を眺めながらカレーを食べた。
白米のアルファ米とレトルトのカレーを湯煎をするだけ。鰯の蒲焼の缶詰を半分食べて残りは翌朝のおかずとして残しておいた。
食事が終わってしばらく本を読みながらまったりし、星空をながめたら就寝。寝たのは8時頃だったが、12時頃に自分のテントを照らす明かりが外から入り込んできて話し声が聞こえたので目が覚めてしまった。こんな夜中に一体なにをやってんだろう?
翌朝は4時半頃に自然に目が覚めた。外に出てみるとまだ真っ暗で、完全に目が覚めていたので星空を眺めていた。昨日の夜よりも心なしか綺麗に見える気がした。周りの光が少なかったからかも。
昨日と違い、朝は寒かったがテントから出て食事の準備をした。
モルゲンロート、朝焼けを見るため山肌に向かって食事の場所を確保。お湯を沸かして、アルファ米の炊き込みご飯と天ぷらうどん、昨日の残りの缶詰が今日の朝食。
食べているうちにどんどん陽が昇り空が赤みがかってくる。カメラ、うどん、カメラ、ごはん、カメラ、鰯、・・・と同時進行のとても忙しい朝だ。
食事を終え、帰りの準備を済ませた後、手ぶらで見晴岩まで行ってみることに。
穂高の稜線まで出てしまうと時間が無くなってしまうので見晴岩で我慢。またいつか、ヘルメットを持って来ればいいや、とか何とか考えながら涸沢小屋を越える。背の高い木々の中を歩いたが、この辺りではまだ紅葉は色づいておらず、岩の近くのお花畑まで来てもやはり赤や黄色よりも緑が多い。
しかし、眼下のテント場をはじめとする北アルプスの山々の景色は気持ちが良い。見晴岩では誰もいなかったので、しばし遠くの山々を眺めていた。
テント場まで戻り、テントをしまって下山の準備をする。撤収時間を測ると12〜13分ほどでザックの中にしまい込めた。片づける方が時間がかからないなんてちょっと意外。
下山では、背中の重みでバランスを崩したりしないか心配だったが、特に危ない状況に陥ることもなく無事に横尾にまで辿り着いた。
途中、新村橋という右岸への吊り橋を見つけた。地図で確認すると、正規の登山ルートではなく、ちょっと広めの山道のようだったので、道に迷う心配もないだろうと思い、思い切って橋を渡ってみた。橋の手前で、猿の大群を見たという声が聞こえてきたが気にせずに渡ってしまった。
結局、猿に襲われることはなかったが、道を歩いていてもとにかくつまらない。ひたすら展望のない森の中を突き抜けるような道で、自分以外に誰とも会わない分、猿や熊に襲われたらどうしようという軽い恐怖心を感じながら歩く羽目になってしまった。
何事もなく明神大橋に着くと、手ぶらの一般ハイカーがゾロゾロといて、ちょっとホッとした。そのまま右岸を通り、自然探究路という遊歩道で上高地に向かう。
こっち側は先ほどまでの林道や左岸と違い、小川や沼などが多く、川面の上を通る木道が続いていて実にホッコリさせられる感じのルートだ。
沼に写る明神岳や鴨のつがいに癒されながら、ようやく河童橋まで戻って来ることができた。
昨日の朝と比べると人の多さは桁違い。ここまで来ると、登山客、特にテントを担いでいる人はごく少数で、肩身が狭くちょっと恥ずかしさを覚えもしたが、初のテント泊を終えた達成感や充実感の方が上回っていたような気がする。ゴールを間近にして、ようやく一人前の登山者になれたかなと思うと嬉しくなった。
また今度行くときは、もう少しハードルを上げてみたいし、何処か森の片隅の沢辺の水音が聞こえるテント場なんかがあれば行ってみたいなぁとか、いろいろと想像を膨らましたりしながら帰路に着いた。
おしまい
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