瑞牆山・金峰山・国師ヶ岳
- GPS
- 56:00
- 距離
- 28.3km
- 登り
- 2,087m
- 下り
- 2,224m
コースタイム
瑞牆山荘10:30
11:15富士見平小屋12:15(テント設営)
12:45桃太郎岩12:45
14:00瑞牆山山頂14:25
15:55富士見平小屋
11月3日(2日目)
富士見平小屋7:05
8:00大日小屋8:35
9:00大日岩9:05
10:25砂払いノ頭14:45
11:40金峰山山頂12:25
13:10鉄山13:15
13:45朝日岳13:45
14:20朝日峠14:25
14:50大弛小屋15:45(テント設営)
15:55夢の庭園16:00
16:10大弛小屋
11月4日(3日目)
大弛小屋6:30
6:40夢の庭園6:45
7:00前国師岳7:00
7:10国師ヶ岳山頂7:25
7:35北奥千丈岳7:45
8:20大弛小屋9:10
13:05川上牧丘林道入口13:15
14:10川端下バス停
合計距離: 28.27km
累積標高(上り): 2143m
天候 | 11月2日 晴れ 11月3日 曇のち小雨 11月4日 小雨のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
川端下バス停から信濃川上駅まで 580円 |
写真
感想
春は、秩父→南アルプス→北アルプスと、雪解けを待ちつつ北上。
秋は、北アルプス→南アルプス→秩父と、紅葉の見頃を追いながら南下。
この巡回ルートは、もはや自分の中でのお決まりのパターンになりそう。
というわけで、今回の山行は奥秩父に決定。
本来は、東から西、南から北に進路を取るのが、正面から紫外線を浴びずに歩けるためよく取るルート設定なのだが、今回の山行で目的地の一つとして計画を立てた黒金山が幕営地から離れていてルート設定が難しい事もあり、やむを得ず瑞牆山から東に進路を取る形でのルートとなった。
さて、1日目は瑞牆山の麓、富士見平にテントを張って空荷で瑞牆へ登る計画だ。
新宿発の始発のスーパーあずさに乗って韮崎へ行き、バスで瑞牆山荘へ向かう。
7月の3連休に北岳に行った時のような甲府駅の大混雑を想像していたが、意外と人は少なく、バスは1台での出発となった。
バスの車窓から見える紅葉を愛でながら瑞牆山荘に到着。
ほどなく歩くと富士見平に到着したが、富士山はどこにも見えずテンションちょっと下がり気味。適当なテント場を探すが、5,6人は入れそうな大きなテントやタープの付近に張るのは厳禁!案の定、夜遅くまで宴会が続き騒がしくなっていた。クッカーをカンカンカ〜ンと叩いて、お前ら静かにしろ〜と言わんばかりに自制を促している人もいたみたいだったが、全く気付く気配もなく騒がしいままだった。
話を戻して、瑞牆山。
水と行動食だけ持って頂上へ向かう。
メジャーなルートだけあって、クサリ場など所々で渋滞にハマる。
岩の下に置かれた小枝たちにホッコリさせられながら、特に難所という難所はなく、無事に山頂に着いた。
眼下の大ヤスリ岩は良く見えたが、周辺の山々の展望はガスの合間からちょっと顔を覗かせる程度。恐らく晴れていれば南アルプスや八ヶ岳連峰の山々が見えただろうと思うが、それはまたの機会に譲る事にした。
下山途中、林道の木々の合間から瑞牆山の姿が顔を出したが、木の葉や枝が邪魔をしてなかなか絵になる写真が撮り辛く、残念な思いで富士見平に戻ってきた。
2日目、1時間半も寝坊してしまった。
予定より軽めに朝食を取り、金峰山に向かう。
大日小屋で水を補給しテント場をチェック。10〜15張くらいは張れそうな感じで、富士見平の喧騒を避けるには持ってこいの場所だ。周りは森に囲まれているけどもテントを張る場所までは木々に覆われておらず、夜になれば富士見平のテント場とは違い、その場で星空が眺められそうだ。
水場はテント場からすぐの沢の水、トイレは床から壁から便器までオール木製のまさに“便所”という感じ。紙は備え付けられていない。富士見平のテント場も100張ほどの広さがあるにもかかわらず、男子トイレは大小各1つしかないどころか紙まで備え付けられていないことに驚愕したが、こんな小規模のテント場で、3つも用を足す場があればトイレ待ちの行列もないだろうと考えられる。
頭上の大日岩を眺めた後、砂払いノ頭まで来ると展望が開け、近くの茅ヶ岳や金ヶ岳は勿論、遠くには富士山や南アルプス、八ヶ岳まで一望でき、素晴らしい展望が堪能できた。
程なくして、金峰山に到着。
五丈岩を登る人やそれを眺めながら食事をする人など多くの登山者がいたが、山頂は広いため悠々と過ごすことができる。
岩場は本職ではないので辞退して、本日の目的地大弛小屋へ。
鉄山(←何故こんな名前?)や朝日岳を乗り越え15時前に大弛峠に着いた。
ここのテント場は水場も小屋の片隅にあって、トイレもちゃんと紙が備え付けられてあるし、不自由なく過ごせそうだ。
さっそくテントの受付を済ませテントを張って、国師ヶ岳と北奥千丈岳でも見に行こうと空荷で歩き出すと小雨がパラパラと落ちてきた。
雨具は持っていなかったので、途中の夢の庭園まで行ってすぐに引き返してテントに潜り込んだ。
夕食は、出発前に家で作ってきたペミカンを炒め、焼き肉のタレで味付けをして食べた。肉を炒める音が周りに聞こえてるだろうな〜とか気になったが、よく考えたらここは車でも来れるテント場なのだ。ご近所さんは天井の高い豪華なテントもあるし、イベントブースで使うような4つ足のテントを雨除けに立てている人もいたし、テントの隅には酒がたんまりと入った段ボールが見えたりもしたし、オートキャンプ場のような雰囲気だ。
食事を終え、本を読み終える頃には雨が強くなってきた。
明日は寝坊しないように起きなきゃ。テント同士でだいぶ離れてるから、スマホのアラーム音を少し大きめに設定しても大丈夫。やっぱりテン泊は小さいテン場に限るなぁ。
一旦は寝付いたものの、雨音が大きくなってきたりして何回か目が覚めたりしながら、寝返りを打ったりして再び寝付いたが、ふと夜中にパッと目が覚めた。
何か、いつもと違う気がする。頬に敷布団のシーツが当たっていて、綿の感触で目が覚めた。
んん?シュラフはどこいった?何で俺は布団の中にいるんだろう??
外はまだ雨音が強いみたいだけど・・・とか考えながら周りを見渡すと、どうやら小屋の中みたい。雨が強いから、避難させてくれたのか?
女将さんが近くにいたので、いつからここで寝させてくれたのかと尋ねてみたが、笑顔で上手くごまかされた。
「これがうちのスタイルなんです」と女将さん。
訳も分からず呆然としていると水が飲みたくなったので自分の荷物を探すが、どこにも見当たらない。
俺のザックはどこだろう・・・出てきてくれ・・・・・
・・・と、周りをキョロキョロしていると、シュラフの中で目が覚めた。今度はダウンの感触だ。
な〜んだ、夢だったのか。
しっかし、どんだけ雨にビビってんだ俺は。きっと、初めての雨中のテント泊に潜在的に怖くなっていたのかもしれない。それに、富士見平小屋の女将さんが大弛小屋に出てくるなんて、何て整合性がない夢なんだ、全く。意味がワカラン。
朝はアラームが鳴る前に目が覚めてしまった。まだ雨は強いまま。
昨日の夜からあまりに雨が降り続くので、本来計画していたルートを変更しようかと考えていた。
当初の計画、北奥千丈岳から南下して黒金山経由で天科まで下るコースは、山と高原地図の中で道迷い印が3ヵ所もある難ルート。少しずつ雨は収まってきたが、視界が悪く道に迷う可能性が高いと判断し、小屋のスタッフに安全に下山できるルートはないか相談してみることにした。
急坂や土砂崩れがなさそうで、尚且つ沢が増水していても通れるルートを聞いてみると、ここから北上するエスケープルートを勧められた。オフロードの車が通れるようなダートの道が続いているらしく、川にも車が渡れるほどの橋がかかっているため増水して渡れなくなる心配もないとの事。登山道と呼ぶにはやや物足りなさはあるが、今日みたいな日は安全第一で下山すべきと思い、そのルートに変更して帰ることにした。
小屋を出る頃には、雨もだいぶ小降りになってきていた。今度こそ、昨日断念した国師と北奥千丈に行こう。
国師までの登山道はしばらく木道が続き、急勾配になってくると普通の登山道になっていた。雨の影響で滑ることもなく前国師岳に到着。通り過ぎるとすぐに国師ヶ岳山頂に着いた。明け方まで降り続いた雨で展望は全くダメだったが、人が他にいないのと山頂のガスガスの雰囲気が妙に気に入ってしまった。
続いて、来た道を少し戻って分岐点から南へちょっと歩くと奥秩父最高峰の北奥千丈岳に辿り着いた。
もちろん、こちらもガ〜ラガラ。奥秩父のてっぺんを独り占め出来るなんて、文字通り“この上ない”贅沢。
展望はないながらも十分に雰囲気を楽しんだ後、小屋に戻ってきた。
テントをしまい、エスケープルートで下山。4時間くらいでバス停に着けるそう。
下山する前に駐車場脇にあるトイレで用を済ませる。
大ちゃんの予感がしたので個室に入りしゃがんで事を済ませようとするとその時、トイレの外では強風が吹いたらしく、何とお尻の下からも同時に強風が吹きあげてきた!
風だけなら寒いだけでまだ我慢できる。が、しかし、同時に強烈な悪臭も風に乗って舞い上がってきたため、今までに経験したことのないようなめまいに襲われた。
これはタマラン!!とんでもない悪臭に打ちのめされ、一瞬地獄を見たが、風はその1回で何とか収まってくれた。
風の強い日は覚悟が必要だな、このトイレは・・・・・ふぅ〜。
と、悪臭と格闘しながらようやくトイレから脱出し、ザックを背負って出発する。
最初は、平坦な道ばかりで飽き飽きしていたが、下るにつれて道沿いを彩る紅葉が目を楽しませてくれ、標高も下がって雨も完全に収まる頃にはすっかりこのエスケープルートが気に入ってしまっていた。
登山道の出入り口まで辿り着き、あとはバス停に向かって歩くのみ。ここからは車道を約40分歩くと川端下バス停に出るみたい。
車道を歩いていると、実に見事な瑞牆山の姿が目に飛び込んできた。
確かに地図上には「裏瑞牆山の眺め良い」との文字がある。メジャールートからではこの景色は決して見れないだけに何とも勿体ない。
瑞牆を登った人の多くはこの格好良い山容を見ずに登っているという訳であるが、本当に残念と言うしかない。是非、ここから登山道を開拓してもらいたいものである。
やがて川端下バス停に到着し、登山終了。
一番楽しかったのは、何だかんだで最後のエスケープルートだったかもしれない。
紅葉を求めて秩父にやってきたが、2日間と半分は完全に紅葉の事はすっかり忘れてしまっていた。
よくよく振り返ると、瑞牆山荘の辺りにも色づいている所はあったが、最後の最後で綺麗な紅葉を見ることができて本当に良かったと思う。
今度はもっと、標高が低く深い森の中を歩くことになりそう。今から楽しみだ。
P.S.少し多めに持参した下痢止めは結局1錠も飲むことなく帰ってくることができましたとさ。
おしまい
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