槍ヶ岳 〜失敗多き、冬山始め。飛騨沢ルートをゆく〜
- GPS
- 18:09
- 距離
- 30.6km
- 登り
- 2,480m
- 下り
- 2,464m
コースタイム
8:10 駐車場
11:00 避難小屋
12:10-12:40 槍平山荘
17:40 飛騨乗越
18:15 槍ヶ岳山荘
11/17
6:55 槍ヶ岳山荘
7:10-7:30 槍ヶ岳山頂
7:50 槍ヶ岳山荘
8:55 千丈沢乗越
11:10 奥丸山分岐
11:45 槍平山頂
12:40 避難小屋
14:50 駐車場
天候 | 晴れ! |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
ここ最近、雪山記録が増えてきて、皆さんの記録を読む毎日が楽しい。
自分も行きたいとは思うのだけれど、北海道から遠ざかった身。気軽に雪山に行けなくなってしまった。
と、そんなところへ、仕事が早く片付いてしまった金曜日が。
急いで自宅へ帰り、冬装備をちゃっちゃと車へ積み込み、出発する。
目的地は、前から行きたかった槍ヶ岳。静かな山をと思っていたら、この時期になってしまった。道路状況をネットで確認すると、大丈夫そう。高速の途中で、晩御飯を食べ、いざ、案坊トンネルへ。岐阜県側は、路肩に雪が残り、一部、路面凍結していた。
そして、深夜1時過ぎ、目的地の新穂高へ無事到着。急いで床へ着く。
翌朝、7時に目覚め、急いで、支度を整える。
と、ここで、失敗に気づく。
昨日、急いで出発したため、ザックを夏から冬用へ切り替えるのを忘れていたのだ。メッシュ多き、超快適仕様。雪降らなかったら、どうにかなるかということで良しとする。
そして、もう一つの失敗、、、ゲイターに穴が空いていた。昨シーズン、修繕しながら使っていたけど、シーズン最後に大穴を開けたまま放置していたのだ。縫おうにも裁縫道具なんて持ってきてなかったので、パンツの裾をブーツの上からギュウギュウに絞り、その上からゲイターで良しとした。この簡易すぎる対策の結果、あとで痛い目をみることになる。
と、失敗だらけの出発となってしまったが、雲一つない青空と、そびえ立つ白き山々に、気分一転、ルンルン気分のスタートとなる。単純だ。
最初の林道歩きは、気持ち程度雪があるだけで、なんの苦もせず、奥穂の入り口となる白出沢まで。そこからは少し雪が増えてきて、先行者さんの足跡を辿る。避難小屋まで来たところで、引き返してきた先行者さんに出会う。なんとも人の良さげなおじさまで、会えたことが嬉しく思えた。
ここから先は誰もいない。夏道の上をトレースしていると思われる動物達の足跡を辿る。
約4時間で、槍沢小屋へ到着。一休憩。
ここまで、ペースは予定通り。ここから先は勾配が急。急勾配は得意な方なので、一般的なコースタイムよりか早いだろうと考えてしまったのが、後の失敗となる。
槍沢小屋からはスノーシューに履き替えてスタート。
久々のシュー歩き、楽しい。気を良くしてペースを上げるが、すぐにバテバテに。
休み休み歩く。どんどん傾斜キツくなり、ペースが落ちることに歯止めなし。過去を振り返ってみると、3000m級の山はペースをいつも崩している。どうやら、空気が薄いのが原因っぽい。
日が傾き、焦る。
途中、テントを張ろうか迷ったが、上には槍ヶ岳山荘が見えている。
テントの設営&撤収を考えると気乗りしない。今日は月が明るいし、ヘッドランプでどうとでもなるなと考え、小屋を目指すことに。
ここからは日が落ちるのが早かった。17時過ぎ、ヘッドランプを着ける。
東へ東へ、飛騨乗越を目指す。途中、アイゼンに切り替えて、歩いたが、足裏から骨折のような痛みが?? ひねってもないのにどうして?と不思議に思うが、我慢できる具合なので、そのまま小屋を目指す。
18時過ぎ、なんとか槍ヶ岳山荘に到着。
が、冬季小屋が見つからない。
メモしてきた、「山荘正面北側の建物」の窓がどこか開かないかくまなく探すが、どこも開かない。ここまで来て、テントか〜と泣きそうになり、念入りに探し、20分くらいかけて、やっとのことで見つけ出す。よく見ると、冬季小屋との看板もかけてあった。暗くなって着くと、こういうことになるのだと反省。
荷をおろして、暖かい服に着替えようと、靴を脱いだ瞬間びっくりする。
右足の靴下がパリンパリンに凍っている。
その靴下も脱ぐと、足の指が真っ青になっているではないか。
結局、ゲイターの穴対策が不十分だったので、そこから雪がブーツの中に入り込んだらしい。先の足の痛みもこれだったのだ。
急いで、服着替えて、お湯を作る。
プラティパスにお湯を入れて、湯たんぽ状態で暖める。
足以外も冷え切っていたようで、手が攣るという経験までしてしまった。
しっかりご飯を食べ、就寝。
寝袋はナンガの450にモンベルの#3をダブル、それにダウンも着込み、プラティパス湯たんぽを入れて寝るという、極暖仕様。
普段、暑がりな方だが、今日はこれくらいでちょうどよかった。
翌朝、5時くらいに目が覚めたのだが、辺りが明るくならないので、二度寝してしまう。雪対策で窓を塞いであることをすっかり忘れていた。
槍山頂からの御来光はこれでなくなったが、なんとか小屋の中から御来光は見ることができた。
朝ごはんを食べて、出発準備。
足の冷え対策を考えた結果、予備の靴下があったので、それをまず履いて、その上に、スーパーの袋で覆い、その上に濡れた靴下をはいてみた。
靴がカチカチに凍っていたので、足入れが難しかったが、なんとか納まってくれた。
そして、荷物を置いて、槍の山頂を目指す。
雪と岩のミックス。岩にアイゼン引っ掛けて、登る登る。冷えた足は問題ないよう。
岩がきれてしまう部分は慎重に。締まった雪にアイゼンの爪がサクサク決まり、楽しい。
踏み場の少ない梯子の登りに緊張し、山頂着。
槍というだけあって、山頂はナイスな展望。360度、上も下も丸見えだった。
強風のなか、写真を撮りまくっていたら、さすがに身体を冷やしそうに。
急いで下山に入る。
下りはかなりビビリ気味で、ほとんどバックステップで降りた。
槍ヶ岳山荘に戻って荷物を回収し、いざ下山。
中岳を通って下山しようかと思って、飛騨乗越まで向かうが、そこからの急登に自信がなくなり、ルート変更。飛騨沢の急坂をトラバって、西鎌尾根へ。千丈沢乗越を経由して下山することに。千丈沢乗越までは、雪が締まっており、アイゼン歩行で楽々。そこからは柔雪で、スノーシューに切り替えた。ここから奥丸山までの尾根は、小さなアップダウンが混在し、上りのたびにヘトヘトになる。飛騨沢をそのまま降りればよかったなとも考えたが、最高の展望を携えた尾根に帳消しだと考えることに。
槍沢小屋までスノーシューで通し、そこからは壺足で登山口まで。
無事、下山。足もスーパーの袋が効いてくれたようで、無事。帰りに温泉入って、揉みほぐして帰った。
今回、気が動転してしまって、冬季小屋の使用料を置いてくるのを忘れてしまった。
次回に行った時にでも、渡したい。
「〜失敗多き〜」は、今年の沢初めであるエサオマンでも書いている。
シーズン初めは、いろいろと忘れがちなよう。徐々にステップを踏むということを覚えたい。
photosynthによる360度パノラマは以下から。
槍ヶ岳山頂からの眺め。
西鎌尾根上、千丈沢乗越からの眺め。
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