初期中山道 終（下諏訪→桜沢）

2021年11月14日(日) [日帰り]

• GPS: 07:35
• 距離: 30.4km
• 登り: 785m
• 下り: 733m

コースタイム

日帰り

• 山行: 8:41
• 休憩: 0:00
• 合計: 8:41

8:00 スタート地点
15:50 15:50 下諏訪駅
16:00 16:00 岡谷駅（JR中央線）
16:41 宿泊地

日帰り

• 山行: 6:05
• 休憩: 0:14
• 合計: 6:19

7:10 岡谷駅（JR中央線）
7:23 7:30 釜口水門
7:43 7:47 岡谷駅（JR中央線）
9:20 9:21 三郡の辻
12:21 12:23 牛首峠
13:29 日出塩駅

天候

14日、15日ともに晴れでした

アクセス

利用交通機関：

電車

14日
In:JR下諏訪駅
Out:JR岡谷駅前で終了
15日
In:JR岡谷駅前
Out:JR日出塩駅

コース状況／危険箇所等

ルートは、風人社さんの出されている「ホントに歩く中山道第11集」に収録されていた地図を使用しました。
https://www.fujinsha.co.jp/nakasendo/9784938643966-2/



旧街道は、現在推定されているルートが、最初からそこであったとは限りません。
中山道の場合、木曽福島の与川道のように、う回路として設定された道もあります。
今回踏破した「初期中山道」は、まさしく「初期の中山道」です。

中山道が制定された当時、諏訪湖畔の下諏訪から、木曽谷の北端の贄川の間は今のルートとは異なりました。
　
下諏訪から南西方向へ向かい、岡谷を経由して三沢から小野峠（三沢峠）を越えて、伊那谷の北端小野宿へ進みます。
小野宿では少しの区間伊奈街道（三州街道）を南下し、再び山中へ分け入り、牛首峠を越えて木曽谷の桜沢へ降りました。
下諏訪から贄川に向かうには最短ルートとなるこのコースですが、途中で小野峠と牛首峠の二つの急な峠を越える必要があるのと、桜沢など沢道（旧街道は整備の都合もあり、沢道を避けて尾根などの高台を進むことが多いです）を通るために、かなり不評だったらしく、五街道を制定した大久保長安がなくなると、あっという間に現在のルートである塩尻峠経由に変わったそうです。
　
この「初期中山道」が公式に「中山道」であった期間はわずかに15年ほど。
塩尻峠経由に変わった後も、生活道路として使われたため、現在でも私たちが歩くことができます。

ルートはおおむね良好ですが、三沢からの小野峠は一部災害の影響でしょうか、荒れ気味の場所があります。
また車が走ることのできる道路整備をしている部分も多く、おそらく、こっちが旧道だろうという路盤のようなものも何か所かで確認できましたが、キノコ山などで、私有地として立ち入りを禁じられている場所も多く、旧道をなぞることのできない部分もあります。
　
小野峠を登っていく際の諏訪湖方面や蓼科山などの絶景、小野峠の三郡の辻、小野宿、飯沼谷の風景など、見ごろの多い旧道歩きをお楽しみください。

その他周辺情報

下諏訪〜岡谷間はコンビニは多いです
岡谷では、コンビニは旧道に入る直前のファミリーマートが最後です。
小野はファミリーマートや食堂などがありますが、いずれもいったん小野駅方面へ向かう必要があります。
トイレは、コンビニなど以外には、川岸の鶴峯公園が最後です。
その次は小野峠を越えた後の公園で、次は小野宿のコンビニなどです。
なお、冬季は凍結防止のために閉鎖になるトイレもあるのではないかと思いますので、ご注意ください。

写真

11/14 13:21

街道歩きの前に、小野からみどり湖まで歩き
小野の大鳥居

11/14 13:22

小野は伊那谷の北端ですが、集落の中に辰野町と塩尻市の境があります。
北側が塩尻市に当たる北小野。
南側が辰野町に当たる南小野。
両方を総称して両小野と言います。
これは、松本領と飯田領が領地争いをし、豊臣秀吉がここを境としたためです。
つまり、400年以上前からこの状態。
不便ではあるので、小中学校は、辰野町と塩尻市で組合を作り、両地区共通の学校としているとのこと。
郵便局は両地区にあります。

11/14 13:29

霧訪山
きりとうやま、と呼びます。
珍しい「湯桶読み」の山ですね。

11/14 13:37

矢彦神社
信濃国二ノ宮　こちらは辰野町に属します
つまり、ここは塩尻市内にある辰野町の飛び地です。

11/14 13:37

立派な本殿です

11/14 13:45

こちらが矢彦神社に隣接し北側にある小野神社
こちらは塩尻市に属します。
もともと一つの神社でしたが、両小野が分かれた際に神社が分割されたらしいです。

11/14 14:05

11/14 14:06

筑摩地村道路元票
明治になっても両小野は別でしたので、北小野は「筑摩地村」となりました。

11/14 14:31

蔵造川水路橋（めがね橋）
中央線を開削した時に、谷を削って線路を通したのですが、そのために切れてしまった水路をつなぐための水路橋です

11/14 14:32

今は水が流れていません

11/14 14:43

反対側はこんな感じでした

11/14 14:52

善知鳥峠

11/14 14:51

善知鳥峠
南側が天竜川水系、北側は信濃川水系に当たります。
つまり分水嶺です。
両小野地区のもめごとがなければ、こちらが辰野町と塩尻市の境になったのではないでしょうか。

11/14 14:52

分水嶺にありがちな奴
左に行けば信濃川から日本海へ
右に行けば天竜川から太平洋へ

11/14 15:15

みどり湖駅
こんな時でもないと使わない駅の一つ

11/14 15:16

道路から直接ホームに降ります
ホームにトイレはなく、この階段の横の公園にトイレがあります

11/14 15:23

頻繁に特急が通りますので、要注意

11/14 15:48

下諏訪駅
ここから「初期中山道」を開始します。

11/14 15:54

まずは中山道をてくてく

11/14 16:00

例によって、この隙間に入ります

11/14 16:07

ここで中山道と別れます。
左折

11/14 16:08

すぐに右折

11/14 16:14

ここで右手の細道へ

11/14 16:16

水路の右側に入ります。
ここから少しの間、「ここでいいの？」区間。

11/14 16:17

道路を横断し前方へ

11/14 16:18

振り返ったら富士山

11/14 16:25

横河川

11/14 16:26

橋を渡った先に四等三角点「西堀」
787.1m

11/14 16:31

小井川一里塚跡
ここにあったとされます
日本橋から56里目

11/14 16:37

薬師堂

11/14 16:40

造り酒屋さん

11/14 16:44

旧岡谷市役所

11/14 17:00

岡谷駅の北側にある「本町一丁目交差点」で初日終了。

11/14 17:04

お宿は、岡谷駅前のこちらのホテルでした。

11/15 7:07

ここから二日目、15日。
岡谷駅からスタート。

11/15 7:19

寄り道して釜口水門へ。
向こうが諏訪湖で、手前が天竜川です。
つまり、ここが天竜川の起点。
水門で天竜川へ流れ出る水量を調整しています。
けあらしが幻想的

11/15 7:22

水門の上から諏訪湖

11/15 7:24

釜口水門

11/15 7:24

パナマ運河と同じような閘門式の船通しがあります。

11/15 7:29

天竜川

11/15 7:36

放浪の住居案内

11/15 7:43

鎌倉街道の案内

11/15 7:50

では、本町1丁目交差点から再開です。

11/15 7:56

高速道路をくぐります。
中央構造線の影響で、塩尻峠と岡谷で標高差が大きいため、高速道路もこんな高さになります。

11/15 7:57

高速をくぐったら右手上方へ。
河岸段丘の上を行きます。
前方に見えるファミリーマートが小野峠区間での最後のコンビニ。

11/15 7:58

こんな案内が出ます。
助かりますね。

11/15 8:03

再び右手上方へ

11/15 8:04

この案内も助かります。

11/15 8:05

紅葉が綺麗。

11/15 8:07

深沢駅碑
東山道の深沢駅があったとされます

11/15 8:09

熊野神社

11/15 8:11

塩嶺トンネル入り口
このトンネルの開通が、諏訪地方と塩尻地区を近くしました

11/15 8:12

御嶽神社

11/15 8:15

道標
右　小野木曽道
左　伊那三川道

11/15 8:18

上がっていきます
この辺から傾斜が急に

11/15 8:18

三沢一里塚　57里目
南塚が残っています

11/15 8:29

鶴峯公園
最後のトイレです

11/15 8:35

御柱を祀るのは諏訪大社だけではありません

11/15 8:38

諏訪方面は諏訪湖の水分があるので、もやっていますね

11/15 8:41

砂利道が始まりました。

11/15 8:42

クマが出るのか。

11/15 8:46

宿返しの石
万字の石佛に似ているらしい

11/15 8:48

こんな道を上がっていきます
快適

11/15 9:03

ここはくぐるしかありませんでした

11/15 9:05

車を通すための道のようですので、実際の道とは違う部分がありそうです。

11/15 9:09

ここなんかが旧道だと思います。

11/15 9:11

小野峠につきました！

11/15 9:12

小野峠石碑
小野峠は三沢側の呼称
小野側では三沢峠と呼びました

11/15 9:16

三郡の辻
手前が御柱があるので諏訪郡の富士浅間社
左奥が伊那郡、右側が筑摩郡のものです。

11/15 9:25

ここが旧道のようですが、湿っているのであきらめ。

11/15 9:27

楡沢山の割石。
これも領地争いのたまものです。

11/15 9:33

冬季通行止め区間

11/15 9:38

徒歩は大丈夫でした。

11/15 9:42

100mなら行きますが・・・

11/15 9:44

日本武尊沓掛石

11/15 9:47

左へ曲がります

11/15 9:48

楡沢一里塚
両塚が残っています。
素晴らしい。
旧道はこの間です。

11/15 9:51

道路に出てきました。

11/15 9:55

ここも右手に旧道が残っているような。

11/15 9:57

牛首峠方面です。

11/15 10:04

紅葉

11/15 10:04

紅葉

11/15 10:07

案内にしたが右の旧道へ

11/15 10:13

落ち葉に埋もれています。

11/15 10:16

ここは右側の道へ

11/15 10:17

イラストがかわいい案内です

11/15 10:18

富士塚
石が段々に積みあがっている珍しい形です。

11/15 10:21

牛首峠方面

11/15 10:22

赤いじゅうたん

11/15 10:22

ここは奥で折り返しのようです
（標識は手前を左折）

11/15 10:25

駒沢踏切で中央線を渡ります

11/15 10:27

伊那街道へ合流します。
左折。
前半戦終了。
トイレやコンビニに行きたい方はいったん右に曲がって小野駅方面へどうぞ。

11/15 10:29

小野宿

11/15 10:30

赤いじゅうたん

11/15 10:32

小野宿問屋

11/15 10:32

隣は旧小野郵便局

11/15 10:33

高札場

11/15 10:36

旧小野村役場
ここで伊那街道から分かれて牛首峠に向かいます。

11/15 10:37

役場前には、県庁長野までなどへの里程標があり、その下に小野村道路元標

11/15 10:37

小野村道路元標

11/15 10:45

牛首峠にかけてだらだらと登っていきます

11/15 11:00

飯沼原一里塚跡
水田の中ですので、なくなっています。

11/15 11:12

道祖神

11/15 11:12

火の見やぐら

11/15 11:12

消防信号の叩き方

11/15 11:15

お祭りの時に提灯を下げるようです。

11/15 11:28

馬頭観音など

11/15 11:29

「水」は防火、「寿」は幸せを願うものでしょうか。

11/15 11:33

ここは左へ
直進すると深沢集落に行ってしまいます

11/15 11:36

馬頭観音

11/15 11:36

道祖神

11/15 11:45

猫？

11/15 11:50

山口集落
辰野町のシャトルバスはここまで来てくれます

11/15 11:55

道祖神など

11/15 11:55

これが旧道でしょうか。
ソーラーパネルで行けず。
左側から迂回。

11/15 11:59

ソーラーパネルを上方から。
赤岳かな。

11/15 12:04

これも旧道痕のように見えます

11/15 12:08

前山一里塚
北塚が残っています。

11/15 12:13

牛塚
牛首峠の名前の由来になった牛です。

11/15 12:16

蓼科山と赤岳

11/15 12:20

牛首峠
この先は冬季閉鎖区間です。

11/15 12:35

なお、牛首峠を越えてもまだまだ辰野町内

11/15 12:37

がれた滝

11/15 12:44

ここが辰野町と塩尻市の境です。
左手奥には桑崎という集落がありました（すでに廃村）

11/15 13:06

中央線を越えました
もうすぐ終了です。

11/15 13:10

国道19号線、中山道へ合流しました。
本来はもう少し南側が交点なのですが、廃道となっているため、ここを初期中山道と中山道の合流地点と考えます。

11/15 13:11

初期中山道の案内

11/15 13:28

日出塩駅まで歩いて戻りました。

撮影機器：

PowerShot SX720 HS CANON

感想

faroe

初期中山道と現在の塩尻峠周りを比べると、やはり現在の塩尻峠周りの方が楽だなと思いました。
ただ、一度歩いてみたい区間です。
ぜひ、どうぞ。