日本のはじまりを巡る旅


- GPS
- 29:56
- 距離
- 150km
- 登り
- 2,243m
- 下り
- 2,229m
コースタイム
- 山行
- 14:43
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 14:43
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
建国記念日のイベントにお伊勢参りエエんちゃう。
お伊勢参り→お伊勢参る→mile
おぉ!100mile
ということで、
堺市の大小路から
日本最古の官道「竹内街道」を通り
神武天皇御陵を参拝し
大神神社に参拝してからの
伊勢本街道で天照様にお会いする
日本のはじまりを巡る旅スタートです!
■準備
石舞台100で「寒い対策には服を着る」ということを覚えたので、多少荷物が重くなっても構わないから万全の防寒対策を心がけて持ち物を厳選した結果、
めっちゃ重くなって走れない
という事態でしたが、想定通りと受け入れました。
<主な持ち物>
・食料系
>アルファ米ドライカレー(使わんかったけどあると安心)
>柿の種、カロリーメイト(最近の武器)
>サプリ、ジェル系(今回はジェル1本、カフェイン2錠、MAGUMA1本のみ)
>麦茶500、お水500(峠越えの時に1.5Lを担ぐ以外は基本1Lで行動)
今回、パン、ご飯は持たずに行けたのは収穫
・装備系
>ULダウン(ユニクロの捨ててもイイやつ)
>厚手ウインドシェル(薄手で軽量化しても良かった)
>レインパンツ(防寒用に活躍)
>UTMFフィニッシャーベスト(今回大活躍)
>厚手メリノロンT、メリノT(持ってると安心)
>メリノネックゲーター(今回使わずだが帽子にもなるし持ってると安心)
>短パン、Tシャツ、アームカバー、薄手シェル(基本装備)
>エマージェンシーブランケットなどいつもの非常装備
■スタート&結果
ヤマレコでコースの線を引くと150km、28時間だったので、ざっと24時間くらいでゴールできるかと予想して、ご来光を拝むためには7時スタートがベストかと思いながら、案の定起きられず寝坊して2時間遅れのスタート。
結果的にはロードが多く、20〜21時間程度で到着できそうだったので、深夜1:30に到着した「ファミリーマート 松阪小片野店」で補給した後、その先のコインランドリーで大休憩(寝れなかったけど横になって仮眠)をとって、ゴール時間調整してピッタリご来光を拝めました。
しかし、今回もsuuntoの調子が悪く、私より先にリタイアしてログが取れずでした。本当に悲しすぎます。
悔しかったので、ログは手書きで、写真の履歴を元にコースタイムを設定しました。
■竹内街道
一昨年、橿原神宮詣でをした時に自転車で通りましたが、やっぱり自分の足で通ると色んな発見がありますね。
高野街道は自治体ごとに熱の入れ方が違い、道しるべもバラバラですが、竹内街道と横大路は電柱に統一の道しるべ表示があるので安心でした。
■横大路
今回、夜の峠越えは避けて、受け入れてもらえる宿があれば、どこかで一泊も考えていたのでゆっくりペースで街道を楽しみながら進みました。神武天皇御陵あたりでお昼を考えていましたが、お腹が空いてきたのでコンビニ寄ろうかな、せっかくの旅なのにコンビニイヤだな。と思っていたところに
古民家改造的な
いかにも街道沿いのおしゃれなカフェ的な
それでいてお手軽ラーメン屋
という絶好のお店を見つけて「これや」と思い飛び込みました。フレンチ感じるスープという触れ込み通りスープは上品で少し薄く、麺は小麦を全面に感じるパサパサテイストでしたが、塩やラー油や豆板醤などの備え付け味変グッズでアレンジしながら、発汗分の塩分と峠越え分のカロリーは補給できました。
■神武天皇御陵
さすが紀元祭、道中で何度か街宣車の大きな音が響き渡っていましたが、橿原神宮境内は厳かな雰囲気で、心静かに建国への感謝とこれからの旅の無事をお祈りしました。
■大神大社
休日の晴天ということもあって賑わっていました。極寒の中、短パン半そでの旅人は、多くの視線を感じながら、そっと参拝を済ませていよいよ伊勢本街道へ。
■長谷寺の草餅
長谷寺方面への上り、時計を見るとルートを外れている。長谷寺はルート外だが折角なので立ち寄ろうかと思ったが、ラーメン屋への立ち寄りといい、序盤で寄り道し過ぎを感じていたので引き返してルートに戻ろうとしたとき草餅のお店が目に留まる。
店主「遠くから来たん?」
短パン「ええ、遠くからですね・・・」
店主「今日はどこにお泊り?」
短パン「特に予定はしていないんです・・・今日は暖かいですね」
店主「そやね、暖かいね・・・・・。はいどうぞ、草餅」
とても暖かそうには見えない出で立ちで、どこから来たのか、どこに行くのかも正体不明な客から草餅1個だけ注文されたにも関わらず、丁寧に対応いただきありがとうございました。他愛もない会話の中から「行くぞ!」という決意を新たに、温かいお茶とほろ苦い草餅をいただいて、いざ伊勢本街道へ。
■峠と宿場越え
草餅の茶屋以降、本当に誰とも会わなかった。
昔は賑わっていただろうという街道も、今は街道の面影を残す宿場跡の集落が寂しく佇んでいるように見える(夜やから?)
峠を越えて、宿場町が現れる。民家の明かりや常夜灯にホッとする。幾度となく繰り返すその光景に、旅する気分を存分に味わえた。夜なのでハッキリわからなかったが、中には営業している旅籠も残っているようなので、ゆっくり休んで、翌日昼間に通っても面白いと思った。
街道を案内する説明版も多くて、中には首切り地蔵や腹切り地蔵など、夜に見たくない名所を通過する。写真を撮るのも怖かったのでダッシュで通過した。
夜ならではの楽しみと言えば、満天の星空だろう。オリオン座がハッキリと夜空に浮かび、ペテルギウスが輝きを放つ。オリオン座の右肩にあるこの星は550光年という時を経て地球上から観測できるので、見えている明るさは550年前の輝きだ。今はもう爆発してその存在が無いかもしれないこの星を眺めながら、550年前もこの街道を歩き、伊勢に向かう人々が存在し、今もその道が残っていることに感慨深く夜空を眺めながら走っていると躓きそうになった。よそ見は危険だ。
奈良県内は見どころが多かったが、三重県に入ると本街道が生活に溶け込んでおり、単調なアスファルト道が続く。軒先のしめ縄に「笑門」と掲げた家も少なくなり、生活道の間を縫うように神宮を目指す。
■ご来光
今回は荷物が多く走れなかったので、補給もペースも最後まで大崩れすることなく淡々と最後まで動き続けられたと思う。夜明け前、朝方の気温は氷点下だろう。駐車中の車は真っ白に凍り、吐く息も真っ白だが、早めにレインパンツとベストを身に着けていたので最後まで快適にジョグペースを続けられた。これは、石舞台で失敗した寒さ対策を克服できたという意味で収穫だった。
おはらい町を通り、鳥居が見える、ついにゴールを迎えた。
頑張ったご褒美は鳥居越しに見えるお天道様からの陽の光。凍てついて、弱った体が一気に回復する最高のパワーチャージだ。
本宮への参拝を済ませ、バスに乗り伊勢市駅近くの温泉へドボン、22時間以上走り続けてボロボロになった胃腸に染みる伊勢うどんを堪能して近鉄特急で帰路へ。
100mileの旅を終えて大満足のはずが、何か違和感が拭えない。レコを書きながら感じる物足りなさ。淡々と距離を刻み、夜中は苦しみ、ご来光も拝めて最高のゴールを迎えられたのに、何かが足りない。いにしえの人々は伊勢を目指し、パワーをチャージした後、再び歩いて帰路についたはず。帰路につく、そうか
行ったら帰る、なんで往復を目指せへんかったんや!
もちろん、内宮に到着した時にその発想は無く、温泉に入って帰ることしか考えられなかったことは間違いない。しかし、温泉に入って仮眠した後、再び走り出して帰路についていたらどうなっていたのだろう。夜通ったところは昼になり、途中で心折れたら旅籠で一泊して帰ることも出来たかもしれない。往路22時間、復路が30時間としても3連休の間には帰ることが出来た。いや、足の状態を考えたら絶対に出来もしなかった。無謀で勝手な妄想と、出来たかもしれないという理想を求める葛藤が頭を巡る。
100mileの先へ。
鳥居の先に見えたご来光は、新たな挑戦へのメッセージだったのかもしれない。
知らんけど。
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