リビラ山
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 1,134m
- 下り
- 1,133m
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| 天候 | 曇のち雪 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
尾根線は規模はそれ程では無いが岩の露出した所がある |
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感想
ゲスト
5年前の2009年9月21日、北海道に来て初めて(未だに唯一)の里平自然愛好会のメンバーとリビラ山1291mへ登りました。夏山ガイド(北海道新聞社)�い貿濛�俊先生に写真とコース状況を提供しました。リビラ大滝からの道は廃道に近く、リビラ自然愛好会、特にKさんを中心としたメンバーで、山頂まで「藪漕ぎ」の一切無い道が開かれていました。今回は、本当は貫気別山からリビラ山の周回を目指しました。日帰りで周回した記録は調べた限り見当たりません。私の実力を超えているのは、理解していましたが、冒険心が先立ちました。最後にとんでもない結末が待っていようとは、「想定外」でしたが。
徳舜瞥山で、私も鼻と右耳に1度の凍傷を負いました。-10℃の除雪終点を、しっかり防寒具を着用して出発しました。当然長丁場なため、明るくなってすぐの出発です。除雪されていない林道は、スノーモービル(林業か狩猟関係者と思われる)の痕跡で圧雪されて、助かります。貫気別山への左の分岐を探しながら歩きましたが、見落としました。まさか、貫気別川の河原へと続くスノーモービルの跡が「道」だと気付いたのは帰り道でした。地形から、リビラ川に沿って林道が延びており、リビラ川を渡渉した時点で予定を反対の周回に変更しました。
視界の効かない深い谷の林道終点近くに、ピンクテープが目立ちましたが(写真の方向ですが小さくて写真では見えません)、方向は反対です。林道終点から、リビラ山へ直登する尾根に取り付きました。GPSを持たない主義なので、確信は「読図」と「経験」のみです。初めてのコースは緊張します。この緊張感にはまっています。間違えれば「撤退」ですから。
尾根線は、初めは予想通りの急勾配に喘ぎます。そして、クラストしていない、徐々に深くなる雪のラッセル！一人でラッセルするのが「単独行」。登頂した時の征服感は格別ですが、グループで登れば、史上初かも知れない、リビラ山-貫気別山の積雪期日帰り周回も可能だったと思います。体力の消耗は激しく、膝とスノーシューで這う様にラッセルしました。そのため、手袋もストックも凍り付き、アウターから雪が侵入し溶けて汗と混じり、休憩時には「汗冷え」しました。
尾根線900mを超えた地点で、迂回できない岩場があり、幸い木が生えていたので、腕力でよじ登りました。もう、握力も限界の疲労です。でも、懐かしいリビラ山へと続く稜線が展望出来、モチベーションを保ちました。あの岩場の下降は嫌なので周回あるのみ！
標高1100mになり、ようやくクラストして歩きやすくなりました。リビラ山は5年振りなのに、手厳しく風雪で迎えてくれました。視界が利かず残念でしたが、8時間弱におよぶスーパーラッセルの末の登頂に思わずガッツポーズ。しかし、既に体力の余力はありません。汗冷えした体に、風雪で、いつもの様に昼食休憩が出来ません。
貫気別山への稜線は、風雪で視界の利かない中、地形判断だけが頼りです。その、地形も足で距離と標高差を感じるため、森林限界以下の稜線では視界は不要ですが、晴れた雪山の美しさ、幌尻を初めとした展望が楽しめれば、辛さを超えた喜びがあるのですが。15時貫気別西尾根分岐でタイムアウト。分岐と言っても、何も目印はありませんが、私の足と、目が分岐と判断しました。貫気別山は全く見えず、下山開始です。
噂の岩壁の展望も諦めて居ましたが、雪が止み、通称「ガンケ」が見えてきたではありませんか！写真では分かりませんが、右側に氷結し青く輝く立派な滝まで見えています。この大展望を独り占めです。「単独行」の辛さに勝る醍醐味にしばし恍惚とした時間が流れました。貫気別山が、またおいでと誘ってくれている様でした。貫気別西尾根へ周回した甲斐がありました。
尾根も標高1000m位から、クラストしておらず、はまる様になりました。そして、尾根線下部で予想通りというか地形から当然ですが、岩場の上に出ました。少し戻って、沢地形を反時計回りに旋回する様に下りました。17時、貫気別川の源頭部に到着すると、西日まで差してくれました。
貫気別川の下降は、深い雪に覆われ、落とし穴に何度も落ちました。疲れた体で、最後の気力も、無事に帰りたいと思う気持ちだけが支えていました。谷はすぐに暗くなり、月明かり（満月に近い）を頼りに歩き、ヘッドライトをリュックから出す気力も残っていませんでした。深い粉雪に苦しみながら、足取りも遅くなるばかり。ようやく、林道に着くと、今度は分岐を間違え（ルート地図に表示）林道をいつまでも登るため、座って、携帯で地図を照らして間違えに気付きました。タイミング良く心配した家内からの電話がかかり、すぐに出られました。
1時間以上のロス。おまけに疲労を加えましたが、月明かりの林道は「雪明り」で白く明るく、見つけられなかった貫気別山の分岐を確認して、22時7分愛車に辿り着きました。
予定していた二風谷温泉もタイムアウト。「予の辞書に寒いという言葉は無い」とうそぶいていた私は、雪と汗まみれになったアウターを脱ぐと、汗冷えに震えました。車の暖房も20℃から25℃にあげ、シートヒーターを初めて使いました。家族に心配をかけましたが、充実した山行でした。貫気別山は、雪が締まってからにします。晴れた日に、青空に映える「ガンケ」の展望を夢見て。
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