記録ID: 4167571
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
谷川・武尊
【踏抜地獄】谷川上越国境主脈縦走(吾策新道up→万太郎→仙ノ倉→平標→ヤカイ沢down)
2022年04月10日(日) 〜
2022年04月11日(月)
motch
その他2人
体力度
5
1泊以上が適当
- GPS
- 21:49
- 距離
- 21.7km
- 登り
- 2,127m
- 下り
- 1,863m
コースタイム
1日目
- 山行
- 9:30
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 10:06
19:26
天候 | 1日目:終日快晴 2日目:AM晴(雲量2-5)、PM快晴 2日とも日中は微風で非常に気温が高かったが、夜は例によって強風が吹き荒れて寒かったため、ダウンを着用。 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
吾策新道:登山口前まで除雪済みだが途中あちこち水浸し。目一杯詰めて4台くらい。 平標山登山口:4/9からオープン。係員は不在。自販機、トイレも使用できない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
常時トップを歩行。 出会った人は吾策新道で下りの2人パーティ、そこからは仙ノ倉山まで誰とも会わず。仙ノ倉山で2名、平標山から先は結構人がいた。 歩行用デバイスはわかん、12本アイゼン、念のためチェーンスパイク。手はピッケルとストック。同行者はわかんの代わりにスノーシュー。スノーシューは急な下りで使いづらい。遊びでヒップソリを持ってきたが、ヤカイ沢以外は使えそうな余裕がなかった。ヤカイ沢もシリセードで十分だった。ぼくは常時ピッケルで1度もストックを使わなかった。 ギア類は最低限用意したが、使う場面はなかった。吾策新道からの万太郎山直下では使ってもいいかなと思える箇所があった。 吾策新道の稜線まで:急傾斜だがツボかわかんキックステップでOK。概ね夏道沿いで良いが、沢地形に入り込まず、尾根地形を選びながら歩く。 吾策新道の稜線〜万太郎山基部:稜線まではうっすらトレース、そこからはノートレース。融雪は進んでいるものの、基本的には一面雪。途中3箇所リッジあり。1つ目のリッジが一番細く、3つ目のリッジが最も雪庇が発達している(東:谷川岳側)。1つ目のリッジから12本アイゼン装着。雪庇と地形をよく見てより安全なルート取りをすることが重要。ルート選択ミスが大事故に繋がりかねない。 万太郎山基部〜万太郎山:万太郎山基部付近で2人パーティとすれ違ってからはトレースあり(深謝)。基本夏道沿いだが午後で雪グサグサ、夏道は概ね埋まっているが、ところどころ埋まっていないところもあり、大変歩きにくい上に序盤以上の急登。気温が高い割に雪が多かったため、コンディションは最悪に近かった。ルンゼ地形には基本的に入り込まないこと。夏道で南側を巻くところは急なトラバースな上に日が当たるため雪崩のリスクが極めて高い箇所と判断し、夏道通りに巻かずに日が当たりにくい急斜面を直登した。心配ならロープでビレイしながら登るのもありだが、時間との戦い。 越路避難小屋:開いていた。ありがたく使わせてもらった。定員は4-5人。 万太郎山〜毛渡乗越:此処から先は常時アイゼン装着。踏み抜き多し。雪の色とか雪庇の発達加減を判断しながらの歩行が求められる。滑りやすい箇所あり。 毛渡乗越〜仙ノ倉山:仙ノ倉東側の直下は融雪が進み半分以上夏道通し。常に踏み抜きとの戦い。 エビス大黒避難小屋:中側で何かが引っかかっていて開いていなかった。氷塊?定員は2-3人らしい。 仙ノ倉山〜平標山:仙ノ倉西側直下の階段は露出。隣の小ピークを巻くトレースがあるが、雪がグサグサなので巻かず夏道沿いに歩くほうが楽なのか判断が難しい。平標東側の直下の階段はほぼ露出。 ヤカイ沢:わかんに付け替え。冬ルート、山スキーのメッカ。融雪進んでおり、山スキールートである沢の右岸(上流から見て右側)は雪崩がところどころ発生している。徒歩は左岸の森林帯に明瞭な踏み跡あり。積雪がしっかりしていてザラメ状なので踏み抜きが少なく、これまでに比べれば歩行速度のコントロールも容易で、比較的安全に下ることができる。ただし、踏み跡が途中で沢沿いや沢の上など、危険な箇所についていることあり。踏み跡に頼り切らず、地形を判断して安全なところを歩く。とにかく長いが、雪がべっとりついている松手尾根(無雪期の最繁ルート)を下るよりは遥かにマシ。 |
その他周辺情報 | 湯沢町営の浴場があちこちにあるが、土樽の岩の湯が21時まで開いている。500円。内湯のみのシンプルな作りだが、ゆったりできてよい。 https://www.e-yuzawa.gr.jp/sys/hotspring_p/土樽共同浴場-「岩の湯」/ |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
雨具
ゲイター
バラクラバ
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
アイゼン
ピッケル
ビーコン
スコップ
ゾンデ
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
シェラフ
ヘルメット
スノーソー
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感想
残雪期の谷川。
谷川はいつ行っても素晴らしい山域だけれど、この時期が最も好きで、幾度か会いに行っている。
そして今回が最も好天、多量の積雪、そして高温に踏み抜き地獄と、良さと厳しさが凝縮した過酷な2日間だった。
吾策新道は以前、残雪期に降ったことがあって、クラックまみれの崩れかけのルート、そして急斜面の様相をよく覚えていた。
しかし、その時とは雪の量が比ではなかったこと、そして気温がずっと高く、雪がグズグズに腐っていたことで、進むために必要な時間もまたその時とは比べ物にならなかった。
しかし、正月にラッセル地獄を味わっていたことで、腐った雪の中を進むことに、不思議と不快感はなかった。
いや、もともとぼくはこういう不快指数の高い登山が好きなのだ。
過酷さは何も荒天やアルパインだけではない。腐った雪の上を、時々もがいたり、時々だましだまし抜き足差足で通り抜けたりと、敵いっこない強大な自然と対峙することもまた過酷さの一つであり、お山の楽しみ方のひとつなのだと思う。
2日間で21時間超の行動時間。1日目は日没ギリギリで主脈まで詰め上げ、避難小屋まではヘッデン行動。2日目は沢筋を滑り降りてなんとか明るいうちに下山。
この季節、この天候だから完歩できた計画であると言える。
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