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Yamareco

記録ID: 4803177
全員に公開
沢登り
甲信越

【巻機山】野中沢タキ沢遡行・五十沢川南中尾沢下降・中ノ滝沢遡行

2022年10月15日(土) 〜 2022年10月16日(日)
 - 拍手
体力度
6
1〜2泊以上が適当
GPS
19:54
距離
18.4km
登り
2,537m
下り
2,215m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
8:00
休憩
0:23
合計
8:23
6:29
6:29
42
7:11
7:22
9
7:31
7:38
390
14:08
14:13
29
14:42
宿泊地
2日目
山行
11:05
休憩
0:24
合計
11:29
6:16
428
宿泊地
13:24
13:36
109
15:25
15:26
13
15:39
15:39
6
15:45
15:46
10
15:56
16:05
6
16:11
16:11
44
16:55
16:55
18
17:13
17:13
29
17:42
17:43
2
17:45
ゴール地点
天候 1日目曇り、2日目晴れ
過去天気図(気象庁) 2022年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
車2台使用。1台は桜坂駐車場(駐車場代:1日500円)に置いておき、もう1台で野中沢第2号砂防堰堤へ。
なお、桜坂駐車場は、日帰りでの利用者ばかりのため心配するので、日を跨いで駐車する場合は計画書等をダッシュボードに置いておいてほしいとのこと。
コース状況/
危険箇所等
・タキ沢沿いには径路があり、左俣出合の先までは続いている。
・裏巻機登山道旧道は利用者が非常に少ないが、整備はしっかりされている。
・井戸尾根登山道はオーバーユースがひどい。
その他周辺情報 ・タキ沢中俣は、上信越の谷105ルートでも紹介されている。
・南中尾沢、中ノ滝沢については、登山大系以外に記録を見つけられていない。
・登山大系では、南中尾沢と東中尾沢が地理院地図とは逆になっており、小兜山の位置も1339m峰となっているため、参照時は要注意。
・「巻機山研究」には、中ノ滝沢が上ノ滝沢の名で載っている。
・「渓流釣場事典」では、タキ沢の名称が大滝沢、タキ沢右俣の名称が大沢とされている。

○タキ沢の他の記録
ソーメン滝登攀:https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1179393.html
野中の大滝の下2段:この最下段だけでもかなり面倒そうなので、さっさと巻く
2022年10月15日 06:59撮影 by  SO-02J, Sony
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10/15 6:59
野中の大滝の下2段:この最下段だけでもかなり面倒そうなので、さっさと巻く
野中の大滝の主瀑:水線はハングしていて登れそうにない
2022年10月15日 07:08撮影 by  SO-02J, Sony
1
10/15 7:08
野中の大滝の主瀑:水線はハングしていて登れそうにない
一ノ沢のソーメン滝:この滝はヤマレコで登攀記録を見かけた
2022年10月15日 07:32撮影 by  SO-02J, Sony
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10/15 7:32
一ノ沢のソーメン滝:この滝はヤマレコで登攀記録を見かけた
2段12m滝:見栄えもするし快適に登れて良い滝
2022年10月15日 07:50撮影 by  SO-02J, Sony
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10/15 7:50
2段12m滝:見栄えもするし快適に登れて良い滝
ゴルジュ入口の4m滝を登ろうとするmt-maru:この後断念し、tamoshimaが成功
2022年10月15日 08:05撮影 by  DSC-RX0, SONY
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10/15 8:05
ゴルジュ入口の4m滝を登ろうとするmt-maru:この後断念し、tamoshimaが成功
ゴルジュの出口にある巨大なCS
2022年10月15日 08:20撮影 by  SO-02J, Sony
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10/15 8:20
ゴルジュの出口にある巨大なCS
見事な空中CSを持つゴルジュ:滝が登れないのが残念。
2022年10月15日 08:42撮影 by  SO-02J, Sony
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10/15 8:42
見事な空中CSを持つゴルジュ:滝が登れないのが残念。
三俣の中央の12m滝を登攀するmt-maru:この後右へトラバースし、藪を登攀。
2022年10月15日 09:58撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/15 9:58
三俣の中央の12m滝を登攀するmt-maru:この後右へトラバースし、藪を登攀。
940m二俣の両門の滝:左の滝を登ったが、悪かった。滝の間の凹角から巻ける。
2022年10月15日 10:47撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/15 10:47
940m二俣の両門の滝:左の滝を登ったが、悪かった。滝の間の凹角から巻ける。
南中尾沢の3段15m滝を懸垂下降するtamoshima
2022年10月15日 12:52撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/15 12:52
南中尾沢の3段15m滝を懸垂下降するtamoshima
南中尾沢の7m滝を懸垂下降するtamoshima
2022年10月15日 13:22撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/15 13:22
南中尾沢の7m滝を懸垂下降するtamoshima
4m滝は、古そうな残置ハーケンの穴に直接お助け紐を通してゴボウで下降
2022年10月15日 13:35撮影 by  DSC-RX0, SONY
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10/15 13:35
4m滝は、古そうな残置ハーケンの穴に直接お助け紐を通してゴボウで下降
中ノ滝沢のゴルジュの始まりの2段9m滝
2022年10月16日 06:22撮影 by  SO-02J, Sony
10/16 6:22
中ノ滝沢のゴルジュの始まりの2段9m滝
最初のゴルジュの出口にある8m滝と、オブザべするmt-maru
2022年10月16日 06:38撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 6:38
最初のゴルジュの出口にある8m滝と、オブザべするmt-maru
12m滝:左から微妙なトラバースで小さく巻いた
2022年10月16日 07:11撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 7:11
12m滝:左から微妙なトラバースで小さく巻いた
13m滝:滝が続けざまに出てきて休まる暇がない
2022年10月16日 07:28撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 7:28
13m滝:滝が続けざまに出てきて休まる暇がない
13m滝の直後の10m滝
2022年10月16日 07:42撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 7:42
13m滝の直後の10m滝
上記の滝をチムニー登りするtamoshima:この後は藪をモンキークライム
2022年10月16日 07:51撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/16 7:51
上記の滝をチムニー登りするtamoshima:この後は藪をモンキークライム
10m斜瀑:ぬめっていなければ快適なのだが、ぬめっているので気を遣う
2022年10月16日 08:39撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 8:39
10m斜瀑:ぬめっていなければ快適なのだが、ぬめっているので気を遣う
7m斜瀑を登るmt-maruとyamakurumi:ぬめりが強くてたわし必携
2022年10月16日 08:49撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 8:49
7m斜瀑を登るmt-maruとyamakurumi:ぬめりが強くてたわし必携
急に出てきた狭いゴルジュ:この奥に2m滝があるが、簡単
2022年10月16日 08:55撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/16 8:55
急に出てきた狭いゴルジュ:この奥に2m滝があるが、簡単
5mCS2条の滝:大した事なさそうに見えるが厄介で、空荷でショルダーしてようやく突破
2022年10月16日 09:00撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 9:00
5mCS2条の滝:大した事なさそうに見えるが厄介で、空荷でショルダーしてようやく突破
この10m滝は右から簡単に巻けてありがたい
2022年10月16日 09:23撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 9:23
この10m滝は右から簡単に巻けてありがたい
登れない滝が続くが、巻きはそれほど苦労しない
2022年10月16日 09:49撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 9:49
登れない滝が続くが、巻きはそれほど苦労しない
左岸の岩峰が立派
2022年10月16日 09:54撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/16 9:54
左岸の岩峰が立派
簡単に巻ける4m滝で頑張るtamoshimaと、巻いて見下ろすmt-maru
2022年10月16日 10:21撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/16 10:21
簡単に巻ける4m滝で頑張るtamoshimaと、巻いて見下ろすmt-maru
11m滝:こんな滝が多いが、これも割と巻きやすい
2022年10月16日 10:49撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 10:49
11m滝:こんな滝が多いが、これも割と巻きやすい
大滝手前の5mCS滝を登ろうとするtamoshima:この後失敗し、mt-maruが突破
2022年10月16日 11:19撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/16 11:19
大滝手前の5mCS滝を登ろうとするtamoshima:この後失敗し、mt-maruが突破
2段45m大滝の全景:スラブが非常に立派
2022年10月16日 11:33撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 11:33
2段45m大滝の全景:スラブが非常に立派
大滝の1p目をフォローするyamamkurumi:ロケーションが素晴らしい
2022年10月16日 12:06撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 12:06
大滝の1p目をフォローするyamamkurumi:ロケーションが素晴らしい
大滝の2p目をリードするmt-maru:登攀内容も素晴らしい
2022年10月16日 12:27撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 12:27
大滝の2p目をリードするmt-maru:登攀内容も素晴らしい
大滝の2p目の登攀中に、1p目の終了点を見下ろす
2022年10月16日 12:45撮影 by  DSC-RX0, SONY
10/16 12:45
大滝の2p目の登攀中に、1p目の終了点を見下ろす
大滝の上も、開放的な沢が続き素晴らしい
2022年10月16日 13:50撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 13:50
大滝の上も、開放的な沢が続き素晴らしい
絶景をバックに快適なスラブを登るtamoshima
2022年10月16日 13:52撮影 by  DSC-RX0, SONY
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10/16 13:52
絶景をバックに快適なスラブを登るtamoshima
このまま平穏になって沢は終わるかと思った頃に出てくる、8m滝
2022年10月16日 14:14撮影 by  DSC-RX0, SONY
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10/16 14:14
このまま平穏になって沢は終わるかと思った頃に出てくる、8m滝
今度こそ終わりかと思った頃に出てくる、ダメ押しの8m滝と、
2022年10月16日 14:27撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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10/16 14:27
今度こそ終わりかと思った頃に出てくる、ダメ押しの8m滝と、
直後にある10m滝:これらはまとめて左から巻ける
2022年10月16日 14:32撮影 by  SO-02J, Sony
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10/16 14:32
直後にある10m滝:これらはまとめて左から巻ける
最後の滝らしい滝、2段8m滝は、簡単だが物凄くぬめる
2022年10月16日 14:42撮影 by  DSC-RX0, SONY
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10/16 14:42
最後の滝らしい滝、2段8m滝は、簡単だが物凄くぬめる
遡行図(一部滝の落差は実測)
2022年10月17日 22:30撮影
10/17 22:30
遡行図(一部滝の落差は実測)

装備

備考 ・ロープは50mハーフ1本と、50m細引き1本。50mハーフのみで十分だった。
・タキ沢はフェルトソールの方が良い。中ノ滝沢はぬめりが酷いものの、乾いた部分も多いのでラバーの方が良い。

感想

【計画の経緯】
この週とその前の週は、新潟県内在住のyamakurumiと行くことになったため、車が2台使える。車2台が有効活用できるルートで、秋に丁度良さそうな水量のルートということで、今回の継続遡下行を企画した。
前の週は悪天候により実行できなかったため、この週に行くことになった。

【山行】
○野中沢タキ沢遡行
5年前、2017年にジロト沢左俣(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1358300.html
)に来て以来の、野中沢流域。あの頃とは、一緒に沢に行く仲間も変わったし、自分も変わった。そんなことを思いながら最初の堰堤を巻いていく。径路は最近整備されたばかりのようで明瞭で、ジロト沢や左俣の出合を過ぎても続き、ゴーロ歩きを結構ショートカットできてよかった。
径路も微妙になってきたので沢に入ると、ぬめりが酷い。先が思いやられる。暫くで右俣出合となり、左手には野中の大滝。豊野さんは登れそうなんて書いているが、そんな代物ではなく、触りもせずに巻く。巻き道は微妙に踏まれていて、マイナー沢なのに意外だと思ったが、滝上の魚影が濃かったので、釣り師でも入っているのだろう。大滝は立派だが、写真を撮りやすい場所がないのは残念。巻いている途中、底が見えないほどの深い岩の割れ目があったのが印象的。
大滝を巻き終えると沢はまた平凡になるが、魚影が濃い。mt-maruが釣り具を忘れたことを悔しそうにしていて、手掴みを試みていたが、うまくいくことはなかった。途中で右からソーメン滝が落ちる。ヤマレコで登った記録を見たが、う〜んという感じ。
暫くすると側壁がスラブ状になってきて、本流には2段12m滝。これは左から快適に登れてなかなか良い。ゴルジュの始まりの、ややハングした4m滝は、mt-maruがトライして駄目だったので、巻こうかと思ったが、巻きも割と面倒なことがわかり、tamoshimaがトライ。何とか登れたので、豊野さんが巻いていたこのゴルジュは突破できた。
ゴルジュが終わると二ノ沢と左沢が入ってきて、進むこと少しで宙に浮いたCSのあるゴルジュが見える。これはなかなかの景観。その下の滝が登れれば尚良かったのだが、相当厳しそうな上に激シャワーは免れないので、右の枝沢から巻く。ゴルジュの立派さの割に楽な巻き。
その先は雪渓が遅くまで残っていたような雰囲気の場所があるが、特筆点はなく、853m三俣となる。コルに詰めるためには中央の沢だが、出合の滝を巻くルートには現役の蜂の巣があったのもあり、mt-maruリードで直登することに。下部はぬめって脆いが簡単で、上部は右から巻き気味に登るという、微妙な滝だった。
三俣を過ぎたあたりから沢のぬめり度合いはさらに増し、結構不快。940m二俣では両側に滝があって、tamoshimaは直登したが、落ち口がぬめって一歩が出ず、巻いたmt-maruからお助けをもらう始末。
その後もぬめる滝が続き、水が涸れかけた最後の2つの滝は厳しいモンキークライム。それを見ていた他の2人は巻いていたが、それが正解かも。これが終わるとすぐにコルで、詰めがほぼないのはとても良い。

○南中尾沢下降
コルから少し下るとすぐに沢型が出てきて、水も間もなく出てきて、なかなか良い。最初に出てきた滝らしい滝である3段15mは、いきなり懸垂下降となり、捨て縄をして懸垂。一応ロープ連結したが、1本でもよかった。
登山大系ではこの沢は顕著な滝が1つと書かれていたので、もう何もないかと思っていたら、そんなことはなく、ゴルジュ状の中に滝が出てきて、また懸垂下降。親指より少し太い程度の灌木に捨て縄したが、先週の雲竜瀑に比べれば安心感は段違いである。ゴルジュの最後の滝も懸垂下降だったが、ここには古びた残置ハーケンがあり、それを使った。
この沢最後の5m滝は、手も足も横向きの木に頼るクライムダウンとなり、浮遊感を味わえるなかなか珍しい物だった。
五十沢川に合流し、少し下ると登山道が交わって、昨年の下ノ滝沢の遡行時にも来たことが思い出された。

○中ノ滝沢遡行 1日目
五十沢川を少し下り、下ノ滝沢に入るが、ぬめりが酷い。昨年は、こんなにぬめった覚えはないのだが…中ノ滝沢の遡行もぬめりに悩まされそうで不安になる。
5m斜瀑をぬめりに悩まされながら巻いて少しで中ノ滝沢出合となり、中ノ滝沢に入ると、やはりぬめる。げげーっ
少し進んだところで平流となり、目論見通り幕営適地を発見。この先暫くは適地がなさそうなので、まだ2時台だが行動終了。

○幕営
この日の幕営は、非常にうまくいって、なかなか快適だった。もともと平らな場所だったし、整地も時間をかけられたし、焚火も飯炊きもうまくいったし、カレーもおいしくできた。
失敗したのは、ポップコーンの弾けが悪かった(油が足りなかった?)のと、パスタソースで2人分が同じ袋に入っていると思ったらそれが1人分で、味が薄いのを食べる羽目になった人がいたことくらい。
今回のパーティはぶなの会と山登魂と無所属の混成とあって、それぞれの流儀の違いがわかり、なかなか面白かった。

○中ノ滝沢遡行 2日目
6時出発を目指していたが、少々遅れた。出発するといきなりゴルジュで、しかも悪そうな2段9m滝が。しかも、朝一で胸まで浸からないと取り付けない。登山大系ではこれを巻いているが、巻きは大変そうなので、とりあえずtamoshimaが取り付いてみると、ぬめりが厄介だがフリーで登れた。これは幸い。
次の滝は問題なく、ゴルジュの抜け口に8m滝が出てきて、厳しそう。mt-maru、tamoshimaがノーロープで取り付いてみたが、やはり厳しいのでロープを出してmt-maruリード。プロテクションを取れれば悪いムーヴもこなせ、フリーで登れた。ゴルジュ突破に成功して嬉しい。
ゴルジュはいったん途切れたものの、滝は続く。幸い、登れない滝も小さく巻けるものばかりで、巻きもそれなりに面白い。まとめて巻くことも出来そうだった10m滝は、左凹角でチムニー登りが楽しめそうだったので、tamoshimaリード。上部はモンキークライムになって微妙だったが、下部は予想通りワイドが結構面白かった。
ぬめる斜瀑を2つ越え、狭いゴルジュに落ちる2m滝を登ると、今度は厳しいCS滝。ここはショルダーでyamakurumiが突破し、後続はお助け紐でゴボウ。なかなか面白い。
この先は直登できない滝が続くが、巻きは容易で、ペースは上がる。進んでいくと、両岸ともにスラブで、左岸には岩塔もある素晴らしい景観が展開。これは良い沢を発見したと、テンションアップ。
大滝が左から落ちるのが見えると、5mCSが行く手を阻む。遠目には厳しそうに見えたが、近づいてみると登れなくもなさそうということで、tamoshimaから取り付いてみたが、滑ってフォール。次にmt-maruが見事突破し、後続はお助け紐使用。一癖あって面白い。
さて大滝は、大系では巻いているが、空中写真等から想定したとおり、登れそうに見える。mt-maruもリードしたそうだったが、流れ的にtamoshimaが1ピッチ目をリード。出だしのトラバース以外は超快適で、滝の右を50m弱伸ばし、2.5cmくらいの灌木にカムとハーケンを追加してピッチを切る。次のピッチは難しいスラブに見えたが、mt-maruが行ってくれるとのことで、リードを任せる。なんだか怖々登っている感じだったが、見事リード成功。いざフォローしてみると、フォローでも厳しいレベルのクライミングだった。オンサイトしたmt-maru、素晴らしい。きっとこの滝は初登だろう。なお、落ち口付近は左岸が厳しく、右岸の方が易しそうであったが、右岸を登る場合は、どこで水流を横断するかが問題となるであろう。
大滝を越えても小滝は続くが、厳しい物はなく、ぬめりにだけ注意すれば問題ない。登山道も交わってきて、エスケープもできるが、勿論しない。
登山道以降はやや平凡となるが、相変わらず美しい景観は続き、紅葉が見頃なことも相まって、素晴らしい。いくつも滝を越えていき、右岸から支流が入り、平凡になってきたのでもう終わりかと思ったところで、登れない8m滝がでてきて、まだあるのかと思う。これを左から巻いていくと10m滝も眼下に見え、やはり登れないのでまとめて巻く。初めて、この沢に入って大高巻きをしているような気がする。
最後に超ぬめる滝を登り、二俣を右に入ると、ついに水は涸れ、今度は三俣。もう詰めようということで、右を選ぶと、草原を少し登るだけで登山道に合流。いやー、全く素晴らしい沢だった、ぬめりが多いこと以外は。

○登山道
牛ヶ岳まではまだ170mくらいの登りがあり、結構疲れていたこともあってなかなか大変。が、こんな利用者の少ない登山道もばっちり整備されていて、頭の下がる思いである。いつ廃道になってもおかしくないので、早めに来ておいて良かった。
牛ヶ岳を過ぎると登山道は急に立派になり、とても歩きやすい。廃道のはずなのに道標が残っている朝日岳方面への分岐を経て、2度目の山頂。限界まで積まれたケルンが印象深い。
避難小屋まで下ったところで休憩し、ここから一気に下山。紅葉は相変わらず綺麗で、紅葉の中に聳える割引沢の天狗岩は興味深い。途中まではそんな景観を楽しんだが、しまいには延々続く登山道にうんざりし、ぎりぎりヘッドライトを使わずに済む時間に下山した。

【感想】
会の枠を超えた若手3人で、記録の非常に少ない3つの沢を繋げた山行をやり遂げることができ、しかも中ノ滝沢の遡行価値が予想以上に高く、大滝まで直登でき、極めて充実した山行ができた。1泊2日の沢の満足度としてはほぼMAX。

【総評】
・タキ沢は、宙に浮いた見事なCS以外に大した見どころがなく、下山が面倒なこともあって、あまりお勧めできない。枝沢の方が遡行価値があるかもしれないが、やはり下山に悩むことになるだろう。
・南中尾沢は、タキ沢の下山路として利用価値があるが、わざわざ行くような沢ではない。
・中ノ滝沢は、ゴルジュとスラブと滝が飽きることなく続き、非常に遡行価値が高く、お薦めできる。ぬめりが強いのだけが難点だが、行くタイミングよってはさほど気にならない可能性もある。集水域の狭さから、沢の長さの割に水は少ないので、秋にお薦め。紅葉も美しい。なお、今回はハイペースだったのでほぼ日帰りで遡行しているが、一般的なペースであれば、1泊2日かけて丁度の沢だと思う。ただし、幕営適地は少ないので要検討。

中ノ滝沢の出合は下ノ滝沢と比べ明らかに貧相で、人気が無い理由がよく分かる。ゴルジュもどうせ巻きだろうと期待していなかっただけに、良い意味で期待を裏切られた。
ご一緒させていただいた二人がやたら強くて速いので、写真を撮りつつ後ろをついて行くだけとなってしまったが、フォローに徹しても十分に楽しめるくらい密度の濃い沢だった。紅葉もとても綺麗で、目にも楽しめた。
車のデポ要員として以外ろくに仕事せず、少し申し訳無い気持ちはありますが…。
二人ともありがとうございました!またよろしくお願いします。

中ノ滝沢は、下ノ滝沢に気を取られて自分だけでは行かなかっただろう沢。1日で遡行したのでヘトヘトだったが、強烈に印象に残った。畏縮させてくるゴルジュ内の小難しい滝たち、フレークを掴んで攀じった爽快な大滝、詰めの草原。美しかった。アプローチが他の沢の遡下降だったのも良い。L、ナイスな計画をありがとうございました!

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