八甲田雛岳 Deep powder(雪崩を目撃)
- GPS
- 05:20
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 720m
- 下り
- 701m
コースタイム
- 山行
- 5:08
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:08
天候 | 雪、強い西風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・八甲田全域で雪質の不安定さや雪崩発生の情報が複数人からあり。 雛岳では北東オープンバーンでスキーヤー誘発の雪崩が発生。 走路は500m以上で、ご本人の記録から推定サイズは2〜2.5。 今回の雛岳の状況についての詳細は、ふくろうの感想欄をご覧ください。 |
写真
感想
北東北遠征三日
本日は雛岳
先行者のラッセルをありがたく使わさせていただく、素晴らしいルートとり
ありがとうございました
登攀中のキックターンでも微妙に雪が崩れている状況
ピットチェックの結果、満場一致で標高を下げる選択
F氏の事前偵察のおかげで素晴らしい斜面を滑れました
雪は今シーズン一番のツリーランでした
八甲田の女神、F氏に感謝です
さて雪の具合はいかがなものかとチエックをしてみれば、シーズンに一度か二度くらいある危険な状況に遭遇しました。そこでルートを変更して、ふくろうさんの開拓地に移動することに。
沢を速やかにトラバースして登り返しの準備をしていると、異音に気づきました。
久しぶりに聞く嫌な音と共に、雪煙が上がりました。恐るおそる沢床を確認してみるとデブリの跡が、もう少し沢を渡るのが遅かったらと思うとぞっとしてしまいます。
気持ちを入れ替えて、最後はオーバヘッドのディープパウダーを楽しみましたが、あの状況でセイフティーな判断ができたのは、このメンバーだからできたのではないかと思います。今回も行動してみて感じましたが、お互いのことを思いやり、良い判断ができて安心して行動できるメンバーだと思いました。またどこかの山に挑戦してみたいです。
前日までの昇温と日射、その上に降雪と強風という悪条件で、この日の八甲田はあちこちで雪崩が発生したようです。
雛岳では樹林帯でも風当たりの強いところではスラブが剥がれたりクラックが走ったりと、相当悪い感触。
滑りたかった斜面側、C1,020付近で弱層テストを行ったところ、案の定シャベルをそっとあてただけで、↓15cmの新雪と旧雪の境界が破断(SC)しました。恐怖。
アクティブチェックとピットチェックの結果が結びついたことで、計画を断念することに対し納得ができました。
このまま樹林を滑るにしても、うねりが多くあまり雪質も良くなさそう。
そこで、今シーズン2度に渡って開拓してきた東側のルートを思いつき、危険な尾根は早々に撤退して風の影響のない東の尾根を登り直しすることにしました。
安全と思われるところまで高度を下げたところで、そちらの尾根へと沢を2本越えて移動します。
滑走が最も上手な先頭がまず沢に少し入り、雪が安定していることを確認。
無線でこまめに連絡し合いながら、安全のため1人ずつ素早く滑って渡ります。
他のメンバーは皆が渡る間周囲を警戒してくれます。
沢の中は雪に不安定さは感じず、良質なパウダーでした。
2本の沢を越えた尾根上で、登り返しのためシールを貼っていたところ、たった今渡った背後の沢の中を雪崩が走っていきました。
時刻はちょうど11時頃。
私は仲間に言われるまで全然気が付きませんでした。
振り向くと雪煙を上げながらかなりのスピードで、しばらくの間沢を雪が流れていきました。
仲間によれば、ドン!という音が2回したとのこと。
また、最初は地震かと思ったとのこと。
安全な尾根上にいるのに、恐怖で思わず皆板を持ってさらに奥へと逃げました。
雪崩の瞬間を目の前で見たのは初めてで、とても怖かったです。
あとで聞いたところによると、沢の約500m上部のオープンバーンでの、スキーヤー誘発による雪崩だったようです。
今後は自分たちの下に、上に、誰かがいるかもしれない可能性も頭に入れて、より慎重な判断を心掛けたいと思います。
また、今回はもっと高度を下げたところで沢を渡るべきだったなとも反省しています。
最後に、少しでも多くの方に雪崩の怖さが伝わり、リスクに対する意識が高まれば良いなと思い、今回ピットチェックの様子を撮った動画をYouTubeにアップしましたので、ぜひご覧ください。
※尚、安全な尾根に移動してからのツリーランは、素晴らしいコンディションで最高でした!(ディープパウダーでオーバーヘッド!)
とにかく雪崩について、とても勉強になる山行でした。私たちパーティーだけでなく、あのコンディションで山頂まで行った他の大勢の人たちも全員無事に下山できて良かったと思います。
メンバーのピットチェックからのルート変更判断、目の前で雪崩を見て肝を冷やしたことで、これまでの自分の雪崩に対する甘さを思い知りました。
これまで私が楽しかったね、と笑って下山できた山でも一歩間違っていれば雪崩を起こしていたかも、、下に人がいて、巻き込んでいたら、、雪崩を引き起こした今回のパーティーになりかねない行動をしていたこれまでの自分を反省。
大切なことを教えてくれた頼もしいメンバーに感謝!
そして、ふくろうさんの開拓地のパウダーの楽しいこと!素敵な場所に案内してくれてありがとう。
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