記録ID: 5229650
全員に公開
アルパインクライミング
槍・穂高・乗鞍
日程 | 2023年02月25日(土) 〜 2023年02月26日(日) |
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メンバー | , その他メンバー1人 |
天候 | 1日目晴れ 2日目晴れ 気温−8度〜0度 |
アクセス |
利用交通機関
通行止めゲートまで
車・バイク
経路を調べる(Google Transit)
|




地図/標高グラフ


標高グラフを読み込み中です...
コースタイム [注]
1日目
穂高発(5:15)入山(6:30〜7:00頃)高瀬ダム(8:15)金時の滝(9:15)ベース(11時頃)正面壁偵察(12〜16時)
2日目
大凹角取り付き(6:30)登攀開始(7:00)1pリード終了(8:30)2p目リード開始(9:15)3p目リード終了(11:40)4pフォロー終了、チムニー取り付き(13:10)5p目フォロー着(15:00)6p目リード終了(16:40頃)右稜の頭(16:50)最後の懸垂(21:20)ベース帰着(22:00)下山開始(22:30)入山ゲート(25:45)
穂高発(5:15)入山(6:30〜7:00頃)高瀬ダム(8:15)金時の滝(9:15)ベース(11時頃)正面壁偵察(12〜16時)
2日目
大凹角取り付き(6:30)登攀開始(7:00)1pリード終了(8:30)2p目リード開始(9:15)3p目リード終了(11:40)4pフォロー終了、チムニー取り付き(13:10)5p目フォロー着(15:00)6p目リード終了(16:40頃)右稜の頭(16:50)最後の懸垂(21:20)ベース帰着(22:00)下山開始(22:30)入山ゲート(25:45)
予約できる山小屋
七倉山荘

コース状況/ 危険箇所等 | 唐沢は所々雪崩発生箇所あり。C沢は巨大な雪崩跡あり。 |
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過去天気図(気象庁) |
2023年02月の天気図 |
装備
個人装備 | 宿泊装備 登攀装備 ダブルロープ60m |
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共同装備 | キャメロット#3まで1セット イボ2 アイスフック大小3 ハーケン(使わず) ナッツ小さめ(使わず) トライカム4個(使わず) アルパインドロー各自5〜6本 スクリュー10本(ベースに置いてった) |
備考 | イボ3本あってもいい |
写真
感想/記録
by gt2010
先週上高地周辺では24時間雨量が100mmを越えるような雨が降り、1週間気温は高めで推移した後の冬型というタイミングの週末。別エリアのアルパインアイスを計画していたが、唐幕に変更した。二人ともここに来るのは初めてだ。1週間降雪もほとんどないため雪崩コンディション的には問題ないと判断した。
アプローチ初日は中央ルンゼとS字ルンゼの偵察に行く。予想していたが氷は大分終わっていた。下部壁の氷はほぼ終わっている。S字ルンゼは黒い壁にせんべいみたいな薄い泡氷が張り付いている。取り付きからロープを出してトラバースし中央ルンゼに入り上部壁のシャンデリア状氷瀑を見に行ったが、スクリューが使えるような厚さはなく黒い壁に薄い雪氷が懸かっているだけだった。このルートは14時から16時頃はよく陽が当たる。結論、アイスはナシ。C沢から西壁ルンゼも見上げたが、上部壁に見える氷は大分ショボく見えた。ベースに戻り、翌日は大凹角に行くことに決めた。大町の宿と思ってベースにした岩屋は正面壁に近くて風もしのげるが水は無く、テントも1張分しか余裕持って張れる下地はなかった。広島の宿という天場だったかもしれない。
2日目 大凹角ルート
1p:(リードgt)スラブを直上しようとするもリンゴ飴くらいの薄いベルグラで使えないので右寄りの岩を使って登る。カムでプロテクション固めどりしてから立った草付きMIXをランナウトして登る。イボ2本打ち込むが垂壁なので片手作業を強いられる。洞穴テラスの少し手前でビレー。約50m(体感M5)
2p:(Ari)洞穴テラスからジェードル状を直上。木からランナーが取れる。ボサテラスには行かず、自然に直上して行った先の、岩のリングボルト支点でビレー。
3p:(gt)スラブ。ベルグラは使えずほぼドライ。ジェードルの浅いクラックからカムで支点を取りつつ草付きクラックにフッキングで体をあげて行く。叩くとグラつく古い残置ハーケンがあった。体感的には核心ピッチだったかもしれない。雪と氷のルンゼに入ってロープいっぱい登って木でビレイ。(体感M5〜6)
4p:(Ari)Bushの生えた緩傾斜の雪壁を詰めると5.9チムニーの取り付き。一部コンテで60〜75m。
5p:(gt)アイゼン履いてチムニー登らされるのは拘束具つけた罰ゲームみたいだ。ザックを股に下げてあれやこれやしてやっとチムニーの抜け口に出たと思ったらザックとランナーとアックスのビョンビョンが絡まりまくって上に動けなくなりチョックストーンにアックステンションして絡まりをなんとか解除して抜けた。30m
6p:(Ari)もう15時を回ってしまったのでフリーとか言ってられず何でもありで早く抜ける方針にする。Ari君色々頑張ってTopまで。カムが使えるところが多かった。40m。
右稜の頭に出てラッペル支点を探すがBushが生い茂っていてよくわからない。もう日没で時間もないので、それっぽい所からラッペルを始めるがここからが大変だった。結局、西壁ルンゼ寄りのラインをBushを使ってラッペルして行く。ロープの引っかかりそうな所が多く、20〜30mに短めにピッチを切ったりするなどもして、暗闇の中延々ラッペルを繰り返す。途中Ari君ノミックを1本紛失する。昨日西壁ルンゼを偵察していたためどの辺りを降りているかはイメージ出来ていたので良かった。このひどい状況でオリオン座が美しい。10回ほどラッペルしてC沢に降りる。
テン場に戻ったのが22時となり、一服して下山に入る。金時の滝ではラッペル60m+、高瀬ダムに24時〜24時半頃着。gtは闇夜のトンネルをキックボードで爆走し、加速しすぎて一瞬死が頭をよぎりヘッドスライディング停止で何とか事なきを得た。滑落停止の頭から落ちるVer.の練習しておいて良かった。この山行で一番やばい瞬間だった。危うくキックボードで怪我したので欠勤しますと上司に電話する羽目になる所だった。荷物合わせて100kg近い重量なので下り坂になると加速力がハンパない。26時前に車に着き、gtは数時間仮眠をとって出勤。Ari君は徹夜のドライブで自宅に戻り8:30にリモート出勤するミッションを何とか成し遂げた。
【反省点】
リードに時間がかかりすぎた。特に1p目と、5p目チムニー。
下降点を探すのにもっと時間かけても良かった。今回のケースでは不確定要素の多いラインを初見で降りるより、確実な同ルート下降にするべきだった。
二人とも同じロープだったので懸垂の時に確認が色々面倒だった。
ロープを絡ませることが多く解くのに時間を浪費した。
【携帯電波】
幕岩は右稜の頭に出ても電波は入らない(Docomo網)。高瀬ダム〜七倉山荘間の道路では時々入る。
【ルート】
今回の大凹角はドライなコンディション。氷が張ると1〜3pの難易度は結構易しくなりそう。主なプロテクションはカム、草付き系ギア、Bush。残置ピンは腐食が進んでいる。
右稜の下降の概念については
白山書房「新版日本の岩場 下」に詳しい。(今回は読んでいなかった)
「新版 冬季クライミング」は簡略的な記述のみ。
【地図】
GPSトラックは記録していないので地図上のトラックは記憶による手書き。
アプローチ初日は中央ルンゼとS字ルンゼの偵察に行く。予想していたが氷は大分終わっていた。下部壁の氷はほぼ終わっている。S字ルンゼは黒い壁にせんべいみたいな薄い泡氷が張り付いている。取り付きからロープを出してトラバースし中央ルンゼに入り上部壁のシャンデリア状氷瀑を見に行ったが、スクリューが使えるような厚さはなく黒い壁に薄い雪氷が懸かっているだけだった。このルートは14時から16時頃はよく陽が当たる。結論、アイスはナシ。C沢から西壁ルンゼも見上げたが、上部壁に見える氷は大分ショボく見えた。ベースに戻り、翌日は大凹角に行くことに決めた。大町の宿と思ってベースにした岩屋は正面壁に近くて風もしのげるが水は無く、テントも1張分しか余裕持って張れる下地はなかった。広島の宿という天場だったかもしれない。
2日目 大凹角ルート
1p:(リードgt)スラブを直上しようとするもリンゴ飴くらいの薄いベルグラで使えないので右寄りの岩を使って登る。カムでプロテクション固めどりしてから立った草付きMIXをランナウトして登る。イボ2本打ち込むが垂壁なので片手作業を強いられる。洞穴テラスの少し手前でビレー。約50m(体感M5)
2p:(Ari)洞穴テラスからジェードル状を直上。木からランナーが取れる。ボサテラスには行かず、自然に直上して行った先の、岩のリングボルト支点でビレー。
3p:(gt)スラブ。ベルグラは使えずほぼドライ。ジェードルの浅いクラックからカムで支点を取りつつ草付きクラックにフッキングで体をあげて行く。叩くとグラつく古い残置ハーケンがあった。体感的には核心ピッチだったかもしれない。雪と氷のルンゼに入ってロープいっぱい登って木でビレイ。(体感M5〜6)
4p:(Ari)Bushの生えた緩傾斜の雪壁を詰めると5.9チムニーの取り付き。一部コンテで60〜75m。
5p:(gt)アイゼン履いてチムニー登らされるのは拘束具つけた罰ゲームみたいだ。ザックを股に下げてあれやこれやしてやっとチムニーの抜け口に出たと思ったらザックとランナーとアックスのビョンビョンが絡まりまくって上に動けなくなりチョックストーンにアックステンションして絡まりをなんとか解除して抜けた。30m
6p:(Ari)もう15時を回ってしまったのでフリーとか言ってられず何でもありで早く抜ける方針にする。Ari君色々頑張ってTopまで。カムが使えるところが多かった。40m。
右稜の頭に出てラッペル支点を探すがBushが生い茂っていてよくわからない。もう日没で時間もないので、それっぽい所からラッペルを始めるがここからが大変だった。結局、西壁ルンゼ寄りのラインをBushを使ってラッペルして行く。ロープの引っかかりそうな所が多く、20〜30mに短めにピッチを切ったりするなどもして、暗闇の中延々ラッペルを繰り返す。途中Ari君ノミックを1本紛失する。昨日西壁ルンゼを偵察していたためどの辺りを降りているかはイメージ出来ていたので良かった。このひどい状況でオリオン座が美しい。10回ほどラッペルしてC沢に降りる。
テン場に戻ったのが22時となり、一服して下山に入る。金時の滝ではラッペル60m+、高瀬ダムに24時〜24時半頃着。gtは闇夜のトンネルをキックボードで爆走し、加速しすぎて一瞬死が頭をよぎりヘッドスライディング停止で何とか事なきを得た。滑落停止の頭から落ちるVer.の練習しておいて良かった。この山行で一番やばい瞬間だった。危うくキックボードで怪我したので欠勤しますと上司に電話する羽目になる所だった。荷物合わせて100kg近い重量なので下り坂になると加速力がハンパない。26時前に車に着き、gtは数時間仮眠をとって出勤。Ari君は徹夜のドライブで自宅に戻り8:30にリモート出勤するミッションを何とか成し遂げた。
【反省点】
リードに時間がかかりすぎた。特に1p目と、5p目チムニー。
下降点を探すのにもっと時間かけても良かった。今回のケースでは不確定要素の多いラインを初見で降りるより、確実な同ルート下降にするべきだった。
二人とも同じロープだったので懸垂の時に確認が色々面倒だった。
ロープを絡ませることが多く解くのに時間を浪費した。
【携帯電波】
幕岩は右稜の頭に出ても電波は入らない(Docomo網)。高瀬ダム〜七倉山荘間の道路では時々入る。
【ルート】
今回の大凹角はドライなコンディション。氷が張ると1〜3pの難易度は結構易しくなりそう。主なプロテクションはカム、草付き系ギア、Bush。残置ピンは腐食が進んでいる。
右稜の下降の概念については
白山書房「新版日本の岩場 下」に詳しい。(今回は読んでいなかった)
「新版 冬季クライミング」は簡略的な記述のみ。
【地図】
GPSトラックは記録していないので地図上のトラックは記憶による手書き。
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