西丹沢/大杉山〜ヤヒチ沢ノ頭
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.5km
- 登り
- 778m
- 下り
- 778m
コースタイム
8:15丹沢湖/中川橋
(読図基本技術の説明)
中川橋9:05−
10:40遠見山(戸沢ノ頭)10:55−
11:23大杉山11:46−
12:50弥七沢ノ頭13:29−
14:22762mピーク14:35−
15:25中川温泉/湯ノ沢第一堰堤上
(ロープを使った悪場の下降練習)
16:05湯ノ沢第一堰堤−
16:38中川橋=
中川温泉/ぶなの湯(入浴)
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年01月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
■路面状況 ・丹沢湖北面の中川橋や中川温泉までの道路は特に凍結もなし。 ■駐車スペース ・丹沢湖の一番北側(中川温泉側)に架かる中川橋を渡った右側に 広い駐車場がある。(トイレ等はなし) 一般車も結構通るので貴重品類は置いておかないこと。 ■中川橋〜遠見山(戸沢ノ頭) ・駐車場東側の植林帯尾根は、右手作業用の石段から入れる。 少しの間、笹薮が被っているがすぐに植林帯に入る。 左側の植林帯と広葉樹のコンタクトラインが登りやすい。 僅かな踏み跡の急傾斜を登り詰めれば、最初の540mピーク。 ・540mピークから一旦小さなコルに下り、高度差70mほど登れば 2つ目のピーク。 また一旦コルに下り、あとはひたすら登り詰めれば遠見山(戸沢ノ頭)。 ■遠見山〜大杉山〜弥七沢ノ頭(954m) ・遠見山から大杉山の間は植林帯のほとんど平坦かつ太った尾根だ。 地形図を見ると、途中窪地らしき地形が表現されているので 現実と比べればおもしろい。 大杉山のピークを少し北に歩けば前方の山々の視界が広がる。 ・大杉山から一旦下り845mピークを北東尾根に乗ると 小さなアップダウンが続く痩せ尾根。 左手の湯ノ沢支流源頭部の白ザレが急峻な落差で圧巻だ。 落ちればまず×なので木の根の躓きや転滑落に十分な注意が必要。 バランスのよくない方は行かないように。 ・956m弥七沢ノ頭手前の登りはザレていて踏み跡も不明瞭になる。 しっかり効いているブッシュ(木や根)をホールドにしながら 尾根を詰めていけば弥七沢ノ頭ピーク。ピークは広く気持ちがよい。 ■弥七沢ノ頭〜中川温泉 ・弥七沢ノ頭から西尾根に乗るが、少し下ると小さな浅い尾根が 同方向に4本降りていて、どの尾根に乗れば標高700mコルに 行き着けるかがこのルート最大の核心。 いずれも小岩交じりの急なザレ尾根なので尾根を探りながらも 転滑落に十分な注意が必要。 ・標高700mコルもかなり痩せていて両側は急なザレになっている。 転落は許されない。 このコルから762mピークは、土留めや作業路木道があり 急に人間臭さが現れる。 ・762mピークは植生保護柵に囲まれており、ここから中川温泉に 降りる西南西尾根に乗るのに少し考えさせられる。 ・湯ノ沢第一堰堤の上部で水平トラバースしているしっかりした 作業用径路と交わるので、これを使えば堰堤上流に降りられる。 ■入浴 ・中川温泉/ぶなの湯 入浴時間 土日祝 19:00まで(30分前に入場のこと) 平日 18:00まで(同じく) 入浴料 700円(2時間まで) 駐車場 数十台(冬は比較的空いているが無雪期の土日祝は 結構混雑している) ご注意)当ルートはバリエーションであり、読図技術をマスターし、 装備も万全を配している方向きです。 一般登山のみの方はご遠慮いただき、同様のルートを行こうとする場合は ベテランと同行されるとか、必要な技術を講習等でマスターして下さい。 |
写真
感想
melonpanさんと冬晴れの中、読図講習を行った。
先週の降雪で果たして積雪が気になっていたが
大杉山の手前の窪地状と、稜線上の一部のみうっすらと
残っているくらいであった。
私の場合、丹沢クラスの山はほとんど使い古した沢靴(ステルスラバー底)
なので、下りの凍結した積雪は慎重になってしまったが
足の自由が利かなく重いトレッキングシューズや登山靴よりは
自分の性に合っている。
冬は広葉樹の葉がない分、空が広く開放的。
目指すべきピークなども木々の間から確認もできるが
無雪期であったら逆に視界は遮られてしまうので
読図力はさらに必要となる。
どんな登山にも地形図とコンパスは必要。
地形図は、国土地理院発行の1/25000地形図や、
最近はカシミールなどで容易に入手もできるので
随分と楽になった。
それらの地形図に、まずは磁北線を入れる。
次に谷線をへこみが続く所はすべて細かに入れる。
この作業が大雑把だと、特に源頭部における小さな尾根の選択ができなかったり
尾根状の小さなピークを見出せなくなり
現在位置の確認が難しくなったり。
加えて現在位置が確認できそうなポイントを選択し
その間のコースタイムを距離と高度差から計算していく。
休憩ポイントも割り出したコースタイムから事前に決めていく。
さらに危険箇所とか、地形上の特徴とかを洗い出し
同行メンバー間で情報共有化していく。
以上が山に入る前段階の作業。
同行者全員に情報共有化することで安全率を向上させる。
単独の場合はすべてを一人でやらなくてはならないし
現場判断も自分ひとりの器量のみでやるから
リスクが高いと言われる所以だ。
また、現場では、メンバーがたくさんいても、
先頭を歩く者やリーダーに任せっきりにならないよう
一人一人が考えながら、
「あれっ?違うんじゃないの」と少しでも思ったら
声に出して皆に言うことも必要。
別にそれが間違っていてもよい。
「あ、そうか」とわかれば経験値もグーンとアップする。
そんなことを何回も積み重ねていけば
頭の中の引き出しに「知識」の累積ができて
新たなる状況に出くわしても「今回はこれを」と選択できたり
身体の引き出しに「技術」「経験」をいっぱい溜め込める。
それらが精神的、肉体的余裕を生み
安全性を飛躍的に向上させられる。
読図は道迷い防止だけでなく
登山の総合力とか、楽しさを深め、新たなる発見ができる。
西丹沢は尾根や沢が非常に細かくおもしろいが
表丹沢に比べるとレベルは高い。
昨年は重大な遭難事故が多かった。
標識や踏み跡だけに頼らず、念入りな情報収集をしてから
入山してほしいし、必ず登山者カードや計画書を西丹沢自然教室などに
提出してほしいと切に思います。
それから木々に巻かれているテープは
森林作業用であったり、土木作業用のものであったり
決して登山目的のものばかりではないことも
知っていただきたいです。
(昨年、行政にテープで迷ったから何とかしてくれ、という
クレーム?があったらしいので、あえて書かせていただきます)
これまでの山行のほどんどは一般的な登山道(破線ルートを含む)を歩いてきた。頼りにしているのは昭文社の「山と高原」地図に記載された注意事項や参考所要時間だ。例えば、「A地点からB地点まで所要時間50分」と書かれているルートの場合、私は標準所要時間より多少遅れることが多いので、「約60分くらいかかるかな」とおおまか判断している。また、「危」マークや「崩落注意」と書かれている場合は、「気を付けながら進むから更に時間がかかるかも」と考えるようにしている。つまり、地図に他人が書いた情報が頼りで、自分で何かを見出しているわけではなく、判断も曖昧だ。
では、昭文社の地図を持参しない山行の場合どうなるかというと(持参しないのは問題外なのだが)、本仁田山の下りのときのように、1/25000地形図を持参していても自分がどこにいるのかわからなくなってしまう。本仁田山には道標が整備されていて遭難することはまずないのだが、現在地が分からないというのはとても不安なものである。
最近、さかせ古道や鍋割山の北尾根のように、一般登山道ではないマイナールートを歩くことが増えてきた。このようなルートを歩くときは必ず国土地理院から1/25000地形図を印刷して持参している。等高線や沢の線からある程度の地形は読み取れていたが(中学や高校の地理授業の知識程度)、Wordに貼りつけて適当に拡大/縮小して印刷いるから縮尺はめちゃくちゃだし、「こんな感じの地形が遠くに見えるからだいたいこの辺にいるのだろう」と遠くに見える地形と地図を照らし合わせている程度だ。とても活用しているとは言えない。夏の樹林帯の中では遠くが見えないから、秋か冬にしか役に立たない。
以上のような現状と実感から、そろそろ読図を学びたいと思っていた。ヤマケイの連載やナビゲーションのHowTo本を読んではいるが、百聞は一見にしかず、現場で経験豊富な人から学んだ方が百万倍得るものがあるだろう。kamogさんのサイトを覗いてみたところ、西丹沢のマイナーなルートを行く講習があった。昨年秋にkoshibaさんとkaramomoさんが登っていた大杉山だ。地図にルートは書かれていないから、いやがおうにも自分で(もちろんkamogさんに教えてもらいながら)地形を見ながら歩くことになる。これは楽しそうだし、勉強になりそう。そう思って受講してみることにした。
まず勉強になったのは、地形図に沢、ピーク、コル(峠)を書き込んで行くこと。ルート上にどのようなアップダウンが有るのか想像できる。次に、進むべきルートが広くて迷い易いのか、切り立った痩せ尾根なのかなどを、等高線から想像して行く。これはあくまで予測なので「こうあるはずだ」と思い込まないようにすること。目的のピークにたどり着き、そこに「○○山」と書かれた標があっても即座に信用せず、周囲の状況から自分で確かめること。山では慎重でなくてはならない。
今回はkamogさんが事前に沢、ピーク、コルを書き込んでくれた地図を使った。それらの情報を地図から掬い取るスキルは私にはまだない。机上講習などで別途学ばねばならないと思っている。
下山の最後にはロープを使った垂直降下(だったかな?)の実習も行った。これもすごく面白かった。急な斜面でも降りられる、というのは今までの常識を覆すことである。
今日学んだことを一通りできるようになれば、昭文社の地図から離れ、地形図を元にして登山道以外(の尾根)をいろいろと歩けるようになりそうだ。ロープはもっと専門的に学ぶ機会を設ける必要がありそうだが、読図に関しては机上や実地で自分である程度の経験をつむことができそうだ。簡単なルートから徐々に挑戦してみたいと思う。
コメント
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melonpan さん、こんにちは
読図講習に行ってたんですね。
>地形図に沢、ピーク、コル(峠)を書き込んで行くこと
ルートとピークの書き込みはやるけどコルはいつも
現地確認。コルの書き込みは最近やらなくなってしまった・・・
自分もちょっと気を引き締めないといけないですね・・
melonpanさん、こんばんは。
へぇ〜、今回は「地図読み」の講習で、kamogさんとご一緒
だったのですか。
地図読み、なんだかとて楽しそう♪ですね。
私も今度、こういう講習に参加してみよ〜かなぁ〜
ピークもコルも所要時間も、予め地図に書かれているものだけを頼りにしていたので、すごく面白かったです。為になりました。
たしかに、こういう作業をすると単なる等高線だけの地形図から尾根や谷が浮き出てきて、「あ、この尾根ルートも歩けるのでは?」と思えてきます。一気に行動範囲が広がる感じがします
一昨年の秋、山歩きを始めた頃は地図も持っていませんでした。今から考えると恐ろしい…
>w-koboriさん
最初は「楽しい」というよりマイナールートを歩くための「必要に迫られて」という感じでしたが、受講してみたらすごく新鮮で楽しかったです
自分が知らなかった世界を見て知識や経験として吸収するのは何事も楽しいものですね
まだまだ精進が必要ですが、「山を歩くルートを"線"ではなく"面"として捉える」の意味が少し分かった気がします。
ずっしりと充実した山歩きをされたようですね!
読図、必要な知識ですよね。
こういう講習があるなら、ぜひ参加してみたいところです。
これをきっかけに、一皮むけたmelonpanさんの山行が楽しみです♪
garumaaさん
今でも山歩きには不安が付きまといますが、読図講習を受ける前と後とではその大きさが全然違います。何事も、基本がわかれば後は練習(経験)ですから、いろいろルートを考えて実践してみようと思っています。
melonpanさん>講習の効果を感じてくれてよかったです。
私がこのような講習を始めようと思ったのも
なかなかそのような機会に恵まれない方が
最近は非常に多いことからでした。
丹沢でも読図ができていれば助かったのに・・・
と思われるルートミスの遭難事故が後を絶ちません。
何とかならないものか、と表丹沢救助に関わる者として
今も対策を模索中です。
あとは沢登りの技術をマスターすれば
更に飛躍的に余裕が生まれますよ。
それにはクライミングの基本的なロープワークも
必要ですが、尾根から谷へ、さらに尾根を跨いで
隣の谷へ・・・まさに山を駆け巡ることができます。
ぜひ登山というすばらしいスポーツのフィールドを
広げていってください
kamogさん
この度はありがとうございました。
本当は山岳会に入って色々と学ぶべきなのかもしれませんが、雰囲気が肌に合うかどうか、肌に合う会を見つけられるかどうかなどを考えて二の足を踏んでいます。なのでkamogさんの教室のような個人で参加できる場はありがたいです。
丹沢は沢登りが盛んなこともあり、実は惹かれているのも確かです。
ロープの使い方については追々学びたいと思っています。
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