岡山県＆兵庫県境 三国平〜若杉峠〜若杉天然林+クリンソウ群生地
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 03:41
- 距離
- 8.7km
- 登り
- 491m
- 下り
- 487m
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標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 3:27
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 3:41
歩行距離8.5km、歩行時間3時間30分、歩行数18,000歩、消費カロリー1,030Kcal
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2023年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
ちくさ湿原クリンソウ群生地の駐車場は、のぼりや道標に従いちくさマウンテンビレッジ（旧ちくさ高原キャンプ場）から東に進んだところにある群生地の東端の未舗装の広場＜写真01参照＞です。30台以上余裕だと思います。また、天狗沼周辺の広い路肩は10台分程のスペースで満車にならずにすみました。ちくさマウンテンビレッジ（旧ちくさ高原キャンプ場）向かいの旧駐車場は、キャンプサイト兼有料駐車場（500円）となっており、係の方に群生地の駐車場を教えていただきました。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはありません。一部、地形図の破線の道から逸れてしまいましたが、すぐに復帰できました。若杉天然林内は濡れた石の上を歩くことが多いのですが、登山靴だと滑りません。 クリンソウ群生地は6箇所とも開花がそろい、十分見頃のクリンソウが多かったです。咲き進むとだいたい5段くらいにはなりますが、どこも1段から3段くらいしか咲いていなかったので、6月に入っても楽しめそうです。 林道吉野山線起点の分岐（1124m峰南の分岐）から若杉峠＜写真24＞へは、一部、地形図の破線の道から逸れた箇所があります。 県境尾根沿いの道の入口には道標はありませんが、細道が見えていました。たまに倒木がありますが、すぐによけられます。 標高1,040m辺りの分岐で県境から逸れて西へ、若杉峠の道標は斜面を指していましたが、きれいな作業道がさらに西に延びていたので入ってみました。県境と平行に歩けるものと思いきや、そのうちに南下して逸れはじめたので、引き返してわずかに上るとすぐに地形図の破線の道に合流できました。 このまま若杉峠＜写真24＞まで行くはずが、うっかり尾根を進みすぎ、道から逸れてしまいました。ササが生えている箇所がありましたが、まばらだったので普通に歩け、すんなり道に復帰できました。 若杉天然林に入り、第3分岐点で県境尾根から逸れてしばらく進むと、水たまりのような渡渉点が増えてきます。第2分岐点から駐車場に向かって南下する道は沢沿いとなり、濡れた石の上を歩くことが多いのですが、登山靴だと滑りません。 |
| その他周辺情報 | 西粟倉村内にある道の駅「あわくらんど」の隣の「あわくら旬の里」は、休業となっており再開のめどが立っていません。道の駅では食事や土産の購入が可能です。 |
写真
01クリンソウ エリアマップ…2019年には、北側のおたふく沼と「毘沙門天」が西日本豪雨後の復旧工事のため立ち入り禁止でした。コロナ禍で自粛している間に、さらにキャンプ場向かいの園内入口も閉鎖、周辺駐車場はキャンプサイト兼有料駐車場となり、群生地の駐車場はイベント広場に移動していました。
02ちくさ湿原クリンソウ群生地「寿老人」…車椅子用観賞スペースのデッキより群生地を望みました。さらに奧に進み、こんもりとした箇所から「寿老人」の一角を見下ろして動画を撮りました。
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04クリンソウ群生地「弁才天」…ここは少し遅れるのですが、今回は他と同じくらい咲いていました。どこも1段から3段くらいしか咲いていなかったので、6月に入っても楽しめそうです。
10ムラサキサギゴケ…ここからが山行記録です。若杉天然林の駐車場から1本東の舗装道路の跡のような砂利道に入りました。ムラサキサギゴケはトキワソウに似ていますが、トキワソウより少し大きい花は長さ2�冂�で、ほふくする茎があります。
25若杉峠休憩舎より後山＆船木山…以前よりも木が茂り、くらますや三室山はかなり見えにくくなっていました。休憩舎の外から南南東方面はギリギリ見えました。左が後山、右の大きいのが船木山です。
27杉林…若杉天然林の杉林なので、天然でしょうか。動画も撮りました。ここはうっかり確認し忘れましたが、気づいた箇所はどこも普通の杉の葉でした。アシウスギならば、葉同士が密着せず開き気味につき、このように枝垂れます。
28枝垂れた杉…葉同士が密着せず開き気味についていればアシウスギですが、確認し忘れました。枝垂れていますし、日本海側の気候に近い場所なので、可能性はあります。
29ツクバネソウ…中央は傷んで茶色くなっためしべの柱頭、黄色いのはおしべ、その下に垂れ下がってしまっているのは4枚の外花被片です。葉は通常4枚です。ここは10株ちかくありましたが、どれも花が終わりかけていました。
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30ツリガネタケ小型タイプ…直径5�冂�のがたくさんありました。大型タイプはサルノコシカケの仲間らしい形ですが、これは小型タイプで、横から見るとこのように釣り鐘型に見えます。
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32サンインシロカネソウ…直径1�冂�の小さな花です。花弁のように見えるのは萼で、外から見ると付け根周辺が赤みを帯びています。手前のT字型に見えるのは実です。この日のお目当てでしたが、花数は少なく、3輪くらいでした。
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40小原田（おはらだ）古墳開口部…美作市指定史跡です。岡山県の埋蔵文化財地図では才の乢1号墳（小原田火釜古墳）となっていますが、現地説明板などの名称に従いました。説明板の脇の路肩に車を停めてまっすぐ奧（南）に進むと、100mもいかないうちに墳丘が見えてきました。
41小原田古墳石室内部…開口部は狭く、中に入れそうになかったので、カメラだけ突っ込んで撮影したら奧壁が写りませんでした。奥行6m、幅1.1m、高さ1.3mだそうです。手前の天井石にカマドウマの仲間がたくさんしがみついています。彼らを怖がらせずにすんでよかったです😊
42コウガイビルの仲間…車に戻ってすぐ、袖についていたのを連れがとってくれました。体長3�冂�のナメクジだと思い、そのまま車を走らせていると、ティッシュの上で体長5�僉�幅3�伉�の細長い生き物に大変身😱やっと地面に下ろすと、日向でみるみる縮んで体長1.5�僂離淵瓮�ジ体形に戻りました。ヒルの仲間ではなく、ミミズなどを食べます。頭は半円形ですが、縮んでいるとわかりません。
43淀橋の宮本武蔵像…吉野川に架かる淀橋のたもとです。美作市旧大原町には、宮本武蔵生家跡とされる岡山県指定史跡があります。ただし、はっきりした資料はなく、生誕地候補は他にもあります。
44オオキンケイギク…県道5号線沿いを車で走っていると、オオキンケイギクに囲まれた公園がありました。繁殖力が強いので、この時期は川沿いなどで群生が見られることが多いです。この日も何度もオオキンケイギクロードを見ました。
45アグロステンマ…ヨーロッパなどが原産で、麦畑の雑草として扱われています。そのため、和名はムギナデシコあるいはムギセンノウといいます。日本では観賞用に栽培されています。
46豊野のアベマキ＆宝篋印塔…駐車スペースはなく、旧作東町の豊野の宝篋印塔（ほうきょういんとう）の標柱の前に停めて歩きました。白っぽいトタン小屋が目印です。豊野のアベマキは美作市指定天然記念物で、樹齢約300年、樹高16m、目通り幹周4.3mの大木です。
54土居神社のコヤスノキ…国内では岡山県南東部から兵庫県南西部にのみ分布しており、岡山県では絶滅危惧�砧爐忙慊蠅気譴討い泙后Ｆ�本ではごく限られた地域のみですが、中国大陸や台湾にも分布しており、日本が大陸と陸続きだった時代の生き残りと考えられています。この木は岡山県指定天然記念物で、美作市の天然記念物だった頃の説明板によれば、樹齢150年、樹高5m、枝張り4mとなっていました。
55土居神社のコヤスノキ花…直径5�伉�の小さな花は、さわやかないい香りがしました。実ができはじめていますが、もうしばらく楽しめそうです。また、参道の石段脇にも咲いていました。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
手袋（防水加工）
軍手
雨具
スパッツ
日よけ帽子（フード付き）
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
アタックザック
ザックカバー（防水用）
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
虫よけスプレー
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感想
【ちくさ湿原クリンソウ満開！】
最初に訪問したのは兵庫県宍粟（しそう）市のちくさ湿原です。ここには国内最大級の天然クリンソウの群落＜写真01＞があります。
クリンソウは兵庫県では「改訂・日本版レッドデータブック」の絶滅危惧�粁爐冒蠹�する貴重な植物です。そのため、クリンソウを守る会により保護され、市の観光協会や旧千種町のHPでも紹介されています。ちなみに、岡山県では絶滅危惧�砧爐如△曚箸鵑匹�目にかかることがない希少植物です。
ちくさ湿原クリンソウ群生地は、ちくさマウンテンビレッジ（旧ちくさ高原キャンプ場）の向かいにあります。コロナ禍で自粛している間に、湿原北部のおたふく沼と「毘沙門天」及びキャンプ場向かいの園内入口が閉鎖され、周辺駐車場はキャンプサイト兼有料駐車場となり、群生地の駐車場はイベント広場に移動していました。＜写真01参照＞
これを知らなかったので、いつも利用していたキャンプ場向かいの駐車場に停めると、キャンプ場の係の方が来られて、ここはキャンプ場の駐車場で、駐車料金500円が要ることを告げられました。おそらく、クリンソウ見学者が変更に気づかず、この場所に停めようとするケースが多いのでしょう。クリンソウ見学用の無料駐車場はもっと奥のほう＜写真01参照＞だと教えてくださいました。親切な方でよかったです。
駐車場の道標は途中でなくなり、天狗沼周辺の広い路肩がそうかと勘違いして停めました。10台分程のスペースで満車にならずにすみましたが、午後は要注意かもしれません。正規の駐車場は30台以上余裕だと思います。
クリンソウ群生地は大きく6つのゾーンに分かれており＜写真01参照＞、のべ40万株にもおよぶクリンソウが咲き誇ります。
クリンソウはサクラソウ科の植物です。下の方から階層（段）になって次々と咲く姿がお寺の屋根の先端についている九輪に似ているところから名付けられました。砂鉄を取った後の真砂土があったこと、湿地のため植林帯になることはなく、広葉樹の下で適度な日照が得られたこと、毒性があるため鹿に食べられず、周囲の草だけが食べられたことなどの条件が重なり、大群生地となったとされています。
この日は6箇所とも開花がそろい、十分見頃のクリンソウが多かったです。その一部を写真や動画でも紹介しています。咲き進むとだいたい5段くらいにはなりますが、どこも1段から3段くらいしか咲いていなかったので、6月に入っても楽しめそうです。
【若杉天然林入口〜三国平〜若杉峠 国（県）境コース】
本日の山行は若杉天然林の駐車場を起点としました。中国自然歩道の舗装道路を南下し、吉野川の源流部沿いの砂利道を上り、林道吉野山線起点の分岐から兵庫県と岡山県の県境尾根の土道を南下し、江浪峠経由で三国平＜写真19,20＞に着きました。
三国とは播磨（はりま）・因幡（いなば）・美作（みまさか）を指し、現在の兵庫県・鳥取県・岡山県の境に当たります。三国平は三県の分岐であると同時に、兵庫県千種川源流天児屋川・岡山県吉井川源流吉野川・鳥取県千代川源流江浪谷川の源流起点でもあります。地形図上には山名が載っていませんが、1,128m峰が該当します。
三国平からいったん来た道を引き返し、そのまま、県境尾根を歩きました。
若杉峠＜写真24＞からしばらくは、きれいで明瞭な道が続きました。この峠を境とする山道は、昔は美作（岡山県）と因幡（鳥取県）を結ぶ最も近い要路だったそうです。旅人の安全を願って、1754年に若杉地蔵尊＜写真24＞が建立されました。現在でも岡山県側の所々にその名残である石畳＜写真34＞が見られます。
若杉峠休憩舎から後山山系＜写真25＞や三室山などの名峰を望みましたが、以前よりも木が茂り、見えにくくなっていました。
ここから先は岡山県と鳥取県の県境尾根を歩きました。辺り一帯を含む若杉天然林（原生林）は、83ヘクタールの面積に、ブナ、カエデ、ミズナラ、トチノキなどの巨木をはじめとした199種類の樹木が立ち並ぶ中国地方でも有数の天然樹林です。昭和61年には県下で最初の「森林浴の森日本100選」に選ばれました。
第3分岐点で県境尾根から逸れてしばらく進むと、水たまりのような渡渉点が増えてきます。この日は前日の雨の影響か、少し水が増えて今までと印象が違い、戸惑いました。第2分岐点から駐車場に向かって南下する道は沢沿いとなり、濡れた石の上を歩くことが多くなります。
この日のお目当てのサンインシロカネソウはわずかでしたが、ゴール（出発点）に近づくにつれ、苔むす岩塊流、渓流、石畳と素晴らしいロケーションとなり、爽やかな気分のまま山行を終えました。
【絶滅危惧�砧爐離灰筌好離�】
帰路の途中で宮本武蔵生家跡の西方面にある小原田（おはらだ）古墳に立ち寄りました。説明板を見ていなかったので迷いましたが、いったん戻って仕切り直し、ようやく古墳の開口部＜写真40＞を見つけ、石室の中＜写真41＞を覗いてみました。
ここでコウガイビルの仲間＜写真42＞が袖に付着したようでした。自動車の中で連れが気づき、ティッシュにくるんで保護、どこかで逃がそうとそのまま車を走らせていると、
「伸びてるー、いやーっ、伸びてるー！」
と連れの絶叫が響きました。
体長3�冂�のナメクジだと思っていたら、ティッシュの上で体長5�僉�幅3�伉�の細長い生き物に大変身してしまったのです😱血を吸うヒルは岡山県にはいないはずですが、伸び縮みするとなると、ヒル？このGWでヤマビルに初めて血を吸われ、コイツはイケると宣言していた連れですが、あまりの変貌に悪魔が正体を現したように感じてしまったらしく、
「伸びたらアッカンー、伸びたらアッカンー。」
と某CMのように節をつけてつぶやいていました😅
それでも、なぜか冷静にその体を観察、背中に黒い筋模様が1本しかないこと、頭が半円形であることを確認し、血を吸うヤマビルやチスイビルではなく、家の裏で見たことがある黄土色のコウガイビルの仲間の別種だろうと推測していました。淀橋のたもとに架かる元祖二刀流の宮本武蔵像＜写真43＞の近くで地面に下ろすと、日向でみるみる縮んで体長1.5�僂離淵瓮�ジ体形に戻りました。
帰宅後に調べてみると、やはりミミズなどを食べるコウガイビルの仲間でした。頭が半円形なのが特徴ですが、刺激すると縮んでナメクジ体形となり、頭の形がわからなくなるようです。なかなか強烈なインパクトを与える生き物でした。
この後、美作市指定天然記念物のアベマキ＜写真46＞を見て、最後にして今回最大の目的地、土居神社＜写真48〜53＞に立ち寄りました。
境内には、お目当ての岡山県指定天然記念物コヤスノキ＜写真54＞が生育していました。江戸時代の草木図説に描かれているものの、存在が確認されず、長らく「幻の木」とされていましたが、1,900年にたつの市の博物学者の大上宇市（おおうえういち）氏が発見し、「日本の植物学の父」と呼ばれた牧野富太郎氏が鑑定、発表して注目されました。日本では兵庫・岡山県境付近の南部の山林にのみ自生し、日本列島における分布の北東限は兵庫県福崎町付近と見られています。日本では限られていますが、中国大陸や台湾にも分布しており、日本が大陸と陸続きだった時代の生き残りと考えられています。岡山県では絶滅危惧�砧爐忙慊蠅気譴討い覽�重な植物です。ちょうど開花時期を迎えており、運よく花＜写真55＞も見られました。
この日はのんびりと森林浴を楽しみ、貴重な植物巡りもできて充実した一日となりました。これからは天気と相談しつつ、少しずつハードなコースを楽しみたいと思います。
こっそり拍手
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