大室山・加入道山〜春と冬が同居する山〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,114m
- 下り
- 1,095m
コースタイム
天候 | 晴れ時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
稜線上は良く整備されています。白石峠からの下りは少し荒れています。 |
その他周辺情報 | 中川温泉「ブナの湯」に立ち寄り湯 |
写真
感想
西丹沢の重鎮、大室山に登ろう。今の時期、稜線は雪が多いことであろう。先週の道志の赤鞍ガ岳から菜畑山の縦走の際には、革製の登山靴にロングスパッツの組み合わせで、靴下がぐっしょり濡れて冷たかった。今回は試験的に長靴とチェーンスパイクの組み合わせで歩いてみたい。
山行当日の天気予報は、移動性高気圧が張り出すためズバリ晴れ。テンションが上がる。早朝3時半に自家用車で出発。途中、西丹沢の登山指導所のポストに登山届けを出す。土曜なので、西丹沢の駐車場にはすでに10台ほどの車で埋まっていた。私は、一番奥の用木沢出合まで乗り入れする。用木沢出合到着6時20分。私の車以外は、まだ一台も駐車していなかった。
長靴に履き替え出発。河原など、石の多いところは歩きにくいが、何とか山道を歩けそうだ。ただ、雪の上を歩くと冷たさが伝わってくる。靴下1枚ではちょっと厳しい。少し歩いたら暑くなってきたので、セーターを脱ぐために眼鏡を外しザックの横に置いたのだが、眼鏡を出発の際忘れてしまった。1分ほど歩いたところで「あっ」と気がつき、眼鏡を置いたと思える場所のちょっと手前まで戻った。過去の行動を思い出すためのシミュレーションを何度も行い、結局見つけるまで30分ほどを要した。見つかって「ホッ」とした。出発間際、今日初めて会った登山者が追い抜いて行った。
犬越路に8時16分着。先ほどの単独行者が休憩中。樹林が切れ明るい雰囲気。雪が出てきたのでチェーンスパイクを装着。靴下も2枚履く。避難小屋は新しく木の香がプンプンしていた。稜線上は7割が雪道で3割が泥道という具合であり、標高が高まるにつれ雪の割合が増えてきた。途中、富士が見えるポイントでおにぎりを食べる。喉も渇いていたので、ちと早いがイカを肴にノンアルコールビールをプシュと開ける。最高。相模湾からの海風で雲が沸き、富士は見え隠れ。檜洞丸や蛭が岳も雲に隠れ気味だが、雲が切れると雲海上にその勇姿を現した。大室山の頂上に近づくと、丹沢名物の木製の階段が続く。雪のないところはチェーンスパイクで木道を傷つけぬよう、横にそれて雪の斜面を登って行った。東丹沢と比べ、比較的俗化されていないと言われる西丹沢だが、この辺りはまるで管理された公園の中を歩いているようであった。環境保護のためだから致し方のないところだろう。
大室山分岐まで来ると雪の量はぐっと増え、踏み抜くと膝くらいまで沈み込むが、ブナ林の実に雰囲気の良い道となる。自然に笑みがこぼれる。本日2人目の登山者と行き交い、「気分がいいですね」と言葉を交わした。積雪がかなりあるので、相対的に枝の位置が低くなっており、頂上到達まで数回頭に枝をぶつけるが、気分が爽快なのでその痛みも半減した。大室山頂到着10時18分。静寂な頂上。梢越しに1週間前に辿った赤鞍が岳から朝日山の稜線が埋もれるように見えていた。腰掛ける場所もないので、証拠写真を撮った後、頭を枝にぶつけないように注意してベンチのある分岐まで戻り、小休止した。
頂稜付近の木道では横にそれるとズボッと行きそうなので、アイゼンの歯で傷つけぬよう注意して木道の上の雪の部分を選んで歩いた。木道が終わると破風口への急な雪道の下りになるが、長靴を履いているので雪が靴の中に入る心配はない。少し大胆に雪を蹴散らせて下りていく。ほとんど滑らないし、長靴で来たことは正解であった。破風口からは登りになるが、急登は長く続かず、前道志から加入道までは激しい登降もない。今日はズバリ晴れという予報だったが、海風で常に雲が沸き、ほとんど太陽は雲の中に隠れていた。春が近づいたのだと実感した。いつの間にか加入道山頂に到着。11時36分。すでに2名の登山者が昼食休憩を取っていた。加入道避難小屋には入口付近で単独行者が休んでいた。私は奥の間まで進み、お湯を沸かしラーメンとコンビニで買ったちらし寿司の食事を取った。
日は時々にしか当たらず、手先、足先は冷たさを感じる。そのため、食事後すぐに出発する。12時ちょうど。時間はまだ早いので、畦が丸まで足を伸ばすことも考えたが、自分の体力の弱さや車の駐車地点のこともあり、無理せず白石峠から下山することにする。下山道は実に急で、これを登りにしたら大変だなと思いを巡らせた。沢の音が聞こえるとまもなく沢の源流部の湧き水を見つける。雪解け水と思い口に含んでみるがあまり冷たくない。長い間地中に滞留してからの湧き水であろう。雪もまばらになってきたので、チェーンスパイクを外し、ザックの外に着けジャラジャラいわせ乾かしながら歩いた。白石の滝は立派そうだが、登山道からの場所が遠い上に樹林越しだったため、あまり良く見えなかった。下山するにつれ、雲も切れてきた。間もなく林道となり、車の置いてある用木沢出合に戻った。私の車の他、3台の車が駐車していた。13時40分。歩程正味6時間。今の自分にとっては、ちょうど良い行程であった。結局行き交った登山者は4名で、今日も静かな山行が楽しめた。
西丹沢の登山指導所で無事下山したことを報告し、中川温泉のブナの湯で汗を流した。途中、渋沢で海鮮丼を食べた。山登りをしたので、これくらいのカロリー補給は良かろう。東名では事故渋滞に約1時間巻き込まれ、19時20分に自宅に到着した。
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