湯河原幕岩

2015年07月11日(土) [日帰り]

天候

晴れ（熱中症になるかも？の暑さ）

アクセス

利用交通機関：

自家用車

幕山公園駐車場

写真

7/11 8:58

快晴の湯河原幕山公園

7/11 10:32

シルクロード（5.7）

7/11 11:23

いんちきするな（5.8）

7/11 14:17

正面壁へ

7/11 14:24

コナン（5.9＋）

7/11 14:46

コナン

7/11 14:56

コナン

7/11 15:07

もうちょいですよぉ

撮影機器：

Optio WG-2 ペンタックス

感想

kamog

梅雨明けを思わせるような一転猛暑の中、皆さんお疲れ様でした。
多少ぬめりっ気はありましたけれど湯河原まだ充分登れましたね。


■基本ロープワーク（とりあえず4種）
1）エイトノット（フィギュアエイトノット）
　　　エイトノットのポイントは3つ
　　　　・結束部の2本のロープはクロスしていないこと
　　　　・遊びがないこと　⇒　一本ずつ締め込む
　　　　・締め込んだ段階で末端は20cm以上出ていること
　　　エイトノットはハーネスのレッグ部（足）とウエストベルトがジョイント
　　　されているビレイループに沿って（タイイン・ポイントに）装着すること
　　　末端が長い場合はバックアップをフィッシャーマンズノットで取る
2）クローブヒッチ（インクノット、マスト結びとも）
　　　両手で作る方法と片手で作る方法を練習しておいてください。
　　　片手で作るとは、まずアンカー（支点）にロッキングカラビナをセットし
　　　そのカラビナのスパイン（ゲートでない主軸）を掴みながらクローブを
　　　作成することです。もちろんアンカーが安定していることが前提。
　　　ロープを架けたロッキングカラビナにクリップし、遊んでいる側（フォロー
　　　側のロープ）を自分のポジションが安定する位置まで引いて調整し、
　　　そこでクローブを作ります。
　　　ゲートの向き、クローブを作る手の違い（右か左か）によって、順手で
　　　やる方がよいのか、逆手でやるのがよいのか違ってきますので慣れが必要。
　　　作ったら必ず一本ずつ締め込んでください。
3）ムンターヒッチ（ハーフクローブヒッチ、イタリアンヒッチ、半マストとも）
　　　クローブヒッチが動かないよう固定する方法なら、ムンターは制動を架け
　　　ながら動かせる方法ですので、クローブより捻りが一回少なくなります。
　　　制動を架けながら動かすので、ビレイもラペル（下降）も可能です。
　　　使用するロッキッグカラビナは必ず「HMS型」を使用してください。
　　　短所として、長い距離をビレイやラペルするとロープがキンクします。
　　　また激しい動的制動が架かるとロープ同士の摩擦が発生することも懸念
　　　されます。
　　　ただすぐに解除が求められるFIXロープの固定（これにはムンターミュー
　　　ルノットを使用）など結構様々な場面で使われるので覚えておいてください。
4）フリクションヒッチ（巻き付け結びに総称）
　　　今回はラペルのバックアップや登り返し（セルフライズアップ）など
　　　移動型フリクションヒッチの代表格として「マッシャー」をお教えしました。
　　　ロープスリングをメインロープに3回以上巻き、両末端をロッキングカラビナ
　　　に架けるだけの簡単な方法ですが、巻き付けるスリングの長さが3巻きで
　　　ちょうどよいわけではないので、スリングの余りを結束して調整します。
　　　従って携行するロープスリングの長さは70〜80cm程度でよいと思います。
　　　装着したら忘れてはならないこととして、必ずロックが利くかテストのこと。
　　　プルージックノットは構造上、落下係数の大きなテンションをすると
　　　融解するリスクが発生する可能性が大きくなるので、メインロープに
　　　セルフビレイを取るなど固定型のフリクションヒッチとして有効です。
　　　慣れれば片手で作成可能というのも長所ではありますが。
　　　クレムハイストノット（上巻き、下巻きで長所と短所が逆になる）、
　　　バックマンノット（カラビナとメインロープをスパインが完全に隠れるよう
　　　一緒に巻く。ただしカラビナが結束部の一つとなるのでこれを引っ張らない
　　　よう注意が必要）、コックヒッチなど様々なフリクションヒッチがあります
　　　が、それぞれ長所と短所を理解して使用場面に応じ使い分けることです。

■安全確認コミュニケーション
　　クライミングの準備ができたら必ずクライマー、ビレイヤー相互の確認を
　　忘れずに。
　　　・クライマーのエイトノットが正しい位置（タイインポイント）にセット
　　　　されている
　　　・エイトノットは「クロスがない」「遊びがない」「末端は20cm以上」
　　　・ビレイのカラビナはロックされている
　　　　（ビレイ用カラビナはマイナーアクシス（横向き）になりやすいので
　　　　　それ防止用のカラビナを使った方がよいです）
　　　・クライマー側のロープはビレイデバイスの上側から出ている
　　　・グリード（ギザギザ）が付いているビレイデバイスは、ブレーキハンド
　　　　側（下側）ロープがグリードに食い込ませるハイフリクションモードと
　　　　グリードが上にくるレギュラーフリクションモードがあり、その使用判断
　　　　は概ねそのルートに設置された（または自ら設置する）アンカーの強度に
　　　　より行う。レギュラーモードは弱いと判断されたアンカーで使用がよい。
　　　・必要ギア（クイックドロー、スリング、ロッキングカラビナ等）の数を
　　　　携行している
　　クライマー、ビレイヤーのコミュニケーションは必ず声に出して2WAYで。
　　ビレイ技術はクライミング技術よりも重要。ビレイ位置周辺の障害物（木の根、
　　岩、崖など）をよく事前確認のこと。
　　ビレイヤーがしっかりしていないとクライマーは自分の持つパフォーマンスを
　　発揮できない。ジムでこのような技術と経験をあげてください。

　　余談ですが、クライミングはお互い命を預ける相互信頼前提のチームなので
　　その人との相性などが悪いと事故を招く可能性も大きくなります。
　　自我が強く間違ったリーダーシップを発揮しようとする人、口数があまりに
　　少なくコミュニケーション力が発揮できない人、協調性のない人、etcと
　　様々なパーソナリティを持つ人がいらっしゃり、次第に同行してくれる
　　メンバーが離れていってしまいます。
　　なかなか性格を変えることはできませんが、もしそのような指摘を受けたり
　　周囲の状況がそういう雰囲気になってきたら、いち早く自分の弱点を見直す
　　よう心掛けましょう。
　　何はともあれ、相手を思い遣る気持ちが大切ですね。

■ラペル（下降）

　　ラペルは慣れてくると意外なヒューマンエラーでの事故が多くなります。
　　・ラペルポイント（ラペルリング等人工支点、木、岩）が荷重に耐えうるか
　　　充分チェック
　　・ロープの両末端はどんな状況でもすっぽ抜け防止のバックアップを
　　・下降に使うビレイデバイスをセットするとき、初心者は落とすことが多い
　　　ので、ビレイデバイスのワイヤー部分を指に引っ掛けるなど対応のこと
　　・両末端がきれいに下まで届いているか確認できない場合、ラペル一番手は
　　　マッシャー等でバックアップを取りながら下降
　　　一番手が降りられたら二番手以降は通常の形のラペルで。ただし先に下りた
　　　人がロープを軽く緩ませて持ち、有事の際は張る体制をとる
　　・ロープ回収時の落石注意