【薮山レコ】戸立山〜三角峰(以東岳北方稜線 池塘めぐり)
- GPS
- --:--
- 距離
- 16.3km
- 登り
- 1,247m
- 下り
- 1,246m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
吊り橋からは冷水沢を沢登り、戸立山〜三角峰(以東岳北方稜線)は登山道なく、薮こぎで進む。 |
写真
感想
今回のルートは厳冬期、残雪期の朝日連峰縦走路のアクセスルートになっている区間です。無雪期の記録は殆どないのでヤマレコに載せました。
冷水沢の吊橋から冷水沢に入渓する。特に困難な滝はなくゴーロ状の明るく開けた沢。点在する花崗岩は茶色の滑りやすいコケが付着しているものが多く渓流シューズが良さそう。今回は稜線の薮こぎがあるので登山靴スタイル。この時期、沢の水は冷たさを増しているのでなるべく靴をぬらさないようにコース取りをする。
820m付近の三股は、中俣が稜線近くまで突上げる遡行予定の沢。左俣を少し進むとすぐから滝になって落ちる中俣が現れる。水量的には右股のほうが多い。途中、伏流区間があるが標高1300mあたりまで水は取れる。源頭部は崖になっており慎重に登る。
稜線に上がると痩せており潅木の密集薮。このまま稜線上を戸立山へ目指すのは諦め、山頂を迂回するようにトラバースで西の肩の草原へ出る。草原には池塘の名残であろう湿地があり、大鳥池を挟んで甚六山〜化穴山方面の展望が良い。遠くに目をやれば粟島、庄内平野、鳥海山、月山、佐渡まで望まれる。戸立山を迂回して再び稜線に出ると、まさに紅葉の盛りである。戸立山から三角峰にかけても概ね薮尾根であるが、紅葉した潅木の赤と黄色、笹とハイ松の緑が三色のパッチワークの絨毯のようで目を楽しませてくれる。戸立山の南部の稜線が広がった地形にはいくつもの小さな池塘と草原が点在しており、薮こぎの苦労を忘れしばし池塘めぐりを楽しむ。
この先尾根が細くなり薮も濃くなるが、頂稜のやや東側を通ると薮が薄く楽である。ただし斜め姿勢を維持するための苦労もある。笹薮は背丈を越える所もあるが、概ね腰くらいである。三角峰の前後は薮が低くなりペースも上がる。三角峰からは眼前にどっしりとした以東岳が聳える。以東岳の脇には大朝日岳、小朝日岳も遠望できる。鷲が巣山や新潟方面の弧を描く海岸線や角田山も見える。三角峰から大鳥池へ下る登山道は紅葉のトンネルみたい気持ちがよい。西日が反射する大鳥湖畔を通り大鳥小屋へ。小屋の周辺の紅葉はもう少しだ。秋の夕暮れがどんどん迫っており小屋からはピッチを上げて下る。疲労した身体に鞭打ってなんとか日没ギリギリで下山できた。
(参考)
朝日軍道は今から400年ほど前の戦国時代末期に、庄内と米沢を結ぶ最短ルートとして上杉家の武将、直江兼続が朝日連峰を縦断して開削させた60キロにも及ぶ軍事道路である。そのルートは現在の長井市の草岡から葉山、朝日連峰主稜線、戸立山、高安山を経由して旧朝日村の繁岡を結ぶものであった。現在も軍道跡が以東岳の斜面に僅かに確認されている。今回通った戸立山〜三角峰の薮尾根においては、当然踏み跡は残っているはずもなかった。推測であるが、少しでも薮を避けるため当時も草原を拾うように軍道を通したのではないかと思われる。
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