北岳・間ノ岳 今回のテーマは「3000mのケンケン」
- GPS
- 32:00
- 距離
- 18.8km
- 上り
- 2,340m
- 下り
- 2,330m
コースタイム
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 2:09
- 合計
- 10:27
- 山行
- 6:53
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 8:33
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大樺沢コース、山頂下のトラバース道にはハシゴがたくさんかかってますので、慎重に通過してください。 |
その他周辺情報 | 下山後の日帰り温泉はヘルシーハウス山溪園(南アルプス市芦安芦倉 入浴料400円) 食事は 甲州ほうとう 小作(国道20号線沿い 双葉バイパス店) |
写真
感想
7月の槍ヶ岳でデビューした白、緑、オレンジのヘルメットの3レンジャー、今回はヘルメットなしで「家族に見せられない写真」もない代わりに(何の代わり?)、学生時代に友達に誘われてエベレストのベースキャンプまでトレッキングしたという今年のフレッシュマン、「エベレストくん」が加わり、4人で本邦第2位、第3位の高峰、北岳・間ノ岳を目指します。
聞くところによると(聞くまでもないけど)、このエベレストくん、ウチの娘と同い年。これはもう完全にオヤヂと息子の「親子登山」です。標高5000mの高地も平気だった彼は、きっと3000mなんてケンケンで登ってしまうに違いありません。一方でオヤヂはオヤヂの意地を見せて、まだ息子には負けたくない。ってことで、今回のテーマは「3000mのケンケン」。
9月19日午後、いつものように町田駅に集合、圏央道から中央道へ。市内を抜けるのにちょっと手間取りましたが、中央道は快適、思いのほか流れている上り線を見ながら、「帰りもこういうの希望」・・・はアマかったですね。
今回は芦安の「南アルプス温泉ロッジ」に前泊(素泊り4000円でした)。翌朝、バスで広河原に向かいますが、宿からは「21時までに入ってください」と言われていて、出発の時間に迷いましたが、途中、高速道路に渋滞もなく20時には到着。10畳の部屋に4人、浴衣に歯ブラシ・タオルの温泉セット付き。もちろん温泉大浴場ですよ。・・・・まあ覚悟はしてましたけど、翌日の環境に比べると、コレはまさに「天国」だあ。
宿の人から「さっきのお客さん、2時半に起きて始発バスに並ぶって言ってましたよ」と恐ろしいことを聞きましたが、まあ、そこはちょっとハラをくくって3時半起きで4時に並ぶってことで、風呂上がりにビールをいただいてオヤスミ。
若者にはマネできないオヤヂの得意技「何時に寝ても、何時でも起きられる」(それはオヤヂというよりジジイだ)炸裂で、アラームが鳴る2分前、3時28分にアラームOFFで行動開始。予定通り4時にバス停に行くと、すでに15人くらい並んでましたが、5時15分の始発バス1号車(ぜんぶで6台くらい出ました)に席をゲットして広河原へ。
1時間ほどで広河原インフォメーションに到着、支度を整えて、さあ、出発。
前回、槍ヶ岳で使い果たしてしまったと思われた今年のお天気運、まだ少し残っていたようです。歩きはじめていきなり「おはよー北岳」とご対面。
みなさんの撮影スポット、吊り橋をわたり、広河原山荘よこを通って登山道へ。少し行ったところで白根尾池小屋と大樺沢の分岐。行きは大樺沢を進みます。出発前、ここの山行記録で「クマをみた」というのがあったので、「クマ鈴」つけましたが、高尾山なみの人の列がずーっとつながってて、結局、必要なし。わりと最初から登山道っぽい道になり、このところ雨が多かったせいか、水量は多くないですが道に水が流れている箇所もありました。
豊富な水が流れる沢の音を聞いて「南アルプスの天然水ってボロもうけやな」などと言いながら歩を進めます。
水の流れは少しずつ細くなりますが大樺沢をどんどん登って行きます。2時間半ほどでトイレのある二俣に到着。
たくさんの人が休憩しています。途中、非常にゆったりしたペースでひとりで登っている女性がいて、追い越す時にチラッと見ると、身なりは若いのですが相当な「大お姐さん」でした。無事に小屋までたどり着かれたでしょうか。
二俣を過ぎるとだんだん斜度も急になってきます。右には圧倒的な北岳バットレス。ときどき薄いガスもかかりますが青空、雲、紅葉、風、みんな気持ちいい。そのうちハシゴも出てきて、ようやく八本歯のコル。と、まあ、このあたりまでは休み休みではあったもののまだ元気は残ってたんですけどね・・・・ここからトラバース道の分岐あたりまでがいちばんしんどかった〜。いつものことながら・・・いらん(かもしれない)モノを詰め込んでいる荷物がオモイ。標高の高さもあるんでしょうが、とにかく少し登ると息が上がって「ハアハア、ゼイゼイ」。いやいや、もう自分の息づかいが笑えるくらいですよ。
そんなオヤヂを横目に、エベレストくん、「ああ、まだ余裕アリですよ、あははは」てなもんです。やっぱり下からケンケンで登ってもらえばよかったなあ。それくらいでちょうどいい具合のハンデだわ。ただ、次々に現れるハシゴにはちょっと慎重になってましたね。まあ、それもこれも若いってことです。
トラバース道から北岳山荘へはどちらかといえば下り。ただ、谷を左にしてハシゴや足場が続くので、やっぱり気はぬけません。まあ、それでも登りではないので息は整ってきました・・・・と思ったら、下りになると使う筋肉が違うんですかね、今まで登りに使ってた筋肉がお休みしたとたんに、あら、あららら、内またが・・・つって・・・きた。うっ、んー、小屋は見えてきたけど、まだ先だし。
やっとの思いで小屋に到着。広河原から6時間40分くらいかかったようです。(コースタイムよりかかってますね)当初の計画では小屋に荷物をデポして間ノ岳の予定でしたが、小屋に着いて座り込んだらもうヘトヘト。昼ごはんもちょっといいや・・・ってくらい。今後の予定どうするか、その場で作戦会議ですが、ワタシはもうダメ。小屋の受付を済ませて「2人にふとん1枚」のスペースを確保して、とりあえず3人は昼食をとりに行きました。
そのままくたばっていたら、師範代から「間ノ岳往復は明日の朝にして、これから北岳にしましょう」ってことで、気力をふりしぼって立ち上がり出発しました。まあ、なんと、空身のアドバンテージ?ですよ。あれだけヘトヘトだったのに、登れるじゃあないですか。さすがのディープインパクトも58キロを背負わされるとキツかった?みたいな競走馬の気持ちがわかったような、まあ、そんなカンジです。小屋から見たらけっこう遠くてツラいんじゃないかと思いましたが、1時間ほどで日本で2番目の北岳頂上に立つことができました。まあ、午後も遅くなってからだったので、やっぱりガスが発生して展望はききませんが、小屋に着いたときのヘロヘロ具合を考えたら、よく登ってくることができました。小屋に帰ってくる少し手前で富士山が一瞬顔を出したのと、西に傾いた太陽を背に向けると「ブロッケン現象」っていうんですか、雲に自分の影が投影されて、珍しいものを見ました。
さて、小屋に入ってみると、さらに人が増えていて、玄関先にも通路にも人がいっぱい。しかもみなさん平等に?ここまで登ってきたワケで、さっきのワタシみたいにぐったりとして、寝っ転がったりひざをかかえて下を向いていたりで、さながら敗残兵のようです。出発前から聞いてはいましたが、本日、定員150人に対して400人受け入れる予定だとか(実際何人いたんでしょう)。
サバの味噌煮がメインでテーブルにひとつ肉じゃがの鉢がついた夕食をいただいたあとは、部屋に戻ってもすごいことになっているので、少々寒かったですが、外で雑談。いらん(かもしれない)モノのひとつをみんなで片づけてもらいました。赤ワインとミックスナッツ。(中身は空いてもビンは軽くなりませんけどね)
2人でお布団1枚は初めてじゃなかったですけどね、大広間に詰め込まれた人の多さに加え、割り当てられた場所は一番奥の端で壁際だったものの、建物の造りの関係で壁がななめになっていて、ちょっと圧迫感と身動きが制限されてかなり苦しかったです。(やっぱり昨日の夜は天国だったんですよ)
8時消灯で、眠ったのか眠らなかったのかわからないうちに起きだす人が出てきた頃には、オヤヂはもう腰が痛くなってしまい、起きるしかありません。外は雲はあるものの天気は悪くなさそうで、明るくなり始めたころ、東には雲海の上に富士山。槍ヶ岳から見るより近い分、ひとまわり大きいです。
日の出を満喫していて朝食時間がズレてしまい、「次の回の用意があるので5分で食べてちょ」ってことになって大急ぎでサケの塩焼きとごはんにとろろをかけていただきました。朝ごはんも急ぎましたが、帰りのバスの時間もあるので、急いで間ノ岳往復に出発。
ここでもやっぱり空身の威力は大きい。小屋から見た間ノ岳はいくつかのピークを越えた先。かなり遠くに見えましたが、まずは中白根山をこえて、さて、これからが3000mの稜線。いよいよ今回のテーマ、「3000mのケンケン」いきまーす。あははは、息苦しくもなんともありませーん。むしろ気圧が低い分、20センチ(おおげさ)は高く飛べます飛べます。
快晴ではないものの、お天気は上々。間ノ岳頂上に立つと、北岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ケ岳、鳳凰三山、南アルプスの奥のほうはもちろん、富士山、八ヶ岳、中央アルプスがくっきりです。そして肉眼でも見えましたよ、槍穂高。いやいや、ホントに絶景絶景。つぎはどこをやっつけに行きますかね。ああ、ワタシ、これで第2位〜5位征服しましたが、1位はまだでしたね。
こうして絶景は堪能しましたが、風が・・・さぶい。エベレストくんもワタシもちょっと耐えられなくなったので急いで下山開始。2人を待たずに先に小屋について、ここでいらん(かもしれない)モノ第2弾登場。お湯をわかしてコーヒーたいむ。雲海に浮かぶ富士山を見ながら陽だまりでコーヒーに「ひとくちようかん」。Goodです。エベレストくんも気にいってくれたようです。
2人の到着を待って、しばらく休憩してからいよいよ下山開始。間ノ岳往復が思いのほか順調だったので、帰りのバスの時間はあまり気にしなくてもよさそうです。下山は昨日来た道を戻ることにします。トラバース道のハシゴを慎重に越えて八本歯のコルのあたりまでは岩稜帯。ときおりどこに手足をかけようかと迷うところもありましたが、ゆっくり一歩ずつ降りて行きます。
登ってくる人とハシゴの主導権の奪い合い(ウソです。ちょっとグイグイ行きましたけど)もありましたが、「まあ、キレイな紅葉」って感動の声をあげながら登ってくる人には「いやー、山小屋、たいへんなことになってますよ。今日は3人にお布団1枚らしいですよ。」っていう親切な(どこが?)情報を提供しながら帰ってきました。
大樺沢に入ると河原のような道が延々と続いて、ナベちゃんもかなりヒザにきたようですが、なんとか3時10分のバスに間に合うように降りてきました。いやいや、おつかれさまでした。
芦安の駐車場まで戻り、途中、南アルプス市営の温泉施設で入浴、おきまりの「ほうとう小作」でおなかを満たして、中央道・・・でやっぱり大渋滞。結局、ワタシとエベレストくんは小遊三師匠の大月から「あずさ」(エベレストくん、「大月」って、ここはいったいどこですか?状態でしたが)。車内販売で調達したビールでカンパーイ。ここでまたまた、いらん(かもしれない)モノ第3弾登場、ピーナツをつまみに新宿まで速くて快適に旅をしめくくることができました。
一方、大月駅で2人をおろしたあと、師範代とナベちゃんはそのまま20号線甲州街道をひた走り、案外早い時刻に町田についたようで、よかったです。
本邦第2位・3位をめぐる「3000mのケンケン」でしたが、北アルプス以上にキツかったです。山が大きいというのは想像してましたが、思った以上に大きくて、北アルプスとはまた違った魅力を感じました。
エベレストくんも日本の山はそんなに登ったことがないってことでしたが、それよりも何よりもオヤヂたちのペースや話題に合わせるのに苦労したことと思いますよ。(だってキャンディーズ知らないんだもん)さて、今回の山行にはどんな感想を持ったでしょうかね。
それでは、また次のために、みなさんそれぞれ「ひみつ練習」を開始してください。
おつかれさまでした。
おしまい。
山行記さっそく読ませてもらいました(^^♪ 記憶が近いだけに余計に楽しく読むことができました。 それにしても 親子+おじさん2人のバテあり、絶景ありの2日間は、確実に記憶に刻まれる時になりましたね。 私たちの「お天気運」もパワーアップしたようだし。。。?
しんどい山行でしたが、空身の北岳、間ノ岳往復はびっくりするくらいラクでした。あたりまえか。念願の3000mのケンケンも素晴らしい天気の下でできたし、絶景も満喫することができました。よかったです。
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